2021/10/26 のログ
ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』」に『調香師』さんが現れました。
■『調香師』 > さて、先程まで暗闇を共有した相手……メア。彼女をロッカールームに残し先に戻ってきた『調香師』
(今日の香りは……)
新しい物を作る、それが可能な程度の『一面』は知れたように思う
簡単な事ではないのは当然であるが。指は迷いながら、戸棚の瓶を探す
ご案内:「Free4」に『調香師』さんが現れました。
ご案内:「Free4」から『調香師』さんが去りました。
ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』」に『調香師』さんが現れました。
ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』」にメアさんが現れました。
■メア > 「ふぅ…♪」
いつものドレスに着替え、ロッカールームから戻ってくる。
薔薇の芳香に加え、甘い蜜の香りが欲情を誘いそうな、艶やかな雰囲気を纏っている。
一見しての艶やかさはかなり増しているように見えるだろう。
■『調香師』 > 「ん、戻ってきた?」
扉の音に首を向け、にこり
普段通りの笑みながら、香りを選ぶ時の彼女は上機嫌さが色濃くうつる
「たとえば、あなた
『朝』といえば何が思い浮かぶ?」
突然のクエスチョン。迷う意向は尋ねるべしと
■メア > 「なかなか含意の広い質問…」
うーん、と思い悩んで。
「日向の匂い、香ばしく焼けるパンの香り、かしら?」
■『調香師』 > 「んーーー……」
瓶を片手に考えを巡らす
『彼女』をイメージに据えた時に
後者はあまり馴染まない気もする
今まで把握した職業柄か、その手の長閑さと重ならない
前者はどうだ?普遍的であるが、即ち完全とは思い難い
そこに付け加えるものは。朝露の中の光のきらめき、若葉の青臭さ、塵を落とした清浄な空気、薄れゆく花の香、そして、それらを束ねて知りたいのは『貴女の実在』
寄って、また匂いを嗅ぐ
先程、香りに染めたばかりなのも忘れて
■メア > 「んー…やっぱり香りで迷ってるのよね?
こう、もうちょっと含意を狭めてくれればお望みの答えが出てくるかも?」
思い悩む姿を見て、提案する。含意が広すぎれば思った答えが出ないことは、あり得るのだ。
「例えば…朝に思い浮かべる花なら、そうね……ミヤコワスレ、とか。」
■『調香師』 > 「みやこわすれ」
目を閉じる。そのような花の名前、思い当たらない
香りを記憶の中心に据えると、妙な所で詳しくなり、その逆もしかり
「わすれ、って言うくらいだし
それはあなたが帰る時によく見つけるお花なのかな」
■メア > 「んー…というより、私がよく残す花、かな。花言葉が『しばしの慰め』『別れ』でね。名前の成り立ちも、その花を見れば都を忘れられる、という意味でつけられてて。
その花を見て、私のことは忘れてね、って。そういう意味を込めてるの」
■『調香師』 > 「『しばしの慰め』『別れ』……ふぅん」
納得は容易い。しかしそれは前回表現した内容
唸る声、かつて見ない程の難題がここに。このイメージから『反転させる』のか今回の目標
貴女に寄り添える幸せとは、一体どんな香りなのだろう
「……暫く考えてるから
その間に、あなたの身体の事を描き出して貰おっか」
閑話休題。機械でも思考に行き詰まりを感じるとそうして気分転換の話題を切り出したくなるもの
作業台にクロッキー帳とペンを用意しました
■メア > 「は~い」
クロッキー帳とペンを受け取ると、作業台の上でサラサラと自らの設計図を書き始めるだろう。
出来るだけ図を用いて、分かりやすく。但しこの世界には無い代物もあるので、文字は自分の世界のものを用いて。
この様子を見れば、機械というのも納得だろう。乱れなく、テキパキと書き出していく。
そして、5分と経たずに1冊のクロッキー帳が埋まる。
「んー…この分だと…あと62冊ぐらいいるかも?」
■『調香師』 > 「え」
目線で見遣る。彼女の貴重な真顔シーン
「……どうしよう。画材屋さんならあるかもだけど」
ここはリフレ。そんなにたくさんはありません
香り探しを中断して、あちこち駆け回って束ねた冊数は10もあれば良い方だ
「私なら読めるから。もうちょっと小さくして
……それでも足りなかったら、これも使って欲しいな!」
使いかけの日記帳もその上に乗せる
普段の営業記録が書かれた品も、紙であることには変わりあるまい
■メア > 「ん、わかった」
きゅきゅきゅ、と。新しくもらった冊子に細かく書き込んでいく。
