2021/12/28 のログ
ご案内:「ラ・ソレイユ店頭販売場」に雪城 涼子さんが現れました。
雪城 涼子 >  
洋菓子店ラ・ソレイユの店頭。
普段は設置されていない机やショーケースが置いてある。
そこでは、主に大きなケーキが扱われている。

ご案内:「ラ・ソレイユ店頭販売場」にダリウスさんが現れました。
雪城 涼子 >  
当然店内での販売も行われているが、クリスマスの時期は訪れる客も多い。
そのため、販売箇所を二つにわけての対応中である。

涼子は、といえば……本来は裏の厨房でケーキ作りをしているのだが、
流石にそろそろ一休みとあいなった。
なにより、流石にこれ以上作っても廃棄に回る可能性もある。

そんなわけで、ちょっとだけ照れながらも着たサンタの衣装を着込み
店頭販売のお手伝いに回ったのであった。

「はい、こちらのブッシュドノエルはシンプルにショートケーキっぽく
 作ったものになります。大きさも小ぶりですので、少人数でも美味しくいただけるかと」

もちろん、作っているのは自分。
なので、説明もお手の物である。

ダリウス >  
さて、時は遡ること数日
最近は研究室に籠もる時間も減ってきた…ということで
クリスマスの日くらいはケーキと、彼女の好きなお酒を片手に伴侶の元を訪れてみよう、と

娘から教えてもらった、最近出来たらしい評判の洋菓子店にやってきた中年研究員であった…が

「…おや」

互いに視認可能な位置で思わず止まる足
彼女の顔を見間違えるはずもないし、声を聞き違えるはずもない

視界に映るのは可愛らしいサンタさん衣装に身を包み、スイーツの店頭販売をする嫁の姿

「うーん、これは氷架にしてやられたかな」

頬を掻き、苦笑を浮かべる
教えてくれても良かったのに、と思いつつ…歩み寄って

「そのブッシュ・ド・ノエル。3人分包んでくれないかな。可愛いサンタさん」

眼鏡の奥の目を薄く笑みに細め、そう声をかけるのだった

雪城 涼子 >  
さてさて、客足はだいぶ落ち着いてきたけれど、まだポツポツとはやってくる。
まずは目の前のお客様のケーキを箱詰めして、お会計はお手伝いの子に任せて。

「どうぞ、気をつけてお持ち帰りください!
 メリークリスマス!よい聖夜を!」

そうして、送り出して……さて、お次は……


「はい、いらっしゃ……っっ!?!?!!!!!????」

ぴしり、と固まる。
予想だにしなかったお客がやってきた。

「あ、だ、ダァ……っ」

思わずいつもの調子で声をかけそうになって、慌てて口をつむぐ。
曲がりなりにもお仕事中なわけで、大人としてこう、しっかりした姿で対応したい。

でも

――可愛いサンタさん

「あ、ぁ、あ、あ……あ、あの、え、あ……
 え、え、ええと、あの、ぶ、ブッシュドノエルはね、こう、この、
 ロールケーキみたいな感じで作ってるから、えっと、これ一本で三人分くらいででで」

落ち着け、私

「……こほん。
 あ、えっと……うん。あの、家の分なら一応、とっておいてあるよ。
 あ、でも、ダァくんが買ってくれるなら、それはそれで嬉しいけど。」

落ち着いた、うん

「あ、やだ。研究所用かな?
 うん、大人向けなら、こっちのバタークリーム使った甘さ控えめなのもあるよ?」

その可能性を忘れていた自分。
まったく、浮かれすぎよね

ダリウス >  
固まって、見るからに慌てて
しばらく会えていなかったけど変わらないなと笑みが溢れる

「ああ、そうなんだ。
 そうだね、家の分があるのなら…そうか、研究所の皆にも買っておかないとか…うっかりしてたな、ははは」

言われて気づいたように、ああと手を打っていた
穏やかな空気を纏っている割にどこか抜けている中年の研究者は悪びれなく笑う
裏を返せば家の為にケーキを買いに来ていたと言っているのと同じである

