2021/03/22 のログ
ご案内:「◆特殊Free(過激描写注意)1」に黛 薫さんが現れました。
ご案内:「◆特殊Free(過激描写注意)1」から黛 薫さんが去りました。
ご案内:「落第街 路地裏」に黛 薫さんが現れました。
■違反組織 構成員 >
落第街、無法地帯にして常世学園の闇の掃き溜め。
この街で他者に頼らず、独力で生きるのは難しい。
それでいて信頼できるのは人ではなく、金であり、
物資であり──そして何より、力だ。
だから、力のない者はそれを相補うために集まる。
そうして小さな違反部活動が出来上がる。しかし、
最初から違反を目的に、或いは目的のために違反を
厭わない強者が作り上げた組織には到底敵わない。
そんな細々とした小さな違反部活動の小競り合いは
今日もこの街の何処かで繰り返されている。
■違反組織 構成員 >
ビルの屋上、通信機を持つ男が路地を見下ろす。
彼もまた、違反部活動に属する爪弾き者の1人。
大きな組織に敵わないとはいえ、踏み潰されるのに
怯えて、媚び諂いながら生きるつもりは毛頭ない。
だから、舐められるわけにはいかない。
彼が此処を監視しているのは、別の違反部活動の
計画を破綻させるため。内容自体は大したことの
ない非合法の品物の運送。だが自分たちの縄張りを
通過されるのが問題だ。
当然、向こうもそれは理解しているはず。
そもそもそうでなければ情報が漏れるはずがない。
つまりこれは挑発であり、宣戦布告も兼ねている。
故に監視を強化し、計画の失敗という形で相手の
面子に泥を塗る。それが今回の目的。
■違反組織 構成員 >
「……来たな」
通信を受け、改めて路地を確認する。
縄張りを通過しようとしているのは1人の女子生徒。
品物があるとしたら肩にかけた黒いバッグの中か。
荒事に長けているようには見えないが、見た目は
アテにならない。危険な異能を持っている可能性も
あるし、魔術を修めていることも考えられる。
何より弱そうなのは『釣り』を狙っているからでは
ないか、という懸念があった。まずは気付かれない
ように監視を続けつつ包囲を狭める。
(……素人ではない、か)
この手の仕事を未経験の場合、ありがちなのは
周囲を気にし過ぎて逆に怪しまれるパターンだ。
だが彼女は自然な風体を装い、その上で不自然に
思われない程度に周囲に気を配っている。
事前情報がなければ無関係な一般通過者として
見逃されていた可能性もある。向こうの組織が
こうも熟れた人員を抱えているとは聞いていない。
雇われの運び屋だろうか?小癪なことをする。
■違反組織 構成員 >
基本的に大きな組織は誰かに品を持たせて運ぶような
行為はしない。彼らはそれに適した異能……例えば
転送の異能者などを抱えている場合が多いからだ。
当然、その手の『悪用できる』異能を持つ者たちは
己の価値を理解しているから、手を貸して貰うには
それなりの額の金を積む必要がある。
だから、この手の諍いは中小規模の違反部活動の
間でしか起こらないし、自力で品を運ぶタイプの
運び屋は大組織に雇われるほどの力を持たない。
数の有利を考えれば、品を奪うチャンスはある。
監視を継続する。未だ相手は目立つ行動を取らない。
此方が動くのを待っているのだろうか?しかし……
それは悪手だと此方は分かっている。
「対象がB地点の路地に侵入。所定の位置で待機」
予想通り……運び屋は狙いの路地に入った。
大きな建物に囲まれて視線を切りやすく、道幅も
それなりにあるため、挟み撃ちに向いていない道。
襲撃を警戒するなら通りやすいルート。
しかし路地を抜けると襲撃しやすいポイントが
いくつもある。縄張りの地理に明るい自分たち
には狙いやすく、余所者には見落とされがちな