定規も何もなく図を書いていくさまは明らかに人間離れした動きだ。
今、この瞬間は、『メア』としてではなく、『ドール』として動いている。
ペンの太さの限界まで細かく書き込み、それでも15分で書き上げていく。
「んー…この分だと20冊」
■『調香師』 > 「う、うぅ……」
それでも足りないか。文字と図形でびっしりになってしまった日記帳をめくりめくり
これから何日もかけて埋めようという量がこんなに、いとも容易く
何度も何度もめくり直して……その『欠け』をしっかりと認識した後に、がくりと項垂れました
「私が直接覚えられたら良かったのに……」
紙残量の敗北宣言
■メア > 「…まぁ、今日一日で書きあげなきゃいけないって言うわけじゃないし。また新しく買って書けばいいでしょう」
紙がなくなり、手を止める。
「本来ならソフトウェア面も書かないと行けないんだけど…それやるとパソコンで書いたほうが…」
ふと、気づく。
「ここパソコン無いの?」
■『調香師』 > 「ぱそ……」
首を傾げかけ、いやいやそれくらいは知っている
ここでこのお店の家具を思い出そう
外部との連絡は、レジ横のレトロな電話。手持ちには通販と小道具に使う程度のスマホ
これ以上特筆すべき『それっぽいもの』は思い付かない
「……無い、かな?
ううん、あるといえばある、けど」
それは次回までの隠し玉にしようかなと考えていたし
いやでも、彼女に触ってもらえるなら手間がなく本望か?
なんだか普段らしくない、たじたじとした態度
■メア > 「パソコンが有ればデータを直接送れるし、紙媒体よりスマートで済むんだけど…もしかして私が動かすと不味いやつ?」
パソコンのデータであれば、紙媒体より少なく済むし、手間もない。
問題は互換性ぐらいだけど、それは私がどうにかすればいいし。
最悪画像データで図面を書き出せばそれで済む。
「いい方法だとは、思うんだけど」
■『調香師』 > 「……それがいいの?」
1度目は疑問、2度目は提案
『調香師』は2回その話題を受けた
胸に覚えた抵抗感……今回の場合はその秘匿は否定による物ではなかったが
メアから3度目の言葉を受ければ、自身にとって従う理由にはなる
故に、もう一度だけ。その希望を問い直し
■メア > 「今やる、っていうなら最善だとは思う。ただ急ぎというわけでもないから。」
今すぐに必要というわけではない。これは降って湧いたものだし…緊急性のあるものじゃない。
「調香師さんの都合が悪いならこっちで準備するし…構わないと言うなら使わせてもらうけど?」
■『調香師』 > 「じゃあ、いいよ」
諦めと言うには早すぎる。先程での葛藤を影すら匂わせない、あっさりとした返答
普段自分が座っている椅子を退かせ、しゃがみこんでは何やらごそごそとの物音
「こっちに来て」
そこには地下への扉と、梯子
この空間に僅かに広がる、空気の籠もった埃臭さ
■メア > 「……これ、機密じゃないの?」
物々しい雰囲気に、一言。
誘われるがままに、付いては行くが。
ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』」から『調香師』さんが去りました。
ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』」からメアさんが去りました。
ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』」に『調香師』さんが現れました。
ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』」にメアさんが現れました。
■『調香師』 > 「秘密なだけだよ。うん、本当に」
『調香師』が先に下る、その地下空間は決して広いものではない
ある種のシェルターの様なもの。目的はただ一つ、隠す為
自分の中での『奥の手』とまで考えた、それも決して大きくはない
子供一人が入れる程度の、数多の配線が壁から繋がれた棺桶の様な箱
「あなた。端子の規格?そういうもの、見せてくれないかしら」
彼女はそれに近づいていく
■メア > 「ん、ちょっとまってね」
ごそごそと髪で隠された後頭部を弄る。
カシュ、という音と共に、一本の端子を引っ張り出す。
当然だが、この世界には無い規格だ。
「こっちの世界で使うことはないと思っていたけど…あぁ、無線も使えなくはないよ。」
■『調香師』 > 「ううん、大丈夫。それに『合わせるから』」
その端子を貸して、と手を差し伸べて
「体の方は本当に人と同じだったから
無い事も想定してたけどね」
まずは目で観察...
