2022/04/24 のログ
ご案内:「Wings Tickle」に調香師さんが現れました。
■調香師 > 百貨店で出会った暖かいミルクの似合いそうなあなたの為に
お花の香りを余り知らないいった様子を見せたあなたの為に
今日はまた、棚の整理を行なう
数字で記憶していても、業務中にふと思えば整理中
暇を持て余した時に逐一確認をして、その度に記憶を繰り返す
目を瞑ってても確実に瓶を拾えそうだなと思いながら、万一無駄にもしたくないので大切に
今日は誰か来るのかな、との待ち時間
ご案内:「Wings Tickle」に清水千里さんが現れました。
■清水千里 >
「こんばんは」
歓楽街の路地裏をぶらぶらしていたところ、面白そうな店を見つけ、開いていそうだとあたりをつけて
扉が開かれ、入ってきたのは一人の女性。
「お店、やってる?」
そうやって少し笑む。
答えを待たないうちに中に入って扉を閉め、中の暖かさが冷たい外気に触れないようにしながら。
■調香師 > ちりん、と今日は扉の鈴の音がする
棚の整理の途中に、彼女の目線を扉を向いて
...そうして、最近の訪問者よりもずっと高い、相手の顔に目線を上げる
「うん、やってるよ」
あらゆる知識を以てして、瞬時には読み解けないかもしれない不可思議な香で満たした空間
彼女は固い笑みで迎え入れよう。正面に駆け寄る、その身長差は確かなもの
「いらっしゃいませ
早速の事。あなたって、このお店がどんな場所かは知ってるかな?」
詳細はメニュー表を見て貰えば書いてはある物の、
その内容でピンと来るかはまた別のお話し
別途説明が必要なら、それに答える為の質問
■清水千里 >
「それは良かった」と、メニュー表の方を見て。
「マッサージに……香料の配合ね、なかなか面白そうじゃないか?」
不可思議な香を鼻腔で感じながら。
それが精神に及ぼす影響に抵抗できないわけではないが、
あえて心地よい気分になっているものを台無しにすることもないだろう。
「詳しくは知らないな、説明を頼めるかな?」
そう言って、固い笑顔の少女を見て、少し苦笑いを浮かべながら。
■調香師 > 「もちろん。でも、そう難しい事じゃないけどね
香りについてのお店だって、あなたは分かってる
だとしたら、私のお仕事もそれに沿ったもの
そうして私はあなたの為に、なれるといいなって」
興味を抱くなら、誘うのは作業机の前の椅子
彼女はその向かい側の、定位置に座って。直立よりは近付いた、貴女の表情に目線を向ける
「私は香りに関する物を扱えるけれど、
その中身はお客様ひとりひとりに違う物だからね
あなたの事を聞いて、知って、私はそこから調合していく
そんなお店なんだよね。入る前の、あなたの期待通りだったかな?」
■清水千里 >
「ぜひ、そうさせてもらおうじゃないか」
と言って、少女に誘われるがままに椅子に座り、目線を合わせ。
「なるほど、一人一人違うオーダーメイドの香料を作るというわけか、これはがぜん興味が湧いてきたね」
そう言って、目を光らせる。
「さあ、何でも質問してくれ。わたしにはどんな香りを調合してくれるのかな?」
■調香師 > 「質問の内容も、その時々だけれど...」
口の前で指先を合わせ、暫く考える仕草
まず出すべき話題と言えば、『好きな香りは』との物であるけれども
相対した彼女の態度。質問される立場であると言いながら、挑戦的な仕草に見える
幾つかの段階を踏むとして。仮説を構成しながらも、彼女の口は語りを滑らせた
「まずは、ね。あなたの好む香りについて、かな?
