2020/09/24 のログ
ご案内:「捜索記録1」に貴家 星さんが現れました。
■貴家 星 > 常世渋谷 中央街(センター・ストリート)
常世渋谷の街の中央を貫く大通り。
様々な飲食店やファッション店、半ば違法に足を突っ込んでいる店舗などが軒を連ねる。
常世渋谷の代表的なエリアであるとともに、常世渋谷の中ではもっとも安全で歓楽街に近いエリア。
場合によっては喧嘩なども起こる可能性はあるが、普通に歩いているだけでは危険な目に遇うことはまずない。
最新モードの先端を行く、常世渋谷の明るい側面の街。
タイムライン:昼
■貴家 星 > 最近、行き方知れずになる者が多い。
『ディープブルー』なる違反部活が島民を拐かさんとしている……と言う報告書こそ上がっているが──
「いくら何でも違反部活一つの仕業とはいかんよな。自主的に晦ます輩もおるやもしれんし……」
──と、言う訳である。
言葉にするもの以外にも、何処ぞで事故にあって動けない。(転移荒野では偶にあるそうだ)
なども考慮しなければならぬゆえ、行方不明者の捜索というものは中々どうして大変である。
例え家族や友人、恋人と揉めて一時のささやかな家出。だとしても、そうした者を狙う輩とているのだから。
「今回はどうなるかな……あっさりと見つかってくれると私も助かるのだがなあ」
過去には夏休みの宿題をサボったが故に、休み明け開幕から大脱走ならぬ大失踪を演じた猛者もいたらしい。
その時に私は勿論在学しておらんので被害(?)は避けられたが、当時の風紀委員の苦労は察して余りあるものがある。
ともあれひとりごちて、常世渋谷を漫ろならざりて歩く。
手元のメモには今回家族より捜索願が出された女生徒の特徴が細かに示されていた。
曰く、休日に買物に出たきり戻らぬとのこと。であるから私の足向きは件の生徒御贔屓のお店となる。
■貴家 星 > 常世渋谷 雑貨屋『ドグラ』
行き方知れずの女生徒が足繁く通っていた店。
一口に雑貨屋と言えど店内調度は雑然かつ胡乱。
訪れる客を圧倒する陳列様式が特徴。
タイムライン:昼
■貴家 星 > 通りを一本入った所にある小さな商いの店。
雑貨が示す通りに様々過ぎるものが所狭しと堆い所。
女生徒の趣味は変わっておるなあ。などと呟きながらに訪い、店長と思しき男性に問う。
『ああ、その子ならいつも通りに買物していったよ』
「何時ごろだろうか?」
『ちょっと憶えてないけど、日暮れ時だったかな?』
他にも何を買ったのか、等々問うと男性は快く教えてくれた。と言うよりも桐箱を取り出して中を見せてくれた。
「これは……」
箱の中にあったものは木簡だった。記された文字の意味は皆目見当もつかないが、
男性が言う所によると魔術師や呪術師が用いるものであるらしい。
なるほど、道理で私の背筋がぞわぞわとするわけだ。少なくとも触れたいとは思わない。
「これはどのような術に用いるものだろうか?」
この問いに男性は言葉を濁した。つまるところ、好事家向けに節操なく取り寄せているのだろう。
……違法なのでは?そう思わなくもないが、一先ずそれは別件となるので飲み込むこととし、店を後にしよう。
■貴家 星 > 常世渋谷 公園
常世渋谷にある小さな公園。
公園と言っても木々に囲まれた一角にベンチが置かれただけの小空間である。
タイムライン:昼過ぎ
■貴家 星 > 「面妖な魔術具が原因による街に呑まれ案件……いやいやそれは安直だろう、うん」
休憩がてら公園内のベンチに座り、道中で買った焼きそばパンを頬張りながらに思案投首の図。
"街に呑まれる"それは都市伝説的に囁かれ、真実としてこの街に存在することだ。
位相の異なる街。裏常世渋谷なる場所へ迷い込んでしまい、そのまま行き方知れずとなる話。
「いざそうであったとして……いざいざ乗り込むしかないとなったとして……
私独りで勝手に決めれる事でもあるまいし、一先ず別口を調べる感じが丸そうな」
焼きそばパンを抹茶オレで流し込み、さてさてと脳内で算盤を叩く。
皮算用は御法度。勇んで一人でどうにかこうにか──なることは早々無い。
有名過ぎる程に有名な『鉄火の支配者』とて蹉跌を踏んで入院するような時節である。
一先ずは頼れる先達。同課のラムレイ殿に報告件相談書でもしたためるべきだろう。
「しかし別口、一度御家族にお話なども伺ってみるべきか」
例えば古式ゆかしい文通相手が実は居たとか、そういうものがあったりとか。
等々考えながら焼きそばパンの次はときんつばを紙袋より取り出し、次には渋い顔。
これつぶあんだ。
■貴家 星 > 生憎とベンチに座っているだけでは妙案は出なかった。
石に3年程座れば成果が出るように、3年座れば出たのかもしれないが
3年も座っている訳には行かないのが渡世というものである。
「拐かされてを疑うなら黒街方面、はたまた『落第街』か……」
きんつばを紙袋に収め、立ち上がる。
ベンチを払うように尾が数度揺れ、周囲を確かめるように耳が動いた。
「あんまり"あっち"は行きたくないなあ」
誰が見ている訳でも無く唇を尖らせ頭を掻いて公園を後にした。
ご案内:「捜索記録1」から貴家 星さんが去りました。