2020/08/12 のログ
ご案内:「学生通り/裏側の世界」にルクス・マリンさんが現れました。
■巨大な黒いモヤの人狼 > 『ウオォォォォォォ!!』
世界に響き渡る声。
それは勝利を確信している咆哮か。
あるいは獲物をからかう雄叫びか。
どちらにせよ、それを向けられた"彼女"にはたまったものではなく。
ご案内:「学生通り/裏側の世界」に希さんが現れました。
■ルクス・マリン > 「はぁっ、はぁっ……」
フリルが施された白と青の服。
元はそれなりに綺麗だったのだろうが今ではボロボロの服。
その本人の片手には服装に似合わない刀。
現在、巨大な黒もやから必死に逃げ回りながらビルの中に隠れている。
■希 > 「あれ?」絵を描こうとうろついていたら見慣れない場所にぽつん、と出た
「ここは?」
携帯を見る、非通知だ
白ワンピースに麦わら帽子の幼女はキョロキョロと周りを眺めて
■ルクス・マリン > (やっぱり斬るだけじゃどうにも効き目が薄い。
大型だと砲撃の方が――)
ビルの窓からこっそり外を伺う。
相手はまだこちらを認識できておらず、探しているようだが――。
視界に、ワンピースの女の子――自分以外いるはずのない世界に――を見つけ、驚く。
慌ててビルの窓を開け、飛び出し。
「――っ、そこの子。
大丈夫、怪我してない?」
少女の目の前に降り立って声をかける。
■希 > 「ん、おねえさんだれ?」
じーと見つめて
「まほーしょーじょ?」
キラキラした目で見つめる
『魔法少女サウザンドソード』みたいだ(日曜8時半常世TVにて
■ルクス・マリン > 「――あ、ん……えと」
まほーしょーじょ。
魔法少女、と言われると実際その通りで、自分では名乗りたくない恥ずかしい名前もあるのだが。
「……初めまして、【ルクス・マリン】、です」
ぺこり、と頭を下げる。
■希 > 「わあ、ルクスおねえさん凄い凄い」
握手してぶんぶん、と
常世にも魔法少女居たんだ、と目をキラキラさせている
■巨大な黒いモヤの人狼 > 少女二人が邂逅しているその時。
『ウオォォォォォ!』
巨大な人狼が吼える。
獲物をみつけたぞ。
いざ狩りの時。
幼子二人を食い敗れ。
巨大な、黒いモヤの人狼が少女二人に視線をやる。
■ルクス・マリン > ぶんぶんと少女に手を振られ、少し困惑気味。
今まで、変身した姿で誰かに出会ったことがないため。
しかも、相手は子供なのでめちゃくちゃ恥ずかしい。
――そんな最中に咆哮が聞こえ、人狼の姿が見える。
「……っ、ごめんね。
長話してる暇ないみたい。
君、名前は?」
少女の手を握りながら、名前を尋ねる。
■希 > 「のぞみ、じゅっさい!」
相手を見る、あれは『敵』だ、ほんのうてきにカッターナイフを取り出して
■ルクス・マリン > カッターナイフを出している少女を見て、小さく微笑み。
「のぞみちゃん。
大丈夫、のぞみちゃんは戦わなくて大丈夫だよ。
ほら、こういう敵は魔法少女が戦うものでしょ?」
刀を鞘に納め、それを手に持つ。
鞘と刀は変形していき、少し大きめの銃のようになり、人狼へと構える。
■希 > 「だいじょーぶ、れんしゅーしたから」ザクッと血を流すと
「血盟の儀式!」
ぶわ、と幼女の魔力量が増えた
■ルクス・マリン > 常世島には異能を持つ人間が沢山いる。
自分もそうだし、その様子から彼女もそうなのだろう。
――それが異能なのか、魔術と呼ばれる奴なのかは判断つかないが。
「――そうっ。
それじゃのぞみちゃん。
不甲斐ない魔法少女だけど、手助けお願いできるかな?」
きっとテレビの中なら、魔法少女は彼女を守って戦うのだろうけれども、自分は半人前で、不甲斐ない姿。
自分より小さな女の子に助力を乞うしかなく。
杖のような、銃のようなものを構え、人狼へ向けて魔力をチャージする。
■希 > 「任せて!えんごする!」
魔力を高めて
「んー!」
青い光を胸から発して、だんだんと魔力に変換され
「血の矢雨(ブラッド・レイン)!」
指を切る、血と魔力が反応して、矢弾として固まって
■ルクス・マリン > 「テルスバレット、ゴー!」