好きな香りでもいいよ。香りを使いたい場所でもいい
そのスタイルから、考えるね。次の質問も
どんなことを聞かれたいのか。私はそこから、推測していくから」
透明な水槽を閉じ込めたような、ガラス越しの青の瞳が貴女を見る
どんな風に導いてくれるのだろう。そんな期待を込めながら
■清水千里 >
「私の好む香り、ね。いいとも」と、清水は言った。
「しかし、いろいろあるんだな、これが」と、清水は顎に手を当てて考えた。
「たぶん多くの人がそうであるように、私だって森林の香りや潮の香りだって好きだし、
火の灯されたばかりの蝋燭のろうの匂いや、正直なところ人によって好みが分かれるだろう、
ガソリンや石炭を燃やした臭いも好きなんだ。
そう考えると、正直、どれか一つに決めるのは難しいな」
「もちろん、モノだけじゃなくて人の匂いも好きだ――うん、どちらかと言えば、
そちらの方が好きかもしれないな。生きている人には、特有のにおいがある。
賊に言う温かみという奴さ。私にはそれが仄かに臭いとして感じ取れるんだ。これって変なことを言っているかな?」
■調香師 > 「変だとは、思わないな
生きてる間には、生きてきた道の香りが宿る
洗い流しても、拭えないものがあるんだよね
それは経験の重さとも言えるし、調香でもそれに沿ったなら、間違いないとも言える
それを嗅ぎ取れる事。それを好む方向に誘えること
良い調香師を名乗る条件には、もしかしたらそういうものがあるかもね」
一般的な見解に沿えて、貴女の顔を見上げる。この言葉がどの捉えた事か
もしも満足出来ていないものならば。きっと、続いた言葉が本質になりえるのだろうか
「...或いは、本当にそれが『命』の匂いなのだとしたら
うん。それも知ってるかもね
ある時と、ない時と。本当に目の前にすると違うのに、
その瞬間に一度立ち会えないと気付けなかったんだよね
ここに頷かれちゃうと、実はちょっと困っちゃう
どれだけ香料を束ねても、レシピとして出力できるのか、自信がなくって」
■清水千里 >
「困らせてしまったかもしれないね」と、清水は少し苦笑いをした。
「少し私の話をしようじゃないか。
私は学園で教師をしているんだが、専門は数理論理学、もう少し砕けた言い方をすると、メタ数学ともいわれてる。簡単に言えば、数学自体を研究する学問だ。
私たちはこれを魔術に適用しようとしてる。数学を使って魔術の原理を解明しようとしてるわけだ。
いつも私たちが考えているのは、どうして理性が生み出した数字という道具が超自然的な現象を理解する役に立つのか、だ。
だって不思議じゃないか? 超自然というぐらいだから、我々が理解できてしまうのは――たとえどれだけ難解な数学を用いるにしたって――不自然なように見える。数学で把握できない魔術というものが存在したっていいじゃないか、ってね。
つまりそれは、人間の『命の匂い』という超自然を、現実の香料という有機的物質で再構成できるかという問題にもつながる。
しかしね、私はある時それがひどく傲慢な考え方であることに気が付いたんだよ。難解な数学を用いたから複雑な現象が理解できるわけじゃないんだ。それだとはじめから現象についてすべてわかってないと数式を作れないだろ? むしろその逆で、複雑な現象を理解するために難解な数式を生み出さざるを得なかったんだよ。
『命の匂い』にしたってそうさ。香料を組み合わせて匂いを作るんじゃない。匂いを作るために香料を使うんだと思うんだな。私には、調香師としての経験はないけど。
ま、つまり何が言いたいかって――『命の匂い』を作るためには、貴女の思う命が先にあって、それに近づけるために香料を使わなきゃいけないんじゃないか、ってことだよ。私はそういうものが欲しいな。貴方の思う人間、貴女の思う命の香り。間違ってもいいからさ、ね、作ってみてよ」
■調香師 > 「ん、そうだね。どちらかと言うと、今の説明に困った顔をしたいかな」
考える以上の事を、流れるように口にされてしまうと、理解以前に考える事となる
専門的な分野であるがために、貴女の説明は止まらず。お客様の事だからと、調香師側も動かずに話の行き先を辿る
言いたい事は、半分ほど...も理解していないように、反省してはまた自分の理解に苦笑を挟んで
「ちょっと、待ってね。このお話しは長くなりそう
具体的には、私の質問の方が。だから、お茶を用意したいなって」
腰を据えて向き合うために。そうして貴女の為のつもり
用意していたケトルの湯を。ティーポットに注ぐ。自身の考えを、まとめる間にも
「終着点は、分かるよ
つまり。私が思う命を再現する為に、試行錯誤して欲しい
がむしゃらに、時間を使って、ずっとずっと向き合って
あなたの目線から届く、期待を満たすために...だね」
待ち。きちんと、自身の中に時間はある
■清水千里 >
「そこだけ分かればいいんだよ」と、清水は笑った。
「要するに、貴女の思う命の香りを、貴女の思う方法で、私に匂わせてほしい」
「それが私があなたに期待するところ。さて、この注文できるかな?」
と、少し嗤い。
■調香師 > 「だったら、どうして私が難しいと思ったか
...うん、まずは超自然的というものが分からなかったのもそう
私が、頑張って数学に例えるなら、うぅん」
魔術の事も気になる。欲張れない、1つ1つ手解く必要がある
貴女は意図しないだろう、選択肢の多さというものをじっくりと抱えながら、
ポットから広がるハーブの香りを、2人の間のカップに注ぐ
「...それを表現するための、数字がないって言えばいいのかな?
私の描きたい設計図の、一部分が欠けている。現実的な内容じゃない
人はそれを『神秘』だと呼んでいる様な、そんな空白があるんだよね
それがある限り、私は表現したとは言えなくて
あなたの想う香りに近付ける事は、きっと出来る
けど、『私の』と思った時に。それは、何をしても納得できない、かな?」
ここまでは大丈夫かな。そんな風に、目線を向けては大袈裟な位に首を傾ける