2020/08/29 のログ
ご案内:「フレイヤの自宅」に日下 葵さんが現れました。
ご案内:「フレイヤの自宅」にフレイヤさんが現れました。
日下 葵 > 「しばらくぶりですね。
 なんだか緊張して仕方がないです」

高級マンションの最上階。
自分が住んでいる女子寮とは似ても似つかない雰囲気に、息が詰まりそうな様子だ。
今まで何度か訪れてはいるが、やはり空気感が落ち着かない。
キャップを取って髪を軽く整えると、
ふう、と呼吸をしてベルを鳴らした。

メイドが何人かいるのでおそらくその誰かが出てくるだろうが、
それまでの時間が長く感じて仕方がない。
というより、服装がいろいろ不味い気がした。
すれ違う人に不審者だと思われていないだろうか。
そんな心配までしてしまう始末だった。

フレイヤ >  
チャイムが鳴ってしばらくすると、ドタドタと騒がしい音が聞こえてくる。
ガチャガチャガチャ!と慌ただしくドアノブが動き、ドンドン!と何かを叩くような音。
それがしばらく続いて、やがてガチャンと鍵が開き、

「――マモル!!」

勢いよく扉が開き、そのまま小柄な少女が体当たりするように飛びついてくるだろう。
そのまま彼女へ抱き着き、ガタガタと震えたまま密着。
素肌に触れればやや体温が低いことがわかるだろう。

日下 葵 > 「――なんだか騒がしいです  ね”!?」

扉の向こうが騒がしい。
大丈夫だろうかと思って扉を見つめていると、
バァン!と勢いよく扉が開かれた。
目と鼻の先で扉が開閉するのを回避するが、
続いて飛び出してきた少女に半ばタックル気味に抱き着かれて、
言葉の末尾に濁点が付いたような声を上げてしまう。

「相変わらず元気がいいというか、勢いがいいというか……
 ――?
 フレイヤ?どうしましたか?」

いつものように抱き着いてきたのかと思ったが、なにやら様子が違った。
小刻みに震えるフレイヤの肌に触れると、やや体温が低い。

「……一度中に入りましょうか」

そう言って彼女の肩をポンポンと叩くと、軽く抱き寄せたまま中に入っていこう>

フレイヤ >  
名前を呼ばれても離れる様子がない。
ぎゅう、と非力な腕で彼女の腰にしがみ付いたまま。
肩を叩かれてすこしビクン、と身体を跳ねさせるも、顔を上げようとはしない。
小さくこくん、と頷き、くっついたまま彼女と共に部屋の中へ。

「……っ、……ひっ、く……ぐす……」

小さくくぐもった泣き声。
彼女に抱き着いたままで歩きにくいので、歩いている間何度かバランスを崩すも離れようとはしない。

日下 葵 > 「……何かあったんですね。
 しかも怖い思いをしたようで」

一緒に部屋に入っていく。
途中抱きついたまま転びそうになる彼女を支えながら、彼女の様子を観察した。
目だった怪我はないようだが、彼女に限って言えばもう治ってしまったのかもしれない。

