2020/11/16 のログ
照月奏詩 >  
「人それぞれだな。俺が真似したら手がかじかんだうえに寒くて絶対に残しそうだ」

 真似できねぇと身震いの真似。考えただけで寒そうである。
 元々寒がりに近い性格な為猶更そういった寒い行動が苦手なのだ。冬ならば素直に温かい甘酒などを貰いたい所であった。
 心持ちという言葉には少しだけ考えるそぶりを見せて。

「心持ちなぁ。怒ってたら踊りが力強いとか、うれしかったら笑顔が自然とかそういう意味かもしれないが……ちなみに今日はどんな事考えて踊ってたんだ?」

 それがわかればアドバイス出せるかもとつけながら個人的に気になっていた事の探り。あの力は一体なんなのかというのは個人的に興味があった。もしかしたらそのことなのかもしれないと思いながら。
 嬉しがった後に出た言葉には目を細める。
 言葉や所作などからなんとなく思っていたが良いところのお嬢様なのだろう。歩きながら食べたり飲んだりはできないようだ。
 そういう時には悪いことを教えるのも考えたが……困らせるのもかわいそうだ。
 フッと薄く笑って。

「別に用事あったりしないからのんびり飲みな。終わるまで待っててやるから。それで座る場所は……たしか、あっちにあったな。そこまで歩こうぜ。人にぶつかるなよ」

 ここに向かう最中に特設のベンチがあったのを思い出した。そこならば問題ないだろう。空いているかは別問題だが。
 ぶつかるなよなどと言いながらも、人込みでぶつからないように壁になるように歩き始める。

幣美奈穂 >  
視線が、男性の手に向きます。それからお顔を上げまして、

「でも、手が冷たい方は心はあったかだとも聞きますわ」

ふにゃりと柔らかい笑顔で、ころころとそう伝えるのです。
ちなみに、美奈穂はあったかです。
まだ子供っぽさがある体温なのです。

「今日は、何も考えずに舞いました!。
 心を無にしまして・・きちんと舞えてましたでしょうか?」

意識も≪無≫に沈ませてましたので、自身がどう舞ったかもぜんぜん判らなかったのです。
ちょっと心配になって、眉を下げながらおずおずっと尋ねてみます。
一昨日は神域が開きかけて、昨日は春になり桜が咲いた、のですけど。
そんな噂は美奈穂はまるで聞いていないのです。

待ってくださる、というお言葉に。
ぱぁ~っと表情が明るくなります。

「ありがとうございます・・大丈夫です!」

もう自身がオトナだと思っている美奈穂は、ぶつからずに歩けますと自信満々です。
でも、両手でカップを持って、ちょこちょこっと男性の後ろをついていくのです。

「お祭り、賑やかですわね・・!」

そう、付いていきながらきょろきょろと余所見をします。
人にぶつかったり転んだりするか、はたから見ると不安な歩き具合です。

照月奏詩 >  
「フハッ。そういえばそんなこと言うな。じゃああれだな。スムージー飲んで心があったかくなる代わりに手が冷たくなるって考えておくか」

 相手の言葉にのっかるようにそんな冗談を返す。
 実際の自分の心はどちらなのだろうか。弱者を守る為に殺しすら容認し場合によっては悪を見逃すわけで。それは果たして温かい心と呼べるのか。
 と少し考えてしまっていた。彼女からの問いかけには笑顔で。

「ああ、しっかり踊れてたぞ。でも……何も考えてないならそりゃ心持ちを変えろって言われるわけだな」

 言われててもしょうがねぇなと笑いながら答えた。
 やはりというべきか無自覚だったようだ。ならば無理にほじくり返すのは危険な可能性がある為あの時起きた現象に関しては口に出さないでおいた。
 そうして歩き始めたのだが。ものすごく不安である、キョロキョロとよそ見をしているし。
 手や目線で道をサポートし人込みの中にある程度の道を作るように歩いている。

