2020/08/15 のログ
神代理央 >  
「金を出した方が早い。であれば、無為な労力を発揮する事が惜しい。その時間で、少しでも仕事を片付けた方がマシだと言うものだ」

フン、と吐息を零して彼女の提案を一蹴。
大きく背伸びをして、身体の凝りを解していたが――

「…普段の私、だと?」

ゆっくりと立ち上がると、彼女の眼前へ。
軍服を纏う彼女の前に立てば、静かに口を開く。

「では、貴様の望む私でいてやろうか?
三千世界を鉄火で燃やし、覇道を突き進む様が御好みなのだろう。
貴様の言う『普段の私』とやらを望むが良いさ。
お前の望む通り、欲する通り、私は貴様の監査役でいてやるとも」

怒りは、籠っていない。
だが、此方を見ようとしない彼女に向ける視線は――

「……下らん。実に、下らん。
腹が減ったのなら、キッチンの引き出しの下。チュールが置いてある。好きなだけ食え。食い終わったら消えろ。此処は私の家であって、貴様の寝床では無い」

彼女の為に、とこっそり買っていたチュール。
見つからない様にと隠してはいたが、その在処をあっさり彼女に告げると。
忌々し気に舌打ちして、書斎へ続く扉へと足を進めていく。

ラヴェータ > 「ふん。誰が普段の"鉄火の支配者"なぞと言った。
私が言ったのは普段の"神代理央"、つまり貴様のことだ
前も言っただろう?貴様は"鉄火の支配者"である以前に"神代理央"と言う子供であるとな」

わざと音を立てるようにしてグラスを置いて。

「ただの子供の分際で"鉄火の支配者"であろうとする...何かに常に応え続けようとする貴様はどこへ行った?
今の貴様は私の軽口に応えようとするだけの気すらもないと?
やはり貴様、あの女狐に何か吹き込まれたか?それとも殺し屋とやらか?」

今日神代の家を訪れたのは、ここ最近の彼の様子を思ってのこともある。
何かとここ数週間不安定な様子を見せる彼と一度話をしたいと。

神代理央 >  
「……何方も大差無い。変わらないんだよ、ラヴェータ」

書斎へ向けていた足を、一度止める。
其の侭ゆっくりと振り向くと、壁を背凭れにしてソファに座る彼女に視線を向ける。

「そういう私であって欲しいのだろう?貴様と他愛の無い軽口に興じ、鉄火の支配者であろうと足掻く私でいて欲しいのだろう?
良いとも。幾らでも、何度でも。貴様の軽口に応え、駄狐と呼んでやるとも。
――それが、ラヴェータ=ワーフェンダー=クリークラークの望む『神代理央』なのだろう?」

小さく溜息を吐き出して。
壁に身を預けた儘、嗤う。

「何なら、撫でてやろうか?その姿でも、狐の姿でも。何方でも愛でてやるぞ、ラヴェータ。その様を笑うと良い。それに軽口で応えてやるとも」

「何なら、抱いてやろうか。どうせ、今此の家には私とお前しかいない。ああ、それとも。何時ぞやの夜の様にチュールが欲しかったか?」

其の侭、ずるずると壁に凭れて座り込む。

「……何でも。何でも構わんさ。言ってくれ。どうして欲しいのか。
お前の望む姿で、いてやるから」

疲れた様に、しかし高らかに。
彼女に向けて、嗤った。

ラヴェータ > 「はぁ...貴様は忘れたのか?理央
私が貴様に何を望んで何をどう評したか忘れてしまったか?理央」

呆れたような、それでいて失望までは程遠いため息を漏らせば立ち上がり、座り込む理央の方へとゆっくりと近づきながら言葉を投げかけていく。
諭すような、記憶を一つずつ掘り起こすためのきっかけを与えるような。

「私はあの日、貴様を監視してやると言った日。
私は貴様に考えろと言ったはずだ。
貴様の態度を悲しいと評したはずだ
落第街へと共に向かった時なんと言った?
貴様の傲慢さを歪と評したはずだ」

