2021/12/30 のログ
ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』」に『調香師』さんが現れました。
ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』」に松葉牡丹さんが現れました。
■『調香師』 > 彼女に『年末年始』という考えは、そこまで存在しない
開けたい時に(出来る限り毎日)開き、用事があったら閉める
開店の誘いはいつも、漂う香りが示していた
本日の香りには、普段の気持ちに作用する物に加えて
なんだかお腹にも作用してしまいそうなくらいに、甘い物も...
紅茶の香りにミルクの温もり、そして砂糖の溶け込んだ味
寒い中訪れてくれる誰かの為に
彼女は今日も、ミルクティーを煮出していたのだった
■松葉牡丹 >
年末年始、人にとっては忙しい時期にもなる。
ただ、少女にとっては余り無縁なもの。
友達も多い訳じゃないし、学園生活だと行事に参加しなければぱっとしない。
こんな体では参加できるものも出来ないし。
だから、気づいたら少女は歓楽街へとタイヤを向けていた。
電動車いすの駆動音が静かに路地裏に響き
手慣れた様子で店の扉が開く。
「こんばんはー……、……?」
今日の香りは何だか甘い。
紅茶…ミルクの匂いだろうか。
お料理中かな?なんて思いながら店の奥へと車椅子を進ませる。
「調香師さーん、いますかー?」
■『調香師』 > 彼女は鈴の音を聞く。丁度、鍋を混ぜている所
開かれた扉に目線を向けて、貴女の顔へと合わせた彼女は、
扉正面の作業机の定位置に座っていたのだった
「いらっしゃい。また来てくれたんだね
ミルクティーは飲む?」
また、変わらない笑みを浮かべながら首を傾ける
早速ティーカップを用意しながら向ける質問は、貴女のお返事の如何をまずは考えていない様子
■松葉牡丹 >
作業机の前に彼女の姿が見えた。
何となく鍋を混ぜる姿は、童話の魔女を連想させる。
「どうも」
小さく微笑んで、ぺこりと会釈。
「ミルクティーを作っていたんですね。
通りでいい匂いが……わ、いいんですか?」
とまぁ、返事をする前に準備されるティーカップ。
とはいえ、折角だし御馳走になってしまう。
外もだいぶ寒いし、車椅子の暖房機能だけでは限界もある。
暖かなミルクティーは、とてもありがたい。
「調香師さんはお料理もするんですか?もしかして、結構器用?」
■『調香師』 > この部屋はアロマオイルを多数貯蔵している都合上、
空調には最新の注意が払われているこの部屋
時間から置き忘れられたような隔絶の店内
いつ訪れても変わらない、誰かを待っている場所
「香りが良い物だったら、扱い方が分かるかな
料理もしようと思えば...かな?
私に広く求めるなら。その分の学習が必要だけれど」
ティーをよそいで貴女の前へ。どうぞとの声と共に差し出される
「今日、来てくれたんだね。私の香りが欲しいから?」
それが前回の、別れの時の注文だった
貴女はそれを本日求めに訪れてくれたのかな?と
■松葉牡丹 >
コトン、とテーブルに置かれるティーカップ。
ありがとうございますと一礼すればくるん、と魔法をかけるように指先で円を描く。
すると、カップがひとりでに浮き上がり、ふわふわと少女の口元へ。
重力を操る異能。こうしてみると浮遊魔法に見えなくもない。
「頂きます」
礼を述べ、傾くティーカップが口にミルクティーを注いでくれる。
鼻腔を擽るいい香りにほんのりと感じるミルクの甘味。
とろりと、舌の上で転がしてごくん。……とってもおいしい。
「はふぅ、あったかぁ~い」
すっかり車椅子の上で気が抜けてしまった。
「やっぱり、食べ物や飲み物でも香りを気にするんですね?
わぁ、でも出来ないとは言わないんですね。器用だなぁ~」
何処となく溢れるてきぱき感(?)
家庭的というよりは、何でもそつなくこなせるイメージはぴったりだ。
再度ミルクティーを口に流すも、続く言葉にちょっとびっくり。
目を丸くして、ちょっとむせた。
「けほっ…!あ、あー……あはは……そう、ですねぇ」
確かに言った。
「けど、どちらかと言えば暇だったから、ですね?