『狩場』に誘い込んでからが勝負。
■違反組織 構成員 >
……しかし、目論見は外れた。
「連絡です、対象がB地点から出てきません」
「……何だと?」
急ぎ連絡を飛ばして確認させる。
路地の中に侵入したはずの運び屋の姿が消えた。
念のため人員を待機させ、路地を捜索する。
侵入したはずの女子生徒は、どこにもいない。
異能か、魔術か?しかし姿を消したり短距離の
転移が可能ならもっと適していた場所はあった。
それを織り込み済みで襲撃計画を練っていたから
想定外の事態に狼狽える。
だが、違う。異能でも魔術でもない。
路地を囲む大きな建物、廃棄された公共施設の窓が
ひとつ、音を立てないように丁寧に割られていた。
「建物だ!対象は建物の中を通過した!」
■違反組織 構成員 >
待機させていた人員を全員招集し、捜索に当たる。
もし対応が遅れていたなら逃げ切られていただろう。
しかし、早急に立て直したのが幸いした。
「B地点の北東、スラムに向かう路地にいました!」
情報が共有され、追跡が始まる。紺色のバッグを
抱えた少女は息を切らせて走っていた。縄張りを
通過されたら此方の負け。全力で追いかける。
──そして、襲撃班のうち1人が先回りに成功した。
少女はパーカーを投げつけて相手を怯ませ、咄嗟に
ルートを変更したが、もう既に包囲は済んでいた。
地理を把握していた此方側が、一手早かった。
「舐めた真似をしてくれたな。だが、お前の負けだ」
取り押さえられた少女を囲み、男は笑う。
紙一重だった、しかし……此方の『勝ち』だ。
■違反組織 構成員 >
そのはずだった。
「……待て、どういうことだ」
少女が抱えている『紺色のバッグ』を指差して
誰かが呟いた。襲撃者たちは気付き始める。
彼女は……『黒いバッグ』を持っていたはずだ。
バッグを奪い取り、慌てて中身を確認する。
中身は『養蜂の実用ハンドブック』と書かれた
分厚い本が一冊。……運ばれているはずだった
非合法の品は影も形もない。
動揺する集団を見て、取り押さえられたままの
少女は、堪え切れないように吹き出した。
■黛 薫 >
「やー、それ取られると?あーし困るんすよね。
図書館で借りた本なんで?失くしたら図書委員に
頭さげねーとなんすよね。……返してもらぇます?」
笑いを堪えながら、少女はいけしゃあしゃあと
宣う。苛立ち紛れに壁に叩きつけられ、痛みに
呻きながらも余裕の表情だ。
一度、二度、殴りつけられて詰問される。
少女が運んでいた鞄の所在と、中の品について。
「あぁ、そうそう。なーんか知ってるみたいなんで
聞いときますかね。あーし、落とし物したんすよ。
黒いバッグ。どっかで見てませんかね?心当たりが
無ぃなら、やっぱさっきの建物に忘れてきたのかな。
ま、今更取りに戻っても『誰かに拾われてる』と
思ぅんで?諦めますけどね、ははっ」
既に『運び』の仕事が終わったことを言外に告げ、
口の中に溜まった血を地面に吐いて捨てる。
■黛 薫 >
黛薫は自分の『弱さ』を自覚している。
実際のところ襲撃をかけられた時点で『負け』が
決まってしまう。だから弱者なりの戦い方をする。
下調べの段階で相手の組織が慎重派であることは
分かっていた。だから『勝てる』と踏まなければ
襲撃はしてこないのが此方の勝ち筋。裏を返せば
慎重な相手だからこそ、小細工は通じにくいとも
考えられる。
しかし、弱者にとってはその方が『やりやすい』。
格下と気付かれればその場で潰されてしまうが……
『雑魚では無いが此方が勝っている』と思わせれば
自分のペースに乗せられる。
後手に回っても対処できるレベルの小細工を施し、
わざと看破してもらう。『上手く対処できた』と
勘違いさせ、これ見よがしに手札が残っていないと
示せば……『囮』としての役割は十分だ。
