2022/03/15 のログ
ご案内:「落第街 とある工房」にメアさんが現れました。
ご案内:「落第街 とある工房」に『調香師』さんが現れました。
お爺さん > 「…………」
その工房の中は、多くの機械が並んでいる。
それを操作するのはただ一人の老人。
もちろん全て同時に操業するというのは無理な話で…気の向くままに、機械を弄っている。

今日は、待ち合わせをしている。
今、匿っている子に深い関わりがあるであろう者と。

『調香師』 > 前の出会いでは、マスターの記憶すら失った
至近の出会いでは、正気すらも失った

そんなあなたの元へ、今日も歩みを進めていく
以前と変わってなければ……だが

(忘れられても、やっぱり忘れたくないよ)

地下より出たあの日みせた、何かを秘めた目
私に何かを願うような確かな色を、
私はまだ信じたいままでいるらしい

あの後、彼女に何が起きたのか
或いは何も起きずに壊れたのか、さておき

「こんにちは」

『夜の残り香』を漂わせた彼女は、老人に声をかけた
相変わらず、落第街に似つかわしくない可憐さだった

お爺さん > 「…あぁ、来たかい」
目を合わせないまま、声を発する。

作っているのは、クリームのようなものだ。

「ちょっと待っとくれな」

そう言って作業に没頭する。これは、大事な『部品』だ。
作業を終わらせ、機械の電源を落とす。

「またせたね、お嬢さん。いや、お嬢さんと呼ぶのが的確なのかは、わからんが」

『調香師』 > 「お嬢さんでもいいけれどね。私は『調香師』
 マスターにはメロウと名付けられ、
 メア様にはパルムと名付けられた

 あなたは私をどう呼んでも、私はあなたの私だけどね」

少女の姿はお辞儀をする。貴方が何を調整していたのか、なんて
見ただけでわかりはしない、『出来ないこと』

「今日も、奥の部屋でいいのかな?」

首を傾ける。手に持ったバスケットが中身を転がし軋みを上げた

一人で進む事はない。全ては老人の歩み次第

お爺さん > 「なら、嬢ちゃんと呼ばせてもらうよ。嬢ちゃん」

老人の目には、『機械』が映っている。
長年培った経験が、『調香師』を『機械』だと認識している。
だから、呼び方に戸惑いを覚えていたのだ。

「あぁ。今日も奥の部屋でゆっくりしてるよ。最近は身だしなみにも気をつけるようになったから…前みたいな醜態は見せない…はずじゃ」

『調香師』 > 「そう?いひ、それも勿論受け入れるよ」

自身が見抜かれているか、今となっては些細な話
或いは『彼』にならば。メアが話を通していようとも、おかしくはない

……そう、本人は認識していたのだが
人間の経験は時に理屈を凌駕しうる
まだまだそれは、知らない事

「メアも、そう言われるとちょっと安心できるかも
 髪の為のオイルも持ってきたから、前と同じ様子なら、
 ちゃんとお手入れしないとって思ってたの」

そして、彼女に技術を埋め込んだ表皮の傷も
……男性の前。口にはしないが、気にしてはいる

「今日はもう少しだけでも、許されてるといいな」

お爺さん > 「…変な笑い方じゃな。何処かでネジでも落としたかの?」

ちょっとしたジョークを挟みつつ、奥の部屋へと向かう。容器に入れたクリームを片手に提げながら。

「あぁ、手入れに関しては儂は門外漢じゃから、そういうのは頼みたいのう。」

この御老体はお世辞にも見てくれが良いとは言えない。油に汚れ、皺は深く、機械に全てを捧げてきた目は狂気すら宿っているようにも見える。

「…メアちゃんはな、嬢ちゃんの事を恨んでるわけではないよ。今まで見向きもしなかったモノに、直面して混乱してるだけじゃ。

儂は嬢ちゃんらのようなものを整備は出来ても、その中に宿る心までは癒せん。なんせ儂は人付き合いが苦手じゃからな」

かっかっか、とおどけてみせる。つまりは…期待しているのだ。

そう話している間に、部屋の前へとたどり着く。

『調香師』 > 「それは……」

変えられない表情の中で、返事に詰まる
自発的に己を明かしはしないように心掛けているが

それ以上に、彼の向ける目線の『興味』の圧
調香師は気圧されたと認識した。過ぎった予感
彼は、『忘れた』として私を見つけ出すのだろう
優しい口ぶりの中に潜む、並々ならぬ執念が故

