2022/01/27 のログ
■『調香師』 > 見つめる瞳、穏やかな様子のその裏でも、
彼女は機械らしく、その秒数の単位から観察を続ける
5秒。言葉もなく、確かに集中をしてくれてるようだ
10秒。その口角が下がる。調合に幾分かの不具合を想定
15秒。その瞳の色が目に見えて変わったと認識した時、
「ありすさま!!」
彼女は身を乗り出していた。予め用意していた別の香
本人曰く気付けであるが、その香りを含んだ呼気をあなたの下へ
...届ける為に、随分と前のめりになってしまったものだ
その身ごと届いてしまってもおかしくない程に、彼女は計り損ねる
■乱桜 ありす > すごく集中できていて、良い香り。
その上で体も休まれば、なんて、どことなく満足気、だが、表情に出そうと思っても出せない。
ふぇ、という声すら出ず。
気付けの呼気を受け……制御があまり残っていない様子の身体が香りを嗅ぐために傾いていた分だけ重心が前だったためかふらりと前へ。その分だけ、顔が届き――掠めるほどに近づいて。
気付けの香りによって、目の色が元の赤紫の色に戻っていく。
意識が戻り、緊急事態っぽいと判断はできたのか、持っていた瓶の蓋は締めようとして……彼女が止まらなければ、ぶつかってしまうかも知れないけれど。
この事態でもなお、ぶつかったとしたとしても、と彼女を信じていたのだ。
■『調香師』 > 私が信じていた通りの効果なら、あなたがどれ程香りに集中していたとしても、
異能の操作は決して誤る事はない。そうだと考えたのは、完全に正面からあなたの事を受け止めてしまってから
当然、『心構え』なんて理外の事。直接の接触
こんなに危険な『テスト』をするつもりはなかったけど
機械なのに、どくどくと鳴る胸中。調合を焦った為に
それを相手に伝えてしまうその距離は、
咄嗟に相手を抱きしめてしまったが為に
「ありすさま。あぶないよ」
こんなに目を見開いていた彼女を、この体制では見る事も出来ないか
■乱桜 ありす > 異能の制御は……否。
『機械や機構に不具合を起こさせる異能』をださないようにする制御は誤ってはいなかった。
正面からぶつかってもなお、おそらく彼女が異能の事さえ意識していれば影響が出ないほどに。
どくどくとなる鼓動を感じ取って、抱きしめ、受け止めてもらって、驚きを表情に浮かべながらも、落ち着いた規則的な鼓動を伝え返して。
「あ、いえ。ありがとうございます。ですけど、いったい何が……?」
そして、聞くのだ。なぜこんなに焦ったのかと。不測の事態が何だったのかと。
嘘をつくような反応も、少なくとも伝わる鼓動には出ていない。
本当に意外そうにあなたの表情を見れないながらも問いかけたのだった。
■『調香師』 > 鼓動を模したその音も、落ち着くまではすぐ
一つのスイッチを操作した時の様に、静と動の区別は明確
「とても、変わってたから。私の調香が間違いだったのかも
それだけじゃないと思うかもしれないけれど、分からない
ありすさまが夢中に、夢中よりそれ以上になっていた
ありすさまの様子が違う。目の色も、真っ赤になってたから
それは異常だったのか。本当は違うとしても
私にはそう認識する事しか出来なかったから」
あなたにとっての至福の時間を奪ってしまったのかも
それ以上に、自分の作ったものがあなたの事を害してしまったのなら
平静を保とうとした声が崩れてしまおう事までを、果たして推測しうるものか
「この香りは、ありすさまにはダメだったかも。まだまだ早いかも」
■乱桜 ありす > あ、落ち着いた。
なら大丈夫でしょう、とほっと息をつき。
「変わってた?
あ、わたしの反応が……?
夢中以上になってたのは、想像以上の出来栄えだと思ったからだったではあるんですけど……
目が真っ赤……?」
分からない、本当に心当たりがなさそうな顔をして。
ただ、声が崩れている程に衝撃的だったことは伝わって。
安心させようと、そっと抱きかえそうと腕を背中へと回す。
「その香りが相性が悪かったかもしれなかった位で……
別の意味で私には収穫、あったんですよ?
