2022/04/29 のログ
ご案内:「Wings Tickle」に調香師さんが現れました。
ご案内:「Wings Tickle」に清水千里さんが現れました。
調香師 > 「それは私が、正しく数字を扱うことが『出来ない』からかな
 あなたが説明したい事の、きっと小指ほども私には伝わってなくって

 あなたには釈然としない例えを繰り返してる
 だから、数字が足りないって口にしてるんだろうね
 そのハーブティにどの程度のブレンドが為されているのかを、
 きっと初めての人には分からない...みたいな?」

美味しい、という言葉には表情が変わらなくとも上機嫌に頷いて
『神秘がない』という言葉を、マスターが聞いたらどう思うのかを想いを馳せて、
まったくイメージが浮かばないのも、また不理解の形

聞いてみようかな。そんな風に、予定を空想上に書き出した

「...ただ、あなたが思ってる以上に難しそうなお話しなのは確かなんだよ
 材料にイメージが付かないというのは、それだけ由々しき事態なんだから

 私はあなたに聞きたい事がある。あなたは私に、自分のイメージを作ってみて欲しいみたいだけど
 私はあなたに、命とは何かと尋ねたいんだ。材料の参考にしたくって、ね?」

ほんの足掛かりを求めていた。数学者の思う命とは、一体なんぞやと

清水千里 >  
「つまり、”数字”に関する考え方が違うってことだよ」清水は微笑んだ。「私にとっては、数字は道具に過ぎない。この世の神秘を記述するのには、ときに使い勝手の悪い道具だ。しかし私にとっては、それを使うよりほかはない。何しろ、私にはそれしかないのだから」そういって、息をついた。

「まあ、それはいい。君の質問に答えよう。命とは何か? 答えよう、何でもない、それが答えだ。命というのは現象に過ぎないのだから。必要ならば、私はそれを君に数学の方程式で表すことができる。君がそれを理解できるかは別にしてもだ。だが正直に言って、そんなものはつまらない。すべての生命に共通のものを抜き出したとして、果たして面白いものが見つかるだろうか? 見つからないと私は思う。なぜなら、私たちが本当に求めているのものは命ではなく、命あるものが現世で見せる生き方なのだからね」清水は生き生きとしていった。

「だから私は君に、君の思う『命の香り』をみせてほしい、といったんだよ、なにせ命というものは、それ自体はまったく無機質で、つまらないものだからね! その点生き方というものは違う。これは大きな含みのあるものだ。一人の人間の生き方からは、無限の解釈が可能になる。そしてその解釈は、見た人に委ねられているんだ」

調香師 > 「んひひ。なぁに、それ
 あなたの口ぶりだと、本当にお勉強は好きなのかな?
 実は嫌いなんじゃないかって、思っちゃうくらい」

貴女にとっては、『そうせざるを得ない道』を躊躇いなく進む程には、その作業を好いているのだとしても
理屈をこねて、長々と語り続けている姿はまるで、駄々を捏ねる子供みたいで

笑うことが上手でない彼女は、そうして笑いを声にして、不自然ながらも表現をする

「それじゃあ、また私は問うね
『私』は生きてるように見えるかな。命の香りを感じてくれるかな

 私には何も参考がないと言ったけれど。そこから探り直すことは出来るもんね?」

清水千里 >  
「私は探しているだけだよ、世界について自分が納得できる物語を。みなどこか、そういうところはあるんじゃないのかな」清水はわざと気のない返事をしたようだった。

「君が生きているように見えるかだって?」清水は口にして怪訝がった。

「きみは自分が生きていないと思っているのかい。まあ、この学園のことだ、神から妖怪から、妖精やらアンドロイドまで色々いることは知っているけれど」清水は一瞬の戸惑いを切り捨てたように言った。
「君からは生の匂いしかしないよ。ひどく重苦しい匂いだが、それが君の生き方なのだろうね。もっとも」一瞬清水は言葉に詰まったように、慎重さを込めて言った。

「この場所にくる人びとには、たいていそういう側面があるのかもしれないな。君も自分のことなら、先刻承知に違いないが」

調香師 > 「まさか。私が生きてないなんて、考えようとしても嫌だなぁって
 マスターが居るんだから。とびっきり、私の事が好きみたい
 心を持つと定義された私の命は、どんな過去にも奪わせないから」

私の『在り方』というものを、貴女は見抜いているのだろうか
真理を問う目線は常に、正しきものを測っている様子であるが

大丈夫。見上げた目線で、向き合えている

「見出してくれたなら、私もまた、やりようがあるのかなってね
 時間ばっかりは必要だけれど。それをあなたは許してくれるかな?」

清水千里 >  
「君がそう思ってさえいれば、それで十分なんじゃないのかな」と、清水はハーブティーの残りを飲みこんでいった。
「私だって、時たま自分が生きていないんじゃないかと思うときがある。その時どう考えるかは、状況によってさまざまだ」清水は少し照れた様子で言った。

「時間はあるよ。君のやる気がある限りは。君の作りたいように作ればいい。実に興味がある」
そういって、彼女の方に向き合った。

調香師 > 「それじゃあ私は、それが『出来る事』だと。考えて、求めて、続けるね

 うん。そうして、あなたの答えの1つになってみたいな
 どんな時でも、と言うのは難しかもしれないけどね」

傾けた首を、きちんと縦に直して
空になったティーに、キリの良い相談に

そろそろ、お客様も帰るのかな?そう、見つめる

「他に、質問がなかったら。今日の所は、この辺かなって思うけれども」

清水千里 >  
「では、そうしよう。ハーブティー、ご馳走様」と、そう言って。

「次に来たときは、君の思う命の香りを是非見せてほしいと思うよ。
楽しみにしていてもいいかな?」

といって、彼女の方を向いて、また少し、微笑みながら。

調香師 > 「もちろん」

彼女は頷く

「...難しい注文じゃなくって
 もっと色々な香りに持ってみて欲しいって思うけどね?
 間に合わなかったら、今度はそっちの方を紹介しちゃおっか」

立ち上がり、貴女の隣へ。お見送りの合図というもの

清水千里 >  
「そうだな」清水は同意した。「そりゃそうだ」

「お見送り感謝するよ。とても有意義な時間が過ごせたと思う。
そのうちにまた来るよ。その時は君の言う通り、別の香りを見せてもらうとしよう」

そういって、お代を払って店を出る。

調香師 > 今日はまだ相談だけ。お代の方も『大丈夫だよ』との言葉で返し
その背を追って、表に出る。背中に大きく、礼を向けた

「またのお越しを!」

扉を越えれば、店の香りも薄れ。歓楽街の喧騒も近づく
向こう側の別世界から現実に。一歩飛び出した妖精は、そのまま見送り、見えなくなった後に住処に戻る事だろう

幾度と、繰り返してきて『生きている日々』というものであった

ご案内:「Wings Tickle」から清水千里さんが去りました。
ご案内:「Wings Tickle」から調香師さんが去りました。