2020/08/20 のログ
ご案内:「スラムのボロアパート」に妃淵さんが現れました。
ご案内:「スラムのボロアパート」に柊真白さんが現れました。
妃淵 >  
「……あっつ…」

暑すぎる日差しの中、数日ぶりに自分の部屋へと戻ってきた
色々取りに帰るつもりでやってきたが、鍵がかかってたらどうしようかなとドアノブに手をかける

軽く回った
立て付けが悪く、引っ張るときしむ音

カーテンで光の差し込まない室内はやや涼しいが、ややといった程度

鍵開けっ放しのこの部屋を、フェイエンは勝手に使っていた
電気もアパートの建物自体が歓楽街のどこかからこっそり引っ張ってきているのだろう
一応使える。今は昼間なので真っ暗というわけでもないし

エアコンなんて設置されているべくもない、暑い室内に入り雑多におかれた物の塊の前にしゃがみこんで、とりあえず色々探すむーぶ

柊真白 >  
「あぁ、いた」

窓からの声。
音もなく窓枠を乗り越え、窓へ腰かけて。
色々聞き込みを繰り返してここを突き止めたはいいものの、何度来ても留守だった。
今日も外れだろうかと思ったが、幸運にもこうしてやっと見つけることが出来た。

「頼まれてたもの、持ってきたよ」

ポケットからスマホを取り出して。
数世代前の機種だが、普段使いには充分なもの。
勿論正規品だ。

妃淵 >  
「…んん?」

窓から声がする、言い忘れたが2階だ
…まぁ腕の立つアサシンだったかなんだったかならそれくらいの身体能力はあるか
そう納得する

「律儀だな。──えーと」

名前聞いたっけ、覚えてない

「助かるぜー。もう画面割れてていつまで使えるかわかんあかった」

白い少女がポケットの中から取り出して見せた綺麗なスマホを見てそう口にする

柊真白 >  
「柊真白」

そう言えば名前を言っていなかった。
名を名乗り、座ったままスマホを差し出す。

「悪いことには使わないでね」

一応その辺のロックはかけている。
が、悪いことに使おうと思えばいくらでも使えるだろう。

妃淵 >  
「フェイエン」

自分も名乗ってたか忘れたので改めて名乗る

「カメラ使えて連絡とれればいいよ。さんきゅ」

差し出されたそれを受け取る

以前であった時よりも棘がないというか、角が取れたというか
そんな、雰囲気がやや変わったような印象を与えるかもしれない

柊真白 >  
おや、と言う様に少しだけ目を開く。
前会った時よりもなんだか穏やかと言うか、なんというか。

「――連絡取る相手、男の子?」

こてん、と首を傾げて。
女の子が変わると言えば、一番に浮かぶのはそれ。

妃淵 >  
「ン?そうだけど…」

だったら何だと言うのだろう
確かにメインで連絡をするのは斬鬼丸だけだけど

そんなにそれが珍しいだろうか、と小首を傾げていた

柊真白 >  
「そっか」

やはりか。
窓枠に座ったまま膝に肘を置き、その手の上に顎を乗せて。

「好きなの?」

なんだかちょっと嬉しそうに。

妃淵 >  
「好き?かどうかは、どうだろうな。
 そういう経験がないからわかんね」

手元で真新しいスマホをぺたぺたと触ってみたりしつつ、
視線も向けずにそう返して

「まぁでも、ソイツは俺のこと好きって言ってくれてるから、
 別に悪い気はしてない」

柊真白 >  
「ふうん」

早速新しいスマホを弄り回している彼女。
窓枠で足をぶらぶらさせながら眺めている。

「少なくとも、嫌いではないんだ」

悪い気がしない、と言うのなら。

妃淵 >  
「嫌いな相手と連絡なんかとらねえだろ」

何言ってんだ?と怪訝なカオ

「で?もう用済んだんなら帰っていいぞ。
 …それともなんかまだ用ある?」

柊真白 >  
「ん、――」

用事があるか、と聞かれれば。
少し考える顔。

「用事はない。でも興味は沸いた」

フェイエンと言う少女に。

妃淵 >  
「興味ぃ?」

ぱたぱたと手団扇、アツくないのかこいつ
こっちは暑い部屋からさっさとエアコンの効いたアイツの部屋に戻りたいんだけど

柊真白 >  
「うん」

涼しげな顔。