「じゃあ、その甘さ控えめの。珈琲にも合いそうだ
 んー…8人分くらい。明日までなら保つよね?」

せっかく来たのだからちゃんと買って帰ろう、と包んでもらえるかなと言葉を投げかけ…

「今年は帰れそうだったからね。ケーキの一つでもと思って。
 氷架にこのお店のことを聞いたんだけど、まさか涼子が此処で働いてるとは」

しかもサンタさんの格好までしているとは
お店をやっているというのは聞いていたけど、お店までは把握していなかった男は梱包作業の間にそんな言葉を続ける
教えてくれればよかったのに、と思いつつ…自分と母親を合わせるための娘からのサプライズだなと暗に理解をするのだった

雪城 涼子 >  
「ひょーかちゃん、たくさん食べるでしょ?
 三人分だと足りないかなって、少し多めに。」

自分とさほど背丈も変わらない娘のことを思い浮かべて微笑む。
よく食べて、元気に過ごしてくれるならそれに越したことはない。

「でも、ダァくんが買ってくれるなら、それはそれで特別だし。
 あの子も、きっと喜んでくれると思うから。んー……」

少し考える。
せっかくだからパパからのお土産があったほうがいいに決まっている。
ダァくんのことだからプレゼントとかも用意してるかもだけど、
それとこれとはまた別のお話だし。

「うん。ダァくんは三人分買ってもらって。
 私はお店の残りをちょっと持って帰った、みたいにしよ?
 さっきも言ったけど、あの子いっぱい食べるし丁度いいんじゃないかな?」

間を取ってそんな提案。
我ながらいい落とし所ではないだろうか?

「うん、生クリームじゃないから一応三日くらいは持たせられるよ。
 八人分なら、二つくらいあればいいかな……適当に切って分けてもらえばいいから。」

そう応えて、今度は包装をお手伝いの子におまかせ。
この接客だけはごめん、譲れないの

「え、か、帰れるんだ!そう、そうよね。
 だって、ケーキ買いに来たんだもんね。それはそうよね!」

思わず手を合わせて喜んでしまう。
嬉しい。これこそ聖夜の奇跡というやつよね。

夢じゃないわよね……思わず、こっそり足をつねる
……うん、痛い

「……もー、ひょーかちゃんったら。
 私が働いてること知ってて、そこは黙って教えてたのね。」

なんていいながら、きっとあの子なりのサプライズ演出、なんだろうね。
言葉とは裏腹に、思わず顔は緩んでしまう。

「……で、あの。
 えっと、ゆっくり、していける……?」

おずおずと、聞いてみた

ダリウス >  
「そうだね、あの子は。その辺りは涼子のほうがよくわかってるかな」

異能の影響か、とにかくカロリーをどんどん消費する体質だ
…それだけでは済まない気もするけど、異能学的な見地からはそうとしか言えない
ともかく、自分よりも娘と距離の近い彼女のほうが塩梅はよくわかっていてくれるはず

