2020/08/29 のログ
■水無月 斬鬼丸 > 「ひっ!?」
急に音がしたからびっくりした。
アイスは…落としてない、大丈夫。
その方向に視線を向けると、少女?
音の正体は自販機がジュースを吐き出した音のようで
少女の手にはジュースの缶。
「…ぁ…すんません」
誰もいないだろうと真ん中に座っていたが、少女がじーっと見てくるならば
その意図を察して立ち上がれば席を譲って
■ニーナ > 謝られれば、不思議そうに首を傾げる。
別に自分の専用の場所ではないので、そこまでされる言われもないと思った。
「ううん、大丈夫……すみっこ、もらう」
たどたどしい調子の小さな声で返事。
それから、ベンチの端っこにちょんと座って、空を見上げ、
星の見え具合をチェックする。
■水無月 斬鬼丸 > 「あっはい」
おとなしそうな少女だ。
少し横に避けて、少女とは反対の方。
隅っこに腰を掛けなおす。
ちらりと横を見れば、少女は空を見上げている。
なんだか、少女とはいえ見知らぬ人間がそばにいると落ち着かない。
アイスをもぐもぐとはしているが
座り直さず立ち去っておけばよかったかも知れない。
■ニーナ > 「ありがと」
小さくお礼。
少女は隣にお構いなしに空を見ている。
青い瞳には星空と街灯の光が映る。
やがて空から視点を落として、
飲み物がぬるくならないうちに飲もうと、缶を開け──
「……」
うまく開かない。いつもなら開けられるのに。
ちらりと横を見たら、缶に苦戦しているのが見えるだろう。
■水無月 斬鬼丸 > こちらが勝手に気まずくはなっているのだが
少女は当然そんなことかまうわけもない。
陰キャはこっちの性質でしかないし。
ひとまずはあまり刺激しないようにしよう。
下手に干渉した所を風紀に見つかって
事案扱いされたら流石にたまったもんじゃ……
ちらりと横目に少女を伺う。
なんか、苦戦してる?
缶、開けられないのか?
「………缶、あけようか?
アイス、持ってて」
■ニーナ > 少女も知らない人には比較的臆病なのだが、
今は深く気にしないといった感じである。それは、道端で通りすがる他人のように。
力任せにやって良いものだろうか。
溢したくはないな……どうしたものか。
そう悩んでいると。
「ぁ……えっと」
不意に声をかけられて、一瞬だけ悩んで。
「おねがい」
素直に甘えることにする。
不用心かもしれないが……自分じゃ解決出来ない時は、人に頼るべき。
いわゆる経験則だ。ゆっくりと缶を差し出す。
■水無月 斬鬼丸 > 「うん、じゃ…もっててね」
できるだけ口調を穏やかにしているが…
どこかおっかなびっくりなところがあるのは
まぁ、しかたない。
少女から缶を受け取り、代わりにアイスを手渡した。
少しばかりリングプルが指にかかりにくくなってる。
缶が出てきたときにそうなったのかも知れない。
プルを少し起こして指先で。
缶をあける…くらいは造作も無いことだ。
プシッと小気味のいい音が響きジュースの缶が開く。
「は、はい。どうぞ」
■ニーナ > 「うん」
言われたとおり受け取ると、手に冷気が降りてくる。
前にふーなに貰ったアイスキャンディーがこんな感じだったかな。
冷たいお菓子というものだ。
それから、次同じことがあった時に困らないようにと、
開ける様子をじっと真剣な面持ちで見つめる。
やがて缶の開く音が聞こえれば、表情がぱっと明るくなった。
「えっと、ありがと」
アイスと缶を交換して、柔らかく笑った。
■水無月 斬鬼丸 > 「どういたしまして」
開けたジュースの缶を少女に渡す。
フルーツミックス。
なんかずっと視線を感じたけど
あける間ずっとこっちを見ていたのだろうか?
ジュースを盗まれると思ったのだろうか?
