2020/08/29 のログ
水無月 斬鬼丸 > 「ひっ!?」

急に音がしたからびっくりした。
アイスは…落としてない、大丈夫。
その方向に視線を向けると、少女?
音の正体は自販機がジュースを吐き出した音のようで
少女の手にはジュースの缶。

「…ぁ…すんません」

誰もいないだろうと真ん中に座っていたが、少女がじーっと見てくるならば
その意図を察して立ち上がれば席を譲って

ニーナ > 謝られれば、不思議そうに首を傾げる。
別に自分の専用の場所ではないので、そこまでされる言われもないと思った。

「ううん、大丈夫……すみっこ、もらう」

たどたどしい調子の小さな声で返事。
それから、ベンチの端っこにちょんと座って、空を見上げ、
星の見え具合をチェックする。

水無月 斬鬼丸 > 「あっはい」

おとなしそうな少女だ。
少し横に避けて、少女とは反対の方。
隅っこに腰を掛けなおす。

ちらりと横を見れば、少女は空を見上げている。
なんだか、少女とはいえ見知らぬ人間がそばにいると落ち着かない。
アイスをもぐもぐとはしているが
座り直さず立ち去っておけばよかったかも知れない。

ニーナ > 「ありがと」

小さくお礼。

少女は隣にお構いなしに空を見ている。
青い瞳には星空と街灯の光が映る。
やがて空から視点を落として、
飲み物がぬるくならないうちに飲もうと、缶を開け──

「……」

うまく開かない。いつもなら開けられるのに。
ちらりと横を見たら、缶に苦戦しているのが見えるだろう。

水無月 斬鬼丸 > こちらが勝手に気まずくはなっているのだが
少女は当然そんなことかまうわけもない。
陰キャはこっちの性質でしかないし。

ひとまずはあまり刺激しないようにしよう。
下手に干渉した所を風紀に見つかって
事案扱いされたら流石にたまったもんじゃ……

ちらりと横目に少女を伺う。

なんか、苦戦してる?
缶、開けられないのか?

「………缶、あけようか?
アイス、持ってて」

ニーナ > 少女も知らない人には比較的臆病なのだが、
今は深く気にしないといった感じである。それは、道端で通りすがる他人のように。

力任せにやって良いものだろうか。
溢したくはないな……どうしたものか。
そう悩んでいると。

「ぁ……えっと」

不意に声をかけられて、一瞬だけ悩んで。

「おねがい」

素直に甘えることにする。
不用心かもしれないが……自分じゃ解決出来ない時は、人に頼るべき。
いわゆる経験則だ。ゆっくりと缶を差し出す。

水無月 斬鬼丸 > 「うん、じゃ…もっててね」

できるだけ口調を穏やかにしているが…
どこかおっかなびっくりなところがあるのは
まぁ、しかたない。
少女から缶を受け取り、代わりにアイスを手渡した。

少しばかりリングプルが指にかかりにくくなってる。
缶が出てきたときにそうなったのかも知れない。
プルを少し起こして指先で。
缶をあける…くらいは造作も無いことだ。

プシッと小気味のいい音が響きジュースの缶が開く。

「は、はい。どうぞ」

ニーナ > 「うん」

言われたとおり受け取ると、手に冷気が降りてくる。
前にふーなに貰ったアイスキャンディーがこんな感じだったかな。
冷たいお菓子というものだ。

それから、次同じことがあった時に困らないようにと、
開ける様子をじっと真剣な面持ちで見つめる。

やがて缶の開く音が聞こえれば、表情がぱっと明るくなった。

「えっと、ありがと」

アイスと缶を交換して、柔らかく笑った。

水無月 斬鬼丸 > 「どういたしまして」

開けたジュースの缶を少女に渡す。
フルーツミックス。
なんかずっと視線を感じたけど
あける間ずっとこっちを見ていたのだろうか?
ジュースを盗まれると思ったのだろうか?
それとも、怪しい人物に見えていたのかも知れない。
それはそれで仕方ないが…。

少女の笑顔にはぎこちなくともほほえみ返す。
アイスはまだ溶けてはいない。
受け取って、はむっとまた咥えた。

ニーナ > ちなみに少女の中ではアイスの方が貴重品であるので、
これが担保になっている以上、全く疑ってないのだが……
それはまぁ言わなければ伝わらないものである。

