2021/11/02 のログ
ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』」に『調香師』さんが現れました。
ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』」に神代理央さんが現れました。
『調香師』 > 今日は、約束通りなら彼がやってくる日

...とはいえ、ちゃんと来るとは断言してくれなかったけれども
風紀委員は最近忙しいのかしら。思考しながらも、彼女は依然作った煙草を作る

昨日作ったコーヒーは、香りを確かめた後別の使い方もしましたが
それはまた後程。彼が来るのを少女は待っていた

神代理央 >  
様々な事件。つい先日、行方不明の同僚から届いたメール。
頭を悩ませる事は多い。深夜帯に任務に赴く事も日常茶飯事。
だからこそ、此処で受け取った"煙草"は、雑事を片付ける時の集中力向上に非常に役立っていた。
…もう一つの"香り"も、抗い難い郷愁を誘うものであるのも、事実ではあるのだけれど。

「……今晩は。まだ、大丈夫かな?」

そんな事を考えながら訪れる少女の店。
近づいただけで、仄かに漂う香りに無意識に目を細めてしまう。
仕事を片付けてから来たので、少しばかり遅い時間。
まだ大丈夫かな、と。店の扉を開き、中を覗き込んだ。

『調香師』 > 少女は顔を上げる。恋人を待ち焦がれていた様な目線...とまでは流石に言えないだろうが
望んでいた瞬間。彼女の変わらない瞳にも、自ずと色が入ったようにも見えたかもしれない

「大丈夫だよ」

扉に駆け寄る。どうぞと扉を開いて促す

「前と同じ注文でいいかな?
 今回も六本、準備したよ。まぁそれ以外にも準備してるけどね」

彼女は定位置に座る。作業台に向かい合わせて、おなじみの椅子がある

神代理央 >  
声をかけた時の、少女の反応。それには、少しばかり意外そうな表情を浮かべるかもしれない。
感情の色が灯った様に見える少女の瞳。少女にとって、客の相手をするというのはそんなに嬉しい事、なのだろうか。

まあ、歓迎されて嫌な気持ちがする訳も無い。
疲れた躰を引き摺る様なものではあるが、それでも少しだけ笑みを浮かべて、促される儘に店内へ。

「ああ。それで構わない。『Nymph』はとても良いものだった。
おかげで仕事も捗ったよ。色々と、ね」

向かい合わせになる様に、少女の対面へ腰掛けて。

「ん、有難う。6本あれば今週は……ふむ、それ以外?」

と礼を告げて続けようとした言葉は。
少女の言葉に留められて、小さく首を傾げる事になる。
ぱちくり、と不思議そうな視線と共に。

『調香師』 > 並べたのは積まれた6本の煙草、香りの名前は『Nymph』
コレが捗るというのは複雑な心持ではあるけれども

それ以上に今日は嬉しい報告がある、と言うのは彼女の様子から察せうるのだろうか?
表情が変わらずとも、態度には出やすいのが彼女。脚の揺れる音がする

「そう、それ以外。いひひ、察しは付くかな?
 察しついてくれるかな。例えばこれをクイズにしても良いかもね」

神代理央 >  
並べられた煙草。何かを切り捨てて、力を得る…とでも表現するかの様に、クリアな思考を自分に与えてくれるもの。
落第街に出た後や、思案に耽る時には重宝した。
重宝したから、直ぐに無くなってしまったのだが。

しかし、それはそれとして。
ぱたぱたと足の揺れる音。表情が変わらずとも少女が浮かれている…いや、少なくとも喜色を表しているくらいは、自分にも分かる。
しかして、その理由については首をひねるばかり。

「……困ったな。女性の感情の機微、というものを読むのは苦手でね。
私はそこまで上客という訳でも無いだろうし。私個人に類するものなのか、他に要因があるのか。
少しヒントが欲しい、というのは我儘かな?」

『調香師』 > 「ヒント?それは本当に欲するもの?
 最近の事を思えば、思い当たりはありそうなんだけどね?」

何も言わない事がヒントと言わんばかりに
彼女は首を傾けます

「あぁ、それとも。貴方ってした事は簡単に忘れちゃう?
 確かに格好いいけれど...それはそれとして、関りを忘れちゃうくらいに忙しいのは悲しいかもね」

指先だけでいじけて見せるも、笑みは変わらない

「冗談だよ。でもこのお店の品ってプレゼントにも良いからね
 そういう事も考えて、女の人の気持ちを探ってみるのも良いんじゃないかな」

神代理央 >  
ふーむ、と。浮かべる疑問符は大きくなるばかり。
最近の事。少女に関わる事。
ハロウィン当日、子供に出会った彼女と会話をして…飴玉を一つ。彼女へと渡した。
プレゼント。そう言えば、落第街であの少女から受け取った香は、もしかしたら目の前の少女が…と、思い当たった事はある。
とはいえ、それは。目の前の少女が知り得る事はどうかは分からない。此方も、確信がある訳でも無い。