神代の目の前で立ち止まる。

「私は今まで貴様に"鉄火の支配者"であろうとする貴様を、何もかもに応えようとする貴様を望んだことはあったか?
むしろずっと変われと言い続けた筈だ」

蹲み込んで、神代の顔を覗き込んで。

「月夜見も良いことをするじゃないか。彼奴は貴様に素晴らしいことを吹き込んだようだ。
ようやく休むことを覚えたのだな。貴様は」

フッと笑った。

神代理央 >  
此方の顔を覗き込む少女の顔を見返す。
その瞳は実に奇妙な色をしているだろうか。
怒りや悲しみではない。力が無い訳でもない。
絶望でも無い。
強いて言えば、そう。激しい、落胆。

「覚えているさ、覚えているとも。
だから、お前の前では肩肘を張る事は無かった。
軽薄な軽口だって、別に演技でしていた訳じゃ無いさ。
私は結構、お前と過ごす時間が嫌いではなかったよ」

淡々と、訥々と。
言葉を返し続ける。

「だから、お前が純粋に私を心配してくれているのも、まあ、分かる。短い付き合いではあるが、お前は意外と良い奴だからな。
未だヒヨコの様に見える年若い人間を、慈しむ様な心をお前が持っている事は、分かっているさ」

「だけど、だけどな。ラヴェータ」

ゆっくりと身を起こし、此方の顔を覗き込む彼女へと近付く。
唇を、彼女の耳元に寄せて。小さく嗤いながら、囁いた。

「お前は『望んだ』じゃないか。たった今。普段の私を。お前が『変われ』という私を。お前から決して聞きたくなかった、その望みを」

「月夜見が何といったか教えてやろうか、ラヴェータ。
アイツはな『急ぎすぎ』だと言ったんだ。
恋をする事も、変化する事も、何もかも、全部な」

そう囁いて、よろよろと。
ゆっくりと、立ち上がる。

「だがお前は、私に変われと言うのだろう?
――ああ、無論。勿論。貴様なりに私を慮っている上での発言である事は分かっているさ」

「だから、変わってやるとも。ああ、もううんざりだ。うんざりなんだ」

「――誰かの望むが儘に『神代理央』でいることは、もううんざりだ」

彼女を見下ろして、言葉を吐き出す。
穏やかに、静謐に。
表情を浮かべぬ儘、彼女を見下ろした。

ラヴェータ > 「ー私はどうやら小娘の小狐だったようだな...」

気づくのは、早かったが遅かった。
手遅れに気づくのが早かったとしても、いくらラグがなくとも、手遅れには変わりなかった。
落胆の瞳、こちらを見おろす瞳。

それに応える瞳は僅かな怯えと、焦り。
これまで常に傲慢に、軽薄に、余裕あり気に。
そうでなくとも失敗なぞ知らないとでも言いたげだった狐の瞳に、焦りが生じた。
どうすればいいか。
失望ともとれる神代の瞳に、自身の想いが、気遣いが、望みが逆に彼を傷つけたと。
どうすれば良いかわからない、何かを探すのにも、作るのにも何もかも足りなくて。

「それは...すまなかったな」

善意の押し売りでしかなかったのだ。そう気付いた狐の口からその一言がこぼれ落ちた。
結局彼に応えさせる願望を投げつける一人でしかなかった狐に出来ることは最早、無かった。