「ああ、ホントに賑やかだよな。実は祭りってあんまり来た事ないんだが……巫女さんはよく来てるってのも変だが来てるんだよな。やっぱりいつもこんな様子なのか?」

 祭り初心者としてはあまり慣れない状況なのである。人込みで壁になるスキルは手慣れたように見えるかもしれないが、実際は格闘術の応用。つまりこうされると無意識でこうしてしまうというのを使った技であった。完全に宝の無駄使いである。

幣美奈穂 >  
吹き出した様子に、ちょっとお目めを丸くしましてから。
くすっと小さくつられて笑いをこぼします。

「はい、心があったかになりますのよ」

そう思うと、もっとスムージーが美味しくなる気がしたのです。
心持を変えろ、と言われますと。ちょこり、しゅんっと眉が下がるのです。

「あうぅ・・やっぱり少し変だったのかしら・・?」

いつもと同じとはいかなかったようだと思った美奈穂、少し恥ずかしい気持ちなのです。
明日は、どんな舞をすればいいのでしょうか。
また神主さんが教えてくださる気がするのです。

歩くのを助けられている、と認識しないまま。
いつもより歩きやすい感じはしているのです。
・・美奈穂、オトナだからでしょうか?
歩みは、人混みでゆっくりになっているのが逆に美奈穂にはぴったりなのです。

「そうなのですの?
 わたくしも地元のお祭りはぜんぜん行きませんでしたけれど・・。
 この島に来てから、何回もお祭りに行っております!。
 はいっ、学園だと例祭と学園祭が一緒なので、余計に賑やかになっているのかもしれませんけど」

こくりっ。
頷いて元気なお声でお返事です。
声を返す時は、男性の方を見ますので。
きょろきょろ余所見する歩みよりは安心できます。
あと、近いですので美奈穂の力がふわふわと広がっていて、
自然と周囲の人を回復させたり、穢れを軽く払ったりしてますので。
奏詩様もちょっと身体が温かく感じるかもしれません。

照月奏詩 >  
 後ろから聞こえたしゅんとした声音に少しだけ目線を後ろにやって。
 少し目線が泳ぐ。

「あぁ、いや変じゃなかったぞ。でもたぶん先生とかその辺にはその心を無にしてたのがバレてたとか。こう……あれだ。ほら」

 色々と考えた後に。ガクッと肩を落とす。

「今ふつうに話せてはいたけど。変な事言っちまったことをどうやって取り繕うかすげぇ迷ってたのバレてるだろ。そういう感覚だよ。うん」

 選んだのは自爆、自分から変な事いってしまったなぁと思ったが故になってしまった現象であった。
 子供相手に何やってんだという気分になってしまう。

「なんかあったかいな……ん、ああ。ずっと道場だったからな、祭りとか今回はぶっちゃけ初めて……って学園祭。なるほどな、それで学生がっと……あちゃぁ」

 そうこう話しているとベンチに到着。だが、予想通りというべきかベンチは満員であった。
 んー、と悩んでいて彼女に目線をチラと向ける。

「空くの待つのと少し悪い子になるの、どっちがいい?」

 つまり立って、もしくはどこかにもたれて飲むか空くまで待つかという質問であった。

幣美奈穂 >  
「ほ、ほんとう・・?
 やっぱり、普通に舞った方がいいかしら?
 明日は、普通にしたいって言った方がいいかしら・・」

ちょっと不安になっちゃう心なのです・
変なこと言って取り繕う・・少し考えましてから、首をへにょっと傾げさせます。
あまりそういうことがないので、思いつかなかったのです。

「今日はいいお天気ですものね。
 あっ、わたくしも実家だと、お屋敷ばかりでした!。
 それでしたら、お祭りでしたらわたくしが先輩ですのね!」

お外が暖かいと思い、お応えします。
まあ、よっぽど寒くないと美奈穂は平気なのですけど。
そして、ぱぁ~と花が咲くような笑顔。
ここでも美奈穂は先輩さんになれそうなのです。
けど、あちゃぁ、というお言葉。
男性の横からお顔を出して覗きますと、人が一杯なのです。