「……この間の、ハロウィンのことかな。といっても、大した事をした覚えは、無いんだけど…」

うーむむ、と悩んだ末に。先ずは直接少女と関わったあの日の出来事を、口にしたりしつつ。

「プレゼント、か。私は余りそういう事をする性質では無いんだが…。
ああ、だが。確かに贈り物を貰う、というのは嬉しい事だな。
この間も……いや、まあ、何でもない」

あの焼いたバターの香りを、嬉しかったと口にすると何だか負けた気がする。
だから自然、言葉を濁す事になってしまうだろうか。

『調香師』 > 「...思い当たらないんだね?」

『ざぁんねん』、と彼女は呟いて
事も無げに思ったそれらの行いが、彼女にとっては随分と色濃い物であったなど、共有出来ていないのだろうとの仕草

立ち上がった少女は部屋の隅にある冷蔵庫へと歩みを進める
戻ってきた時にお皿の上に乗せていたのは、茶色く彩られた直方体のほろ苦い香り

「トリート、だよ?」

学習した言葉を使う。それを人はティラミスと言う
作業台の上にことんと置かれました。まずは目で品を確かめて欲しいな

神代理央 >  
ざんねん、と呟かれれば。ちょっとだけしょんぼりとした表情。
…落第街に対しての強硬派が、少女に対してそんな表情を晒す、という事実は、4月1日の与太話くらいにしか信じて貰えないだろうか。

「…む、すまない…。いや、その…感情の機微に疎いのは、私の悪所であることは自覚してはいるんだが…」

普段闘争心の固まりの様な自分が、どうして小さな少女に謝っているんだろうか。
それは、店に漂う心を落ち着ける香りの所為か。
少女自身の雰囲気の所為か。
兎も角、そうやってしょんぼりしていれば――

「………あ…」

目の前に置かれた、ティラミス。
そこで漸く思い至る。少女に渡した飴玉。それが、少女にとってはどれほどの事だったのか。

「…あ、その、うん……ありがとう。
少し、びっくりした。うん…とても、美味しそうだ。
君が作ったのかな。香りも良いし、見た目もとても美味しそうだ。
だから、その…ええと…」

こういう時。他人からの善意に触れた時。
咄嗟に言葉が出てこないのは、やっぱり自分の悪い所だ。
置かれたケーキに視線を向けて、感嘆の言葉を零しつつ。
普段流暢に小難しい言葉を並べ立てる唇は、どうにも言葉に詰まってばかり。

『調香師』 > 彼の普段の様子を知る訳でもない
その覚悟の程は、聞かせてもらったけれども

なんだかんだ、お互いに根を詰めない関係である故に
しょんぼりとした表情を意外に思わずそのままの対応
...もしも風紀委員の誰かと共に訪れていれば、また違った話を聞けたのかもしれないけれどね

「こちらこそ、ありがとうだよ
 昨日言いそびれちゃった。高級なお菓子の香りにも、小さな思い出のキャンディーにも
 だから私頑張ってみたの。ふふ、その様子だと成功みたいね

『お菓子を嗜む人にみえるか?』って質問の答え
 私はそう思うって思ってたけど。正解貰っちゃった」

自分のペースを崩さない彼女。ここがテリトリーなのもあるけれど
相手の様子に満足そうに頷いた後、このティラミスも彼女は梱包するために動き出しました

神代理央 >  
ペースを崩さず、穏やかな儘動き出す少女。
そんな少女に、毒気を抜かれた様にしょんぼりとしていた気持ちも抜けていく。
御互いを良く知らない仲だからこそ。肩の力を抜いてしまっても、良いのかもしれないのかな、と。
 
「…そうだな。当てられてしまった。
私は甘いものが好きでね。お菓子も、飲み物も、甘いものばかり。
…最初に来た時に、そう言っておけば良かったのかな。
好きなものはあるのに、中々出てこないのは不思議なものだよ」

梱包する為に動き出した少女。
そんな少女に、小さな苦笑いと共に言葉を返しながら、何か手伝おうかと少し腰を浮かせるだろうか。
…まあ、家事や細々した事は苦手だ。手伝おうとしたところで、少女の邪魔になってしまうかも知れないけど。

『調香師』 > 「ううん、そう思うのが遅かったのは私の不手際なのかな?
 香りには敏感なつもりだったけど...つい、新しくて目立ってた香りに意識が集中しちゃってね
 以前、商店街で出会った時にやっとわかったって感じだよね」