「なら...理央。
やりたいように、やれば良い」

突き放すのではなく、望むのではなく、せめてそりますように、と。
誰にでもなく、天に祈るような気持ちで、そう言い放った。
どこか重々しく、怯え、震えた言葉だった。

そして、何か、自分がそうありたい、やりたいことを見つけて。
やりたいように、やれば良い。

搾りかすとなった狐は。
今まで貯めた分を全て喪失した狐は。
裸足のまま玄関から去っていった。

その後ろ姿は、哀れだった。

「ああ、月夜見。貴様には敵わんな」

そして、夜の影へと姿を消した。

神代理央 >  
「……望んでくれても良いじゃないか」

彼女が立ち去った後、幽鬼の様な足取りでソファに座り込む。

「今迄通りのお前でいろ、と。それを望んでくれれば、俺はその通りにしたのに」

「チュールだって、お前が好きだと言ったから、沢山買ってやったのに」

「……監査役はクビかな。監視対象を不安定にさせる様では、職務不履行も良い所だ」

ぱたり、とソファに倒れ込む。
視界に映るのは、磨き上げられた天上。
一人で住むには、余りに広く、豪奢で、寒々しい天上。

「………俺は一体、どうすれば良かったんだろうな。
誰か、誰か教えてくれないか。誰か」

己の声に応える者など、誰もいない。
理解者であろうとしてくれた影狐の少女は、たった今、自分が追い出したばかり。

「…………だれか、おれをみてくれ」

「ひとりはいやなんだ」

「だれかと、いたかっただけなのに」





鳴り響く電子音。
のろのろと、端末に手を伸ばす。

「………神代です。…ええ、はい。はい。大丈夫です。
『鉄火の支配者』が健在である事を、見せつけてやりましょう」

「何時までも穏健派にのさばらせておくのも業腹ですからね。
勿論、現場の裁量はお任せいただけるのでしょう?」

「……エンピレオばかりでは飽きませんか?偶には、違う場所を準備しますよ。その分の見返りは、当然私も期待してしまいますが」

「ええ、はい。有難う御座います。それでは」

もう、大丈夫。
『神代理央』は元通り。
明日からは、落第街での任務を再開しよう。
落第街の住民になるべく被害を出さずに、違反組織を――はて。
『何故書類上存在しない連中』を、気にしなければならなかったのだろうか。
少し首を傾げながら起き上がる。シャワーを浴びて、早く休もう。
明日からまた、仕事が待っている。

ご案内:「神代理央 自宅」から神代理央さんが去りました。
ご案内:「神代理央 自宅」からラヴェータさんが去りました。
ご案内:「歓楽街のとある建物の一室」に葉山翔一さんが現れました。
ご案内:「歓楽街のとある建物の一室」に一樺 千夏さんが現れました。
葉山翔一 > 二級学生を脱してから悪と戻る様になった部屋。
部屋の半ばを埋め尽くしていた商品は綺麗に片づけられよく判らない文字の書かれた箱は増えたが。
そんな部屋にいる時に何をするかと言えば大抵は寝て過ごしているのだが……。

「こいつは次に売って…これはもうちょっと後にするか」

その日は時折に来る客人やお持ち帰りした誰かが居る訳でもなく次の商品の準備をしていたりとして。

一樺 千夏 > そんな中、玄関のドアがノックされる。
トントントン。

「あけてー!
 両手が塞がっててさー、ドア開けられなんのよー。
 外、あっちくて溶けちゃうわー」

でも声の調子は辛そうではない。
むしろ楽しそうである。

葉山翔一 > 突然にドアのノックに驚いたように肩が跳ねあがり、カチコミかと腰を浮かせるがそれはないかと息を落ちつけ。
続いて聞こえた声にあいつかと腰を上げ直し。

「今開けるから待ってくれ。
今日は何を持ってきたんだ?」

内容と楽し気な声の様子も結構何時もの事。
腰を上げ切り背を伸ばすと玄関に向かいドアを開け、いらっしゃいと声をかける。

一樺 千夏 > 汗をダラダラとかきながら、左手で持っているビニール袋を突き出す。

「とりあえず、アイスとジュース。
 溶けちゃうからさ、冷やしといてー?」

なお、ジュースには度数の少ない酒も含まれている。
右手は右手で、デカい登山用の鞄――少し前に流行った北だか顔だか言うメーカーのそれ――を引っかけるように握っていた。

「もう、ほんと暑かったからさ。
 シャワーとか借りていいかしらん?」

葉山翔一 > 「今日は普通にアイスとジュースか、この前みたいに酒はないよな?
判ったよ、冷やしとく。それでそっちは何だ…?」

受け取ったビニール袋を覗き込んで一応の中身の確認。
ジュースに混じる酒に気が付かないで冷蔵庫に向かうとして一度足を止め、右手に持つデカい登山靴に目を向け。

「今年は異常気象だからな…暑いのはよくわかるよ。
いいぞ、好きに使ってくれ」

今更だろと頷き、今度こそビニール袋の中身を分けて冷蔵庫にしまい。
もう場所は知ってるだろうが風呂場の方へと指をさして。

一樺 千夏 > 「ジュースよ、ジュース」

少しばかり目を逸らしながらも、勝手知ったるなんとやら。
登山鞄を邪魔にならない程度の端に置いて。
一目散にシャワールームへ。

「いや、ほんと……ここが南の島だって忘れてたわ」

汗で張り付くジャケットやタンクトップを脱ぎ散らかしていく。
ほどなくして、シャワーを浴びる水音と鼻歌が聞こえてくる。

葉山翔一 > 「そう言って前に酒だっただろ?」

少し目がそれている事に混じってると呆れた顔。
しかし何時もの事なので自分が飲まなければいいとスルーし。
山にでも上ったのかと登山鞄を見るが聞きはせずにシャワールームへ行くのを見送り。