少しの間お預けになったジュース。
ちびちびと飲んで味わって、それからごくごくと飲み始める。
静かな夜の公園だから、飲む音が聞こえてくるかもしれない。

ぷはー、と一息。
それから、そちらに少し体を向けて。

「えっと……よかったら、名前、教えて」

些細なことでも、助けてくれた人に対しては、殆ど警戒しない。

水無月 斬鬼丸 > 静かな公園。
きれいな星空。
月もでている。

この時期はまだ秋の虫もでてきていない。
そのかわりというのもあれだが
隣の少女がジュースをのむ音がする。

なんか、こういう生活音というかなんというか。
『その人の音』と言えるものを聞いていると思うと、少し照れくさい。
いや、別にやましい感情とかではない。
こんな小さな少女に、ええ、小さな少女に。

とりあえず落ち着くためにアイスにかぶりつこうとしたところで
小さく息を付く音。
そして声が聞こえてきた。

「はぇ?……あー、水無月、斬鬼丸…」

あまりに突然のことだったので思わず答えてしまった。

ニーナ > 相手の考えていることは全く分からない。
仕草の一つ一つに、特に深い意味はないのだが、
警戒をしていない……つまり、無防備である。
意識すればするほど、少女の無防備さに気づいてしまうかも知れない。

今は斜めにベンチに座って、前傾姿勢でそちらを見ている。

「みなづき、ざんきまる」

名前を復唱する。
みなづき……何処かで聞いた。
名字の方はあまり意識していなので、忘れがちだけど…
ああ、思い出した。

「……さらと、いっしょ?」

水無月 斬鬼丸 > 意識を向けるとこちらに体を傾け
まるで覗き込むように前傾姿勢。
胸元が危うい。
あまりに無防備な少女だ。夜に出歩いて大丈夫なのだろうか?

少し頬が熱くなったので目をそらす。
クールダウンにとアイスを二口。
すると少女は何かを思い出したかのように質問を重ねてくる。

さらといっしょ?

沙羅…沙羅ちゃんの知り合いかな?

「あ、え?沙羅ちゃん、知ってるんだ。
えーと、あれ…俺は、その…なんつーか…
沙羅ちゃんの兄…おにいさん…みたいなもんだよ」

たぶん。
まだ彼女がそう思っていてくれているならだが。

ニーナ > 相変わらず意に介さずにそちらを見ている。
危うい胸元は、見ようと思えば、見える。

「……??」

目をそらされたことと、続く言葉に不思議そうに首を傾けた。

「さらの、おにいさん」

おにいさんってなんだろう。
お姉さんと響きが似ているから、似たようなものだろうか。
……つまり、沙羅が頼る相手なのだ。
少女は、そう理解した。

「そうなんだ」

沙羅のそういう人と知り合えたのは、ちょっとうれしい。
柔らかい笑顔のまま、疑いもせず、そのまま覚える。

水無月 斬鬼丸 > めっちゃ見てくる。
見よう…とは思わないのだが
少女の方に視線を移すと…
偶然か、まぁ…見えてしまう。

「っ…」

なんかいけないものを見てしまったみたいで
顔を真赤にして言葉に詰まる。
いや、実際凝視しているのはまずい。

「まぁ、うん…そ、そう。
えっと、キミは…その、沙羅ちゃんの、お友達…かな?」

とりあえず話をしよう。
自分の気をそらすために。

ニーナ > 顔を見ようとするのは仕方がない。
言葉でのコミュニケーションが苦手なので、表情で補おうとするのだ。
話に上がっている沙羅も、似たことをする心当たりがあるかもしれない。

当然、赤くなった顔に気づいて。

「……大丈夫?」

さらに覗き込もうとする。無自覚は恐ろしい。


「うん。友達」

それから、友達と聞かれれば、迷いなく答えた。

「さらも、わたしも、星、好き」

水無月 斬鬼丸 > 「はぇ!?」

かかる声に思わずそちらを見れば
より角度がヤバい。
てか色々見えちゃいけないものまで見えてないか?
だが、目をそらせば更にともなりそうだ。

「あ、え、ああ、はい、大丈夫…だい、じょうぶ…」

そう、大丈夫。
大丈夫だ。
女の子とはいえ小さな子だ…。
とはいえ、小さいとはいえ女の子。
距離の近さが気になってしまう。
食べかけのアイスがおちそうなのも今は気にしていられない。

