2022/12/22 のログ
ご案内:「Free5 杉本ドラッグ二階杉本家」に杉本久遠さんが現れました。
■ロケーション > 居住区一番の品ぞろえを謳う、薬局併設の大型ドラッグストア。
その二階に上がっていけば、オーナーである杉本家の家に上がれる。
6LDKの広々とした間取りの家は、四人家族には少々大きすぎたと、大黒柱は額を叩いて笑うのだった。
ご案内:「Free5 杉本ドラッグ二階杉本家」にシャンティさんが現れました。
■杉本永遠 >
居住区の大型ドラッグストア、『杉本ドラック』は、二階にオーナー一家の杉本家が住んでいる。
まあつまり、私と私たち家族なわけなんだけど。
ドラッグストア横にある階段を上がっていくと、杉本家の表札が出た扉があるのです。
「――はーい、いらっしゃいませ、待ってました!」
インターフォンがなるよりも早く、扉を開けてお出迎えしちゃおう!
ずーーっと、兄ちゃんの彼女さんがどんな人か気になってたんだもん!
「……ほわぁ」
そして、いらっしゃったのは、とんでも美人さんですよ!
銀の糸のようなきれいな髪に、とっても生える褐色の肌。
なにより、トータルバランスで均整の取れたスタイル――!
「えっと、お間違いじゃ、ないでしょうか!?
ここはスポーツバカで朴念仁の杉本久遠の家でございまするが!」
ひー、驚いて変な言葉遣いになっちゃった!
こんな素敵な女性に対して、私ときたら、何着いくらの安いセーターと、厚手のスカートに黒タイツのシンプルセット!
じょ、女子力の違いを感じるぅっ!
ハッ、髪とかちゃんとセットしたよね?!
ひょええ、同性でもちょっとドキドキしちゃう!
■シャンティ > 杉本ドラック。確かにそのように『書いて』あった。
その建物の横につけられた階段を、わずか探るようにしてあがる。
「ん……表、札……ね。間違、い……なさ、そう……ね?」
女は少し考えて……呼び鈴を押そうとしたところで、扉が開いた。
少々、予想外のことにわずか動きが止まる。
『……「ほわぁ……」』
少女の口から漏れた、どこか空気がゆるくなるような言葉を読み上げることで女は息を整えた。
あの兄にして、この妹、ということだろうか――と、女は一瞬だけ思考を巡らす。
「……あ、ら……ふふ」
ゆえに、か。口から笑いが漏れ出た。本当に、愉快な。
「まち、がい……では、ない……わ、ねぇ……久遠……杉本、久遠、の……お家、で、しょう……?」
くすくすと、笑いを漏らしながら少女の言葉を拾って答える。
焦り、緊張……くるくると動き回る感情の波が、よく見えた。
「あな、た……が、久遠、の……妹、さん……? ふふ。久遠、に……色々、レクチャー、して、くれた、らしい……わ、ね?」
言わなければいいものを、ついつい言ってしまった男のことを思い出す。さて、この少女はどのような反応をするのだろうか。
■杉本永遠 >
「お、おお――お間違いじゃございませぬか!」
と言う事は。兄ちゃんはこんな美人さんとデートしてた、って、こと!?
うっわー、そりゃあ噂にもなるよ。
「あっ、はい!
久遠の妹の、永遠《とわ》です。
って、兄ちゃんそんなことまで話してるんですか!?」
あーもー、あのバカ!
そういうのは黙っておくものだってのに。
「――あっ!
それよりっ、どうぞどうぞ、上がってください!
すぐにお茶用意しますから!」
『紅茶とか苦手じゃないですか?』と聞きながら、リビングまでお通ししましょう!
玄関先でお話なんてさせてたら、兄ちゃんと同じレベルになっちゃうぜ!
■シャンティ > 「ふふ……」
くすくすと笑いを浮かべ……元気な少女を『見る』。
「《永遠》、ちゃん……ね。ふふ。ご存知、かも……しれ、ない、けれ、どぉ……私、は……シャンティ。シャンティ・シン。久遠、とは……仲、よく……させ、て……もら、って、る、わ?」
女の薄くほのかの紅い唇から、吐息のような気怠い声で言葉が紡がれる。元気な声を上げる少女とは、対象的な様子だった。女自身は、それを面白がっている節があった。
「ふふ。そう、ねぇ……素直、で……正直、で……ね? あなた、に……感謝、して、いた、わ、よぉ……?」
妹にレクチャーされた行き先を嬉しげに語る男。普通であれば大減点ものであろうか。ただ、女にとってはそういうことはどうでもいいことであった。
「それ、と……あら……そう、ねぇ……それ、じゃ、あ……遠慮、な、く……とい、っても……ああ。なん、と……いう、の……だった、かし、ら……そう。”おかまいなく”……だった、かし、らぁ……?」
女は、他者の家にわざわざ訪問するなどあまりしたことがなかった。そこで、やや首を傾げながら……少女の質問に答えた。それと、紅茶は嫌いではない、と言い添えて。
■杉本永遠 >
「と、とわちゃんです!