「悪い事とか、したらいけませんわっ。
 めっ、です」

悪い子、という言葉を額面通りに受け取る美奈穂です。
風紀委員として、悪い事はいけないことなのです。
と、眉をきりりっと本人はしているつもり。
見た目には、全然きりりっとしていない子犬な雰囲気なままです。

照月奏詩 >  
「普通にっていうか、やりたいようにやるのが1番じゃないのか。あれだ、それこそこれが私だ! みたいにやっちゃえばいい。踊り自体はホント上手だったしさ」

 そこだけは自信を持てと応援する。
 実際心持ちというのは間違いなくあの現象に関連すること。だとすれば後は彼女にそういった人となんとかすり合わせるのが1番だろう。自分では知識不足も良いところである。

「そうなるな、色々と教えてくださいね先輩?」

 なんて冗談を言う。
 彼女がめっとやっているのにはどうしても少しだけ笑顔を見せてしまうが。彼女の言葉にこたえるように指をさす。

「悪いことっていうのはああいうこと。今のお屋敷とか雰囲気から考えて……たぶん立ち食いとか立ち飲みとかやったことないだろ巫女さん」

 とその先には同じような学生組。だがベンチではなく木を背にして立ったまま飲んでいる。
 彼女の目にはどう見えるかわからないが少なくとも周囲の人間は気にしていないだろう。

「で、どうする?」

 と改めて問う。ベンチもそんなに長い間埋まる事はないだろうしもうすぐ席くらいは空く事だろう。
 だがあえて押したのは理由がある。彼女のお屋敷ばかりという言葉。なんとなく色々な事を教えたくなったのだ。
 

幣美奈穂 >  
「!。やっぱりそうですわよね?。
 わたくしも、やっぱり神様にありがとうございますって舞った方が自然だと思いますもの。
 わかりました、明日は神主さんにそうお願いしてみます!」

上手に舞えていましたといのに、こくりと頷きます。
カップを持っておりませんでしたら、握った両手を胸の前に置く床だったのです。

「――!。はいっ、先輩さんだから色々と教えて差し上げますわ。
 あっ、今の時期ですと、農園地区で山林整備のボランティアがありますの。
 それをしましたら、栗とか茸とか採ったのを持って帰っていいのですよ?」

とびきり情報をお教えいたします。
この前、採ってきたので炊いた栗おこわはとても美味しかったのです。

「ああいうこと・・?
 はい、お行儀が悪いですから・・あっ、悪い子ってそういうことですの?」

示された方向を見ましてから、納得してお顔をまた男性に。
こくこくっと頷いて見せるのです。
ああいうのは、したことがありません。
お行儀が悪い・・試そうとしますと、男性や周囲の目が気になり。
ストローに口を付けられないまま、目元を少し桜色にします。
お口を近づけては、ちろっと上目遣いに男性を見まして。
あうぅ~、と目を回しそうになってしまいます。
そうした、立ったまま一口ストローに口を付けるというのが出来ずに少し時間が経てば、席が空くのでしょうか。

照月奏詩 > 「ん、そうだな。それが良いと思うならそれが1番だ。やっぱり本人が楽しければやっぱり見る側も楽しいもんだしな」

 などともっともらしいことをいう。
 まぁそういうプラスな考えならばすさまじい自体にはならないだろう。
 その後の情報にはへぇと声を出す。

「そいつは耳よりだ……でも料理なんて全然できないんだよなぁ。バイトもあるし。時間が空いたら顔覗かせて……取れたらそれこそ神様に奉納でもさせてもらうさ」

 巫女さんからの情報だしななんて少し笑って冗談っぽく。
 自身は気にせずリンゴ飴をなめていたが。やはり彼女はどうにも気になるらしい。
 飲もうとして飲めずで困惑している様子を見て。もう少しからかいたくなったがそろそろやめてあげようか。
 ベンチもそろそろ立ちそうな場所もある。