溜まった魔力を解放し、杖の先から青白い光の玉を無数に打ち出す。
黒いモヤを幾度も貫通し、同時にモヤを払っていく。
――ルクスの攻撃が効いているのか、人狼は雄叫びを上げながら仰け反っている。
■希 > 「てー!」
狙いも何も無い魔弾連打
ただし密度と速度が段違いで
威力は足らないが体制と外皮を崩して、足止めをしている。
■巨大な黒いモヤの人狼 > 青の弾と、赤の弾が入り乱れながら体を貫き、ガワを抉る。
思考が出来れば、この状況を分析し、恨めしく思い、二人を叩き潰そうと算段しただろう。
しかしそれができる存在ではなく。
『ウオォォォォォ!!』
自らを奮い立てる。
自分より小さな者に狩られるわけにはいかないと。
その大きな拳を振りかぶり、彼女らを潰そうと動き。
■ルクス・マリン > 「のぞみちゃん、あのパンチって受け止めることできる?」
巨体ゆえの遅さ。
ゆっくり振りかぶられている拳を見ながら、少女に問う。
■希 > 「ん、大丈夫、こわいけど」
青い光が前に立って
「かべ!」
一撃を受けるための壁を生み出して
■ルクス・マリン > 「ん、ありがとうのぞみちゃん」
生み出された壁を見て、それを全幅に信頼し。
「――流転の光。星々の海」
詠唱を始める。
杖先に青白い魔力が集い、凝縮させていく。
■巨大な黒いモヤの人狼 > 拳を叩きつけた。
柔らかな存在はそれによって潰れ散った――そう思った。
しかし、拳の先には壁が出現し、少女たちをつぶせずにいる。
なんたることか。
一度の屈辱ならず二度までも。
もはや勘弁ならぬ。
壁にぶつかった拳に力を更に込め、なんとしてもぶち破ろうと出力を上げる。
■希 > 「絶対、とおさない!」
魔力を込める、硬く、強く、壁は固まる。
その信頼に応えるように
■ルクス・マリン > 「――光の海へと沈みなさい!
ルクス・ストリーム!」
魔力を解放する。
瞬間、前方全て押し流す津波のような魔力波が解き放たれる。
青白い魔力波は、黒いモヤを斬り裂き、そして押し流していく。
――断末魔のような遠吠えが、世界に響き渡り、そして黒いモヤは消えていった。
■希 > 「わ、やったあ」
当たる直前に魔力をカット、壁を消して
■ルクス・マリン > 杖を一振りし、魔力波を消す。
ふぅ、とため息をついて安堵しつつ。
「ありがとう、のぞみちゃん。
おかげで助かりました。
それと、危険なことに付き合わせてごめんね」
もう黒いモヤは消えたし脅威はないだろう。
ゆえに彼女に向き合って、謝りを入れる。
■希 > 「えへへ、大丈夫です」
ここちよい疲労感に身を任せて
「うん、よかった」
えへへと笑い
■ルクス・マリン > 世界にヒビが入り始める。
ヒビからは、慣れ親しんだ光が差し込んでくる。
――世界の主が消えたために、解放されるのだろう。
「ん、この世界もそろそろ終わるみたい。
ごめんねのぞみちゃん。
私そろそろ行かないと」
このままここにいると、魔法少女の服装のまま元の世界に戻ってしまう。
それはいろいろとまずいので、どこかに隠れなければならない。
■希 > 「ん、またね」
ひび割れた世界で手を振って
■ルクス・マリン > 「うん、それじゃ気を付けて帰ってね」
小さく微笑み、手を振ってビル上のほうへと飛び去る。
その数十秒後、世界は完全に壊れ、元の世界へと戻るだろう。
沢山の人で賑わい、太陽が輝く元の世界へと。
■希 > 「わ、もどっ、た?」
目をぱちくりさせ
■ルクス・マリン > 世界が戻る前に人気のないビル屋上にいたルクス・マリン。
無事に元の世界へと戻れると、変身をとき、いつもの学生服の姿に戻る。
「――ふぅ」
一呼吸付き、ゆっくり歩みを進めて舌を見下ろせる位置まで来る。
学生通りの賑わいを確認しながら、のぞみちゃんの様子を確認しつつ。
「ありがと、のぞみちゃん」
小さく呟いて、その場を去る。
ご案内:「学生通り/裏側の世界」からルクス・マリンさんが去りました。
■希 > 「えへへ、凄い事しちゃった」
にっこりとたのしく笑いながら、誰かに言えない、夏の幻だったのかも知れない。
ご案内:「学生通り/裏側の世界」から希さんが去りました。