2020/10/25 のログ
ご案内:「ある日の話」に幣美奈穂さんが現れました。
幣美奈穂 >  
昨日、委員会で怒られたばっかりだというのに。
朝から猫伯爵様が『やっぱりうるさくて寝れないにゃ!』と文句を言いに委員会に来てたので。
それを抱っこしてまた裏常世渋谷にやってきた一人と一匹。

街角からお顔を覗かせて、

「あれですかしら?」
『ん~、違うにゃ。吾輩が見たのは横が緑の線にゃ!』

なんか怪異の力の雰囲気を、感性で的確に見つける美奈穂。
朧車さんは怒りっぽいようですから、こっそり覗いて、違ったら別のを探すのです。
めっをするけど怒られるのは嫌な美奈穂です。

「——なんか般若のお顔してるわ・・」
『なんか怖そうにゃ・・』

幾つか見た後に、猫伯爵様と覗いた先にいたのは般若の面をした列車です。

幣美奈穂 >  
「あたらしい朧車さんですかしら?」
『知らんにゃ!』

他のと違った様子に、しげしげ見てしまっていた時間が長かったようです。
獲物を探すようにしていた般若列車のお顔がこっちを向き。
視線が合います。

お目めぱちぱち。
互いに無言で見合いましたら・・急に炎を出して恐ろし気に向かってくる般若列車!

「あわわわわ~~!」
『逃げるのにゃ、いや、吾輩と離れるにゃ!』

慌てて逃げる美奈穂、抱っこされていつも巻き込まれる猫伯爵様。
猫伯爵様、自分だけ助かろうと薄情なお言葉ですけど。
自分で走った方がよっぽど早いのです。
でも、にゃんこすきーな美奈穂が抱っこを手放すはずがなく。
えっちらおっちら、とてとてっと逃げ惑うのです。

幣美奈穂 >  
背後から降り注ぐ炎の塊。
・・怪異の炎の塊だったのが幸運です。
美奈穂の常にある身を守る結界に、ぺしぺしっと当たるだけで。
それで消えるのですから。
でも、後ろからのお声がとても怖そうなのです。
美奈穂としては一生懸命なのです。

角を幾つか曲がって・・大きな通り。
そこを横につっきってとえっちらおっちらしてましたら。
入ろうとした先・・からも、般若のお面の列車!

え?、先回りされましたの?、と。
後ろからぺちぺち炎の弾を受けながら止まってしまいました。
でも、振り返ると・・そっちからも般若列車!

どうやら、同じタイプに挟まれたようです。
あわわっと右往左往する美奈穂の腕を、猫拍車魔の前足がたっぷたっぷ。

『前みたいになんか、見えない壁みたいなのできないにゃ!』
『そうでした!。いいものがあります!』

前後から炎の弾がひゅるると雨あられなのに、どこかのんき。
鞄を背から降ろしてガサゴソと取り出すのは・・卓上塩の瓶。
今日はお昼にゆで卵もご用意しておいたのです。

般若列車、獲物がどちらが取るかけん制し合い、近づいてこないのです。
ちなみに猫伯爵様はだらんと抱かれたまま。
そう、ここに引っ付いてるのが今となっては比較的安全だからです。

幣美奈穂 >  
「今日のお昼ご飯に持ってきたのですけど・・」

と、地面にお塩をふりふり。ふりふり。
直径1mぐらいの円をお塩で描きます。
それだけで、きぃんっ、と静謐な膜ができたような感じでドーム状の結界が。
炎がその結界にかき消されるのです。
少し間ができたので、人心地です。

