2021/12/03 のログ
ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』」に『調香師』さんが現れました。
『調香師』 > 作業台の上で湯を沸かす少女が居た

(今日の作業は抽出。このお花をお湯に浸す
 そしてお薬と混ぜると原型を無くすって聞いたけど...)

花そのものを液体にするとは。プリセットされた思考では思いつかなかった物
分厚い本と目線を巡らせながら、花をビーカーに落とす
その上からお湯を注ぎ、錠剤を加える。ガラスの棒で混ぜる

あとは、それを見つめる時間...

ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』」にフィールさんが現れました。
フィール > 「えぇと、確か薫が言ってたのはこの辺りで…あ、ありましたありました」
携帯機器を手に持ちながら、店を探し歩く一人の少女の姿をしたもの。
目的の店を見つけて、扉の吊るされたOPENという文字を見て。

「…そういえばこういう店行ったこと無いからなんて言って入ればいいかわかりませんね…」

少々まごつきながら、意を決して戸を開ける。

「こんにちはー…」

『調香師』 > 鈴の音、それは来店の音
最近は木枯らしも通り過ぎ、寒さが扉の中から入れ替わりで沁み込んできそうな物
店内と言うだけあって、ほんのりとしたぬくもりがそこにはある

彼女はビーカーから顔を上げる。ワンテンポ置いて、目線を貴女に合わせる

「いらっしゃいませ!」

人形の笑みで、彼女はそう告げた

フィール > 「えぇと、『Wings Tickle』ってここであってますよね?」
一応看板があった気はするが、雑居ビルの中なので、上かもしれないし下かもしれない。

念の為、聞いておく。

(なんというか、すごい硬い笑顔ですね…営業スマイル、というやつでしょうか?)

と、少々失礼な事を考えながら。

『調香師』 > 「うん、あってるよ。誰かから紹介されたのかな?」

ビーカーを横にずらす。丁度正面に貴女が座っていいように
顔を合わせた貴女の見覚えはない。つまりは、初めまして!

「それならここのお店の事は知ってるかな?
 でも、それにしては慣れてないみたいな?」

鼻を鳴らす。この距離だと、読み取れることもそう多くない
首を傾けて、彼女は言葉を使い続ける

フィール > 「えぇ、薫から聞きまして。よくお世話になってるとか」
きょろきょろと見渡しながら、声に応える。

カウンターのメニュー表を見つけて、興味深そうに見る。

「香料売ってる店っていうぐらいで。それ以上は聞いてないかな。楽しみでもありましたし」
外見は耳が長く、子供としか思えない程小柄で、白髪だというぐらいしか違和感は無いだろう。

怪異を見抜く性質でもなければ、スライムと気付くのは難しい。

『調香師』 > 「薫さま?なるほど......」

納得するように頷いた後、言葉の理解が追い付く
反対の方向に首が傾いた

「意外だね?」

けれど、身を乗り出して貴女の香を味わえば、
確かに私が作った香りが漂うような

薫さま、このお店を紹介するようなお友達が居たんだなと
その内心は、そこに居ない人に失礼な物だったのだろう

白髪と言えば、彼女の方もそうなので。違和感を持つ理由も一切ない

「とするときっとここからだね
 あなたはどんな香りが好き?お悩みとかある?」

フィール > 「どんな香りが好きか、か…。香りに対する嗜好がなかったので、なんとも。」
強いて言うなら薫の香りが好きだが…まぁ、そんな事も言えないので。

「悩みと言えば…落第街での生活が長かったので、社会勉強で行き詰まってるってことですかね…」

正確には学生証が無い為色々不便しているというのが正直なところだ。
薫から指摘される所も多く、事実勉強が足りない所も多い。

『調香師』 > 「社会勉強」

どうしよう。彼女、その笑みをどうしたものかと彷徨わせます
自分もお上手とは言えない分類のお悩みが出てきました

「お勉強の香りって何?」

尋ね返してはいけない所の職業であるが、
厳しいものは厳しそうだ。そのお悩みにどう付き合えばよいのだろう
まさかそのお悩み、ここで解決してはいけない物なのでは?