「そ、そうなんだ…。沙羅ちゃんも、きみも…星、好きなんだ…」

知らなかった。
そういえば、そういう話し、全然してなかったな。
いつも、お互いいっぱいいっぱいで…。

ニーナ > 視線が胸元に行っているのにも気づいた。
気づいたが、少女はまだ羞恥心を持っていないので。
どうしたのだろう、といった感じの反応は変わらない。

「そう……?」

そうは見えないが、大丈夫というので、追求はやめておく。
覗き込もうとする姿勢は、少しもとに戻った。

「うん。星。」

星の話になれば、さらに活き活きとする。
おとなしそうな少女の範疇は超えないが。

「たとえば……あっちに、見える星で、明るいみっつが、夏の、大三角」

星空を指差して……その声は楽しそうに。

水無月 斬鬼丸 > 姿勢を戻してくれた、一安心だ。
ほっと胸をなでおろす。
もちろん自分の、だ。

「うん、もう平気。
ごめんね。俺、女の子と話すと緊張するから…」

間違ったことはいっていない。
ただその女の子というのが見た目的にあまりに幼いと言うだけで。
とにかくコレで彼女の話に集中できる。

星が好きだという少女。
楽しげに星のことを教えてくれる。
彼女の指を追うと、たしかに明るめの星が3つ。
三角形に並んでるのだが…

「えーっと、どれどれ…」

星見に慣れていない人間には見分けづらいのも星というもので。

ニーナ > 姿勢を戻せば、様子も落ち着いたようで。
もう気にしなくてもいいだろうと思った。

「……そうなんだ」

初めて見るタイプの人かもしれない。
気にしたほうがいいのだろうか……わからない。

「探しても、分からなかったら、がめん?とかの、明るいもの、一度見ると、いい、かも」

目が夜闇に慣れると見える星の数が増える。
つまり、逆に一度リセットすることで、見える星の数を減らして、
探しやすくしよう、という魂胆。

水無月 斬鬼丸 > 納得してくれたようだが、拒絶したように聞こえなかっただろうか?
別にそんなつもりはないのだが、女の子が苦手だとか思われてはいないだろうか?
この子に落ち度はないのだから…そう思わせてしまうのは気が引ける。

「あ、うん。でもべつに、その…
慣れてくれば平気だからえーと、気にしないで」

とりあえずのフォローを入れて
もう一度目を凝らしてみる。
だが、なかなかどの星かわからない。
すると、少女からアドバイスが飛んでくる。
なるほど。

「あー、明るいもの…」

街灯、スマホのライト、自販機の明かり…
そのあたりか。
しばらく街灯を見つめてから星空を見てみる。

「えーと、あれとあれと、あれ…?うおぁ!?」

一つ二つはあっていたかも知れない。
そうやって星を探していると、地面に白いしずくが落ちた。
どうやらアイスが本格的に溶け出したようだ。

ニーナ > 対する少女は、星の話に気持ちを持っていかれていて、
気にしている様子は微塵もない。

「うん、大丈夫」

初めて話す相手なのだから、上手くやれないのはわかる。
自分もそうなのだから、気にしても仕方がない。
胸元を見ていたことも、すぐに忘れてしまうだろう。少女の方は。

誰に教えてもらったわけでもない、ちょっと違う探し方。
よく見える星だからできる裏技でもある。

見つけられたかな、と声をかけようとしたら、小さな叫び声。
びっくりしてそちらを見れば。

「だいさんかく、みえ……あ……アイス」

そうだった。アイスは溶けるもの。
勿体ないことをさせてしまった。

水無月 斬鬼丸 > 心が広い少女らしい。
あるいは優しい少女か。
こちらに興味がないだけかも知れないが。

「うん、ありがとう」

うまく話せない自分を許してくれる少女に礼を言って
棒にわずかに残ったアイスをぱくりと食べてしまう。
とはいえ、手は解けたバニラアイスで汚れてしまった。

「大三角…あってるかどうかわかんないけど…
たぶん、あれとあれとあれ…かも?」

大丈夫と、アイスを気にする少女につたえ
手についたアイスを舐め取る。
ちょっと行儀悪い。

ニーナ > あるいは、頭の回る賢い少女かもしれない。

「わたしも、話すの、得意じゃない、から、おあいこ」

苦手だとも、嫌いだとも言わない。
人と話すのは、得意じゃないけど……楽しいから。

「みつけた?えっと」

自分も手についたアイスはなめると思うので、全く気にしていない。
何処を指差しているかわかりやすいように体を近づけて、また空を指差して。
パーソナルスペースの概念もない。非常に近い。

「デネブ、アルタイル、ベガ」

指で空をなぞって、星の名前を言っていく。

「アルタイルが、彦星で、ベガが、織姫……たなばた、しってる?」

流石に知っているだろうとは思いつつ、一応聞いてみる。

水無月 斬鬼丸 > おあいこ。とは言うものの
言葉少ないながら割と言葉によどみがない。
アイスを舐め取ってしまえば
少女の声にまた耳を傾けて。

「たぶん…?」

見つけた、と思う。
空を見上げて首を傾げていると
少女が体を寄せてきた。
体が触れるほどに近いような。少しどきりとした。
だが、少女の指の動きを視線で追うことにする。
離れるよりはまず聞こう。
沙羅ちゃんが好きだという星の話。