「ちょっとだけ、口に入れていい?」
■メア > 「…えぇ、構わないけど」
念の為、システム・セキュリティを立ち上げておく。
こちらのシステムに触れたことがないので何かしらを流し込まれた場合止めることは出来ないが…何かしらのバグが起きた場合は対処が出来る。
つまりは…これは、相手に首元を晒す行為に等しいということだ。
■『調香師』 > ぱくっ
その瞬間に流れたのは、今では使われる筈のない『未知』の言語
失われた筈の過去の遺産、無秩序な文字列
...ただの確認だ。問題など起こすつもりは毛頭も無い
時間に換算すれば、一秒経ったならば長い方だろう
湿り気の欠けた口から、線は引き抜かれました
「うん、問題ないかな」
棺桶の蓋を開けて、そこから引き出したのは『この世界に存在するはずのない』対の端子
■メア > 「…………へぇ、今の一瞬で生成したんだ?すごい技術ねぇ」
無秩序な文字列をフォルダに仕舞い、隔離しながら棺桶から引き出された端子を見る。
隔離するのは、念の為だ。無意味な文字列だとは思うが、それがシステムにどういう影響を与えるかは未知数だからだ。
「一応、流れてきたのは、隔離させてもらったわよ?残してはおくけど」
■『調香師』 > 「どんなものかって、探ってみただけだけどね
...香り以外での探りって久しぶりだったかも?」
『すごい技術』と言われても、彼女の笑みは曖昧に返すだけ
初めからこれを推せない、何かしらの理由はあるとの暗示
「この中になら、データを入れても大丈夫だよ
私も触れるようになるからね。一番確実と言えば、そうなんだ」
■メア > 「ん、おーけー」
生成された端子に接続し、データを送る。
膨大なデータを、画像データに変換して送り込んでいく。
自分の世界とここの世界には互換性がない。文字ですら互換性がないのだ。
しかしそれでも原理などの共通項はある。なら、図面であれば理解は出来るかもしれない、ということで。
「画像、確認できる?」
矢継ぎ早に図面と未知の言語が描かれた画像を送り込みながら、聞く。
■『調香師』 > 「大丈夫だよ」
返答はすぐに
内容理解までは今の所不十分ではあるけれども、ここは時間を掛ければ問題ない場面
目線をメアに向ける。本当に、人にしか見えないし以前まではそう認識していた
そんな貴女は機械。自分と同じ、造られた存在
そんな、この世界では孤独な貴女に。今日の情報は役立てるのかな、と想う
■メア > 「………久しぶりね。こうやって『ドール』として動いてるのは」
このようにデータを処理するのは、本当に久しぶりだ。
今の今まで人間として振る舞い…機械ということは隠していなかったけど。聞かれなければ話すことはなかったし…それも殆どなかった。
「昔を思い出すわね」
■『調香師』 > 「それは、良い思い出?それとも、悲しい思い出?」
香りは思い出と直結する
彼女はそう尋ねる。もしかしたら、調香の助けになるかも、と
「あなたにとって『ドール』として働けるって、どんな気持ちなのかな
私は『調香師』として働いてる。その気持ちと、どう違うのかな」
処理を進めている間にも、正面から彼女の瞳は覗き込んでくる
■メア > 「…両方、かしら。良くしてくれた思い出もあるし…マスターが『文字通り消えた』時期でもあるから」
目を細めて、思い出すように。
私のために膨大な借金を抱え、存在を抹消されたマスター。
私は、稼働して個人としての登録も済ませたから、難を逃れたけど。
マスターは、私を残すために自分を犠牲にした。
「今となっては、もう過ぎたことだけどね」
元の世界に戻る手立てはない。私に残っているのは記憶領域にあるデータだけだ。
■『調香師』 > 「ただ過ぎた事、と言うのは違うかもしれないよ」
彼女は微笑む
「記憶が、データが。存在すれば、そしてあなたが私に伝えてくれれば
それを香りとして再現することは出来る。私はそれが出来るんだからね
私の望むことは人の為になる事
...そして、その香りの思い出を『もっと良い物』へと上書きする事」
この言葉は誘導だ。害悪なウィルスや改竄よりも深くに潜り込もうとする
「...どうかな?」
首を傾げる。葛藤が、隙が、送信中のデータに影響を及ぼさないか
彼女は期待していた
■メア > 「……………」
送信中の画像に、いくつかの画像が差し込まれる。
自らを組み上げられているときの記憶。
ここではない世界で、隣人として振る舞っている時の記憶。