対面、戸惑い。言葉尻が淀む

「……『心』だけなら、まだ頑張れる
 そう、思いたいな」

それはメアも知りたい事柄だったような
『見向きもしなかったもの』、彼はそう評し、
調香師も確かに頷いた。その動作は自然と出せた

彼の目線を背に受けて、扉の前で呼吸を整える
そうして、扉は開かれる。お店とそんなに変わらないはず、それなのに鉄扉の様に重さを感じても

私も一緒に、乗り越えなければならない

お爺さん > 「では、任せたからの。何かあったら呼びんさい、嬢ちゃん」

そう言って、扉の外で壁にもたれかかる。

扉が閉じたあとに、煙草に火を付ける音がした。

メア > 「…………ぁ……」
そして、中にいたのは、以前よりかは身だしなみが良くなったものの、少しだけ機械油に汚れたメアだった。

「……ぇ、え、と…………」

何を、話したものか。相手を直視できない目は泳いだままで。でも、以前のようにパニックは起こしていない。

『調香師』 > 「久しぶりだね」

口調にどもりはない、ただ沈黙
それが彼女の迷いと届きうるか

目線は貴女に。格好は整ったけれども、
以前を知ればやはり程遠く

『悪かったのは私』、なんて言葉が意味を持つのだろうか
向かう歩みだけが、見せかけて彼女の意思を強固に見せる

まだ、考えてる間に。きっと私はあなたの前に辿り着いてしまうだろう

メア > 「……久しぶり。そう言える間柄なのかは、わからないけど。」

メアの記憶は欠落している。混乱していたこともあるが、事実として記憶が消去されてしまっている。

その上で整合性を取るために破棄した記憶も多々ある。

だから、目の前の存在は最近知り合った、私の知らない視点を持つ人、というだけなのだ。
名前すら、知らない。

「貴方の名前…私、知らない。教えてくださらない…?」

『調香師』 > 一度、足を止める。以前に狂ったような声
『もしかしたら、思い出したのか』なんて思いもあった

それは消えたはずの記憶が知らせた残滓
あなたの中に形はない。ただの苦悩の輪郭が残るだけ
残念だ。確かにそう思うけれど、あなたの前でしゃがんで、目線が合う

「『パルム』、それが私の名前だよ」

だから今日は、はじめましての二回目
『あなた』に貰った名前をもう一度名乗る
心を掴みかけたあなた、この音はどう聞こえてくれるだろう

メア > 「パルム…いい名前ね」
その意味は、すぐに思い当たった。かつて自分が付けた名だからだろうか。

その記憶は消えてしまっていても、思考の形跡は残っている。

「…良い親御さんに恵まれたのね」

しかしメアがそれに気付かない。パルムが自分と同類であることにすら気付かない。

『調香師』 > 「恵まれたのは出会いだよ。あなたも」

『あなた』はもう居ないけれど
口にせず、そう微笑む

「尋ねたいことがあるの
 私にとって、一番大事なこと

 欲しい香りはあるのかなって、
 あなたの、『心』に聞いてみたいの」

メア > 「欲しい、香り」

言葉を、半数する。聞いたことのある言葉。
何処で聞いたのかは、わからないけれど。

「……強いて言うなら、薔薇、かな。香水、だよね?付けちゃうと、お手入れ、中々大変なの」

そう、それはかつての言葉と似ていた。

『調香師』 > 問として出てきたものが、その場の雰囲気からすれば、
如何に突拍子もない内容だったか
それでも導いた答えはよく知るものだった

『分からない』と言っていたあの頃とも良く似ていた嗜好に、