「忘れるなよ。ただでさえ暑いんだぞ?
後な……脱ぎ散らかすなよ」

これも何時もなので慣れた事だが一応に告げ。
ほどなくして聞こえてくるシャワーの音と鼻歌に仕方ないと脱ぎ散らかされた衣服を集めて籠に放り込む。

一樺 千夏 > 「10%にも満たない飲み物はジュースよ、ジュース」

シャワールームから楽しそうな声が聞こえる。
ご機嫌である。

「親切な妖精さんが片づけてくれてるからいいのよ。
 そうでなくとも、苦手なのよね……掃除とか」

とても駄目人間な事を言いながらも、さっぱりしたのか水音が止まる。

「ああ、そうだ。でっかい鞄の中身、テーブルに出しといてー。
 おみやげー」

葉山翔一 > 「それは否定しないけどな。俺は学生だぞ?」

飲むぞと言うように楽しそうな声の聞こえるシャワールームに声をかけ。
どっちにしても飲むのだが一応の学生アピール。

「それは俺の事だろ……もう見慣れた良いんだけどな。
せめて洗濯ぐらいはしろって……これは洗っとくのか?」

籠に入れた衣服、洗うならそのまま洗濯機に移動する事になるので確認し。
水音が止まればそろそろ出てくるかとタオルを何枚か用意しておき。

「中身?……ちょっと待ってくれ」

そう聞くと隅に置かれた登山鞄を手にし。
中身をテーブルの上に取り出し並べていく。

一樺 千夏 > 「学生が飲酒しちゃダメなんて、誰が決めたのよ。
 ダメなのは子供だけでしょー」

子供でも飲むときは飲むわー なんて ダメ人間まっしぐらなセリフを喋りながらも。

「洗濯してくれたら助かるわ。
 ……アタシ、あんまり替えの服って持ってないからさー。
 右腕がアレじゃない? 普通の服って入らないのよねー。
 だから新しいの買うのも結構大変でさー。
 ところで、普通の洗濯機で防弾ジャケットって洗えたかしらん?」

ちなみに、ジャケットの中には煙草とか突っ込んだままである。

登山鞄の中には、何に使うかイマイチわからないような石ころやら木の枝やらペットボトルに入った水やらに混じって直径が5cmくらいのガラスの様な透明の玉が全部で5つタオルに包まれて入っている。

そしてタオルを肩に掛けたまま、頭を左手でガシガシと拭きながらシャワールームから戻ってきた。

葉山翔一 > 「……俺、未成年なんだけどな。まあいいか」

飲まないとは言ってないと楽しそうな口調でシャワールームへ返し。
子供だけどまあいいかという感じで。

「そこは入るのを選んで買えばいいだろ。
ここはいろんな奴がいるんだ、その右腕でも入るのは売ってないか?
ジャケット以外だよ、ジャケットを回したら洗濯機が壊れるって」