よろしくお願いします、シャンティさん」
うわぁ。声も綺麗。
それにゆっくりとしてアンニュイな口調がとっても神秘的に感じるよお。
「素直で正直っていうか、ああいうのは、真面目バカって言うんです!
もうっ、何のためにリサーチしたかわかんないじゃん」
これはもう、帰ってきたらボディに一発かましてやらなくちゃ。
やっぱり体に覚えさせないとダメかー!
「あっ、いえいえ!
ぜひお構いさせてください!
といっても、お茶とお茶菓子くらいしか出せなくて――ああ、兄ちゃんは今買い足しに出ちゃってて。
もうすぐ帰ってくると思うんですけど」
とりあえず、リビングまで上がってもらって、ローテーブルを囲んだソファに座ってもらおう!
そして、素早く紅茶を入れてお茶菓子をシュート!
この辺りを器用にこなしちゃう永遠ちゃんは流石だね。
「というわけで、兄ちゃんが戻るまで、ゆっくりくつろいでください。
両親もまだ仕事中なので、お気になさらず!」
彼女さん、シャンティさんをお通ししたのは、杉本家自慢――自慢?
えー、ほどほどに広いリビング。
そこには、クリスマス用の飾りが詰め困れた段ボール箱が幾つかと、まだ裸の、天井まで届きそうなクリスマスツリーが置いてあるだけ。
兄ちゃん、ほんとにこれ、全部やれるのかなあ?
こんなに美人な彼女さんと二人なのに――二人っきり!?
「――あっ、兄ちゃんが帰ってきたら、永遠ちゃんはお外に出ちゃうので、ごゆっくり――じゃなくて。
朴念仁ですけど、兄ちゃんもあれで、一応健康な男子なんで、気を付けてくださいね?!」
まさかこんな人を襲う度胸があるとは思わないけど!
万が一、万が一とかあると、ね?
■シャンティ > 「あら……」
憤る少女を微笑ましいものを見るように……否。事実、微笑ましく『見る』。一瞬、女の脳裏に少女が兄である男の腹を殴りつける姿を思い浮かべた。
「あまり、きかな、そう……ねぇ……」
鷹揚に笑いながら妹に謝罪するのだろうか……と、少し想像を巡らせたところで。先入観はリアルな光景を見る妨げになるだろうか、と女は思考を切った。
「さ、て……」
勧められたソファに腰掛けようとして、止まる。
「あ、ら……でか、け……ちゃう、のね。少し、残念……ふふ。どこか、で……お話、しま、しょう?」
本当に残念そうにする。見ていて飽きない、というのは欠かせない存在だ。
「それ、と――ふふ。ご心配、あり、がとう……で、もぉ……お兄、ちゃん、も……すごい、言われ、よう……ね、ぇ? ふふ」
気をつけてください、と語る少女に思わず笑ってしまう。こういうのが、実の兄妹、というものであろうか。
「ま、ぁ……平気、よ。どちら、に……して、も……ね?」
そういって、永遠、という少女に笑顔を向けた
■杉本永遠 >
「あ、はいっ、友達と約束があって。
私も残念です、あの兄ちゃんがご迷惑かけてないか、しっかり聞いておきたかったんですけど!」
迷惑? かけてない訳がない!
あの兄ちゃんが、こんな女性と一緒に居て、トラブルの一つも起きないはずがないもん。
「おお――これが大人の余裕!
でも兄ちゃん、あれでもスポーツ始める前は――」
■杉本久遠 >
「――ただいま!