さてどう捉えたものかと、なんだか困って見えたのは相手にとっても滑稽だったのかもしれない

「だったら。それがどんな気持ちから生まれるのか
 私はあなたを知って、理解して、形にしたい

 言葉を使って、他の色々も使って
 そうしてやっと、届けられるんだ」

頷いてくれるかな、と。目線を向け続ける
相手の体を腕で捉えても良いのだろうか
香りが届く範囲、まだ我慢は続いている

メア > 「…薔薇は、愛を示す花だから。私も、そう『在りたかった』から。そう『在りたい』から」

メアの根本は、変わっていない。愛を体現したいと願って止まない。

しかしそれ以上に、怖くなってしまった。それが与えうる悪影響というものに。

『調香師』 > 「また、震えてる」

刻み込まれた恐怖というものは、記憶が欠如しても遺る
最も切り捨てて然るべき部分を、まだ貴女は抱いている

「それは、向き合っているから、なのかな?」

先程の老人の言葉を思い出す
心には疎いという口振りでも、確かに告げた事

芽生えたまま、扱いかねているその姿に何を見出したものか

「『愛』、それは私も知らないけれど
 知らないからこそ、苦しいって事
 それは理解した事があるんだよね

 確かめるために言葉を使うこと
 貴女には、それも怖いこと?」

首が傾く。いつもの癖で

メア > 「…誰かを愛そうとすれば、それは……誰かの愛から離れることと同義で。幸福を知らない私が愛を語っても、薄っぺらで。

何が愛なのか、わからなくなっちゃった」

アイデンティティーの喪失。そう在ってほしいと願われた人形は、その意味を見失ってしまっていた。

「…誰かを愛せば、誰かが苦しんで。愛さなければ、その人が苦しむ。

私は………どうすれば、よかったのかな」

『調香師』 > 「私に聞かれても、だよ
 だけど言葉を理解することは出来る
 物事を知る手順、あなたは『幸福』を知りたいのかな?

 んふふ。だったら、どうなのかも
 私にもお手伝い出来ればいいなって
 知る事はきっと出来る、そこは言えるかもだから」

届いてもいいか。今は届ける事が必要
そう思った時、両手は相手の頬へと伸びる
気が付けばまた、相手が目を逸らしてしまいそうなのを、固定したがる

「貴女は今、不幸?
 それでも私は忘れたくないって思った

 私があなたを想う事、許してくれるかな
 その言葉が少しでも、あなたを幸福に出来るかな」

メア > 「わ、私は……」
頬を抑えられ、視線を向けさせられ。それでも、視線が泳ぐ。

「不幸…では、無いと思う。お爺さんが、匿ってくれてるから…。
それに…気付かないといけないことに、気づけたと、思うから」

その気付きは、自分を苦しめるものだ。自らのアイデンティティーを崩したものだ。

でも、それに気づけなければ…唯の、愛を振り撒く『人形』出会ったような気がして。

「…想うことは、誰にも止められないよ。そんな権利は、誰にもない。
でも…ありがと。私のことを想って…こんな所にまで来てくれたんだよね?」

此処は落第街で。最近は掃討作戦や、あくまで噂の域を出ないが閉鎖区画内でのバイオハザードもあった。危険な区域であることは間違いなく…そこを歩くリスクは計り知れない。

そのリスクを負ってでも来てくれたパルムには、感謝の念が絶えない。

『調香師』 > 「ありがとう、言ってくれるんだね
 推定するね。前までのあなただったら、
 感謝をする事も、届けられるか不安だった?