次第に泣き出してしまったフレイヤを落ち着かせるように、
一度しゃがんで彼女と目線を合わせた。

「……まだ心の整理が済んでいないなら無理に言う必要はありませんが、
 何があったんですか?」

目線を合わせて、彼女を温めるように抱きしめると、
背中をさすって問うてみる。
風紀委員フレイヤの主人として、ことの顛末を知っておく必要があると思った>

フレイヤ >  
部屋に入って彼女が一度離れる。
その際に離れたがらないそぶりを一瞬見せるも、されるがままに身体を離し。

「……、ん、ぐす……」

ぼろぼろと涙を流したまま彼女の目を見る。
何があったかと聞かれ、少しの戸惑いの色を浮かべた。

「……バケモノ、に、襲われ、て……わたし、なにも、できなくて、なにか、吸われる、ような、こわ、くて……」

ぐすぐすと嗚咽を挟みながら。
どこで、と言うのは明らかに隠している。

日下 葵 > 「なるほど……それは落第街やスラムで、ですか?」

状況を説明してくれるフレイヤだが、
どこでその状況になったのかを伏せていた。
隠しているのもバレバレだし、そんな”化け物”なんて出る場所は大抵予想がつく。

「体温を吸われて、怖い思いをしてそれでこうなっていると」

状況を何となく理解すると少し困ったように息を吐いた>

フレイヤ >  
場所を問われればビクン、と身体を跳ねさせる。
視線を逸らすも、諦めたように頷いた。

「――たいおん、も、たぶん、だけど、わたしの、大事な、もの、を、吸われる、ような……」

あれは何というか、命そのものを吸われているような、そんな感覚。
心に直接恐怖を叩き込まれるような感じだった。

日下 葵 > 「その様子だと図星ですか……
 行くなとは言いませんが――いや、お説教は今度にしておきましょう」

こちらの問いに諦めたようにうなずく彼女に、少し呆れた様子で息を吐いた。

「……大事なもの、ですか。
 もしそうなら、そうですね。
 それは本当に怖い思いをしたでしょう。
 私としても、フレイヤがひとまず無事で安心しました」

再び彼女を抱きしめると、本当に良かった。と囁く。
彼女が何をされたのかはわからないが、
怖い思いをしたのなら飼い主として見過ごせない。

「一つ、約束事をしましょうか。
 落第街やスラムに行くなとは言いませんが、
 今後行くときには保険をかけておきましょう」

そう言って、彼女の首に巻かれたチョーカーを指さす。
以前買い物をしたときにフレイヤに渡したチョーカーだ>

フレイヤ >  
「……」

バレてしまった。
罰の悪そうな、それでいて申し訳なさそうな顔。

「ごめん、なさい……」

抱きしめられて小さい声での謝罪。
色々混ざった声色に、ほっとした様な色が混じって。

「……やく、そく……?」

チョーカーを指差され、それに触れる。
ご主人さまから送られた、彼女のペットの証。

日下 葵 > 「別に責めているわけじゃないですよ。
 ただほら……あまりそういう顔をしてほしくないですから」

なんだか言葉の選び方が難しい。
望まれて、とは言え今まで散々フレイヤにひどいことをしてきたというのに。
独占欲とでもいうのだろうか。
自分以外の誰かがフレイヤを泣かせている状況が癪に障ったのかもしれない。

「ええ、約束です。
 実はそのチョーカー、転移魔法が込められているんです。
 プレゼントするときに切っておいたんですが、
 お守りとして転移魔法を再度込めておきましょう。

 何かあったら離脱できるように。いいですか?」

そう言って、フレイヤのチョーカーに触れて、外そうとする>

フレイヤ >  
「……」

俯く。
自分の勝手な行動でご主人さまに嫌な思いをさせてしまった。
あのバケモノに何を言われても、行動を変えるつもりはなかったが、彼女がそんな顔をするならばやめた方が良いのかもしれない。

「てんい、まほう……?」

読んで字のごとく、転移させる魔法だろう。
何かあった時に緊急離脱出来るように。

「……おねがいします」

以前の自分ならば断わっていただろう。
自分は強いから、と。
けれど自分よりももっと強いものの存在を知った今では、それがあることの安心感が欲しいと思えてしまった。

何となく。
自分が弱くなったような気がした。

日下 葵 > 「ですです。転移魔法。
 恥ずかしながら、私はそこまで強くないですし、
 意外と簡単に死んでしまうので……」

ちょっと恥ずかしそうにそんなことを言うと、
えへへ、と頭を掻く。
誰よりも強いご主人様として威厳を発揮したいところだが、
残念ながらそこまでできたご主人様ではない。

「ちょっと術式を書き換えるので手を加えますよ」

そう言ってチョーカーの内側に書かれた回路図のような記号を一度擦って消すと、
新しく書き込んでいく。
そして自身の指をナイフで軽く切れば、
滲んだ血をぐっと押し込んで魔力を込める。血が乾くのを少し待って、
再びフレイヤの首に巻いていく。

「出かけるときには必ず
 ”もしもの時はどこに転送されるか”
 をあらかじめ思い浮かべてください。
 玄関のドアにでも目的地を書いて、読んでから外出するといいですかね」