それとも、怪しい人物に見えていたのかも知れない。
それはそれで仕方ないが…。
少女の笑顔にはぎこちなくともほほえみ返す。
アイスはまだ溶けてはいない。
受け取って、はむっとまた咥えた。
■ニーナ > ちなみに少女の中ではアイスの方が貴重品であるので、
これが担保になっている以上、全く疑ってないのだが……
それはまぁ言わなければ伝わらないものである。
少しの間お預けになったジュース。
ちびちびと飲んで味わって、それからごくごくと飲み始める。
静かな夜の公園だから、飲む音が聞こえてくるかもしれない。
ぷはー、と一息。
それから、そちらに少し体を向けて。
「えっと……よかったら、名前、教えて」
些細なことでも、助けてくれた人に対しては、殆ど警戒しない。
■水無月 斬鬼丸 > 静かな公園。
きれいな星空。
月もでている。
この時期はまだ秋の虫もでてきていない。
そのかわりというのもあれだが
隣の少女がジュースをのむ音がする。
なんか、こういう生活音というかなんというか。
『その人の音』と言えるものを聞いていると思うと、少し照れくさい。
いや、別にやましい感情とかではない。
こんな小さな少女に、ええ、小さな少女に。
とりあえず落ち着くためにアイスにかぶりつこうとしたところで
小さく息を付く音。
そして声が聞こえてきた。
「はぇ?……あー、水無月、斬鬼丸…」
あまりに突然のことだったので思わず答えてしまった。
■ニーナ > 相手の考えていることは全く分からない。
仕草の一つ一つに、特に深い意味はないのだが、
警戒をしていない……つまり、無防備である。
意識すればするほど、少女の無防備さに気づいてしまうかも知れない。
今は斜めにベンチに座って、前傾姿勢でそちらを見ている。
「みなづき、ざんきまる」
名前を復唱する。
みなづき……何処かで聞いた。
名字の方はあまり意識していなので、忘れがちだけど…
ああ、思い出した。
「……さらと、いっしょ?」
■水無月 斬鬼丸 > 意識を向けるとこちらに体を傾け
まるで覗き込むように前傾姿勢。
胸元が危うい。
あまりに無防備な少女だ。夜に出歩いて大丈夫なのだろうか?
少し頬が熱くなったので目をそらす。
クールダウンにとアイスを二口。
すると少女は何かを思い出したかのように質問を重ねてくる。
さらといっしょ?
沙羅…沙羅ちゃんの知り合いかな?
「あ、え?沙羅ちゃん、知ってるんだ。
えーと、あれ…俺は、その…なんつーか…
沙羅ちゃんの兄…おにいさん…みたいなもんだよ」
たぶん。
まだ彼女がそう思っていてくれているならだが。
■ニーナ > 相変わらず意に介さずにそちらを見ている。
危うい胸元は、見ようと思えば、見える。
「……??」
目をそらされたことと、続く言葉に不思議そうに首を傾けた。
「さらの、おにいさん」
おにいさんってなんだろう。
お姉さんと響きが似ているから、似たようなものだろうか。
……つまり、沙羅が頼る相手なのだ。
少女は、そう理解した。
「そうなんだ」
沙羅のそういう人と知り合えたのは、ちょっとうれしい。
柔らかい笑顔のまま、疑いもせず、そのまま覚える。
■水無月 斬鬼丸 > めっちゃ見てくる。
見よう…とは思わないのだが
少女の方に視線を移すと…
偶然か、まぁ…見えてしまう。
「っ…」
なんかいけないものを見てしまったみたいで
顔を真赤にして言葉に詰まる。
いや、実際凝視しているのはまずい。
「まぁ、うん…そ、そう。
えっと、キミは…その、沙羅ちゃんの、お友達…かな?」
とりあえず話をしよう。
自分の気をそらすために。
■ニーナ > 顔を見ようとするのは仕方がない。
言葉でのコミュニケーションが苦手なので、表情で補おうとするのだ。
話に上がっている沙羅も、似たことをする心当たりがあるかもしれない。
当然、赤くなった顔に気づいて。
「……大丈夫?」
さらに覗き込もうとする。無自覚は恐ろしい。
「うん。友達」
それから、友達と聞かれれば、迷いなく答えた。
「さらも、わたしも、星、好き」
■水無月 斬鬼丸 > 「はぇ!?」
かかる声に思わずそちらを見れば
より角度がヤバい。
てか色々見えちゃいけないものまで見えてないか?