「特別、か…。こう…昔からそういうことにはどうにも疎くて」

彼女のように補ってくれる伴侶がいてくれることを幸運に思う
同時に、会える時間をなかなか作れないことに引け目も感じてしまうが…

妻の提案に快い頷きを返し、喜ぶ様子を見れば先の申し訳無さがありつつも頬は綻ぶ

「一応、ケーキとシャンパンを買ってから連絡して会いに行くつもりだったんだけどね」

思わぬ巡り合わせは驚きと共に奇跡を感じさせ、心も弾むもの
プレゼントをあげるつもりが、逆にもらったような感覚である

「…うん。今主軸においてる研究ももう少しで一段落しそうでね。
 少し籠もりきりの時間は減ってきたんだ。今夜はゆっくり過ごせるよ」

控えめな問いかけ、良い答えを期待しつつも不安を拭えない、そんな顔にも見えた
そんな彼女に、にこりと笑みを浮かべてそう答える

「むしろ、今日は涼子のほうが忙しいかな…?」

サンタさんだしね

雪城 涼子 >  
「ふふ、ダァくんってば。あんまり自分を責めないでね?
 お仕事忙しいんだし。でも、それでも……」

私のほうがよくわかってる、とか、疎いとか本当にもう。

「こうしてちゃんと私達のこと、考えてくれてるの、わかってるから……ね?」

くすり、と笑う。
疎いだなんて、とんでもない。
その不器用な優しさに私は夢中なんだもの。

「それはそれで、ドッキリ感はあったかもね。
 うん、どんなシャンパンを用意してくれるか、楽しみにしてるね。」

ひっそりとお酒好きなのは当然にバレているので、もういまさら。
ちょっとだけ照れくさいけれど。

「そうなんだ。そっかぁ……結構悩んでたもんね、ダァくん。
 一段落しそうってことは目処がついたんだね。
 おめでとう……って、ちょっと気が早いかな?」

研究に打ち込むひたむきな姿も素敵でかっこよかったけれど。
思い悩む姿にはハラハラとしたものだ。

それが報われるというのなら、我がことのように嬉しい――
いや、実際我が事、といってもいいだろう。
なにしろ、伴侶の事なのだから。

「あ、えっと……後はもう、売るだけだし。
 お客さんもそろそろ引けてきたから、販売とかも任せても平気そうだし。」

そこまで言ってから、自分の姿を思い出す

――可愛いサンタさん

穏やかな、愛しい声で紡がれたその言葉がまた脳裏にリフレインし
思わず顔が火照ってしまう

「あ……え、っと、あの、えっと。
 う、うん、だから、えっと、そこまで、忙しく、ない、かな……?
 た、たぶん、ちょっと抜けることも、できる、と思う、し」

お手伝いの子が、優しい目でいってらっしゃい、みたいな顔してる。
顔がさらに赤くなってる気がする

ダリウス >  
「いやぁ…甲斐性はないほうだよ。
 帰れるなら帰っておけと同僚にも言われるんだから」

そう言うと、罰が悪そうに笑う
そう、自責の念といえる程のものはそこにはない
むしろそれは──

「…うん。一段落だ」

──シャンパンと聞けば照れくさそうに笑ってくれるこの彼女を
検体として見なければ進められない自分の仕事と、秘密にこそある
否、あった…が正しい
こうして割り切ったつもりの気持ちが揺らぐからこそ、無意識に妻の元へ帰るタイミングを逃していたのかもしれない

「(んーーー…いや、それはさすがに情けないな…)」

そこまでヘタレていないといいな、と内心思い直した

目の前で、服装どころでなく赤くなっていく可愛い生物を前にして、笑みが零れてしまう

「せっかくだし、少し話をしようか」

お店の中で小休止できるならそれも良いし
温かい飲み物を買って通りのベンチでも………は、流石に格好が目立つかなと思い直した
可愛く見えることに嘘偽りがないにしろ、もしかしたら彼女の沽券には関わるかもしれない

快く送り出してくれそうな他のスタッフの子にはありがとう、の目配せ

雪城 涼子 >  
「甲斐性なしさんっていうのはね。
 こうしてわざわざお買い物とかにすら来ないものだよ?」

とかく鈍い男の子というものはいるものだ。
いいも悪いも、そういう話は女子の間ではよく話題になる。
それを思えば、彼くらいなら全然、だ。

……決して贔屓目ではなく

「ん、そっか!
 一段落ついたら、もう少し余裕が出るかな?」

そうはいってもお仕事だから、完全にフリーというわけでもないだろうけれど。
けど、一緒に入れる時間が少しでも増えるようなら嬉しいなあ、とつい思ってしまう。

「あ、うん。
 えっと、どうしよっか。
 今日はイートインも空いてるし……そっちにしようか。
 外はちょっと寒いから」

そうして、店の中のお食事スペースにお招きする。
……

「え、えっと……
 服。こ、このままだけど……いい?」

着替えてくることもできるのだけれど。
その時間も惜しい気がする。

それに……その、可愛い、だなんて
そう、言われちゃうと。このままでも、いいかな、なんて……

……持って帰っちゃおうかな。一応、制服みたいなものだし……

ダリウス >  
「僕が言うのも何だけど、ハードルを下げすぎるのは男のためにならないよ?」

苦笑しながらそう答えはするけれど
それが彼女の魅力であるし、良いところ
一言、また一言が、自分を頑張ろうという気にさせてくれる
こんな子は学生を見渡しても
……年の功、とかではないと思う