洗うのはジャケット以外だと告げて、それ以外を洗濯機へ。
念のために何も入っていないかと確認をするが、ジャケットの中以外は何もなく洗濯を開始し。

そしてタオルに包まれた物を5つ取り出し包を解くと何に使うか判らないものばかり。
これがお土産と聞いてもぴんと来ず。

「これで何を作る気なんだ……って、シャツ置いてなかったか?」

馬鹿でかいフリーサイスのを置いてたはずだとタオルを肩にかけた状態で戻ってきた姿を見て。

一樺 千夏 > 「用心の為に着込んでるけど、ほんっとキツイわ。
 精霊術で誤魔化すにしても冷たいの苦手なのよね」

そのまま冷蔵庫に向かって、ほろっと酔えそうな缶を取り出してプシっと開ける。
そのままゴッゴッゴッと飲み干してから。

「浴び終わった直後って、素肌に風とか当てたくない?
 それにほら、見せて恥ずかしい体ってわけでもないしね!
 別に見せて減るもんでもないし。……見たい?」

胸を張る。腹筋は割れてる。何を恥じることがあろうか!といわんばかりである。

「っと、それね。アタシは霊玉って呼んでる。
 それにアレコレと加工すると、ちょっとしたマジックアイテムになんのよ。
 誰でも簡単魔法使いってねー」

葉山翔一 > 「お前ならこんなのを着こまなくてもどうとでもなりそうな気がするんだが?
冷たいのは流石にな……」

今の時期なら丁度良くないかと思いはするのだが苦手は仕方ないかと。
そうして冷蔵庫に向かい、早速一本を飲む姿を眺めて。

「そう言うのは自分の部屋でやるものだと思わないか?
そこは恥じらいとかそう言うのを持てって何度もな…。
それは押し倒していいってとるぞ?」

確かにじっくりと見たくある見事な身体、しかしそれは別だと言うように。

「霊玉?へぇ、こう言うのがマジックアイテムになるのか。
誰でもって……才能無しでもか?」

百貨店や歓楽街で時折に見るマジックアイテムになると聞くと感心し。
そんなに簡単になのかと確認するように問いかけて。

一樺 千夏 > 「そりゃ、ハンドガンくらいならなんとかするけど。
 マシンガンやアサルトライフルはさすがに無理よ。痛いじゃすまないしね」

まだ見たことはないが、ある所にはきっとある。
だから用心だけは欠かさない。
……くっそ暑いけど。ファッキンホット!!

「その自室がないから、ここでやるしかないわねー。
 恥じらいとか生き残るために捨てちゃったからなー、異世界の路地裏にまだ落ちてるかも」

押し倒していいって取ると言えば、誘うように指をチョイチョイと曲げたり。
そのまま、どっかりと座り込んで。

「アタシ流のって頭につくけどね。
 こっちの魔術師達がどうやってるか、までは知らないし。
 んー もうちょっと正確に言うなら。
 『外付けの才能発揮装置』よ。
 アタシはあんまり作り慣れてないから、上等なモンは無理だけど」

葉山翔一 > 「拳銃がどうにかなるなら十分だろ?俺ならそれで死んでるって。
その辺りはまあ……俺は最近捌いてないから持ってる奴は風紀か公安ぐらいだぞ?」

正式で買えず、闇で売っていた一人は現状販売停止状態。
なら持っているのは風紀か公安だから大丈夫だろうと。
それでも用心を欠かさない事に何度も助けられているので大したもんだと感心するばかり。

「けどな、思春期の青少年の部屋でやられても困るんだが…。
もうそろそろ持ち直しても良いと思わないか?」

指をちょいちょいと負けるしぐさに降参と言うように軽く両手を上げ。
一度本当に押し倒して完全敗北をしているだけに二度の敗北は避けたく。

「それでも凄いもんだろ。
俺はそっち系はさっぱりだから出来るってだけで上等だと思うな。
外付けの才能発揮装置?つまりは俺でも何か使えるようになるって感じか?」

上等なものは無理というがそれでも名前を聞けば凄く聞こえ。
もしかしてそれがあれば自分もと期待してしまう。

一樺 千夏 > 「まぁ、その為に体から脳みそまで弄ってるから。
 それに……ポリとはどうにも相性がよくないっていうか。
 利害がかち合いやすいっていうか」

法を遵守しているつもりなんだけどなぁ とこぼす。
たまにやらかすの意味でもあるが。

「別にオカズになるくらいでどうこう言わないしね。他の誰かがいるならやらないから安心なさいな。
 持ち直してもいいけど、アタシってここじゃゲストだからさ。
 戻った時にそれで死ぬくらいなら流儀を変えない方が楽かなって思ったりするのよ」

言いながら、流し目をしつつ何かを思い出したのか舌なめずり。
降参のポーズを見てからは、わざとらしく口を尖らせたりしている。

「そうね、何か使えるようになるわよ。
 簡単な魔術かもしれないし、ちょっとした肉体能力の向上かもしれないし、ちょっとした幸運かもしれない。
 作ってみるまで、効果がアタシにもわからないんだけどねー」

