2020/11/03 のログ
ご案内:「常世学園付属総合病院 VIP個室」に神代理央さんが現れました。
神宮司蒼太朗 >  
「あっはっは。いやマジで死ぬかと思った」

此の島で入院する機会など中々無い。
目の前で佇む私の部下は、何かしょっちゅう入院しているが、私はもう健康そのもの…いや、健康診断でちょっと引っ掛かる事はあるが。

だからこうして担ぎ込まれた病室が無駄に豪華であるのはちょっと驚いた。
それなりに金を持っている自負はあるが、流石に此の病室の入院費を払う金は無いし、委員会の公費でもこんな部屋に入院させる様な事は無い筈だ。
精々、個室が宛がわれるくらいかと思っていたのだが。

「此の病室、君が手配してくれたみたいだね。こんな無駄に広い病室じゃなくても良かったんだけど、まあ、良いか。
ああ、メイドロボットだけは変えといて欲しいなあ。あんな無機質なのじゃなくて、ちゃんと人間型のやつにね!」

其処は、しっかり念を押しておく。
流石に金属むき出しのボディじゃたたない。何がとは言わないけど。

「さてと。……後藤と園田は襲撃犯に覚えは無いそうだ。
認識阻害の魔術が行使されていた形跡もある。
直接交戦し、至近距離で戦闘した君は、犯人に対する情報を何か掴んだかい?」

神代理央 >  
巨大なベッドに横たわり、何時もの様な態度で此方を出迎える神宮司に向けるのは、何時もより固い表情。
守れなかった、とは言わない。そもそも、彼の護衛は己の仕事では無いのだから。
襲撃犯を逃した事は、己の失態であるかもしれないが。

「神宮司先輩……さんの為でしたら、此れくらいは。
貴方の復帰は、大勢の委員が望むところであり、業務が滞る事この上ない状況であれば。
多少金を出す事で、神宮司さんの治癒が良い方向に進むのなら、惜しむ事などありません」

とはいえ、欲望丸出しの要望には流石に苦笑い。
娼婦の類は呼べなくも無いが、外聞が大分不味い事になるだろう。
そう考えればまあ、彼の要望は結構常識的かなと思わなくもない。

しかし、次いで投げかけられた彼の言葉には。
浮かべていた苦笑は掻き消えて、固く、引き攣った様なものになるだろうか。

「………残念ながら、私も認識阻害の類を突破する異能や魔術を持ち合わせている訳ではなく。
神宮司さんを襲う、などといった蛮行に至った者の正体には、残念ながら気付くに至りませんでした。
私の情けなさに、唯謝罪するしかありません」