2020/08/14 のログ
ご案内:「神代理央 自宅」に神代理央さんが現れました。
■神代理央 > 【待ち合わせ中です】
ご案内:「神代理央 自宅」にラヴェータさんが現れました。
■神代理央 >
月夜見真琴のアトリエを出て、夏の夜道を車で駆け抜けて。
いつ見ても無駄に豪華なエントランスを通り抜け、エレベーターで上層へ。
気怠い体を引き摺って、部屋のオーナーを認識して鍵を開く便利システムの玄関から室内に入れば――
「……電気?はて、消して帰った筈、だが――」
脳裏に浮かぶのは、出ていった恋人。
時間が必要だ、とつい先程言われたばかりだが。
それでも、煌々と灯りの灯る室内にいるのは、もしかしたら――
■ラヴェータ > 「遅いぞ理央。どこをほっつき歩いていた?」
そんな神代の淡い希望を余所に室内から聞こえてくるのは彼の監査対象である狐の声。
ソファーに無遠慮に転がってうつ伏せで裸足をバタつかせる狐は不法侵入者の分際で実に偉そうで。
「せっかく夕飯をいただこうなどと思ってきたのに。貴様、その様子では食ってきたのではないか?
何か...肉の匂いがするぞ」
鋭い嗅覚の無駄遣い。
不満そうな態度だが、重ねて言うが不法侵入者だ。アポなどとっていない。
■神代理央 >
「……私が何処で何をしようと、貴様の許可を必要とする事は無い筈だがな」
小さく溜息を吐き出して、上着をソファに脱ぎ捨てる。
グラスを2つ取り出すと、ウォーターサーバーから注いだ冷水を注いで。
「ああ。月夜見のアトリエで夕食は済ませてきた。アイツは監視役がいないから、視察を頼まれてな」
なみなみと冷水が注がれた彼女の分のグラスをテーブルに一つ。
自分はグラスを傾けて喉を潤すと、そのままソファにどさり、と腰掛けた。
「腹が減っているなら出前でも頼んだらどうだ。私は料理など出来ないぞ?」
■ラヴェータ > 「ああ、あの女狐のところに行っていたのか。風紀委員会と言うのも大変なものだな。
...ああそうか、貴様は経験があるから任されたのか、ご苦労さまと言うやつだな」
女狐とはどの口で言ったものか。
はは、と笑いながら横向きになってグラスを揺らす狐。
水はギリギリ溢れていないが今にも溢れそうだ。
「なに?貴様は料理が出来ないのか。あんなにいい設備があるのに使わんとは勿体無いな
道具だって誰かが使ってやらねば悲しむかもしれんぞ」
勿体無いなあ、と。
折角あるものを活用しない様子に半ば呆れつつ。
道具に感情はないものだが、この島なら道具でも感情を持っていてもおかしくはない、程度のつもりで。
「...ところで貴様
あの女狐に何か吹き込まれたりしていないだろうな?
彼奴は私の同類であると言うことを忘れていないだろうな?」
突然不安気に眉を顰めて。
ただ神代を心配しているのだが、どう見えるかはわからない。
■神代理央 >
「ハッ、駄狐が月夜見の事を女狐呼ばわりか。まあ、似た様なものなのだろうが、愉快な冗談だな」
種族的に狐の因子を有する彼女が、人間である彼女を女狐呼ばわりとは。
愉快な事だ、と含み笑いを零すだろうか。
「取り揃えはしたが、使う必要も無いからな。
大体、今迄が男の一人暮らしだったのだから、外食で済ませた方が楽に決まっているだろう」
僅かに肩を竦めてグラスを傾ける。
実際、今迄は使う必要は無かった。
最近は、恋人が料理の練習の為に使っていたらしいが――
「……さて、どうだろうな。吹き込まれた側は、吹き込まれたと分からんと言う。
しかし、貴様。随分と愉快な顔をする。此の私が、そんなに頼りなく見えるかね?」
コトリ、とグラスを置いて。
眉を顰める彼女に静かに唇を歪めて、笑う。
何時もの様に尊大ではあるが、何時もの様な覇気は無い。
差し詰め――自暴自棄。言うなれば、やけっぱち。
そんな感情の色が、見て取れるだろうか。
■ラヴェータ > 「普段は面倒な方向へと思考を押し進める分際でな
折角なのだからこれぐらいの苦労は買ってみてはどうだ、若いうちの苦労は買ってでもせよ、と言うらしいぞ
それに貴様の好みの甘味もその手で作れるやもしれんぞ?」
魅力的ではないか?と
きっと自分で菓子を作れるようになれば楽しいぞ、と。
自分もそれにあやかれれば尚良い。
「...ッはぁ...貴様が頼りなく見えるか、だと?
見えるに決まっているだろう。なんなら貴様の女よりも頼りなく見える
彼奴の方が、沙羅の方が頼り甲斐がありそうだ
それに何だ今の貴様は。普段の貴様はどこへ行った?覇気がないぞ」
グラスの水を半分ほど飲み、再びグラスを左右に振り、揺れる水面の眺めながら。
今の貴様はいつものように対等な軽口を言い合う関係にすらなれないと、神代の顔をちらりと一目見た後は、もうその顔を見ようともしない。