2020/11/03 のログ
■スーツの男性 >
「……やっぱ期待通りだ」
寄せられた顔に動じる事なく、瞳を見つめる。
にこりと笑うその顔には…どこかその言葉を予期していたようにも見えて。
「じゃあ、俺の奢りで。
そのときは常世学園の美味い店でってのはどうです?」
そう言いながら、大判の封筒と便箋を1つずつ取り出す。
中には日付指定無しの、飛行機のチケットと、手続き用の書類数枚。
「何時でも乗れるんで、準備が出来たら使ってください。
書類の方は…ま、簡単なモノなんで。
手続きの時は『四方阿頼耶からの推薦』って言ってもらえれば楽に済みますから
それじゃ…次は常世島で。
今度は”生徒と教師”として会いましょう」
サングラスを取り、ニッと笑って。
そう言って立ち上がり、一度軽く手を振れば……
そのまま、彼は立ち去るだろう。
次に会うのは、きっと―――――――
■虹水 >
「ふふ、こんな不良学生に何を期待してたのかは知りませんが……
期待に応えられるように頑張るとしますぞ~。」
けらけらと笑い、机に出しっぱなしの名刺をポケットに仕舞い込む。
解っていたとしても、こんな魅力的な誘いを断れるはずもない。
山と盛られた馳走の原が、目の前に広がっているようなものなのだから。
「ええ、その時は是非とも。そのためにも3件くらいは見つけておいてくださいな?
3次会くらいは歓迎会で開いてもらわないと、食べた気がしませんので。」
ぴっ、と封筒と便箋を受け取り……最後に、ニコリと柔和に微笑む。
よそ行きの笑顔。いかにも社会人受けしそうな、張り付いた笑顔だ。
「わざわざありがとうございます。……その時が来たらよろしくおねがいしますね?
……なーんて、やっぱお硬いのは肩凝ってしょうがないですな。
ええ、また会いましょう。生徒と教師として、かどうかはわかりませんがな。」
扉は閉じられる。たった一人のラボに、静寂が戻る。
閉じた扉を軽く見つめ、便箋を透かすように天井へ向けた。
中には小さなチケットと、書類。
「……んふふ、趣味の方も捗りそうですな。」
女は独り言ちて、帰り支度を始めた。
持ち出すのは、研究資料とサンプル、それにラボのデータと……
「おっも」
山積みのホビーたちだ。
ご案内:「【過去】大学のラボ」からスーツの男性さんが去りました。
ご案内:「【過去】大学のラボ」から虹水さんが去りました。