2022/10/21 のログ
ご案内:「病院」にマルレーネさんが現れました。
■マルレーネ > 「やっぱりお日様の光浴びないと、どうにもダメですね。」
ふう、と小さく吐息を漏らして風に吹かれる女が一人、ぽつんと屋上にいた。
全身が包帯でぐるぐる巻き。包帯にはすでに血はにじんできているのだが、分厚い院内着の上からでは分からない。
目が覚めたときには回りには誰もいなかった。
だから、起き上がって部屋の外に出た。本当にただそれだけ。
「………あ、っつ。」
体中が痛い。肌はひりひりするし、体の中は軋むし。
目の前はまだ若干白く曇っているよう。いまだに若干、俯瞰で自分を見ている辺り、生命力が落ちているのだろう。
■マルレーネ > 本当ならば、絶対安静。縛り付けてでも動かさない方がいいはずだけれど。
当然、彼女自身は聞いていない。
そして、一般的な感覚ならば動きたくない痛みを感じながらも。
彼女はゆっくり、ゆっくりと歩いて、空の見える場所まで。
「あー……。」
涼しい風が吹く中、太陽を見る。
まるで何事もなかったかのような晴天と、明確に何かがあったことを示す己の身体。
なーんにも聞かなくても、きっと何が起こったのか、どうなったのか、なんとなく分かっている。
苦悶と、後悔と、悲しみが入り混じった感情は、日の光でも洗い流せない。
太陽から目を離して、次第に自分の掌を見る。
火傷で包帯の巻かれた、自分の掌。
それを、疲弊しきった瞳で眺めて………。………ただ、ぼんやりと眺めた。
■マルレーネ > いろんなことを考えては、まとまらないまま流れ落ちて。
彼女はその場で膝を折って、ただひたすら神に祈り始めた。
届かぬとは分かっていても、もはやそれしか彼女にできることは無い。
いつまでも、いつまでも。
医者が発見するまで、ずー……っと。
ご案内:「病院」からマルレーネさんが去りました。