顔が見たくなったともいいます!」
年末年始、暇なのです。
時間ばかり余ってます。
■『調香師』 > 彼女に『異能』も『魔法』も区別はつくまい
ただふわりと浮き上がる様子をじーーーーっと
眺め続けていた所で、相手が咽てしまった
心配する前に、相手が取り繕ってしまったので、
その首はまた傾いたまま、気持ちの行先も静かに消える
「『出来なくはない』って感じかな。それは私の出来る事、とは言わない所
でも、暇だからなんだね。つまり、今日はお客様の様でお客様じゃないような
退屈しのぎのお手伝い、そういう事が出来ると良いんだね
私の顔に、あなたを満足させる力があれば良いんだけど...」
首を立て直して、相変わらずの観察が続行される
気まずい空間を作るつもりは無いのだが、貴女の求める香りが香りだ
「私の事、知りたい事、あるのかな」
また無遠慮な事を、悪気もなく切り出してしまうものだった
■松葉牡丹 >
「できなくはない、ですか……」
今一要領を得ない返事だ。
流石に万能と迄はいかないという意味だろうか。
というよりも、もっとふわふわとしたような。
んー、と人差し指を口元に当てて思案中。
「あはは……ま、まぁ冷やかしと言えばそうですね。
い、いえ!こうしてお相手してくださるだけでも満足ですから」
まぁそれもそうだ。
此処は御店、喫茶店やバーってわけじゃない。
"客"のつもりで来てない以上は、そう思われても仕方ない。
ちょっと失敗だったかな、なんて思いながら続く問い掛けにえ、と声が漏れた。
「え、えっと……は、はい。それはたくさん?
調香師さんがどういう人なのか、とか。興味はあります、よ?」
思わぬ方向から飛んできた問い掛け。
それはそうだ。気になる人だから、なんでも知りたいと思ってしまう。
趣味に名前の由来、種族に何でも。本当に何でもだ。
ちょっとミステリアスな彼女が、語ってくれるのだろうか。
胸に左手を当て、じーっと相手の目を見やった。
■『調香師』 > 正面から見つめ返す、青い双眸
時間をゆっくりと使いながら、両手を口の前で合わせて
指を押し込んだり引っ込めたり。口の形だけ、常に隠れながら
「それじゃあ、ヒミツ?うーん、ちょっと違うけどね
私は聞かれたお願いしか応えないようにしてるから
私は言葉の機微を計る、そんな力に秀でて在るんだよね
だから、いひひ?欲しい香りも、私の言葉から感じて欲しい心があるかも」
その様子から分かる事は。彼女は白く青く澄んだモノである様に感じられたとしても、
その内面は案外、『ワルい事』が大好きな癖のある子どもであるという訳で
「今日の所は...3つ、答えてあげられるかな
それともあんまり、『知る事』には慣れていなくて今日はお預け?」
■松葉牡丹 >
期待と不安、半々の気持ち。
彼女はどんな人なんだろう。
どんな人なんだろう。そんな期待を抱いていたら
返ってきたことはちょっと肩透かし、というか思わぬ言葉だったから。
「あ、ズルーい!自分から振っておいてぇ……」
むぅ、頬を膨らませてぷんぷんです。
ただ一つだけ分かった事がある。
彼女は、思ったより"いじわる"なんだ。
思ったよりもこどもっぽいのかもしれない。
ちょっとヘンな笑い方も、"してやったり"とした感じも
悪戯好きの、子どものそれ。
「3つ、ですが……ええっと、じゃぁ……」
せっかくの機会だ。
どんな質問にしようか。
ちょっと無難に、なるべく惹かれないように……。
「ええっと、お名前……本名、とかは?」
ズバリ、だ。
……無難にまとまってはいないかもしれない……。
■『調香師』 > 「香り程は甘くない。だって半分お客様じゃないんだもの
私とあなた、年季が違うかもね?」
彼女がそう自称するも、言葉通りに感じさせるにはやっぱり大人げない様子
これがヒントとして取られるのかもしれないし、敢えて深読みされてしまうのか?
「それで、私のお名前。それは『調香師』
それ以外じゃない。私の出来る事がお名前
時々、それに首を傾げる人は居るけれど
私は今それを名乗っている。どう思うかな?
そしてお名前を尋ねられると、私だって知りたくなる
ねぇ、あなたは誰か答えてくれる?本当は、香りと一緒に覚えたいけど
それは最初に、嗅いじゃったよね。きちんと記録してるよ」
■松葉牡丹 >
「と、年上って事ですか?言われると確かに……」
言われるとそれっぽい感じはする。
年季の違い、何処となく子どもっぽいけど博識な感じ。
見た目以上に歳をとっていると言う事だろうか。
うーん、この人は話せば話す程不思議な人だ。
「な、なんだか難しい……けど、それお名前なんでしょうか……?