暑いのは暑いが、それを顔に出すようでは暗殺者は務まらない――と言うわけではなく、冷気を纏う魔術符を使っているだけである。
ひんやり快適。

「こっちの人なのに、男の子と連絡取るためにスマホ欲しいって言うような人、珍しいから」

妃淵 >  
「まぁ、珍しいかもしれないけど…」

そんなもんであちこち興味持ってたら疲れないだろうか
あくまでも自分基準なのでわからないが

「とりあえずあとは俺必要なモン持って帰るだけだから」

言うと、視線をそむけて服だとかを引っ張り出し、古ぼけたバッグに詰め込んでゆく

柊真白 >  
「うん、珍しい」

柔らかい雰囲気を醸し出しながら。

「持って帰る――もうここには住んでないの?」

部屋の中を見回して。

妃淵 >  
「今はちょっと別所に住んでる。
 戻ってくるかは…まぁわかんねーな」

ぶっきらぼうに言葉を返して、バッグの口を閉じる

持ってゆくものなんてほとんどなかった
まぁ適当に雨除けとして使ってた程度の部屋だしこんなものか

柊真白 >  
「その子のうち、とか?」

もしかして一緒に住む様になったのだろうか、と。
なんとなく、自分の部屋に引っ越す直前の恋人のような空気を感じて。

妃淵 >  
「ん?まーな。泊まってってもいいみたいに言ってたから。とりあえず夏の間だけ」

別に隠す必要もないかとそう口にする
にしてもそんなに他人の男まわりの話なんて気になるものだろうか
理解が追いつかない

柊真白 >  
「もうそのまま一緒に暮らしたら?」

こんな家とも言えないようなところより、ちゃんとした家ならその方が良いだろう。
それがちゃんとした家かどうかはわからないけれど。

お節介、だとは思うけれど。
こんなところであんな暮らしをしているよりはずっといいと思う。

妃淵 >  
「…ンー、どーなるかはわからんけど。そうなるかもな」

別にそれは吝かじゃない
周りにお店も揃ってるし
エアコンもあるし

「ずっと一緒になってるとまた色んな問題も出てくるだろうし」

そういうところは、リアリストだ

「で、興味持つのはかまわねーけど、別にそんなに話せることもなかったりな」

柊真白 >  
「問題があるなら一緒に解決していけば良いんじゃない?」

普通に暮らしていて発生する問題は大抵解決出来るように出来ているのだし。
二人で解決できないのなら、もっと別の人に頼ればいい。

「ん、別にいいよ。そう言う話聞くの、嫌いじゃない」

人のコイバナはいくつになっても楽しいものだ。

妃淵 >  
「いや、だから話すことが別にないっていう…」

話すのが聞くのが好きなのはよーくわかった
あとあつい、部屋があつい

まぁ問題については、このロリの言う通り
実際アイツは解決しようとするだろうし、別にそれを後押しするのも嫌ではない

柊真白 >  
「ん……」

色々聞きたいことはある。
が、しかし汗だくの彼女。
ここがそう言う話をするような場じゃないのは確かか。

「じゃあ、ご飯かお茶でも奢るから。色々聞いてもいい?」

報酬、と言うわけではないが、色々質問をする代わりに。
彼女が話すことはないと思っていても、こちらとしてはそうではないと言うこともあるのだ。

妃淵 >  
「はぁー?別に時間ないわけでもねーからいいけど…」

そこまでして、この少女にとっての興味というのは大事なものなんだろうか

「っても別に聞かれるようなこともない気がすっけどなぁ…」

鞄を横に置いて、ぺたんと床に座り込む

柊真白 >  
「それはほら、どんな子かとか、どんな出会いだったのかとか」

聞きたいことはいくらでもある。
話を聞けばさらに増えるだろう。

「あと、フェイのことも知りたいし」

彼女の恋人だけではなく、彼女自身のことも。

妃淵 >  
「うーん…?普通のヤツ。
 んでラーメン屋でラーメンおごってもらった」

それだけである
このフェイエンという少女、会話を続けるのが下手くそである

「俺のことは見ての通り。それこそ別に話すことねーよ」

柊真白 >  
「ラーメン」

思ったよりドラマチックな話題ではなかった。