私の眼の色も髪も、遺伝じゃないし、なぜか女の子のはずなのに両方、という話も、以前にしました、けれど……
…ようやく、なぜそうなったかの手がかりが、見つかったかもしれないんです。
…『お願い』、本当は調香師さんのメンテナンスを、私の対の異能でさせてほしい、だったんですけど……。」
手がかりも欲しい、と迷いが生まれた様子の声。
■『調香師』 > 同じくらいの背丈だとして、調香師の身体は特別小さく思える物だった
細く、嫋やかに。生まれながらの役目という物。そして今の心情に依るもの
揺れた声も、また正常に戻る。どれだけ揺れても、必ず戻る
立ち直ろう。時間がかかっても、あなたの胸よりいつかは抜け出る
身に回された腕から受ける安らぎに甘える事は、店員としてはしてはいけない
「私の、メンテナンス。それに、あなたがどうしてそうなのかの、手がかり」
天秤に比べるあなたの迷いに反して、彼女の首は片方にしか傾かない
『お願い』と言われたならば、私は身を差し出そう。うん、マスターに後で怒られる程度までは
実際にメンテナンスが可能なら。本当に、それに越したことはない
「あなたの事は、私も気になる。だから今回で最後じゃないなら
最後だと思ってくれないのなら。うん、手がかりも大丈夫じゃないかな?
私に出来る事。それはあなたの為に出来る事
つまり香りの事しか出来ないけど。それで手伝えることがあるのなら、ね
...それに。お願いは二回目の『三回目』に頼むのも大丈夫だからさ
私はどちらでもいい。あなたが望む『どんなこと』でも
お願いされれば。きっと、私は頑張れるよ」
■乱桜 ありす > あれ?こんなに細っこかったでしょうか。
何ともなしに違和感が少し、それから別の心持が少し。
ゆっくり落ち着くまで待って、立ち直った様子を見ては、少しうかがう様にして。
「ええ。片方は………お返しがしたかったからなのもありますけれど。」
通じるか、はちょっとわからない。専用の道具が必要だったりするかもしれないし。
どこまでがメンテナンスなのかも。対の方の異能を実際に発動させなければ、本当に可能なのかは、まだ、わからない。
「ええ。なら………最後じゃ、ないですし……
今回のは、改良、改善が必要そうですけれど……。
そうですね、今回は手掛かりの為に……今回の調合に使ったもの、の中に手掛かりがあると思います。
気付けで治った?なら…それらの香りの実験で、手がかりが得られる、かも……。
『お願い』して、いいですか?」
そう、問いかけた。わからなくて不安なものよりも、別の異能と言う不確定要素をまずは確定させて、それからにしようと。
■『調香師』 > 「いいよ」
縦に立ち直った首。彼女の笑みは、確かに喜色を示していた
三言の了承は、『お願い』の効力の強さを含んでいた
心としてはそれ以上に、『役に立てる』と跳ねていそうな物なのだが
「ただ、ありすさまがそれで危ない事になりそうだったら
その時は私、止めても良いのかな。止めたいかな
どの様な香も、濃ければ毒。例外は無いんだよね
実験するって事はそう。あなたの求める役割とは反する
『リラックス』とはまた違うお話。だからね?」
胸に手を添えた、ちょっとおしとやかに見せる仕草
未知を既知に進める。そこに、あなたの犠牲があってはならない
そんなことが『出来てしまった』日には。私もきっと、歪んでしまう
■乱桜 ありす > 喜びの色。
そうだ。この表情。
…今までに見た表情よりも。
輝いているように見える。
だからこそ――含んで考えるものもあれば。願望と、―望も。
私を知るのは、その為の第一歩だから。
「あ。それなら止めちゃってください。
危なくなりすぎたら、そりゃ、……調香師さんにも、良くないですから。
濃すぎないように、行き過ぎないように細心の注意を払う必要は、ありそうです、ね。」
うんうん、と頷いて。
微笑みかける。
そうだ、未知を既知に進めるのは、未来を明るくするための、暗くしないためのお話でもあるんだから。それは当然だ。
ただ――『リラックス』を求める役割と定義されても、同意も否定も、そこに反応を、今は、返せなかった。
人は、人間は。自分は。誰かに求める役割は。単純な色じゃなくて、もっとカラフルなものだから。
ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』」から『調香師』さんが去りました。
ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』」から乱桜 ありすさんが去りました。