2022/04/14 のログ
ご案内:「Wings Tickle」に調香師さんが現れました。
■調香師 > 『一度ガラスのタクトを振れば、芳香のオーケストラは意のままに』
そんな謳い文句を表紙に持つ、雑誌を入り口正面の作業机。その椅子に収まった少女は捲っている
あーでもないー、こーでもない。彼女の表情は変わらずも、迷い続ける目線で簡単に察せよう
新しい注文の時期に差し掛かり、足りない在庫を探そうかと取り寄せたカタログの中
どうにも、自分が愛用していた規格の道具の取り扱いを止めたそうな
(こんな時に、道具の目線で切なくなるなんて)
■調香師 > 一度感傷に浸った場合、物を探す作業は思い出を探す作業に変わる
冊子の中になくなったあの姿。まだ、お店に在庫はあるけれども、
注文が必要な位には減ってしまったのだから。その刻限は、遠くはない
(あの時、減ってるなって思った時にでも。買っておけばよかったかな...)
後悔は先に立たず。過ぎた影に想いを馳せる。遥か遠くに行ってしまった生産ライン
(...ううん、まだ遅くはない、筈。何処かのお店なら売ってるかもだし)
カタログを置いて、手帳を手元に。近いうちに、大きなお買い物でもしてみよう
この島の中だったら、さて、何処が大きなお店だったか
■調香師 > 「......うん」
暫くして、彼女は頷く。思い出した、確かこの町には大きな百貨店があったか
専門的なアイテムも幾つか取り扱ってた筈...
世間的には休日、またいつかお邪魔をしようか。そう決意して、今日の看板は仕舞われた
ご案内:「Wings Tickle」から調香師さんが去りました。