「あれがそういう名前なんだ…」

名前自体はよく聞くし、星の名前だというのも知っていたが
実際にその星をみるのは初めて。
感心したように、彼女の指差す星を三角の線で結ぶ。

「七夕はしってる。でも、彦星と織姫の星の名前はしらなかった…
すごいね」

ニーナ > 体は触れているかも知れない。少女は気にしないから。
やりたいことが伝われば、少女の方からすぐに離れる。
くっついていても暑いだけだろうから。

「うん。これで大三角。わたしが、最初に覚えた、星」

沙羅……ではなく、星空お姉さんに教えてもらった、
少女の中で特別な星の一つ。

人に星を教える時はこれらをまず説明する……のだが。
夏の大三角というだけあって、夏以外はどうなるのかわからない。
その時は何を教えるべきだろうか。
北極星は、あまり明るくないので、難しい。

それはさておき。

「星のこと、知るの、楽しい。知らないこと、いっぱい」

水無月 斬鬼丸 > 気温と人の体温は、微妙に違う。
不快になるかどうかは気持ち次第。
少なくとも暑いとか不愉快とか、そんなことは思わなかった。
むこうはともかくとして。

「へぇ…じゃ、俺も最初に覚えたってことになるかも」

よくよく見れば周辺の星に比べて輝いて見える3つの星。
これまで天体にそれほど興味がなかったからそれも仕方のない話。
星好きの少女は声そのものは静かだが
なんとなく楽しげに見える。
星のことを教えるのが楽しいのか、星の話をするのが楽しいのか…

「そっか。星のこと大好きなんだね。
沙羅ちゃんともよく話すのかな?
俺がだらしなくて、沙羅ちゃんを困らせることがいっぱいだから…
キミみたいなお友達がいてくれるなら安心だ」

ニーナ > 「……そっか。いっしょ」

共通点が生まれると、また嬉しそうにいう。
少女は、とにかく今が……日常が楽しいのだろう。

「さらとは……しばらく、会えてない」

前にあった時は、何かから逃げてた気がするが。
あれから、上手くいったのかな。
情報は自分のところには入ってこないから、未だ詳しくはしらない。
迷惑がかからないなら、また会いたいな。少し、星ではない遠くを見る目をした。

「会えてないけど、さらは、大事な、友達」

水無月 斬鬼丸 > 「そうだね…」

嬉しそうな少女に対して微笑んでみせた。
沙羅の友達というところもあるし、しばらく会話をかわしたおかげか
いくらか自然に笑えたと思う。

沙羅をはっきりと大事な友だちという少女。
少し、羨ましくなる。
沙羅の日常を支えているであろう少女が。
日常を暮らす友がいる沙羅が。

「そっか…ありがと。
沙羅ちゃん、今は少し悩んでることとかあるから…
その、会えたら優しくしてあげてね?」

そう言うとベンチから立ち上がる。

ニーナ > 同意をもらえれば、同調する様に、にひひ、と笑う。

「さらが……?」

そうなのか。そうであれば、尚更会いたい。
出来ることをしてあげたい。
まぁ、それは目の前の彼も、きっと同じなのだろうが……。

「あ……帰る?」

立ち上がる様子を見て、こちらも立ち上がって。
星をしっかり見ていないので、まだ帰るつもりはないが、
見送りぐらいはするつもりだ。

「なまえ、言ってなかった。わたしは、ニーナ」

はっとして、突然名乗った。

水無月 斬鬼丸 > 「うん、えっと…俺は、うまくいえないし…
どうも、俺が話すと沙羅ちゃんを傷つけちゃって…
だから、その…おねがいするね?」

少女に任せきりにする…と言うつもりはないのだが
どうも自分は口下手だし、フェイいわく不器用らしい。

「うん、そろそろ行かないと
家にいる子が起きるからね。
俺は帰るけど…ニーナちゃんはえーっと…残るのかな?」

だとしたら先に帰るのもなんか、こう…
心配だ。

「じゃ、もう少し、一緒にいるよ。
ニーナちゃんを送って帰らないと、きっと沙羅ちゃんに怒られるから」

ベンチに座り直して

ニーナ > 「……分かった」

お願いされれば、素直に応える。
自分にできることはわからないけど。
やれるだけやってみる。いつもどおりで、それだけだ。

「じゃあ、簡単に、すませる」

送ってもらえるというのなら、それにも甘える。
と言っても、公園から家まではそんなに遠くないのだが。

立ったまま、知っている星と星座の名前を声に出して再確認をする。

やがて日課を済ませた少女は、受け取った願いを持って、
送られて帰っていくのだろう。

ご案内:「夜の常世公園」から水無月 斬鬼丸さんが去りました。
ご案内:「夜の常世公園」からニーナさんが去りました。