お、なんだシャンティ、もう来てたのか?」
玄関の方から、久遠の声が聞こえてくるだろう。
そして軽快な足音を立てて、すぐにリビングにやってくる。
「すまないシャンティ、待たせてしまったか?」
コートをハンガーに掛けながら、ソファに腰掛けた恋人に声を掛ける。
軽く息を切らせながら、大きな買い物バッグを持って帰ってきたところを見れば、どうやら急いで買い物に行っていた事は間違いないようだ。
■シャンティ > 「ふふ……迷惑、なん、て……ね」
事細かに脚色なく、過不足なく……今までのことを語ったら少女はなんというだろうか。そう思うと、語って聞かせるべき内容は色々とありそうだ、と女は思う。
「スポーツを、始める……前?」
そういえば、以前、そのようなことを男自身が言っていただろうか、と思考を巡らせる。あまり深く追求をしたことはないが、なにがきっかけで、変わった、のだろうか。
と。
「あ、ら……おか、えりな、さい? ふふ。」
くすくすと笑い、座ったまま男の方に視線をやる
「永遠、ちゃん、と……お話、して、た……し。なん、という、ことも……ない、わ、よぉ……? 」
■杉本永遠 >
「そーだよ、兄ちゃん!
折角、シャンティさんと二人で女子会してたのに」
なんて冗談を返しつつ、永遠ちゃんはカバンをもって、お出かけスタンバイなのだ。
「それじゃ、私は失礼しちゃいますね!
いきなりですけど、シャンティさん、うちと、兄の事、お願いします!」
しっかり頭を下げてお願いして、さあさ、私もお出かけだ。
実はすでにちょっと遅刻なのである!
「ではではー!
夕方には帰ってきますから、ごゆっくり~!」
そして、永遠ちゃんは、華麗に去るのだ!
■杉本久遠 >
「おう、いってらっしゃい」
永遠が少し急ぎ足で玄関を飛び出していくのを見送って、久遠は当然のように、シャンティの隣に腰を下ろした。
「すまない、妹が騒がしくなかったか?
永遠のやつ、社交的なのは良いんだが、少し元気があり過ぎるところがあってなあ」
言いながら、妹が用意したんだろう茶菓子、菓子皿に入ったクッキーを一枚手に取って、丸ごと口に放り込んだ。
■シャンティ > 「いって、らっしゃ、い。また、ね?永遠……ちゃん」
小さく手を振って少女を送り出す。エネルギーの塊、とでも形容すればよいだろうか。そういう少女の様子を『見る』に、血は争えないということだろうか、と女は思った。
「あら……元気、な……子、は……好き、よぉ……? ふふ」
少女を一緒に送り出してから隣りに座った男に微笑む。
「それ、に……元気、という……なら。ふふ。お兄さん、も……あま、り……かわ、らない、か、も?」
くすくす、と女は笑った
■杉本久遠 >
「おお、そうか?
それならよかったんだが」
彼女の隣で、いつの間にか手酌で紅茶をいれつつ。
こういう所に、もてなしスキルの低さが見え隠れするが、男子高校生なんて、こんなものなのかもしれない。
「ん、オレか?
オレは見ての通り、しっかり元気にやってるぞ!」
しいて言えば、エアースイムの冬季大会で、成績がふるわなかったくらいだろうか。
それも然程落ち込んでいるわけでもなく、なんだかんだと前向きだ。
「それより、迎えに行けなくて悪かったな。
来るまでに迷ったりしなかったか?」
本当なら彼女の部屋まで迎えに行って、しっかり案内したいところだったのだが。
クリスマスの準備が終わっていなかったのだ。
部屋の飾りつけもまだ、まともに出来ていないのである。
「飾りつけもぜんぜん出来てなくて、面白くないだろ?」
たはは、と笑いながら、箱と裸のツリーが置かれたままのリビングを示した。
■シャンティ > 「もの、静か……だ、と……あま、り……見る、とこ、ろ……もない、し……ね?」
女の価値観は特殊だ。それは失ったものと得たものの特殊さに起因するものだろうか。なんにしても、やや噛み合わない答えを返しながら……女も紅茶を口にする。
「そう、ね……いつも、どおり……ふふ。元気、ね?」
折れることもあるだろう。それでも、前を向き続ける男は、たしかに元気だった。
「治安、の……悪い、場所、でも……ない、し……一人、で、も……平気、よ。」
そんなことを答える女は、実際には治安の悪い場所だろうと一人で平気で入っていくのであった。情報さえあれば、道に迷うことなどない。そういう『目』を女は持っていた。
「そう、ね……むし、ろ……飾り、つけ……途中、に……お邪魔、して……しま、った、かし、ら?」
わずか、首を傾げる。女にとってツリーも飾り付けも然程興味もない。あろうが、なかろうが。準備ができていようが、いまいが。ただの風景の一部にすぎなかった。
「面白い、か、は……これ、から……久遠、が……面、白く……する、の、でしょう?」
クスクスと笑った