ぺたんとお座りしまして、

「どうしましょう・・動けませんわね」
『ふにゃぁ・・これで大丈夫にゃ?』
「・・たぶん?」

頼りない返事ですが、猫伯爵様も人心地です。
でも、周囲はどかんばかんと煩いのです。
心に余裕が出来てくると、不満が出てくるモノ。

『煩いにゃ』という猫伯爵にこくこくっと同意を示しますと、
音も消すようにと結界を作っておくのです。
静かになった1mぐらいの空間、二人でぼーっとお外を見ます。

『やまないにゃ・・』
「やみませんわね・・」

おーい、もうしわけありませんー、とめていただけませんかー
と結界の中から申し入れしてみても、
そのお声は外には届かないようになってしまってます。
残念。

般若列車側からすると、急に座ってくつろぎだし。
なんか聞こえないが口に手をかけて煽ってきている様にしか見えないのです。
火勢が高まるばかりです。

幣美奈穂 >  
なんか暇になってきた一人と一匹。
そうだわ、と美奈穂が手をぽんっ。
鞄をがさごそとします。
そっちを見る猫伯爵様ですが、こういう時は大抵ろくでもないはず。

「じゃじゃ~ん!。トランプもってきてます!」
『ふざけんなにゃ!』

猫伯爵様、般若列車の心まで代弁してつっこみます。
周りは朧車の炎の雨の中なのです。

「え~・・ばばぬき、だめ?」

ちょっとしょんもりしながら、おずおずと猫伯爵様にお伺いです。
ため息をついた猫伯爵様も、やることがないのは一緒なので。
仕方がなくばばぬきをするのです。

・・般若列車、猛る!
襲っている最中で、遊びだす輩が。

幣美奈穂 >  
そして、お昼ご飯。
誰かと食べるのが好きな美奈穂は、猫伯爵様の分までご用意。
ゆで卵の殻をむきまして、お塩をぱらぱら。

『半熟にゃ』
「んふふ~♪。あっ、今日はサツマイモご飯です。
 あと、煮っ転がしも美味しくできてますわ?」

景色は、結界に当たって消えていく炎ばかりです。
そんな空間でもっしゃもっしゃ。
今日も美味しくできました。

ゆっくりとお食事を終える頃は、少し炎の弾の数も心なしか減ってきた気がします。
・・それにしても、満腹になったら眠くなります。

幣美奈穂 >  
ちょっとお目めをくしくしっとしながら、美奈穂は周囲を見渡します。
お昼寝するには・・ちょっと狭いです。

「少し広げますわね~」

気軽な様子で、結界に手を付けますと、するると半径2mぐらいに広げます。
何故か分かりませんが、また火の勢いが強くなったようです。

そのまま猫伯爵様を抱き枕に、ころり。
そんな時じゃないにゃ!
大丈夫かにゃ!?
そんな猫伯爵様のお声をBGMに、うっつらうっつら、すやぁ~。
美奈穂が寝ても結界がそのままなのに安心したのか、
寝るのがお仕事な猫伯爵様もすやぁ~・・。
・・・
・・

幣美奈穂 >  
『起きるにゃ!』

猫伯爵様の前足でほっぺをたっぷたっぷされまして。
美奈穂はゆっくりと起き上がります。

「おはようございます」
『朝じゃないにゃ!お昼寝にゃ!
 そ、そ、それより、外を見るにゃ!』

まだほややんとした美奈穂。
ちょっとまだ眠そうな瞼で周囲をきょろり。
お外が良く見えます。
炎もありません。。
・・・・そして、全存在力を使い果たし崩れていく般若列車の姿が2つ。

――見ている間に消えました。

『き、きえたにゃ!』
「あ~・・自然に帰っちゃったようです・・」

こくり、またお昼寝に突入しそうになった美奈穂のほっぺを、
猫伯爵様が両前足で挟んで起こします。

「・・おやつ、常世公園で食べますか?
 わたくし、やっぱりゆっくり食べたいです」

お昼寝から覚めればおやつモード。
炎がびしばしあたるのを眺めながらのおやつはちょっといやです。
そんな美奈穂を見て、何か言いたいことを苦労して飲み込んだ様子の猫伯爵様。
猫伯爵様が盛大な溜息をついた後に、
一人と一匹は今日の所は公園でおやつにすることにしたのでした・・

ご案内:「ある日の話」から幣美奈穂さんが去りました。