「ま、今度だなそれは。ほらあそこのベンチ空きそうだぞ。座ろうぜ」

 と言うと次の人が来る前にベンチを確保、手招きして彼女を呼んだ。

幣美奈穂 >  
「そうなのです!
 こう、ぴーんって。神様と一緒に舞っている感じになれますの・・!」

ふんふんっ、こくこくっ。
共感しますように、澄んだ眼差しをキラキラとさせまして。
頭を小さく上下させるのです。

「そうなのですか?
 じゃあ、採って来ましたら。わたくしが何かお料理しましょうか?」

でも、神様に奉納するというのもいいことだと思います。
美奈穂は奉納した後できちんとお料理に使いますけど。

おずおずと口を近づけては恥ずかしくて口が離れてしまう。
そんなことを繰り返しましておりますと、ベンチが開いたというお声。
はっ、としてベンチを見ますと。確かに開いております。
急いで・・美奈穂、急いだ早歩きでも普通に歩いている速度ぐらいですけど。
ぱたぱたっと男性の後ろを追いかけまして。
ほっとしまして――男性の足の間に腰を降ろそうとします。
そして、緩やかな雰囲気で、やっとストローに口を付けるのです。

「――!。やっぱり冷たくて美味しいです!」

ぱぁ~っと、晴れやかな笑顔を見せるのです。

照月奏詩 >  
「神様と? へぇ、それはまたすごいな……さっきの踊りもかなり神聖な感じに見えたけど。それが更にすごくなるわけか」

 そりゃ楽しみだななんて答える。
 時間が取れればぜひ見に行きたい物だが、確実に身に行けるとは約束をできないのである。
 料理してくれるというのには少し笑いながら首を横にふるう。

「いや、それはいい。そこまでしてもらうのは悪いしな。気持ちだけもらっておくよ。てかいきなり巫女さんの家に男が来たら驚くだろ周りが」

 さっきまでの様子良いところのお嬢様のはず。そこに自分みたいなのがいきなりきたらかなり慌てることは容易に想像がつく。ましてやこっちの家に呼ぶなど論外である。
 としていると相当焦っていたのだろう。退くのも間に合わずそのまま座られてしまう。
 こっちは恥ずかしくないのかなどと少し思ってしまうが。気にしない様子で笑ってしまう。

「そりゃよかった。せっかく買ったものだしな」

 彼女の笑顔に合わせるようにこちらも少しだけ笑う。そうしてリンゴ飴を食べようとするが。前に彼女がいる状態中々に食べにくい。
 そうしてふと思い出したように。

「そういえば巫女さん。俺まだ名前すら話してなかったな。俺は照月奏詩、一応常世の高等部1年だ。巫女さんは」

幣美奈穂 >  
「神聖な・・感じですか?」

そんな感覚は持ってなかったので、ちょっときょとんとしてお目めをぱちぱちとします。
常世島では門が近いために、余計に何かが起こってしまうのかもしれません・・。
自然と周りを地鎮している美奈穂はそういう歪みなどにはうといのです。

「えぇ~?。
 だって、そうしたら三人分のお料理が作れますのに・・。
 ううん。わたくし、こっちのお屋敷でにゃんこさんと二人っきりですもの」

ちょっと残念そうに唇を少し尖らせます。
他の方とお食事するのは楽しいですし、お料理もいろいろと作れます。
・・一人だった時は、小食な美奈穂一人分だと材料も消費が大変で。
お料理も品数が少なめにしかできなかったのです。

まったく気にした様子もなく、自然な姿です。
傍目だと、年の離れた兄妹・・ぐらいには見えるかもしれません。
ただ、上から見ると。
着痩しやすい美奈穂、実はちょっとお胸がわがままさんなのが判り易いかもしれませんけど。
少し子供っぽい、ぬくぬくした体温を背中越しでお伝えします。

にこにこ笑顔で、ちゅぅ~っとストローです。
手のぬくもりで解けた分もあって、飲みやすくなってます。
口を離して振り返ります。
そして、飲みますか?、と。
カップを少し持ち上げて見せるのです。