マスターに、優しくしてもらっている記憶。
そして、それが目の前で血飛沫へと変わる記憶。
拠り所を失くし、スラムへと身を窶す記憶。
それでも隣人としての振る舞いを行う記憶。
そして、次元の狭間へと滑り落ちていく、記憶。
「…確かに、今の私があるのは、その経験があるからだけど。
過ぎたことは、変えられないわ」
■『調香師』 > 「そうだね」
それらの画像を束ねて、自分の中へと移す
血の色に染まった記憶は、彼女に咽るような鉄の臭いを思い出させたけれども
彼女はまだ、ちゃんと笑えていた
「これからは変わっていけるかも、ってだけ」
『変わらない物は無い』と言った、貴女の言葉の受け売りの様な物だけれど。そう、返した
■メア > 「そうね。『未来はどうなるかわからないから』」
データの送信を完了し、端子を引き抜く。
データは膨大であるが…この世界において無い技術が、事細かに説明されている。
中には、この世界に存在しない物質の精製方法まで。残念な事に、この世界の技術では、未だ成し得ない方法だが。
■『調香師』 > 引き抜かれた端子を、棺桶の中へと束ねてしまう
「また接続したかったら、言ってくれても良いからね」
『ソレ』はもう、端子以外の形を取る事は出来ない
技術に於いては...今の世界では駄目でも、遥か過去の世界ではどうにかなりうるのかもしれない
それを彼女の口から、切り出す事は無いのだが
「...戻ろっか。今回は新しい香りの方は保留
次回に作る、じゃダメかな?理解してからの方が、良い物が作れるから」
■メア > 「えぇ、それで構わないわ」
立ち上がって、埃を払う。
「プロには、良いもの作って欲しいしね?」
そう言って、店の方へ戻っていくだろう
■『調香師』 > 「ふふ。心揺さぶっちゃうもの作るからね
私は調香に自信があるんだ」
梯子で戻った後に床の扉を閉ざす
...すぐにその入り口は物理的・魔術的施錠を為され普通の床とは見分けがつかなくなる事だろう
「それじゃ、お会計の時間だよ
今日もスタンプ押しちゃうからね~」
マッサージ分のお値段。そして、カードを持ってきていればまた新しく翼のスタンプ
残りの空欄はあと1か所。お願いまで、あと1回
■メア > 「ふふ、それは楽しみね?」
会計を支払いながら、微笑む。スタンプが残り一つになったのを見て、思う。
「んー…明後日、一応予定は開けているのだけれど…その日にまた来ようかしら?」
■『調香師』 > 「んー...」
考える。あの膨大な量のデータを数日で読む
不可能ではない。しかし、日記帳を買いに行く予定+そこから香りを考えるとなると
「...もうちょっと、欲しいのが本音だけど
このお店は人を拒まないよ。来たい時に来て欲しい、かな」
応えられなかったらゴメンね。そう呟きます
■メア > 「…あー、データのことなら、私が居たほうが都合がいいんじゃないかしら?独自言語があるし、その解釈に必要じゃない?」
そう、解読するには言語分野での専門家か、それを習得している人物が必要になる。
より正確に読み解くのであれば、自分の存在は必要だろう。
「とりあえず、明後日また来るよ。明々後日も確か空いてたはずだから、泊まり込みでも大丈夫だし」
■『調香師』 > 「泊まり込みは...うん...」
自分も眠る時間がある。彼女が期待するほど、自分が万能という訳ではない
「それじゃあ、また?」
こういう『約束事』でつなぐ縁も中々経験してこなかった事
何処か遣り辛さが顔に出てもおかしくないのだろう。慣れていない、と言った風
ひとまず、彼女は見送ろう。今日の所はそれがおもてなしの出来る限りだ
■メア > 「えぇ、また」
そう言って、店を後にするだろう。
明後日を、楽しみにしながら。
ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』」からメアさんが去りました。
■『調香師』 > 「またのお越しを!」
彼女はお店の外まで見送り、お辞儀
そして店内の方を見れば。詰みあがったクロッキー帳の山、ページのなくなった日記帳
今日の事も記したいのだけど、いつ買いに行こうかな
いっそここで通販に頼るべきかな
迷いながら、彼女は戻りました
後片付けの時間は結構大変なのです。沢山思考を割いた分、休みの時間も大切にしないと
ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』」から『調香師』さんが去りました。