2020/08/12 のログ
ご案内:「学生通り/裏側の世界」にルクス・マリンさんが現れました。
巨大な黒いモヤの人狼 > 『ウオォォォォォォ!!』

世界に響き渡る声。
それは勝利を確信している咆哮か。
あるいは獲物をからかう雄叫びか。

どちらにせよ、それを向けられた"彼女"にはたまったものではなく。

ご案内:「学生通り/裏側の世界」にさんが現れました。
ルクス・マリン > 「はぁっ、はぁっ……」

フリルが施された白と青の服。
元はそれなりに綺麗だったのだろうが今ではボロボロの服。
その本人の片手には服装に似合わない刀。

現在、巨大な黒もやから必死に逃げ回りながらビルの中に隠れている。

> 「あれ?」絵を描こうとうろついていたら見慣れない場所にぽつん、と出た

「ここは?」
携帯を見る、非通知だ
白ワンピースに麦わら帽子の幼女はキョロキョロと周りを眺めて

ルクス・マリン > (やっぱり斬るだけじゃどうにも効き目が薄い。
大型だと砲撃の方が――)

ビルの窓からこっそり外を伺う。
相手はまだこちらを認識できておらず、探しているようだが――。
視界に、ワンピースの女の子――自分以外いるはずのない世界に――を見つけ、驚く。
慌ててビルの窓を開け、飛び出し。

「――っ、そこの子。
大丈夫、怪我してない?」

少女の目の前に降り立って声をかける。

> 「ん、おねえさんだれ?」

じーと見つめて

「まほーしょーじょ?」

キラキラした目で見つめる

『魔法少女サウザンドソード』みたいだ(日曜8時半常世TVにて

ルクス・マリン > 「――あ、ん……えと」

まほーしょーじょ。
魔法少女、と言われると実際その通りで、自分では名乗りたくない恥ずかしい名前もあるのだが。

「……初めまして、【ルクス・マリン】、です」

ぺこり、と頭を下げる。

> 「わあ、ルクスおねえさん凄い凄い」

握手してぶんぶん、と

常世にも魔法少女居たんだ、と目をキラキラさせている

巨大な黒いモヤの人狼 > 少女二人が邂逅しているその時。

『ウオォォォォォ!』

巨大な人狼が吼える。

獲物をみつけたぞ。
いざ狩りの時。
幼子二人を食い敗れ。

巨大な、黒いモヤの人狼が少女二人に視線をやる。

ルクス・マリン > ぶんぶんと少女に手を振られ、少し困惑気味。
今まで、変身した姿で誰かに出会ったことがないため。
しかも、相手は子供なのでめちゃくちゃ恥ずかしい。

――そんな最中に咆哮が聞こえ、人狼の姿が見える。

「……っ、ごめんね。
長話してる暇ないみたい。
君、名前は?」

少女の手を握りながら、名前を尋ねる。

> 「のぞみ、じゅっさい!」

相手を見る、あれは『敵』だ、ほんのうてきにカッターナイフを取り出して

ルクス・マリン > カッターナイフを出している少女を見て、小さく微笑み。

「のぞみちゃん。
大丈夫、のぞみちゃんは戦わなくて大丈夫だよ。
ほら、こういう敵は魔法少女が戦うものでしょ?」

刀を鞘に納め、それを手に持つ。
鞘と刀は変形していき、少し大きめの銃のようになり、人狼へと構える。

> 「だいじょーぶ、れんしゅーしたから」ザクッと血を流すと

「血盟の儀式!」

ぶわ、と幼女の魔力量が増えた

ルクス・マリン > 常世島には異能を持つ人間が沢山いる。
自分もそうだし、その様子から彼女もそうなのだろう。
――それが異能なのか、魔術と呼ばれる奴なのかは判断つかないが。

「――そうっ。
それじゃのぞみちゃん。
不甲斐ない魔法少女だけど、手助けお願いできるかな?」

きっとテレビの中なら、魔法少女は彼女を守って戦うのだろうけれども、自分は半人前で、不甲斐ない姿。
自分より小さな女の子に助力を乞うしかなく。
杖のような、銃のようなものを構え、人狼へ向けて魔力をチャージする。