しかも彼女の中ではそれで終わりらしい。

「――そのあとは? ラーメン奢ってもらったから一緒に住むようになったわけじゃないでしょ」

しかし向こうから来ないのであればこちらから掘り下げていけばいいのだ。
何よりこんなおいしそうな話題を逃すわけにいかない。

妃淵 >  
「…なんだっけな。あー、カラオケとかゲーセンとかいったっけな」

どうやらそれから何度か遊んだらしい

「で、なんかいきなり好きだって言われた」

こう、電話で要件だけ話してすぐ切る。フェイエンはきっとそういうタイプ

柊真白 >  
「カラオケ、ゲーセン」

そう言えば、自分は恋人とそう言うところに行ったことがなかったな、とぼんやり思う。
今度誘ってみようか。

「いきなりってことはないんじゃ――いや、うん」

いやまぁ確かにそう言うのは言われる方はいきなりだったりするけど。

「――あぁ、もしかして。相手の子、女の子にあんまり慣れてない感じ?」

妃淵 >  
「んー?ああ、童貞だったなそういえばな」

思い出してつい笑う

「そんでまぁなんか夏の間に遊びに来ない?みたいな流れから今泊まってる」

完結にすませば本当にそれだけだ
自分でも不思議なくらい、アイツとの時間が増えている
それだけアイツが自分のために時間を使っている、という証左でもあるが

柊真白 >  
「ふふ、そっか」

ちょっと笑ってしまう。
相手の子には申し訳ないけれど、何となくその状況が見えるような気がして。

「それでスマホ欲しかったし、荷物も取りに来たんだ」

こんな暑い中、わざわざここまで。

「――やっぱり、好きなんじゃない?」

その子が彼女に時間を使っているのと同じように、彼女も自分の時間を使っていると言うことだ。
ただ便利に使っているだけにしては、なんだか雰囲気が柔らかいような気もするし。

妃淵 >  
「そもそも」

「好きってどう自覚するんだ?」

首を傾げながら、問いかける
それがわからないから、わからんとしか言いようがない

「人を好きになる、と
 なんか変化とかあんの?」

柊真白 >  
「ん、私の場合は、だけど」

前置きをして、

「その人といると安心したり、リラックスしたり。その人のことを考える時間が増えるとか、その人を喜ばせたいって思ったりとか」

窓枠に腰かけたまま膝を抱いて。
恋人のことを考え、なんだか幸せそうな顔。

「綺麗なものを見た時に一緒に見たいとか、嬉しい時にそれを伝えたいとか、悲しい時に一緒に居て欲しいとか。そう言う感じ」

妃淵 >  
「なるほど。そういうのがあったら…好き、になるのか」

少なくともそういう例がある、ということは知れた
これはそこそこ感謝すべきだろう
じゃあ、自分はきっとアイツのことを……

「………」

「よし、茶ぁ奢ってもらう約束だったな。行くぞ行くぞ
 こんなアチー部屋いられねーよ」

さっさとエアコンの効いたカフェなりどこかに行きたい
バッグの紐を肩にかけ、立ち上がって

柊真白 >  
「人によるけどね」

あくまで自分の場合は、と言うだけだ。
それがそのまま彼女に当てはまるかどうかはまた別の話。

「ん、わかった。どこか行きたいところ、ある?」

窓枠から床に音もなく飛び降りる。
バッグを持った彼女より先に扉へ向かい、それを開けて。
彼女が通れるようにそのまま待とう。

妃淵 >  
「どこでもいいよ。涼しいトコ」

そんなことを言いながら、部屋を出ていく
当然鍵はかけない。そもそも持っていないし

──また此処に戻ってくるのか、戻ってこないのか
夏はもうじき終わるが、それまでにどうなることか…

まぁ、なるようになるだろ。と、真白と連れ歩くように
見慣れたスラムの街を一旦去るだろう──

柊真白 >  
「ん」

どこでもいい、と言うのなら、適当に歓楽街の喫茶店にでも行くとしようか。
この後どんな話をしたのか、自分の恋人の話もしたのか。
それはまた別の話――

ご案内:「スラムのボロアパート」から妃淵さんが去りました。
ご案内:「スラムのボロアパート」から柊真白さんが去りました。