「わたくしですか?
 わたくし、幣美奈穂と申します!
 あっ、もう中等部生相当になりましたけど。
 もう4年です!」

この島に来て、最低でも4年目ということなのですけど。
朗らかに警戒心なんてまるでなく、無邪気にお応えするのです。
中等部生だからもうオトナなのです、というオトナぶりたい雰囲気を子供っぽく伝えているのです。

照月奏詩 >  
「そうそう、神聖な感じ。具体的にはなんとなく言いにくいんだけどさ」
 
 何とも言いにくいが神聖な感じはたしかに感じていた。
 もっともそれがわかったのは序盤だけで中盤以降それどころではなかったわけだが。
 その後の話を聞けばパチパチと目を瞬かせる。

「あぁ、なるほどな。そういうことか……んー、ならそうだな。もし手に入ったらせっかくだしお願いしに行こうか。周りの人がいないなら俺からしても断る理由なんてないからな」

 寂しそうな表情に少しだけ釣られてしまったというのもあるかもしれないが。そんな約束をしてしまう。
 そもそもそのボランティアに参加できるかどうかすらわからないが。もしできたなら声をかけよう。
 さて、こちらも気にしていない。身長の関係で年齢は自身より下の方だと思っていたのもあるが。能力と体温のおかげで温かいなくらいの感覚であった
 ストローを差し出されれば流石に首を横にふるう。

「さっきも言ったろ。俺は寒いからパス。後単純にそれはやめとけ」

 流石にそれはまずいだろうと判断しそういってそれは断った。別に自身は気にしないが。ここは休憩地点。流石に周囲の目線が痛いわけで。

「美奈穂か、って中学……4年? ってことは……あれか、一応タメみたいなものなのか?」

 中学は3年まで。それで4年ということは高等部1年と同じくらいの扱いのはず。つまりそういうことか? と首を傾げるが。少しズボンの一部が振動。ポケットから携帯電話を取り出す。

「ん、悪い……ああ……ああ……了解。すぐ向かう」

 2,3会話を交わすと携帯をベンチのスペースに置く。
 そして美奈穂に目線を向けた。

「悪い、バイト先から呼び出し来ちまった。一旦降りてもらってもいいか? リンゴ飴の店の場所教えるから。着いてくっていったのにごめんな」

幣美奈穂 >  
首をさらにかく~りとさせます。

「ほわほわ~というのですか?
 それともしゅわぁ~という感じでしょうか?」

手にはカップがありますので、擬音だけで神聖な感じはどういうものなのかを尋ねてみるのです。
美奈穂時には、しゅわぽわ~という感じだと思うのですけど。

「――!
 ええ、是非持ってきてくださいませ!。
 茸とか天ぷらにするのも美味しいです」

少し尖っていた唇が引っ込み、無邪気な笑顔になるのです。
こくこくっと頷きまして、心から嬉しそうにするのです。
人のぬくもりが背中に感じられますと、ちょっと安心できます。
9歳から一人住まいで島にいる美奈穂は、両親や姉達とまだまだ甘えたい性根なのです。

「美味しいのに。
 ・・?。はい」

飲んで共感頂けないのに、ちょっとしょんもりですけど。
やめとけ、というお言葉に。判らないまでも頷くのです。

「えと、9歳からおりまして今はもう13歳なのです。
 本土の中学生だと・・1年生です!」

ほら、もうオトナでしょう?
と無駄に自信満々。
携帯電話の振動が伝わってきてびっくりしまして、何が起こりましたの?、と。
慌てて左右を見回しますけど。
携帯電話が取り出されるのを眼で追いかけます。

「・・・・」

携帯電話、何を電話の向こうで言っているのか聞こえませんけど。
なんか、奏詩お兄様の「ああ」というお言葉に合わせて小さくこくこくっと頷いた仕草。
携帯電話を追いかけて、ベンチに目が向きます。
自身で携帯電話を持たないので、ちょっと電話している姿が新鮮です。