 ただ一言、貰えた事に意味を感じたいんだ」

腕を下ろして、彼女は微笑む
迷う目線は、また誰かを思い出して

自分に自身がなくなっちゃう人、縁が多い

「それで。私の尋ねたいことは終わったけれど
 したいことはまだまだあるよね

 例えば、体をきれいにしたりとか?
 ここはお店じゃないけれどね。ひひ」

メア > 「…前、というのがどの辺りを示すかわからないけど…昔は、愛は無敵で、人を救うって思ってたんだ。現実は…違ったけど」

目を伏せて。自分が如何に傲慢であったかを思い知る。

「あー…今、確かにちょっと汚れちゃってるね。体に傷も…。
お爺さんのお手伝いしてたら手をパックリやっちゃったのよね」

掌を見せて。包帯が巻かれていて、そこに赤い染みが出来ている。指先は機械油の汚れが目立つ。

「そういえば補修用クリームをお爺さんが作ってくれてるはずなんだけど…知らない?」

扉の方を見れば、そのクリームが入ったものが扉の前に置かれているはずだ。

『調香師』 > 「愛の力は信じていても、あなたは愛を信じられない
 本当だとしても、矛盾は容易くは解けない

 分かっちゃうから」

さて。話が傷に至り、それは分からないなと首を傾けると、
扉を軽く叩いた音がする。必要なものがそこにある

「これかな?」

取って、戻って、掲げて見せる
痛々しい傷跡には、返す思い出もあって気後れはするけれども

メア > 「そう、それ。それをいつも塗ってもらってるの。あ、でも塗る前に先に洗わないと、かな」

話している内に、少しづつだが声にハリが戻っていっているような気がする。
迷いはある。でも、人と接することが嫌なわけではない。

「ええと…最近水道も出なくなっちゃったみたいだから取り置きの水での水浴びぐらいしか出来ないけど、それできれいに出来そう?」

大きいペットボトルに入れられた水数本と、石鹸ぐらいしか無い。
このところの被害が大きく、最低限の衛生環境しか無いようだ。

『調香師』 > 「んーっとね。あなたの皮膚は私と同じだから
 小さい傷までなら、光を素に編み直せたりもするんだよね

 勿論、手の傷はちゃんと塞がないとだけど
 ……洗ってもいいの?」

流石に危ないのでは?パルムは首を傾けた

「それに、私の目の前で水道が出ない、なんて
 言っても良かったのかな、なんてね

 シャワーならお風呂なら、私のお店にあるよ
 良ければそのまま、連れて行っちゃう気持ちだよ」

メア > 「…えっ、そうだったの?」

自分の肌を見つめて。そういえば爺さんが『組成が変わって難しくなった』とか言っていたような…。

「…いつの間に肌が変わったのかはわからないけど……洗うのは大丈夫。そもそも循環液が怪我した時点で出ちゃってるから」
人を模した彼女は肌の下も緻密であり、密閉性を実現している。
怪我によって露出した部分は既に損傷してしまっているので、濡れても問題ないということだ。

「ぅ……外に出るのは、まだ怖い………かな」

パルムの提言に、難色を示す。
落第街には見知った顔も多い。その中で自分が平静を保っていられるか、自信がなかった。

『調香師』 > 「例え誰もが、あなたの事に気付けないとしても?」

それは『出来る』、ただ口にしてみただけ
冗談のようにも聞こえる言葉と共に、彼女は立ち上がる

「おじい様に言えばいいのかな?
 それともあなたに任せたほうがいい?」

メア > 「………」
首を、振る。
気付かれることが怖いのではない。

『気付いてしまう』事が、怖いのだ。

向き合わないといけない。
知らなくてはならないのに。
その体は、恐怖で震えていて。
足が、動かない。

『調香師』 > 「大丈夫、だからね」

『行かなくても』『怖がらなくても』
彼女の言葉は、その両方に聞こえる

貴女が動けない様子を見て、彼女は一人で部屋を出る事だろう
大きなバスケットは残したまま。帰る訳では、もちろんない

お爺さん > 「おう、嬢ちゃん。もう良いのかい?」
吸っていた煙草を携帯灰皿に押し付け、出てきた調香師へと顔を向ける。

『調香師』 > 「メアさまの体をきれいにしたくて
 お風呂に入ろうかなと思ったけど、ここにはそんなにお水はない
 けどお外にも出られそうにないし、目的達成の為、お水が欲しいなって」

