2020/09/02 のログ
ご案内:「皮を被ったけものの姿(過激描写注意)1」にシスター・アリアさんが現れました。
ご案内:「皮を被ったけものの姿(過激描写注意)1」に松葉 雷覇さんが現れました。
シスター・アリア > 今日も清掃作業を終えて、崩れた廃教会に戻ってきたシスター

「あらあら、お客様ですかねぇ」

おっとりと微笑みながら

松葉 雷覇 >  
戻ってきたシスターを待っていたのは白い人影。
かつて、廃教会へと訪れた事のある科学者の男。
温和な微笑みを浮かべたまま、シスターの姿を見据えていた。

「これはこれは、どうもシスター。今宵もご機嫌麗しい限りです」

シスター・アリア > 「あらあら、雷覇様、お久しぶりです、ねぇ」

お怪我でも致しました?
と嫋やかに笑みを浮かべながら

松葉 雷覇 >  
深々と半身を下げ、一礼。
少々仰々しい礼節の会釈だ。

「ええ、お久しぶりですシスター。私はこう見えて
 友好関係を大事にする人間でして、ご様子を伺いに、と」

自分の目で確かめることほど実用性が高いものはない。
レンズの奥、青い瞳がシスターを穏やかに見据えている。
差ながらその視線は奥の奥、"底"まで見透かすように透き通っていた。

シスター・アリア > 「ふふ、雷覇様には隠し事は出来ませんねえ」

紅茶を入れながら

「『何を』ききたいですか?」

穏やかだが、君を『見て』、話しかけている。

松葉 雷覇 >  
「"隠し事"とはそんな、女性の秘密を暴いてしまうのは我ながら両親が痛みます。
 貴女が"隠し通したい"事であるのであれば、私から尋ねる事は何もありません」

女性の秘密とは即ち美しさ、魅力だ。
それが知れてしまった時、男を落胆させてしまう
…とは、かつて自分の隣にいた女性の弁だったか。
とは言え、科学者の目は多くの生物を見てきた。
この目は生物的"擬態"に敏感だった。
勘と言えばそれまでだが、経験則とは馬鹿に出来ないものだ。
雪がれる紅茶を目の前に、"腰を下ろした"。
文字通り、宙に座る雷覇。重力異能の応用、本当に浮いて宙に座っているのだ。

「……ですが……」

男は己の好奇心に素直な男だった。
口元に人差し指を立て、悪戯っぽくウィンクしてみせた。

「貴女が話したいと言うのであれば、私は止めません。
 私も、貴女の事が知りたい。そうですね……『アナタ』が何者なのかは、興味があります」

シスター・アリア > 「いえいえ、私もそろそろ"話し相手"が欲しかったんですよぉ」

優しく微笑みながら、紅茶を手渡し。
そう、自分もそろそろ、"悪い事"を共有する仲間が欲しかったのだ、楽しい事には混ぜて貰いたい。

「じゃあ、すこし失礼して」

シスター服の裾を持ち上げ、艶めかしい肉が乗った太ももが見え

そこから、ずるりと、蛇の頭、百足の胴体、が引き摺り出され
背中から翼が生え、手からは獣の爪を持った手が現れ

『まあ、これが中身ではねぇけど、始めまして、プロフェッサー』

ノイズまじりの男の声が響いて

『これ以上は人の皮が破けちまうからな、勘弁してくれよ?』

松葉 雷覇 >  
「話し相手、ですか」

何やら含みのある言い方だ。
手渡しされた紅茶をどうも、と礼と共に受け取った。
程よい芳醇な香りが鼻腔を擽る。
さて、それはそれとして何を見せてくれるのかと思った矢先
それは"キメラ"とも言うべき内包物。
多種多様な獣の姿が、麗しい女性の姿を隠していく。

「成る程、この様な多様性な生物がアナタの本来の姿
 或いは、異能でしょうか?これは興味深い……」

ありていに言えばグロテスク、おぞましい光景であるのは違いない。
しかし、男は動じる事はなく、寧ろ興味深そうに顎に指を添えて多種多様の部位に目移りしていた。

「ええ、初めまして。早速質問なのですが……
 その皮はアナタの擬態ですか?それとも、"調達"してきたのでしょうか?」

シスター・アリア > 『俺はなあ、人間が頑張って頑張って頑張る姿が好きなんだ』

だから助けるし、いいこともする。

『そしてその頑張りで世界を滅ぼすのが見たいんだ、あんたなら、理解できるかなァと思うんだ?」

長い舌を出しながら

「これは異能だ、食った物の部位を出してるダケだよ、本体は、そうだなあ、寄生型の宇宙生物って事にしてもらおうか?」

「後は、わかるだろ?この皮をどう手に入れたか?」

ニヤリと微笑む、それは
優しいシスターの顔で

松葉 雷覇 >  
「成る程、アナタは本性はそれですか。さながら、神か悪魔か……
 人類をせせら笑う存在というのであれば、此の時代には珍しくありませんね」

〈大変容〉を迎えたこの世において、かのような存在は幾らでも存在する。
架空の世界に登場するようなものさえ、今の時代は現実だ。
人間を見守るかのように滅びを見据える存在。
ありふれた物語にいるような悪魔そのものだ。
それを前にしても男は微笑みを崩すことなく、静かに首を振った。
前髪が左右に、静かに揺れる。