だが、目をそらせば更にともなりそうだ。
「あ、え、ああ、はい、大丈夫…だい、じょうぶ…」
そう、大丈夫。
大丈夫だ。
女の子とはいえ小さな子だ…。
とはいえ、小さいとはいえ女の子。
距離の近さが気になってしまう。
食べかけのアイスがおちそうなのも今は気にしていられない。
「そ、そうなんだ…。沙羅ちゃんも、きみも…星、好きなんだ…」
知らなかった。
そういえば、そういう話し、全然してなかったな。
いつも、お互いいっぱいいっぱいで…。
■ニーナ > 視線が胸元に行っているのにも気づいた。
気づいたが、少女はまだ羞恥心を持っていないので。
どうしたのだろう、といった感じの反応は変わらない。
「そう……?」
そうは見えないが、大丈夫というので、追求はやめておく。
覗き込もうとする姿勢は、少しもとに戻った。
「うん。星。」
星の話になれば、さらに活き活きとする。
おとなしそうな少女の範疇は超えないが。
「たとえば……あっちに、見える星で、明るいみっつが、夏の、大三角」
星空を指差して……その声は楽しそうに。
■水無月 斬鬼丸 > 姿勢を戻してくれた、一安心だ。
ほっと胸をなでおろす。
もちろん自分の、だ。
「うん、もう平気。
ごめんね。俺、女の子と話すと緊張するから…」
間違ったことはいっていない。
ただその女の子というのが見た目的にあまりに幼いと言うだけで。
とにかくコレで彼女の話に集中できる。
星が好きだという少女。
楽しげに星のことを教えてくれる。
彼女の指を追うと、たしかに明るめの星が3つ。
三角形に並んでるのだが…
「えーっと、どれどれ…」
星見に慣れていない人間には見分けづらいのも星というもので。
■ニーナ > 姿勢を戻せば、様子も落ち着いたようで。
もう気にしなくてもいいだろうと思った。
「……そうなんだ」
初めて見るタイプの人かもしれない。
気にしたほうがいいのだろうか……わからない。
「探しても、分からなかったら、がめん?とかの、明るいもの、一度見ると、いい、かも」
目が夜闇に慣れると見える星の数が増える。
つまり、逆に一度リセットすることで、見える星の数を減らして、
探しやすくしよう、という魂胆。
■水無月 斬鬼丸 > 納得してくれたようだが、拒絶したように聞こえなかっただろうか?
別にそんなつもりはないのだが、女の子が苦手だとか思われてはいないだろうか?
この子に落ち度はないのだから…そう思わせてしまうのは気が引ける。
「あ、うん。でもべつに、その…
慣れてくれば平気だからえーと、気にしないで」
とりあえずのフォローを入れて
もう一度目を凝らしてみる。
だが、なかなかどの星かわからない。
すると、少女からアドバイスが飛んでくる。
なるほど。
「あー、明るいもの…」
街灯、スマホのライト、自販機の明かり…
そのあたりか。
しばらく街灯を見つめてから星空を見てみる。
「えーと、あれとあれと、あれ…?うおぁ!?」
一つ二つはあっていたかも知れない。
そうやって星を探していると、地面に白いしずくが落ちた。
どうやらアイスが本格的に溶け出したようだ。
■ニーナ > 対する少女は、星の話に気持ちを持っていかれていて、
気にしている様子は微塵もない。
「うん、大丈夫」
初めて話す相手なのだから、上手くやれないのはわかる。
自分もそうなのだから、気にしても仕方がない。
胸元を見ていたことも、すぐに忘れてしまうだろう。少女の方は。
誰に教えてもらったわけでもない、ちょっと違う探し方。
よく見える星だからできる裏技でもある。
見つけられたかな、と声をかけようとしたら、小さな叫び声。
びっくりしてそちらを見れば。
「だいさんかく、みえ……あ……アイス」
そうだった。アイスは溶けるもの。
勿体ないことをさせてしまった。
■水無月 斬鬼丸 > 心が広い少女らしい。
あるいは優しい少女か。
こちらに興味がないだけかも知れないが。
「うん、ありがとう」
うまく話せない自分を許してくれる少女に礼を言って
棒にわずかに残ったアイスをぱくりと食べてしまう。
とはいえ、手は解けたバニラアイスで汚れてしまった。
「大三角…あってるかどうかわかんないけど…
たぶん、あれとあれとあれ…かも?」
大丈夫と、アイスを気にする少女につたえ
手についたアイスを舐め取る。
ちょっと行儀悪い。
■ニーナ > あるいは、頭の回る賢い少女かもしれない。
「わたしも、話すの、得意じゃない、から、おあいこ」
苦手だとも、嫌いだとも言わない。
人と話すのは、得意じゃないけど……楽しいから。
「みつけた?えっと」
自分も手についたアイスはなめると思うので、全く気にしていない。
何処を指差しているかわかりやすいように体を近づけて、また空を指差して。
パーソナルスペースの概念もない。非常に近い。
「デネブ、アルタイル、ベガ」
指で空をなぞって、星の名前を言っていく。
「アルタイルが、彦星で、ベガが、織姫……たなばた、しってる?」
流石に知っているだろうとは思いつつ、一応聞いてみる。
