2022/01/26 のログ
ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』」に『調香師』さんが現れました。
ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』」に乱桜 ありすさんが現れました。
■『調香師』 > 『森の香り』を部屋に敷き詰めた後
結局香りを片付けるのに、丸々一日の時間を要してしまった
久方ぶりに匂いの薄れた店内で深呼吸
味気なさは確かにあるものの、普段は濃密に覆い隠された、
これまで作ってきた香りがほんのり、妙な配合を知らせる
意図した香りだけでなく、偶然の配合が齎す平穏
図らずも、その雰囲気は望んで埋め尽くした時よりも、
理想の『森』に近かったのであった
「今日の気分は...うん。良い方だね」
今ならきちんと、お客様を迎え入れられそう
彼女は新たな香を焚き始めた
■乱桜 ありす > やっと諸々やっても授業をさぼらないようにする時間が取れました。
材料お取り寄せや調合、実験の時間、も以前に希望を伝えてからそこそこ経っていそう。
それらを合わせて、のんびりと。
疲労をあまり溜める道のりにならないように休憩しつつお店の前へ。
お店の外でも、香ってくるその香りは、さらに落ち着き、心と体を休めてお散歩できるよう。
「…いい感じ、ですねー。
こーんにっちはー!」
少し元気に、明るく、但し声は抑えめに。
扉を開けながら笑顔で手を上げ。香りが飛ばないように入ったらすぐに扉を閉めました。
■『調香師』 > 扉の鈴が鳴る音は、以前ならば風が通り抜ける合図
顔を向けた彼女は確かな人影を認め。目線を合わせる事としよう
「いらっしゃいませ。ありすさま」
不器用な笑みは故障の為では無いのだと、三回目にもなったあなたには知っていて欲しいかな
機械の少女はまた、駆け寄ってすぐ傍へ
「うん。とてもおまたせした?それとも、おまたせされた?」
首を傾ける
■乱桜 ありす > 確かな笑顔と、目線が合って、ひらひらと手を振りました。
「お久しぶりです、調香師さんっ」
異能はしっかりと制御を保ち、安らいだまま、こくっと頷いて後に…。
「頃合いを見た。って感じなので、私はお待たせさせてても待たされてはいない、と思いますよ?」
そう、自然にやりとりして、不器用な笑みも当たり前に受け入れて。だいじょぶ、むしろお待たせしてませんか?とお伺い。
■『調香師』 > 「待っていたと言えば、待ってたかな
だって、今日が『三回目』だからね
ありすさまは決めながらも迷っていた様子
その答えをきちんと、聞かせて貰わないとだから。いひ」
またも歪に、笑う声。それも随分と見知った姿
彼女はしかし、その内容を聞く前に自分の仕事をこなす
隠しはもちろんしていないが、彼女だってプロなのだ
いつもの作業机に移動して、いつもの場所に腰掛ける
あなたの事も、いつも通り。そこに座ってくれると思いながら
「望む香りは、落ち着きながらも意識しっかり
だからそれに似合う香りを選んでたの
とてもやんちゃな素材だったから、調整には随分と梃子摺ったけどね?」
幽体離脱、前回はそんな風な話で終わったか
■乱桜 ありす > 「そうですね、大分迷ってました。
本当に大丈夫かとか……。」
必要があるのかどうかとか。
本当に迷っていたのです。
けれどもそれは、先に聞くお話があるので。
いつもの場所に移動するのを見て、いつもの場所へと腰掛ければ、さきにお頼みしていた香りのお話へ。
「やんちゃって、幽体離脱、でしたけど……
どうなりました?」
肉体だけ休んで幽体は異能の制御、なんてのができるかどうか、というのもあったはずだけれど……、と疑問符を浮かべて首傾げ。
■『調香師』 > 「うん、やんちゃもやんちゃ。私とはとても相性が悪かった
でも実際、私は作れたと思うよ。体から引き離す、とは違うけど
身体を操る心の香り、って言えばいいのかな
本当に、試してもらわないと。効き方の程は分からないね」
その態度は、なんだか怪しい薬を扱う店員の様であるのだが
当然である。原材料の中には、実は麻薬と言われる種類の物もあるのだから
成分を理解した上での調合だとして、薬物としての成分を極限まで薄めたものとして、
彼女自身がそれを『人の為』と提供が出来るのは。忘れているかもしれないが、
この場所が『歓楽街』。娯楽の中に、時に危うく潜む影を背に持つが故
「気付けの香も用意したから。あとはあなたの興味だけ
この香りはあなたの為と祝福できるかどうかは、まだ未定」
机の上に置いた褐色の小瓶は二つ
あなたに近い方の瓶。それが今回の回答だった
■乱桜 ありす > 「それは……相性が悪いというより下手すると調香師さんが操られてた香りじゃないんでしょうか?
……1度試してみないと、ですね……。」
かなり危険性がありそうだけれど、そこに向けるべき警戒心が薄れている。
中に香っている香り故か。3度目になって、その警戒心が元から向けられていないのかは、今は定かではないけれど。
だから、麻薬なんて、考えも、していない。
幽体離脱に麻薬という想定もなかったけれど。
「わっかりました。……では、先に。」
近い方の小瓶を手に取り、軽く瓶のふたに手をふれて。
蓋を開けて、嗅がんと、した。
■『調香師』 > 「操られる、というのならとても簡単なお話だったかもね?
相性は、相性かも。ありすさまの異能と同じように」
麻薬をその身に直接落せば『離反と定着』が同時に起こされてしまう
彼女にとっての度合いであった事。故に、随分と難儀したと閉じた目は告げる
さて、ならば今の境遇は無知に与えられる罰だと言えるのだろうか?
『人の為』との原理を抱く彼女が、人を害することなど『出来ない事』
そういう意味では、ただの相性の問題へと成り下がる...筈なのだが
香りの感想を待つ、落ち着いた笑み。子を微笑ましく見守る母の様に
目の前に居る彼女こそ、この空間のちぐはぐさの根源だったのだろうか
香りは、彼女の説明のイメージから与えた程に不可思議なものではない
寧ろ軽く。あなたの注文がそもそも、ミントの様にすっきりとして、
集中力を続かせたいと望んだシチュエーションに合うように染められている
ほんの僅か、呼吸を忘れる程度には吸ってしまうのかもしれない
特徴としての集中状態は、人によっては下記の効果が期待される
『無意識を意識の下に調律す』。体を動かす意識、そして意識しない体は動きにくい
『人の為』と思った毒を、本当に本当に、ほんの少しだけ
■乱桜 ありす > 「……相性、なるほどですね。」
そういう事ならば理解できる。
それが、香りの一部、という事に違和感を抱くも。
落ち着いて見ている以上、人体への被害はあるものではないだろう、という判断だった。
そのまま警戒心なく嗅いで、すう、と吸う。
落ち着いてすっきりして……なんだか、夢中になってしまうかのよう。
身体を動かそうとして、動きにくいことに気づく。
当人の自覚としては、異能の制御に集中して、なお体は動かないように休んでいる。
注文通りと言える。
吸い込むにつれて。僅かずつ。赤紫の瞳が真っ赤で鮮やかな血の色へと変わっていく。
それに全く気付かないままに。夢中になって吸っている……。
本来は起き得ようもない反応。何らかのバグか体質か――。