2020/07/30 のログ
ご案内:「神代理央 自宅」に神代理央さんが現れました。
神代理央 >  
 
 
――何時もの様に帰宅して、何時もとは違う一人の時間。
少しだけ生活感が出て来た部屋に、もう恋人の姿はない。
 
 
 

神代理央 >  
ふかふかのソファに身を預け、久し振りにテレビをつけてみる。
壁を埋め尽くす程の巨大なスクリーンには、穏やかな音楽と共に明日の天気予報。

チャンネルを切り替える。

神代理央 >  
各運動部の練習試合の様子や、島の外で活躍する卒業生たちの特集が放送されている。
今日の目玉は、箒に乗ってカタナでチャンバラしながら息継ぎ無しで聖書を朗読するスポーツのプロとして活躍する卒業生らしい。

チャンネルを切り替える。

神代理央 >  
 
 
チャンネルを切り替える。
チャンネルを切り替える。
チャンネルを切り替える。
 
 
 

神代理央 >  
「…つまらん」

リモコンを机の上に放り投げ、小さく溜息。
そのまま置かれていた煙草に手を伸ばすと、豪奢な装飾の施されたライターで火を付ける。

甘い紫煙が、部屋に漂う。
煙草が燃えていく音以外に、何の音もしない。

神代理央 >  
燻る煙草を灰皿に押し付け、広々としたリビングから己の書斎へ。
片付けなければならない仕事は山ほど残っている。
本庁でまとめてした方が早いので、また出勤するつもりではいるのだが。

「……そういえば、公安からの呼び出しがかかっていたな。
 全く。難儀なことだ」

小さく溜息を吐き出すと、少年は書斎へと姿を消す。
眩いばかりに贅を凝らした部屋は、少年一人。
『今迄の様に』少年一人が、広大な部屋を持て余し、彷徨っていた。

ご案内:「神代理央 自宅」から神代理央さんが去りました。