どうしようかな、と。彼女は首を傾ける
妥協、望まないけれど環境としては仕方ないこと

お爺さん、何かございませんかとの言葉である

お爺さん > 「水、ねぇ。此処じゃ水道の破断が多くってなぁ。飲水買うにも近場じゃ高いぞ?
体洗う程ってなると機械を洗う用に取っておいた水があるにはあるが…あの子に使うのはちょっとなぁ」

機械用に取っておいた水は一応は水道水ではある。
長い間貯蔵していたおかげで恐らく飲用には耐えられないし…何が混ざってしまっているかわからない。
機械用洗剤を使用する前提のものなのだ。

「あとは連れてくかぐらいかねぇ。此処できれいな水を手に入れるのは難しいぞ?」

『調香師』 > 「それじゃあ、どうしよっか
 私のお店に来るのも、怖がりそうだし……」

眠ってる間に、こっそりと運び出す
そんな強引な手段も思いつきはするが
一度抜け出したとて、戻ってこれるのだろうか

調香師も何度も同じ体躯を長距離運ぶには適してない

一番楽な手は、『向き合ってもらう』との物だが
簡単に提案出来るものではないし、したくはない

「大変だけど、持ってくるとかしたほうがいいのかなぁ」

お爺さん > 「……仕方ないのう。ちょっと待ってな」

そう言って、廊下の奥へと消え、暫くすると段ボール箱を抱えて戻ってくる。
2リットルのミネラルウォーターのボトルが6本入ったものだ。使い方を気をつければ部屋にあった水と合わせれば体を洗うことは出来るだろう。

「儂は自分の水を買ってくるから、メアちゃんのことよろしくな」

そう言ってドサリと段ボール箱を床へ置く。
引き止められなければ踵を返してまた廊下の奥へと消えていくだろう。

『調香師』 > 「……え。あ、の?」

床に置かれた箱の中。その透明度はもう随分と『当たり前』になってしまって

反応を覚えるのに、数秒ながらロスが生じた
これこそが『貴重』という、綺麗な水そのものではないか

「こ、これは、人の方が大切なものだよ!
 私なら安全に工面出来る、だから……」

遠ざかっていく背中に声をかけるには、自然と声も張り上げられる
何処に届くのかも考えず、扉一枚程度ならば届けてしまうのか

お爺さん > 「なぁに、ちょっとばかし老いぼれの貯蓄が削れるだけじゃて。
未来のない老いぼれより未来ある子につこうてもらうのがええじゃろ。

それに、この周辺だって安全ってわけじゃないしの~」

振り返るでもなく、背を見せたまま手を振って、廊下の奥へと消える。

『調香師』 > 「未来、って……」

それは二人共、見た目だけであろうに
次の言葉を紡ぐ前に、彼の姿は遠く

追い掛けようと望む心と、向こう側に待たせた彼女への想い
量り、そして踏みとどまった

「……またいつか、お礼はするから」

負け惜しみに似た呟きを残して、また扉をくぐる
ずるずると、ダンボールを引き摺りながら

メア > 「…………すぅ………」

パルムが去ってから、しばらくして眠気に襲われたのか、壁にもたれかかって寝息を立てている。

まともに会話をしたのはとても久しぶりで。
気を使いながらの会話だったから、疲れてしまったようだ。

寝息さえ聞こえていなければ、少しだけ汚れた人形のように見えるだろう。

『調香師』 > 「……もう」

こちらの気も知らないで、なんて
浮かんだ気持ちは、手のかかる妹を持ったみたいで

しかしその後、すぐに表情は微笑みに変わる
眠っている姿に、愛おしさを感じたのは事実で

「そのままだと、大変だよ」

隣に腰掛けた彼女は、貴女の体を傾けて
膝枕の形に整える。私はまだ、休息には早いかな

そうして、貴女が目覚める時を待とうか

メア > ―――――――中断―――――――――
ご案内:「落第街 とある工房」からメアさんが去りました。
ご案内:「落第街 とある工房」から『調香師』さんが去りました。