■水無月 斬鬼丸 > おあいこ。とは言うものの
言葉少ないながら割と言葉によどみがない。
アイスを舐め取ってしまえば
少女の声にまた耳を傾けて。
「たぶん…?」
見つけた、と思う。
空を見上げて首を傾げていると
少女が体を寄せてきた。
体が触れるほどに近いような。少しどきりとした。
だが、少女の指の動きを視線で追うことにする。
離れるよりはまず聞こう。
沙羅ちゃんが好きだという星の話。
「あれがそういう名前なんだ…」
名前自体はよく聞くし、星の名前だというのも知っていたが
実際にその星をみるのは初めて。
感心したように、彼女の指差す星を三角の線で結ぶ。
「七夕はしってる。でも、彦星と織姫の星の名前はしらなかった…
すごいね」
■ニーナ > 体は触れているかも知れない。少女は気にしないから。
やりたいことが伝われば、少女の方からすぐに離れる。
くっついていても暑いだけだろうから。
「うん。これで大三角。わたしが、最初に覚えた、星」
沙羅……ではなく、星空お姉さんに教えてもらった、
少女の中で特別な星の一つ。
人に星を教える時はこれらをまず説明する……のだが。
夏の大三角というだけあって、夏以外はどうなるのかわからない。
その時は何を教えるべきだろうか。
北極星は、あまり明るくないので、難しい。
それはさておき。
「星のこと、知るの、楽しい。知らないこと、いっぱい」
■水無月 斬鬼丸 > 気温と人の体温は、微妙に違う。
不快になるかどうかは気持ち次第。
少なくとも暑いとか不愉快とか、そんなことは思わなかった。
むこうはともかくとして。
「へぇ…じゃ、俺も最初に覚えたってことになるかも」
よくよく見れば周辺の星に比べて輝いて見える3つの星。
これまで天体にそれほど興味がなかったからそれも仕方のない話。
星好きの少女は声そのものは静かだが
なんとなく楽しげに見える。
星のことを教えるのが楽しいのか、星の話をするのが楽しいのか…
「そっか。星のこと大好きなんだね。
沙羅ちゃんともよく話すのかな?
俺がだらしなくて、沙羅ちゃんを困らせることがいっぱいだから…
キミみたいなお友達がいてくれるなら安心だ」
■ニーナ > 「……そっか。いっしょ」
共通点が生まれると、また嬉しそうにいう。
少女は、とにかく今が……日常が楽しいのだろう。
「さらとは……しばらく、会えてない」
前にあった時は、何かから逃げてた気がするが。
あれから、上手くいったのかな。
情報は自分のところには入ってこないから、未だ詳しくはしらない。
迷惑がかからないなら、また会いたいな。少し、星ではない遠くを見る目をした。
「会えてないけど、さらは、大事な、友達」
■水無月 斬鬼丸 > 「そうだね…」
嬉しそうな少女に対して微笑んでみせた。
沙羅の友達というところもあるし、しばらく会話をかわしたおかげか
いくらか自然に笑えたと思う。
沙羅をはっきりと大事な友だちという少女。
少し、羨ましくなる。
沙羅の日常を支えているであろう少女が。
日常を暮らす友がいる沙羅が。
「そっか…ありがと。
沙羅ちゃん、今は少し悩んでることとかあるから…
その、会えたら優しくしてあげてね?」
そう言うとベンチから立ち上がる。
■ニーナ > 同意をもらえれば、同調する様に、にひひ、と笑う。
「さらが……?」
そうなのか。そうであれば、尚更会いたい。
出来ることをしてあげたい。
まぁ、それは目の前の彼も、きっと同じなのだろうが……。
「あ……帰る?」
立ち上がる様子を見て、こちらも立ち上がって。
星をしっかり見ていないので、まだ帰るつもりはないが、
見送りぐらいはするつもりだ。
「なまえ、言ってなかった。わたしは、ニーナ」
はっとして、突然名乗った。
■水無月 斬鬼丸 > 「うん、えっと…俺は、うまくいえないし…
どうも、俺が話すと沙羅ちゃんを傷つけちゃって…
だから、その…おねがいするね?」
少女に任せきりにする…と言うつもりはないのだが
どうも自分は口下手だし、フェイいわく不器用らしい。
「うん、そろそろ行かないと
家にいる子が起きるからね。
俺は帰るけど…ニーナちゃんはえーっと…残るのかな?」
だとしたら先に帰るのもなんか、こう…
心配だ。
「じゃ、もう少し、一緒にいるよ。
ニーナちゃんを送って帰らないと、きっと沙羅ちゃんに怒られるから」
ベンチに座り直して
■ニーナ > 「……分かった」
お願いされれば、素直に応える。
自分にできることはわからないけど。
やれるだけやってみる。いつもどおりで、それだけだ。
「じゃあ、簡単に、すませる」
送ってもらえるというのなら、それにも甘える。
と言っても、公園から家まではそんなに遠くないのだが。
立ったまま、知っている星と星座の名前を声に出して再確認をする。
やがて日課を済ませた少女は、受け取った願いを持って、
送られて帰っていくのだろう。
ご案内:「夜の常世公園」から水無月 斬鬼丸さんが去りました。
ご案内:「夜の常世公園」からニーナさんが去りました。