2020/09/22 のログ
ご案内:「歓楽街・路地裏(過激描写注意」にサクラさんが現れました。
■サクラ >
『クク…ッ ハハハ……ッ』
日も落ちかけた歓楽街
そのビルとビルの間、細く続く路地の奥から、小さな笑い声が響く
それは表通りまでは届かずに消えるほどの、小さな小さな、狂気の声──
■サクラ >
「…あーあ、動かなくなっちゃった……」
暗がりでもやや目立つ、明るく赤い髪
その持ち主は、その髪よりも赤黒い何かを滴らせる小さな刃物をその手に、立ち尽くしていた
その足元には少し大きめの、りんご箱程度のダンボールの箱
ダンボール箱の中には、これを設置した誰かが敷いたのだろう毛布
赤黒い何かはそれをも濡らし、ビルの壁にまで飛び散っていた
「…つまんね。ヤってる時はイイんだけどな……」
■サクラ >
──"冷める"のが早くなってきた、気がする
「なーんで、だろうねー」
誰ともなしに独り言をつぶやきながら、その場にしゃがみ込む
路地の奥は血生臭さに包まれて、剣呑な雰囲気を醸し出していた
ぬる…と、手にしたナイフにこびり付いた血を指先で撫でる
これもほんの少し前までは暖かかったのに、今はもう冷たくなってしまっていた
「やっぱ、ちっちゃいからかな。
仔猫とかじゃなくてもっとでっかいのでないと、ダメかな…?」
■サクラ >
「でっかいやつだったら、そう簡単に冷たくなんないのかな」
ざく、ざく
ぼんやりと呟きながら、動きもしない小さな犠牲者に刃物を振り下ろす
何度も、何度も、何度も──
おかしいな
はじめてやった時はもっとドキドキしたはずなんだけど
なんか、もう全然退屈すぎる
猫じゃなくて犬にしてみようか…
でもこうやって都合よく捨てられてるのって、だいたい猫ばっかりなんだよな──
■サクラ >
野生動物は何か向かってきたら怖いし──
そうなると、もう、大きい動物なんて人間くらい?
「………」
ふー…っ、と大きく溜息をついて、立ち上がる
血で滑ったナイフが硬質な音を立てて、アスファルトの地面へと落ちた
「…ま、いいや。今日のところはスッキリしたし」
手を拭い、汚れたハンカチをその場に捨て去って
ポーチから取り出した強めのコロンで身体についた匂いを包み隠す
こんなカワイー女の子が血の匂いを振りまいて歩いていたら、イヤだもんね
ご案内:「歓楽街・路地裏(過激描写注意」にShinoさんが現れました。
■Shino > 微かに漂う血の臭い。ここは歓楽街とはいえ路地裏。
落第街ほどではないかもしれないが、流血沙汰も不思議ではないだろう。
臭いの方向はもともと通る予定の道だが、特別避けるほどのことでもないだろうと帰路を進む。
そのまま角を曲がれば、人影と惨劇の跡が目に入るだろうか。
■サクラ >
よし、と匂い消しも終わって…くるんと踵を返せば鼻歌交じりに路地を出ようとする
まさかその曲がり角で人と鉢合わせするなんて、思ってもいなくて…
「──きゃっ」
まあ、咄嗟に女の子の悲鳴が出たのは我ながらたいしたものだと思う、本当に
一歩、後ろへと後退る
驚いていたのは事実だし、それが表情に出るのは問題ない
問題は、この出会った人物がどこまで踏み込んでくるヤツか、ということだが──
■Shino > 「っ……! ったく危ないわね。…あら? こんな場所でめず………」
ちょうど曲がろうとしたタイミングで人と鉢合わせになる。驚きながらも後ろへと飛びのき距離を置く。
聞こえてきたのはこの場所には似合わないような声色。
相手を見やれば年下と思しき小柄の少女が。珍しい、と言葉にしかけたところで、後ろの様子が目に入る。
「ふーん。……どうやら、ただのか弱い少女ってわけではなさそうね。」
碌に隠す気のない惨劇。まあそのことについては、この前猫を堪能した身として思わないことがないわけでもないが……。
そんなことより目の前の少女だ。表情に驚きの色は見えるが、恐怖だとか困惑だとかそういったものはあまり感じられなかった。
深入りしすぎるつもりはないが、見られたからには生かしておけないとかいう輩だと困る。
わざわざ声にして、警戒しながらも相手の出方を伺おうとした。
■サクラ >
「───」
見られた
どうする?ここから
まぁどうせなら、やらないだけ損かな……──
「助けて!!」
突然、吐き出すように大声を出すサクラ
目の前の少女に縋るように、驚きから一転…必死な、取り乱した様子を見せる
「道に迷って、そしたら、誰かが捨て猫を…
私、怖くて、こわくて、慌てちゃって───」
誰でもいいから、助けを求めた
──そんな少女に見えるように、演じた
路地は袋小路ではなく、他に抜ける通路もある
他に誰かがいて、逃げた後だとして見てもきっと、違和感はない──はずだ