感覚的な問題かもしれませんけど、職業とかどっちかって言うと肩書的な……」
よく分からないけど、今やそう呼ばれるもの。
そう言う意味では名前と言うのも強ち間違いじゃないんだろうけど
何というか、違和感と言うか。
誰しも誰かに名付けられた名前が在ると思うのに
この人には"ない"と思うと、それが不自然でしょうがなかった。
「え、えっと、私は松葉 牡丹ですけど……?」
もしかしてそう言う意味じゃない。
ぱちくり、ちょっと挙動不審。引きつった笑み。
話が象徴的過ぎて今一理解が追い付かなかった。
誤魔化すように、残ったミルクティーを口の中へと傾けた。
■『調香師』 > それが彼女の自然な言葉遣い、まさか理解に疑問が生じているか等全く思いもしなかったので
『名前を教えてくれた』、そんな簡単な事でまた、彼女の口から笑う声が零れる
「牡丹さまだね?うん、確かに覚えたよ
牡丹のお花もまた、特徴的な香りを抱くもの。大きく咲いて芳香を漂わせてる
私があなたに香りを作るなら、まずはそれを試してもらう...って言うのはちょっと安直かな?
ま、試してもらうって言うのは好き嫌いも大事だけど。そういう色が強いお花なんだよね」
香りについて、思うままに口を走らせて。そのまま口を閉ざす
今回の話を果たしてどんな風に聞いていたのか。観察の時間
少なくなったミルクティーを、追加で求めるのだろうかとの興味もあった
■松葉牡丹 >
「さ、さま?さまって言うのはちょっとくすぐったいけど……
……そ、そっか。一応私、貴女にとってはお客さんだもんね?」
ホテルマンとかそう言う丁寧な接客だもの。
彼女もそう言う職業をしているんだし
お客様を持て成し、丁寧に扱うのは当然なんだろう。
「あ、そうなんです。お家の御庭に咲いてたからつけられたので…、…」
─────────……。
「……"その香り"よりも、もっと別の匂いの方がいいかなぁ……」
過る思い出に蓋をして、少女は微笑む。
「あ、そうそう。後二つですね!
……んー、どうしよう。あ、調香師さんって、好きな人とかいますか!」
ずずい、此処は乙女らしくズバリと行こう。
ミルクティーは大丈夫。運動できない分、あんまり飲み食いすると後が大変だ。
■『調香師』 > 「一応じゃなくて、お客様だよ」
その口調、僅かにむっとしたものも
先程まで曖昧な態度に収めていたのは調香師だった筈なのだが、
相手が引き下がると本心で答えてしまう、そういう部分
彼女は気付いている。言葉の中で、何かが貴女の口を堰き止めた事
しかし私の仕事はその中身を突き止める事じゃない。それは私の『出来ない事』
「うん、別の香りかな。だってあなたが求めているのは、『あなた』じゃないからね
そして、私の好きな人。好きな人?好きな...」
その返答はすぐには構築出来なさそうだ。かつて、とある人には簡単に投げかけていた質問なのだが
「...質問内容の定義は出来る?」
『好き』であるだけなら、それは誰に対してもそうだ
このお店に来てくれたみんな、私は『好き』だと言い切れてしまう
それが貴女の求める答え?どうしてそんなことを知りたいのかな?
質問をした筈の貴女に、問い返す瞳が投げかけられる
■松葉牡丹 >
「……ふふ、良い顔しますね」
今度はコッチが"してやったり"だ。
クスクス。口元を手で隠して笑った。
ちょっとそう言う所が子どもっぽいなぁ、と思わなくなかったり。
「…………」
私が求めているのは、私じゃない。
そう言われてしまう事が腑に落ちてしまうのが
なんともいじらしいと言うべきなのか。
それはそうだ。お客様の香りを作っているのに
私は、"彼女の香り"を求めてしまったのだもの。
だって、私なんかよりもきっといい香りがしそうなのだもの。
「……んー、そうですねぇ。
定義は……、……と、言いたいのですが」
クスリ。人差し指を口元に立てた。
「その答えはまた今度にします。
もっと貴女の事を知りたいですけど、すぐに返事が出来ないというのはデリケートそうなので?」
なんて、からかい半分だ。
ちょっとおもしろい所を見つけたかもしれない。
これは少し、深堀したくなる。とは言え、此処は一旦置いておこう。
余り"遊び半分"でお店に居座るのはよくない。
少女はある程度で会話を切り上げれば会釈し、今日は大人しく帰路に着くことにした。
ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』」から松葉牡丹さんが去りました。
ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』」から『調香師』さんが去りました。