「えっ、あ、はい!
 あ、そうなのですか・・頑張ってくださいませ」

お声を掛けられて、はっ、とお顔を上げてまっすぐに見る目。
呼び出しが来た、というのに残念そうなお顔になってしまいます。
けど、素直に降りてベンチから立ち上がるのです。

「ううん・・お忙しいですのね・・」

くぅん、と耳を下げて尻尾を下げてしまう柴犬の子供が幻視できるような雰囲気になっちゃってます。

照月奏詩 > 「んー、フワァーンって感じか?」

 すごくあいまい。でもなんとなく周囲を包み込むという意味では間違ってはいない……はずである。
 彼女の嬉しそうな笑顔には少しだけ笑顔でうなずくだろう。
 やめとけというのにも素直に引いてくれた辺り本当に素直な子なんだろうなという印象であった。

「ああ、なるほどな。そういうことか」

 自身満々な様子には逆に子供っぽい印象を受けたりするかもしれないが、わざわざそれを言うのはやめておいた。彼女はさっきのめっと言っていた時もだが少し大人ぶりたいのだろう。
 そうして立ってくれれば自分も立ち上がり。指をさす。

「あの道を進めば左側に見えてくる。そんなに遠くないから左を意識してればリンゴ飴屋は見えてくるはずだ」

 と説明だけして振り返ってから彼女の雰囲気に苦笑い。
 サイフを取り出すとそこに入れてあるレシートの裏に何かをサラサラと書き込んでいく。

「女の子一人じゃ色々と大変だろうし。何かあったら電話してきな。空いてたら遊びに行くから」

 とそのレシートを手渡す。書いてあるのは電話番号であった。
 それを渡すともし拒否されないなら軽く頭をポンポンと撫でてから人込みに消えていく事だろう。それは手慣れた物。すぐに人込みにまぎれ人の中へと消えていった。

幣美奈穂 >  
「フワァーン!。そんな感じだったのですね」

目を丸くしてから、嬉しそうにこくこくっと頷きます。
とても表情が豊かな美奈穂なのです。
半分ぐらい飲みましたけど、中身が解けるのはゆっくり。
お外は少し涼しいですから。

指さす先を、ふんふんと真剣に聞いてみてます。
少し背伸びをしたりもするのです。

「あの道の左側・・あっちですね!」

はいっ、判りました!。
奏詩お兄様の目をまっすぐに見て、きぱりっ、頷きます。
・・なんか不安にさせる、自信満々な様子を見せるのです。

「あっ、ありがとうございます・・!。
 えと、わたくしのお家は・・」

と、カップを空いているベンチの上に一度置きまして。
受け取りましたレシートを、首から下げたがま口財布の中に。
大事そうに入れておくのです。
そして、ころころと朗らかに。無警戒に自分のお家の住所をお伝えします。
頭を撫でられて、へにょりと嬉しそうな笑顔になります。
去っていく後ろ姿に、胸の前で小さくお手てを振りながら見送りまして。
それから、カップをまた手に取り。
濡れた部分をハンカチで拭いてから、座るのです。
そうしますと、ちょっと背中が涼しく感じられて、つい、振り返ってしまうのでした。

ご案内:「常世神社境内」から照月奏詩さんが去りました。
幣美奈穂 >  
スムージーを飲み終わりますと。
お昼ご飯の時間になるまで、輪投げと光る腕輪を金券で交換です。

そして、お昼ご飯は神社の建物に戻り。
おにぎり二つとお味噌汁にお漬物。
お迎えの時間までのんびりするのです。

そしてお迎えが来ますと、その前にとお願いしてりんご飴屋さんに行く時間!。
言われた通りの場所にと少し急いで行き・・行き・・美奈穂、見つけられません。
さっきのベンチも判らないのです。
困っていたら、送り迎えしてくれている運転手さんが連れて行ってくれて。
無事に変えたアンズ飴。
それを宝物のようにして、輪投げの参加賞と光る腕輪という獲物もあって。
ほくほくとお家まで送られるのでした・・。

ご案内:「常世神社境内」から幣美奈穂さんが去りました。