■Shino > (ふーん、大した演技じゃない、彼女。
他の女からはすっごい嫌われそうだけど……まあ、わたしには関係ないことね。)
最初に疑いが無かったら、自分も猫を被ることがなければ、騙されていたかもなんて思いながら相手の台詞を聞く。
なお、実は彼女ですらないことまでは見抜けなかったようだ。
さて、過激な手段に出てくる様子ではなさそうだ。とりあえずこちらも乗るとしよう。
「……そっか。怖かったね。大丈夫、大体のことはわかったから……無理に言葉に出さなくてもいいのよ。
……でも、こんなところであまり大きな声を出しちゃ危ないよ。
たまたま私だったからいいものの、どんな人が来るかわからないじゃない。」
我ながら白々しい台詞が出た。彼女に乗って、あくまで取り乱した少女を落ち着かせる様を装う。
意訳するなら、『大体のことは察したけどこちらも騒ぎ立てるつもりはない、面倒な奴――特に風紀委員――が来るから声を落として欲しい。』といったところだろうか。
■サクラ >
「──うん」
宥められるままに、素直に声を出す
…さて、とりあえずは疑惑を持って接してくるわけではなさそうだが、
こちらの言うことは丸っと信じているかどうかも疑わしいところだ
…まぁこちらとしても事を荒立てないつもりなら、それでいい
こんなことで学園から目をつけられると、色々やりづらくなる
「…ねえ。お姉さん」
「仔猫のお墓、作ってあげたいの。…手伝ってくれる?」
落ち着きを取り戻した表情、されど悲痛な面持ちを作り、そう伝える
ついでだ、情に訴えるフリのまま、証拠も隠滅してしまえといったところだが…さて
■Shino > 「うん? どうしたの?」
「………いいけど、そんなに立派なものは無理よ。」
なんだか利用されている気がするのだが……断る事でもないかと受け入れる。
実際猫が可哀そうくらいの気持ちはあるのだ。
「とりあえず、墓石代わりになりそうな石を探すから埋める場所とか探しておいてくれないかしら?」
埋めて、墓石に見立てた石を立てるくらいの簡素なものでいいだろうか。
■サクラ >
「このままには、しておけなくて…可哀想」
このままにしておいて他の誰かがこの場に来ても面倒だ
お墓を作ろうとしていれば、まぁ加害者には見られないだろうといった浅い腹
場所は…路地をもう少し進むと舗装のない剥き出しの地面があった
こうなればもう一演技くらいは、わけもない
「──…」
仔猫の遺骸が収まるダンボールを抱える
当然血に濡れているそれを抱えるものだから、服まで血に汚れるが…
まぁ、必要経費。これくらいしなきゃ仮面なんて被れるものか
「ありがとう。お姉さん。私一人じゃ取り乱しちゃって、この子をきっと弔ってあげられなかった」
どの口からそんな言葉が出るのやら、自分でも薄ら寒い
墓石に見立てられるような石は…ちょうど割れたブロックが転がっていた
簡素なものだが、それでも十分だろう──
箱を抱え、舗装のない剥き出しの地面の側に降ろして…血に塗れたナイフを使って、土を掘った
当然上手く掘れるわけもなく、かといって掘る宝具なんかがあるわけもなく…それでも土を掘り返す様子は…
傍から見たら可憐な少女が必死に、哀れな被害者となった猫を埋葬しようとする悲痛な姿にも見えるだろうか
もちろんそれも計算のうちだが──
ようやく、小さな猫の遺骸が収まるくらいに土を掘り返せれば…そっと抱えて、土の上へと降ろす
再び手は血に塗れたが‥演じるためには必要な"演出"だ
■Shino > 「別にいいのよ。私がしたことなんてほとんどないのだし。」
そういいながら、割れたコンクリートブロックを持ち上げる。この程度ならわざわざ異能を使うまでもないだろう。
彼女が土の上へと降ろしたのを見れば、土をかぶせてブロックを上に置くのだろう。
少しだけ、祈るかのように目を瞑る。
「とりあえずこれで拭くといいわ。別に返さなくてもいいから。
でも、菌とかあるだろうし後でちゃんと洗いなさいよ。」
血の付いた彼女を見て、そういってハンカチを差し出す。
それなりに合わせると決めたわけだが、うまく演技はできただろうか。
■サクラ >
サクラはしばらく屈み込んでいたが、ゆっくりと立ち上がる
服には血がついて汚れていたが、それを気にする素振りはみせず
笑顔でハンカチを受け取ると、血に汚れた手を拭って、お礼を言う
「…うん。ありがとうお姉さん。
あの……お名前、聞いてもいい?
私は…サクラ。学園の一年生───」
恩人なのだ、名前くらい…
不自然ではないはずだ
当然、生を知っておくことには意味がある
顔と、名前一つ知れば素性を調べることも難しくなくなる
自分に不都合のある存在かどうかの判別をしておくに越したことはない──という、打算的な問いかけ