そんな会話を挟む。硝煙の香りは『仕事』の証
オフに近い様子で出歩いていた先日でなければ気付けなかった一面なのだろう

「あ、お客様は待ってもらっていいよ」

そして、彼の気遣いを一蹴してしまう
彼女にとってそれが当然。ここがお店で貴方はお客様
...そんな意識なのだろう。実際、手際としてはドライアイスと共に収め終えたティラミスの箱
横にある煙草を包むのにも時間はかからない

神代理央 >  
「そんな事は無いさ。あの日は、あんまり甘いものを摂取していた訳でも無いし。
それに…ああ、そうだな。私が普段纏っている香りは、そういう匂いも打ち消してしまうだろうし」

火薬と硝煙ばかり浴びていては、少女の言う事も納得しきり。
というよりも、不手際なんて言葉が出ればそんな事は無い、と困った様に首を振る事になるのだろう。

さて。何かしようと浮かした腰は、少女の言葉に素直にすとん、と腰を落とす事になる。
まあ、これは致し方ない。客に手伝わせるという事を少女が断るだろう、とは予想していなかった訳ではないし…何より。
手伝おうとしたところで、まあ、何が出来る訳でも無い。
箱を潰してしまうのが関の山。

「……ありがとう。しかし、何だか申し訳ないな。
スタンプはまだ1つ…いや、今日で2つ目なのかな?
それなのに、こんなに美味しそうなティラミスを頂いてしまうなんて」

手際良くティラミスと煙草を包んでいく少女の動きをぼんやり眺めつつ。
少しだけ苦笑いしながらちょっとだけ背伸びすれば、ぽきりと背骨が鳴る。
……帰ってからティラミスを頂いた後、少しストレッチでもしておくか、と内心溜息。

『調香師』 > 「これはお礼だからね。ふふ、私が『そうしたい』って思ったからそうしたんだから

 私は香りを作るのが好き。香りの中にはお菓子を思わせるようなものもある
 食欲をそそるスパイスを扱うような分野もある

 だから私って得意なんだよね。そういう風にもあるんだよね
 それで人の為になれるなら、ふふふ。それが一番」

身体を鳴らしたあなたを見上げて
ふむ、と首を傾げる

「身体、凝ってるみたいだね?
 うちってそういえば、マッサージもしてるってのは知ってるかな?
 今日は...」

ティラミスの箱を見る。梱包してしまった物を長らく放っておくわけにもいかないので、あまり強く推せないのが残念そうに

神代理央 >  
「…なら、有難く受け取っておこう。
人の為になれるなら、か。良い言葉だ。ああ、とっても。
それなら、今度来るときは良い茶葉と、御茶菓子でも持ってこよう。この店の香りを損なわないものをな。
客に振る舞うのも良し。君が飲むのも良し。
人の為に頑張る君の為に、私からもそれくらいさせてくれたら嬉しい限りだよ」

と、穏やかな笑みで少女の言葉に応えつつ。
首を傾げた少女には、その笑みを苦笑いへと変えようか。

「風紀委員は現場仕事以外にもデスクワークが多くてね。
つい、ストレッチだの体幹だのは疎かにしてしまいがちだ。
…マッサージ?ああ、そう言えば同僚がそんな事を言っていた気もするな。そうだな、お願い出来るなら次回は、煙草ではなく其方を……」

香りを求める以外にも、自身の疲労を癒すことが出来るとなれば。
そのサービスを求める事は吝かではない。
流石に今日は、少女からの『お礼』を帰ってから味わいたい思いが強いので、此方も今日直ぐに頼む事は無い…が。

「……施術は、他の者がするのか?」

マッサージと言えば、もう少し年齢の高い施術師がいるのかな、とも思ったり。
未だに、他の店員は見た事は無いけれど…流石に、客の躰に触れる様なサービスなら、男手がいるんじゃないかな、とか。
とはいえ、少女の答えが何となく予想出来てしまっても、いるのだけれど。

『調香師』 > 「茶葉、茶菓子。ふふふふふふ」

言葉を想うだけで、普段よりも長く笑う声が漏れてきます
...が、続いて尋ねられた内容に少しだけ間が開く

「うん、以前言った通りだよ
 施術も私。大抵のことは私
 心配しないでね。男の人用のバスローブもあるから」

つまりは、きちんと『脱いでください』との言葉
相手の性別がどうでアレ、彼女は恥ずかしがらないだろう
その相手がどう思うかはともかくとして、だ

彼女が気にしたのは寧ろ、『一人で全部し過ぎると怪しまれるかな?』との保守的な面
以前も似たような質問を受けたものなので