フィール > 「勉強の香り………」
うーん、と思い悩む。

勉強するシチュエーションを思い返してみる。
本を読み、書き込むイメージが出来上がる。


「紙と、乾いていくインクの匂い…?」

『調香師』 > 「でも、そういう香りが欲しい訳じゃないんでしょ?」

貴女の言葉を聞いている、彼女はその意図を読み取ろうとしている

「あなたのお勉強は、本に向かって行う物じゃないから
 うん、だから本当に難しい
 欲しい気持ちは、香りに気を取られないように周りをぐるりと見渡すような物なんだから」

フィール > 「そうなんですよね…まぁ、魔術の勉強で本に向かい合うものではあるんですけど。

周りを見て、学んで。人間社会に溶け込めるような香り…ってどんな香りだろう?」
自分で言っていてなんだが、珍妙なオーダーな気がする。

そんな香りってどんな香りなんだろうか。

『調香師』 > 「というか。あなたの言葉は不思議だね
 そんなことを聞くなんてあなたは何も知らないみたいで

 まるで、人間じゃないみたいで」

変わらない笑みではあるものの、その正体を探る様に怪訝な声を装う
別に、貴女が人間ではなかろうともこのお店のお客様である事は覆らないが
『それっぽいこと』は突いてしまいたくなるのが好奇心という物じゃないか

次にどんな言葉が返ってくるのか。くひ、笑う声が漏れた

フィール > 「そうですか?まぁ、人間じゃない…んですけど」
警戒を解く香りに絆されてか、誤って人ではないと零してしまう。

「…エルフって、ここでは人間に当たるんですかね?こっちに渡ってきてからあまり経ってないんでよくわからないんですけど」

落ち着いて、補正する。ついでに、何も知らないことの理由もつけながら。

『調香師』 > 「エルフはね、多分人間じゃないかな?よく分からないけどね
 うん、よく分からないの。だって、私もどう分類してるのか知らないから」

それは私の知る事ではないから
彼女は身を乗り出して、貴女の香りを求める

じゃあ、貴女はどんな『ヒト』なのだろう
すん、と。ほどほどに警戒していないと、その髪の香りを嗅いでしまうのだろう

フィール > 「本人がわからないんじゃわからないですよね…一応、人間扱いはしてもらってますが」

助かった―――――と思った所で、近づかれて、匂いを嗅がれる。
これも仕事の内だろう…と思い、緊張した面持ちでじっとする。

髪の香りは、まず薫と同居しているが故に薫と同じシャンプーの香りが先ずして…次に僅かながらの錆びた鉄の匂い。

そして、ドブのような、ヘドロのような。形容し難い悪臭が、ほんの。ほんの僅かに、混じっている。

『調香師』 > 「ふぅん...?」

彼女は嗅ぎ逃さない。それは表面にあるものかと思ったが
彼女が首を傾けたのは、その臭いがどうにも『奥』から感じた様な気がしたから

「ん。んぃ、それで満足していないんだね
 人間扱いしてもらうより、勉強して人間になりたい的な」

それでも、彼女に追及することは控えた
彼女はお客様で。お客様の都合は一番大事な事で

元の椅子に座った彼女は、相変わらず光を返す瞳を向けていたものだ

「普段だと、どんな社会勉強をしているのかな?」

フィール > 「実際、至らない点は多いですし。薫と一緒にいる時も色々やらかしたりしてますから…。

最近だと映画とか見てますね。後は、商売の準備だとか…。あぁ、でも直接学ぶのは薫からが多いかな?」

自分の学びを伝えつつ、薫の話もする。
その時の表情は、とてもうれしそうで。

まるで、恋する乙女のような。