葉山翔一 > 「そこまでできるのが一番すごいよな、俺には無理だ。
そこはあれだな……俺みたいな奴の用心棒をやってたり…後は腕?」

法を守っていてもやってる事がと…それで助かっているのでやめろとはいえず。
その他でやらかしていることまでは把握していなく。

「オカズにするほどは困ってないって……俺だけの時は良いけど客がいるときはちゃんとしてくれよ。
そう言わないでこのまま定住したらどうだ?こっちの方が暮らしやすいだろ?」

帰るつもりなのかとそれだけは呆れた目で見てしまい。
わざとらしい口を尖らせる姿に小さく似合わないと。

「つまりはどうなるかはさっぱりって訳か……。
それでも俺としちゃ助かるのが多そうだな。
出来たら一個もらえるか?」

一樺 千夏 > 「用心棒と喧嘩代行業と地下闘技場で遊んだり、(違法な)ギャンブルしたり?
 治安組織と仲が悪いのよ、委員にいる個人との相性はきっとまた別だから」

色々と肌に合わないというか、水が馴染まないらしい。
今のところ、小さな衝突なので逃げている。

「こっちはあったかい陽だまりみたいなもんだけどさ。
 ……長居しすぎたら、どこかで爆発しちゃうから。
 爆弾は、爆発しても大丈夫な場所に置いておくしかないでしょ?」

ちょっとだけ寂しそうに笑った。

(アタシはどこまで行っても暴力なしじゃ、生きていけないしね。
 ……死ぬ間際に、幸せな思い出を思い出せればそれで上等。そういう意味じゃ、ここはもうあの世かもしれないわねー。
 常世 だし。)

「一個と言わずに、全部あげるわ。
 ただし……中身はこれから入れるから、運しだい。
 どう、今日の運勢に自信あるかしら?」

葉山翔一 > 「やってる事が全部目を付けられる事ばっかりって訳だな。
そうなったら個人で中の良い奴以外は危険すぎるって訳だ」

聞けば確かに治安組織と馴染む要素が皆無。
それどころか今までよく無事だったなと感心するのみで。

「ずっとやばい所にいたんだ、そとそろ陽だまりでゆっくりも良くないか?
お前なら爆発しないでやって気そうな気がするんだけどな。
こればっかりは強制できないか……もしいなくなるなら一声言ってけよ?」

その時は山ほど選別をやるからと寂しそうに告げ。
二級生徒の頃に嫌というほど出会いと別れを行っているのに知り合いがいなくなるのは今だに慣れず。

「いいのか?そりゃ大助かりだよ。
貰えるのに中身にまで文句をつける訳ないだろ。
運か……今日はそこそこだな」

普段よりは平穏に過ごせている今日、運勢は良い方だと告げて。

一樺 千夏 > 「そういう事ね。
 幸い、ケツまくって逃げるのは慣れてるし?」

あっはっはっ と笑って流す。
そこに反省の色はない。
全部、それしか楽しい事を知らないからやっているのだけだ。

「だから、いま……ゆっくりしてるでしょ。
 それにお日様が沈んだら、アタシが慣れ親しんだ夜のビル影が戻ってきちゃうしね?」

こっちおいでー とばかりに手招きしてから両腕を広げる。

「そう、それなら何が出るか……運命の女神さまに決めてもらいましょ。
 当たりが出たら……ビッグラッキー!ついでにアタシの馬券も買って?」

葉山翔一 > 「俺もそうだったからよくわかるな」

つい釣られて笑ってしまう。
違法露店の常習者だけに逃げる事が多く共感でき。
ただ生きる為か楽しみか、その違いがあって。

「今だけじゃなくてずっとゆっくりすればいいだろ?
やってる事はアレだけど普通に暮らせるぐらいは稼いでるんだ、浪費をやめたらよくないか?
あー……あれは断っても寄ってくるからな…」

もう夜のビル影は勘弁だと首を振り。
一度抜け出したそこに戻るのはどうにもという顔をして。

「運命の女神か、そう言うのは嫌いじゃないな。
当たるもはっけ、当たらぬもはっけだな。
馬はやらないから諦めてくれ……」

そこは自分で買えとテーブルにお札を一枚置いて。

一樺 千夏 > 「浪費を辞めるのは無理……じゃないけど。
 もっと別のスリルを用意してもらわないとダメよ。
 アタシってどうも根っこがロクデナシみたいだから。

 っと、ほら寂しい顔してないでこっちきなさいな。
 ハグしてあげるから」
[5d67→3+7+24+35+67=136]
葉山翔一 > 「性って奴は判るんだけどな……。
俺は言うのもなんだが平穏求めても良いと思うぞ。
少なくともこの島なら誰も文句は言わないしスリルもあるだろ…?

