2021/10/18 のログ
ご案内:「高架道路」にライダースーツの女さんが現れました。
ライダースーツの女 > 《敵性の第四種エネルギー怪異体を確認》

思考通信でオペレーターに報告。
レーダーに表示されていたエネルギーを目視で確認したので。

《今から降下します。分離迄5秒、4,3,2,1。分離シークエンス》

光学迷彩で飛行していた4ローターのドローン。そそれがじじっと空間にノイズを一瞬走らせ、間に固定されていた個体が解き放たれる。
くぃんっと僅かな動作音でタイヤが伸び開き、回転して落下の速度をホバーで緩和。
きしゅりっ、と僅かな音で、衝撃を全てバンパーで吸収し。
少しの弾みもなくタイヤが路面を噛み、加速する。

ライダースーツの女 > 聖別した水銀を弾芯に持つという弾薬を備えた銃口を出すよう思考操作。
装甲の一部が空き、そこから銃身が少し伸びる。

《対象識別はジャック・オー・ランタン。飛翔能力、デスサイズ所持から第三段階にあると予測します》

《戦闘行動認可を求めます》

《確認。戦闘行動に入ります》

淡々と、記録する撮影映像を流しながら、マズルファイヤ。
聖別をしたかどうかで効果がどう違うかまでは考えない、考えるのは研究者の役目だ。
自分はただ、言われたとおりに戦闘を行うのみ。

《敵性体損門率予測、2.3%、4.4%――》

移動する敵性体に対して高速に動き、タイヤを滑らしまわるようにしながら的確に弾丸を打ち込む。
敵性体のデスサイズの範囲内に入らずに。好んで、近接をする理由はない。
怪我や破損の危険性があるからだ。
だが――弾薬が尽きる方が、敵性体の存在力を散らすよりも早いと計算される。

ライダースーツの女 > 《クラッドイン移行許可申請》

タイヤが路面を捕まえ滑り、白い煙を立てる。
正面に回り込むと、そのままバックにギアを入れる。バイクだがバック機能を持つこの特殊車両。
追いかけて来る怪異との距離を一定に、高速にバックをしながら射撃は続けられる。

許可が下りると共に、クラッドイン、とキーワードを打ち込む。
すると、バイクが折れ曲がり、身体に沿う。変形するパワードスーツ形態になる。
ホバー部となったタイヤの動きで、浮きながらバック。
少し上昇すると、残りの銃弾を撃ち込むと共に、シルバーチャフを撃つ。
怪異に対する煙幕のようなもの。

それと同時に、前にと動きを替える。
腕を後ろに引き、パイルバンカーを準備。
古い教会の十字架を加工した杭、それを、掌で怪異の頭をそっと触ると共に、打ち出す。

ぴがっ!、と一瞬、光の十字架が浮かぶ。
この光がどこから来るかなどは知らない、知る必要もない。

《敵性体エネルギーの消失を確認。帰頭します》

たんたんと。そう、たんたんと。自分に課せられた役割、と怪異と戦う少女なのであった。

ご案内:「高架道路」からライダースーツの女さんが去りました。