シュンとする彼女を安心させるように、再度抱きしめて、

「本当ならずっと貴女についていて、守れればいいんでしょうけどね……」>

フレイヤ >  
「そうなの?」

何となく、自分よりも強い気がしていた。
どんな相手でも――それこそあのバケモノ相手にだって、指一本触れさせず制圧できてしまえるような。
そうして彼女が術式を書き換えていくのを見る。
一応魔術の嗜みがあるので、何をやっているのかはわかる。
術式が書き換えられ、自分の首に巻かれた。
それを指でそっと触れる。

「……うん」

その魔術の使い方を教わり、頷く。
彼女が一緒にいるような安心感を感じつつ。

「そんな……ご主人さまは、悪くないよ……」

日下 葵 > 「ええ、まぁ……私は強いから重宝されているというより、
 死に難いから重宝されているだけですから……」

だから目の前の彼女を、フレイヤを、守れる自信がないから。
こんな道具に頼らざるを得ない。
自分は死んでも問題ないし、痛みにも強いし恐怖も最後に感じてから随分久しい。
でも目の前の彼女は、こんなにも恐怖している。
自分以外の何者かの手によって。

そう考えるとどうしようもないほどの嫉妬心がわいてきた。

「今回は不用意に危険な場所に入ったあなたの行動が原因かもしれません。
 ――でもね、私も、あの場所がどういう場所か教えておくべきでした」

――小さく、本当に小さく”ごめんなさい”とつぶやいて>

フレイヤ >  
「そう、なんだ……」

自分よりも強いと思っていた彼女が、それでもまだまだ弱いと言う。
きっと自分よりも彼女よりも強いものはたくさんいるのだろう。
今回嫌と言うほど思い知った。
自分は自分で思っているよりも弱いのだろう。

「ちがう、ちがうよ! 私がちゃんと理解してなかったから、私が弱いから、マモルは、ご主人さまは悪くない!」

彼女の呟きを大声でかき消すように。
違う、そうじゃない、悪いのは自分で、彼女は何も悪くないのだ。
彼女にそんな言葉を吐かせるのが許せなくて、それを聞くと心がギュッと締め付けられるような痛みがある。
痛いのは平気なはずなのに、彼女から与えられる痛みなのに。
感じたくない痛みだと思ってしまった。

日下 葵 > 「えへへ、もっと強くなって、
 フレイヤがみんなに自慢できるようなご主人様になって見せますよ。
 フレイヤに手を出したらただじゃ置かないぞと、
 そんな風に皆を恐怖させるくらいに」

ちょっとカッコ悪いところを見せてしまった。
もっと頼もしい存在にならねば。
そう思って最後に陽気に笑って見せる。

「――それは……じゃあ貴女がちゃんと強くなれるように、
 わたしも教育していかないとですいねえ」

あっと……こんな顔をさせるつもりじゃなかったのに。
ごまかすようにフレイヤを抱きしめると、
ちょっと荒っぽく、甘やかすように抱きかかえてしまおう。
今日は楽しむために来たのだ。
心から大事なものを抜き取られたといった彼女を、
私が満たしてあげなければ>

フレイヤ >  
「うん……」

そのままでも彼女は自分が自慢できるようなご主人さまだ。
強くなくたっていい。
自分のご主人さまと言うだけでいいのに。

むしろ、自分が本当に彼女のペットで良いのだろうかと。

「わ、……あ、――」

そんなことを考えていたら抱き寄せられた。
そのまま耳元でささやかれ、ゾクリと背中に電流が走ったような。

「ぅぁ、――うん、おしおき、して。だまって行っちゃいけないとこ行ってたフレイヤのこと、おしおき、して……?」

日下 葵 > 「そうですねえ、お仕置きしてもいいんですけど――

 怖い思いをしたフレイヤを慰めるのもご主人様のお仕事、ですよねえ?」

抱きかかえたまま、まるで子供と(と言ってもフレイヤは子供だが)戯れるように、
くるくると回って二人一緒にベッドに倒れこんだ。

「今日はちょっと甘やかす日にします。そうさせてください」

私が甘やかしたい気分なので。
そう言って一回り小さい彼女の身体を何度も抱きしめて弄んでいく>

フレイヤ >  
「ぇ……っ、わ」

抱きかかえられてくるくると回る。
ちょっと何が何だかわからないうちにベッドに倒れ、びっくりして彼女の顔を見つめつつ、ぱちぱちと瞬き。

「あま、やか――っん、ひぅ……♡」

抱きしめられ、弄られ、甘い声を上げて。