「理解するしないかはともかくとして、私は人類の進化を、可能性を信じています。
 私の科学で、皆さんの手助けだ出来る事、それが至上の喜びです。破滅の道を歩ませようとしているなど、誤解ですよ」

飽く迄男は、雷覇が目指すべきは人類の未来、願うは安寧。
滅びとは対極に位置する、言うなればそれは人の善性だ。
故に、その笑顔には困った色が見え隠れするが……。


──────……彼自身、"化け物の言う理解を拒否はしていない"。


「ともあれ、人の頑張る姿が尊いのは違いありません。
 ええ、努力する姿は、かくも美しい……」

仰々しく、両腕を広げる。

「成る程、シスターは不運でしたね……ですが、仕方のない事ですね」

それを憂い、悲しむことはない。
擬態など、生物の基本行動だ。
食物連鎖に等しく、この行動は等しく必然なれば
本来のシスターは、ただただ運が悪かった、それだけに過ぎない。
雷覇は僅かに小首をかしげ、聖職者の皮を被った異形を見据える。

「私に……理解を求めて、何としますか?」

シスター・アリア > 『かか、悪魔よか人類のほうが悪意の力を理解してるだろうよ、でもまあ、近いのは悪魔だな』

楽しそうに、嬉しそうに笑う。

そうだ、そう言う、人類の成長を祈るやつ、だから私は話をしているんだろう。

「進化の果てが滅びでも嬉しいだろ、お前さんは」

クスクスわらいながら、姿を元に戻していき

「だからぁ、私を貴方型の、仲間にしていただきたいん、ですようぉ」

祈るように問いかけた

松葉 雷覇 >  
「───────……」

彼は始終笑みを絶やすことはない。
ずっと融和な微笑みを崩さない。

「それが、人類の選択であれば……──────」

拒否する事は、無い。

「尤も、私自身もまだまだ解明したい事は山ほどあります。
 滅びにはまだ早い。アナタの思想通り、とはいきませんがね?
 そもそも、私は皆さんを愛しています。ただ滅びを見守るのは、不本意です」

人を愛する善性の博愛者。
言葉だけは聞こえはいい。
どれも言葉に嘘はない。
ただ、相手の言葉を拒否する事も無く、受け止めている二律背反。
その皆さんは無論、目の前の異形さえ入るのだ。

「仲間……ともすれば、異能学会に入会希望、となるでしょうか?
 ふむ、私の助手という形であれば構いませんが……失礼ですが
 何かしら学問や専攻されている事は、ありましたか?」

拒否はしないが、学者としては真面目な男だ。
その辺りはしっかりと聞いておかねばならない。

シスター・アリア > 「私もぉ、人類を愛してますよぉ、そこはお間違えなく」

ゆがんではいるが、また愛だ
、と主張する。

「そう言う人だからぁ、貴方とは、相性が良いと思いましてぇ」

人を愛する悪性の人外
言葉だけ見れば悪だ
言葉は全て胡散臭い
ただ、お互いの途中までは同じだろう呉越同舟。
その全ての滅びは、博士自身も指していて。

「そうですねぇ、回復魔術、と、後はぁ、解剖学、と、一応神学も教えれますよぉ」

一応使える知識と経験から出来ることを話し

松葉 雷覇 >  
「ええ、理解しています。愛ゆえに、と。
 相性がいいかは……今後次第、でしょう」

ともあれ、彼女の愛を理解し、受け入れ
異能学会の門を叩く事を許した。
その滅びに己がいようが、隣でせせら笑う悪魔だろうと
共に道を歩むというのであれば、此の無辜の愛は受け入れる。

「ご解説ありがとうございます。では、アリアさん。
 共に行きましょうか。今日から私の助手として、共に人々の未来を照らしましょう。
 浦原さんとは、きっと仲良く出来るでしょうね……助手同士、仲良くしてくださいね?」

シスター・アリア > 「理解出来ますよねぇ、愛故に」

楽しそうに"仲間"が出来た事を嬉しく思い。
側にいて、明るい未来の先を、滅びを夢みようと

「はい、お供させていただきますね、雷覇先生、人類の未来のために、うふふ、先輩が居るんですね、会うのが楽しみです。」

松葉 雷覇 >  
「ええ、少し感情表現に難がありますが、とても可愛らしい方です。
 それでは、参りましょうか……シスター・アリア……」

共に歩調を合わせ夜を歩む。
向かう先は果たして明るく夜を照らす月夜の明かりか、それとも────。
ともかく、その愛は未だ止まらない。
その行く先はまだ、誰にもわからない。

ご案内:「皮を被ったけものの姿(過激描写注意)1」から松葉 雷覇さんが去りました。
ご案内:「皮を被ったけものの姿(過激描写注意)1」からシスター・アリアさんが去りました。