「…そうだね。研究室に籠もることは少なくなるよ」

今までは秘匿事項が多すぎるのもあって、というところがあった
故に研究室での寝泊まりが常態化し、外出も少なくなっていたけれど
こうして会える時間も増えると思う、とつけ加えながら…彼女の案内する店内へと

へぇ、と整った内装を見回しながらスペースへ…

「外仕事で冷えたかい?温かいものでも飲もうか。…ん、服?
 んー、僕はそのままでも構わないかな。可愛い奥さんを自慢したい気持ちもなくはなかったりするし、ね」

なんて、歯の浮くようなセリフをつい滑らせてしまうのも
この店の中の雰囲気や漂う甘いスイーツの香りのせい…ということにしておこう

腰を落ち着ければ、さて、と…

「ここのところ電話ばかりで、あまりゆっくり二人では話せなかったね。
 身体の方はどうだい?何も、変わりはないかな」

帰って、娘を交えてはあまりしないだろう話
心配するのならもっと連絡すべきだと自分でも思うところ、やはり自覚的には甲斐性なしさんなのだ

雪城 涼子 >  
「ん……そ、そうかな?
 でもダァくんはダメ男って感じじゃないし……
 うーん、でもそういうなら……うーん」

思わず変に唸ってしまう。
流石研究者。何かの加減とかそういうことに気を使うわけね。
とはいえ、不満なんてないからなあ……

でも、そっか。ちょっと考えておこう
なんて、考えて

「か、かわ……」

もう、もう、もう!
またそんなこといってっ!
自慢したいだなんて、もう……!
私だってダァくんを自慢したい!!

思わず舞い上がってしまう。
うっかりすると本当に宙に浮いてしまいそうで怖い。

ああ、きっとまた顔が真っ赤だ

「うん。でも電話してくれただけでも嬉しいよ。
 あ、じゃなかった。えっと、体の方は……うん。大丈夫だよ。
 こうしてお仕事できるくらいだし」

それでもこうして聞いてくれるのはとても嬉しい

「ダァくんこそ。
 お仕事、根つめ過ぎてない?
 一段落つきそうって話だけれど、其処にたどり着くまでに無理とかしてない?」

熱心な彼のことだから、尚更心配になってしまう。

ダリウス >  
顔を赤くしつつ悶える様子は、本当に年頃の女の子のようですらあり
見る人によっては、どこか小動物めいた可愛さすら感じさせる、犯罪的な生物だろう
無論自分もそういった部分だけ、というわけではないにしろ…惹かれた人間には違いない

体のほうが大丈夫、という言葉を聞けば安心したようにほっとした表情を浮かべる

「そっか。大事な身体だからね、何かあったらすぐに連絡するんだよ?」

僕のほうからも連絡するようにはするけれど、と続けて…
思わぬカウンター、いや彼女の性格を考えればこちらの体調を心配しているのも当たり前なのだけれど

「僕は大丈夫だよ。慣れたものだし、目立った病気なんかもしてないし。
 …まぁ、少し運動不足を実感したりはしているけどね」

娘と妻の事故があって、異能の研究にのめり込んで…気づけば中年の呼んで差し支えない年齢
籠もり気味の缶詰生活では当然といえば当然、太りやすい体質だったらきっと目も当てられなかっただろう

雪城 涼子 >  
「ん、大事な体なのはお互いね。
 ひょーかちゃんのことを見守らないといけないし」

思わず、照れでむずむずしてしまうけれど。
それだけじゃいけない。
ふたりとも、親なのだから……ね

「んー……運動不足、かあ……
 そうだよねえ、ずっと籠もってるもんねえ」

思わず、じっと見つめてしまう。
ああ……かっこいい……

じゃない

「運動不足もそうだけど……
 エコミー症候群とか、ずっと座ってばっかりは体に毒だからね?
 簡単なのでいいから、ちょっと体を動かすとかはしないとかな。」

とりあえず、見た感じ不健康、とまではなってなさそうなのは安心

「あ、それと。
 好きなのはわかってるけれど。コーヒーの飲み過ぎも体に良くないからね?
 そっちも気をつけて欲しいな。……あ」

そこまで言って、ふと気づく

「ご飯、ちゃんと食べてる?
 見た感じは、そこまで不健康!って感じじゃないけど」

できれば毎日ご飯を作ってあげれたらいいのだけれど、と思いながら。