2021/12/17 のログ
■『調香師』 > 「多分、無関係って訳じゃないと思うんだけど」
なんせ、違法部活に『発掘』された身である
壊滅後もこの世界のアンダーグラウンド、
則ち広すぎる島の暗い世界を渡って生き延びてきた側である
自身の存在を証明するものなど、学園のデータベース内には存在しなかろう。勿論、違法組織に属している事も
...悪い事、するつもりは一切無いのだけれどね。したい事は出来る事
「色々集めて、ね。異能とか...それは分かるよ
本当に色々な事が出来る人が集まってる、欲しい物はそれぞれで
私は香りで出来る事をしたいけどね、ここにはあんまりお客様が来ないから
誘われた人は、香りを求めて来てるでしょ?
だから私はその人が欲しい香りを届けたい訳で
だから、うーん。みんなを受け入れられるような
学園の様な...でも、あんまり学園の人が来なくて...」
このお店とは一体何なのか。それを言葉にするのに難儀する
その在り方は、自分の自然な振る舞いに、解釈を委ねていた所がある
貴女の真似をして説明を返そうとしても、歯切れが悪い繰り返し
「だけど、ちょっと気になるかも
私もあなたみたいに、受け入れられるのかな?」
忘れられた遺産として。この世界に確かに記録され得るのかどうか
■松葉牡丹 >
「……?」
何とも要領を得ない発言だ。
普通の業者さん、という感じはしない。
何方かと言うと雰囲気は個人店。許可をとっているかはさておき
そもそもそう言う人なら学園側についてある程度知っていなければおかしい。
不思議そうに人差し指を口角に当てて、首を傾けた。
「……けど、そうですね。多分此処でしか生きられない人もいるかもしれません。
私もそうです。体もそうですけど、異能の制御が得意じゃなくて……。
下手をすると"自滅"しかねないですし、こんな体でしょう?」
「一人で暮らすのにも難儀してしまうから、学園に"生かされてる"人
も少なからずいるんじゃないかな、とは思います」
誰もが受けいられると同時に
その庇護が無ければ生きられない人々。
理由は様々だが、その多くは異能に起因する事も多い。
そして、それらを"受けたくない"人々は歓楽街の更に奥地に身を顰めるのだが
生憎少女は何も知らない一般人。学園の闇など知る由もない。
「確証はないですけど、調香師さんが望むなら」
きっと、学園も拒否しないと思う。
彼等は来るものを拒むという事はきっとしないだろう。
望むのであれば誰でも受け入れる。
この時代には最早、"多様性"を拒否する事はきっとただの苦痛なのだろうから。
「そうしたら、私たち同じクラスになれるかもしれませんね」
なんて、冗談めかしに微笑むとふと思いついた。
「あ、そうだ!えっと、私の香り……って言うのは思いつかないんですけど……」
「調香師さん自身の"香り"とかって、頂けないんでしょうか?」
■『調香師』 > 「学園に『生かされている』人...」
今までの立場が学園に『殺される』人の側だったからか
その言葉を反し、首を傾けて。理解するのに、確かに時間がかかったが
「......なるほど?」
そういう物も、あるのかもしれない
そう自称する彼女の言葉は、内容以上にその意図を語っている様な気がして
その一面も、学園にとって正しい物なのだろう。それでもする事は変わらない
彼女の『友人』が学園の恩恵を受けているのか...詳しい所は、知らないが
「同じクラスとか、そういう事って分かんないけどね
あなたが、みんながより良く過ごす為のお手伝い
そういう事をしてみたいな。出来る事、越えちゃうかもだけど」
最後の方は、彼女の冗談だったらしく。口調は丸く、笑んだ声
「私の香りはあなたの香り...って言うと、難しいかな?
私はどんな香りでも再現できる、できるから
だから、難しいんだよね。私の香りって...あなたは私に何を思うか
それを考えてくれるなら。あと数日で出来そうだけれど」
唇に人差し指。私って、貴女からどう見えているの?
■松葉牡丹 >
そう、ある意味生かされている。
外が無法とは言うまい。だが、学園の庇護無し生きられない異邦人もいっぱいいる。
安定期に入った今でさえ、この世界に出来てしまった混沌の溝は深いものだろうから。
「なんだかお手伝いさんみたいですね。
でも、私はそうなったら一方的にお手伝いするよりは調香師さんをお手伝いしたい、かな?」
そうやって横にいてくれるなら
同じ学園の生徒ならと少し考えてしまう。
自分に出来る事は少ないだろうけど
彼女のやる事を手伝ってあげたい。
これも香りが成す力なのか、彼女自身のものなのか。
少なくとも車椅子の少女は大分落ち着いたようだ。
彼女に少しずつ、香りに釣られるように心を開き始めていた。
「んん、そう、ですねぇ……」
どう見えるか。
彼女の姿が。じぃ、と胡乱な瞳は彼女を眺めて数刻。
「……綺麗で、可愛くて、不思議で、もっとアナタの事が知りたくなる……人?」
素直に、思うままに答えるだろう。
■『調香師』 > 「私のお手伝い、あは
それは簡単な事じゃないよ。だって私、香りの事だったら殆ど何でもできるんだもん」
それは存在理由であり、故にその方面では万能に等しい能力を持つが故
ただの説明であったはずだが。その笑みにどこか、挑戦的なモノを見せたのは気のせいなのだろうか
少なくとも、変わらない笑みの向こう側で様々な感情が入り乱れる
貴女が最後に、素直に言ってみせた言葉を聞いた時には
『やっぱり』だなんて
誇らしげに見せてしまう子供らしさ、彼女の事を知れば理解できるのかもしれない
「あなたが私を見つけてくれたって事
やっぱり今日は、大事な日だね?」
ちなみに自分は『人』じゃなくて『物』ではあるけれど
そういう部分は突っ込まない、一応、ヒミツだから
今日の所はこの辺で、あとは私が考える時間
帰す前に、『そういえば、カードは持ってきてる?』なんて尋ねてみよう
忘れていなければ、そこにもう1つスタンプをポンと
3つ集めれば『どんな事でも』...ある程度は。叶えてくれるポイントカード
彼女はそんな種明かしをしてみせて、その間も笑みはきっと変わらないのです
■松葉牡丹 >
「だったら教えてほしいなぁ、アナタが"出来る事"」
とても興味がわいた。
彼女の事、どんな人なのか。
何が出来て、どんな人なのか、見てみたい。
自分の事を"見定めて"くれたアナタの事を、見てみたい。
ああ、出来ちゃった。
あんまりよくないことかもしれないけど
これから歓楽街に行く理由が。私が出かける理由が、増えてしまった。
「ふふ、それはお互い様かもしれませんね」
見つけてくれたのは私も同じ。
きっと、私は大勢の『お客さん』の一人なのだろうけれど
今はそれでもいい。何にもない不足だらけの私。
アナタが喜んでくれるなら、それだけでいい。
アナタの香りは、私の香り。
それが出来る日を楽しみにしていよう。
今日は持ってきたカードにスタンプを押してもらって
珍しく上機嫌で女子寮まで戻っていくのでしょう。
ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』」から『調香師』さんが去りました。
ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』」から松葉牡丹さんが去りました。