> 「任せて!えんごする!」

魔力を高めて

「んー!」

青い光を胸から発して、だんだんと魔力に変換され

「血の矢雨(ブラッド・レイン)!」

指を切る、血と魔力が反応して、矢弾として固まって

ルクス・マリン > 「テルスバレット、ゴー!」

溜まった魔力を解放し、杖の先から青白い光の玉を無数に打ち出す。
黒いモヤを幾度も貫通し、同時にモヤを払っていく。

――ルクスの攻撃が効いているのか、人狼は雄叫びを上げながら仰け反っている。

> 「てー!」

狙いも何も無い魔弾連打

ただし密度と速度が段違いで

威力は足らないが体制と外皮を崩して、足止めをしている。

巨大な黒いモヤの人狼 > 青の弾と、赤の弾が入り乱れながら体を貫き、ガワを抉る。
思考が出来れば、この状況を分析し、恨めしく思い、二人を叩き潰そうと算段しただろう。
しかしそれができる存在ではなく。

『ウオォォォォォ!!』

自らを奮い立てる。
自分より小さな者に狩られるわけにはいかないと。

その大きな拳を振りかぶり、彼女らを潰そうと動き。

ルクス・マリン > 「のぞみちゃん、あのパンチって受け止めることできる?」

巨体ゆえの遅さ。
ゆっくり振りかぶられている拳を見ながら、少女に問う。

> 「ん、大丈夫、こわいけど」

青い光が前に立って

「かべ!」

一撃を受けるための壁を生み出して

ルクス・マリン > 「ん、ありがとうのぞみちゃん」

生み出された壁を見て、それを全幅に信頼し。

「――流転の光。星々の海」

詠唱を始める。
杖先に青白い魔力が集い、凝縮させていく。

巨大な黒いモヤの人狼 > 拳を叩きつけた。
柔らかな存在はそれによって潰れ散った――そう思った。
しかし、拳の先には壁が出現し、少女たちをつぶせずにいる。

なんたることか。
一度の屈辱ならず二度までも。
もはや勘弁ならぬ。

壁にぶつかった拳に力を更に込め、なんとしてもぶち破ろうと出力を上げる。

> 「絶対、とおさない!」

魔力を込める、硬く、強く、壁は固まる。

その信頼に応えるように

ルクス・マリン > 「――光の海へと沈みなさい!
ルクス・ストリーム!」

魔力を解放する。
瞬間、前方全て押し流す津波のような魔力波が解き放たれる。
青白い魔力波は、黒いモヤを斬り裂き、そして押し流していく。

――断末魔のような遠吠えが、世界に響き渡り、そして黒いモヤは消えていった。

> 「わ、やったあ」

当たる直前に魔力をカット、壁を消して

ルクス・マリン > 杖を一振りし、魔力波を消す。
ふぅ、とため息をついて安堵しつつ。

「ありがとう、のぞみちゃん。
おかげで助かりました。
それと、危険なことに付き合わせてごめんね」

もう黒いモヤは消えたし脅威はないだろう。
ゆえに彼女に向き合って、謝りを入れる。

> 「えへへ、大丈夫です」

ここちよい疲労感に身を任せて

「うん、よかった」

えへへと笑い

ルクス・マリン > 世界にヒビが入り始める。
ヒビからは、慣れ親しんだ光が差し込んでくる。
――世界の主が消えたために、解放されるのだろう。

「ん、この世界もそろそろ終わるみたい。
ごめんねのぞみちゃん。
私そろそろ行かないと」

このままここにいると、魔法少女の服装のまま元の世界に戻ってしまう。
それはいろいろとまずいので、どこかに隠れなければならない。

> 「ん、またね」

ひび割れた世界で手を振って

ルクス・マリン > 「うん、それじゃ気を付けて帰ってね」

小さく微笑み、手を振ってビル上のほうへと飛び去る。
その数十秒後、世界は完全に壊れ、元の世界へと戻るだろう。
沢山の人で賑わい、太陽が輝く元の世界へと。

> 「わ、もどっ、た?」

目をぱちくりさせ

ルクス・マリン > 世界が戻る前に人気のないビル屋上にいたルクス・マリン。
無事に元の世界へと戻れると、変身をとき、いつもの学生服の姿に戻る。

「――ふぅ」

一呼吸付き、ゆっくり歩みを進めて舌を見下ろせる位置まで来る。
学生通りの賑わいを確認しながら、のぞみちゃんの様子を確認しつつ。

「ありがと、のぞみちゃん」

小さく呟いて、その場を去る。

ご案内:「学生通り/裏側の世界」からルクス・マリンさんが去りました。
> 「えへへ、凄い事しちゃった」

にっこりとたのしく笑いながら、誰かに言えない、夏の幻だったのかも知れない。

ご案内:「学生通り/裏側の世界」からさんが去りました。