大の男に言う事じゃないだろ…」

そう言いながらも近寄って行って。

一樺 千夏 > よしよし と 左腕で抱きしめる。
右腕を使ったらそのまま圧し折ってしまいそうなので、そちらは霊玉を弄って遊ばせているのだけれど。

「それなら、もっと捕まえておいてよね。
 アタシは逃げる、アンタは捕まえる。鬼ごっこみたいなものでしょ」

ところで、今の千夏は裸にタオルを引っかけただけの恰好である。
抱きしめれば、頭なり体なりに柔らかい二つのお山が密着して形を変えていく。

葉山翔一 > どうにも色々と勝てないよな、左腕で抱きしめられながらそんな事を考え。
右腕を使わないのは確実に自分が潰れ折れるからだろう。
そう言う事に気を使えるのだから大丈夫だろうと思ってしまい。

「掴まえるのが俺でいいのか?
俺も色々と手を出してるろくでなしだぞ?」

そんな俺で良いなら幾らでも追いかけるぞと笑って見せ。
誘ってるのか無防備なのか、それとも意識されてないのか判らないと…。
裸にタオルをかけた格好に抱きしめられていて。

一樺 千夏 > 「決まってるでしょ。
 アタシが捕まえる側だったら、もう勝負がついちゃってるんだから」

ぎゅう と抱きしめて、オデコに軽くキスを降らせた後に。
右手でごくごく弱いデコピン。

「ロクデナシ対決なら、負ける気がしないわー。
 よいせっと」

そのまま葉山の体を持ち上げて、歩き始める。
この方向は寝室……というかベッドのある方向だ!!

葉山翔一 > 「確かにな……異能を使えば逃げ切れるかもしれないけども。
この状態じゃどうやっても逃げれないな…って、普通に痛いからな」

左腕でも抱きしめられると少々の痛みがあり、額に受けるキスの感触を自覚する余裕はなく。
更に右手でデコピンをされれば弱くても痛いと文句を告げ。

「そっちは金使いが荒くてスリルを求めるロクデナシ。
俺はこれでも女関係でそこそこロクデナシだぞって……どこ行く気だ?」

いきなり持ち上げるなと流石に驚き、ベッドの方へと向かえば流石に慌てて。

一樺 千夏 > 持ち上げたままでも、どこに行く気だと問われれば。

「んー?
 ほら、女関係でロクデナシって言うからさ。
 アタシで上書きすればいっかなーって?」

その笑顔は、とてもワイルドで飢えた狼のようで。

「……夜の影でも、寝かさないわよ?」

つまりは、いつも通りの笑顔だった。

葉山翔一 > 「やっぱりそうだよな。
上書きって……最初に手を出したときに思ったが肉食だよな」

飢えた狼のような笑みに、それなりにやんちゃをしている自分が可愛く見え。

「その代わりだ……ここにいる間は平穏を満喫しろよ…?」

どうあっても変わらないよな、とその笑顔を見ては笑い返して。

一樺 千夏 > 「後悔しないように、ガツガツいかないとねー?
 ヤっときゃ良かったなんて死ぬ間際に思い出すと悔しいでしょ?」

なんて笑いながら。

「アンタが、アタシを捕まえていられる間は平穏の中で寝てるわよ」

と喋ってから。
影は一つに溶け合って。

ご案内:「歓楽街のとある建物の一室」から一樺 千夏さんが去りました。
葉山翔一 > 「説得力があり過ぎるって。
少なくともな、こっちの世界に居る間は死なせないっての」

お前はと口調こそ呆れてはいるが笑みを浮かべていて。

「俺はこれでも欲深い方なんだぞ。そこまで言うなら掴まえといてやるからな」

覚悟しとけよと言い切り。
そうして影は一つに溶けていき。

ご案内:「歓楽街のとある建物の一室」から葉山翔一さんが去りました。