今回の依頼は相手組織の面子を潰すこと。
最初から1人で品を運び切る必要などなかった。
今頃は依頼してきた違反部活動の人員が悠々と
相手の縄張りを通過しているところだろう。
もう間に合わない、勝負がついているのは相手も
理解したはずだ。
■黛 薫 >
『仕事』は完遂、あとは生き延びれば『勝ち』。
表向きへらへらした態度を取りながら相手の様子を
抜かりなく伺う。やることは変わらない。自分の
ペースに乗せるだけだ。
状況を理解した面々の『視線』が変わっていく。
勝利の高揚から動揺へ、動揺から怒りへ。
まずは怒らせることに──冷静さを失わせることに
成功した。理知的な暴力は衝動より遥かに恐ろしい。
相手組織と繋がっていることを理由に拷問されたり
二度と同じことが出来ないようにと痕を残される
リスクを思えば、この場で殴られた方が良い。
しかし、行き過ぎて殺されたら話にならない。
だから『気持ち良く』殴ってもらう必要がある。
自分の異能なら、それをコントロールできる。
痺れを切らした構成員の1人に襟首を掴まれる。
タイミングは、此処だ。きっかけを作ってやる。
相手の顔に、唾を吐いた。
■黛 薫 >
瞬間、張り詰めていた空気が切れた。
罵声と共にもう一度壁に叩きつけられ、髪を掴まれ
地面に擦り付けられる。頰が擦れて血が滲み出す。
脇腹を蹴り飛ばされ、何度も踏みつけられる。
押し潰された肺の中の空気が吐き出されて咳込む。
この程度なら上手く頭と胸を守れば、意識も命も
手放さずに済むだろう。あと一押し。
蹴り転がされ、また髪を掴まれて顔を上げさせられる。
謝る気になったか、と怒りに満ちた言葉が聞こえた。
当然最初から許す気はないのだろう。まだ足りない、
もっと痛めつけてやると『視線』が言っている。
わざと反抗的な目を見せて、拘束を振り解こうと
もがいてみせる。これで衝動的な暴力には理由が
作られた。この生意気な女の余裕を奪ってやる、
泣いて謝らせてやる、と。
■黛 薫 >
此方の態度が気に食わなかったのだろう。
思い切り膝で腹を蹴り上げられた。胃の中身が喉の
上まで込み上げたが、ギリギリのところで飲み込む。
崩れ落ちた自分の身体に、集団は思うままに暴力を
振るい続けた。頭を踏み躙って泥に顔を擦り付け、
何度も胴を蹴って苦悶の声に悦を覚える。黄ばんだ
シャツが血と泥に塗れて汚れていく。
余裕の態度を取り続けていた自分が苦痛に喘ぎ、
悲鳴を上げるようになって相手は気を良くして
いるようだった。『視線』からそれを読み取って
内心安堵する。そうなってくれなければここまで
耐えた甲斐がない。
思い切り腹部を踏み躙られ、今度は我慢せずに
嘔吐する。血と涙と吐瀉物で汚れた己の無様を
見せつける。そのまま泣きながら悶えて見せて、
這いずって逃げようと試みる。当然逃げられない。
自分を踏みつけて逃走を防いだ男の『視線』が
頃合いを告げる。感じられるのは愉悦と優越感。
「……ごめん、なさい……もう、やめて……。
し、死にたくっ……死にたく、ない……」
弱々しく、涙声で懇願する。身体を丸めて、
最早逃げる力も残っていないとアピールする。
相手の心を思うままに満たしてやる。
■黛 薫 >
どうする、と男は仲間に問いかけた。
許すという選択肢が無いのは変わっていない。
しかし、もう相手は反抗的では無くなった。
つまり『命令する権利』を得たに等しい。
それを自覚した集団の目の色が変わり始めた。
どうしてやろうか、と楽しそうな相談が始まる。
楽しみという餌をぶら下げられた人間は単純だ。
彼らは笑いながら命じた。
自分で服を脱いで、全裸で土下座してみせろ、と。
黛薫は大人しく従う。素よりプライドなんてない。
あるように見せかけておけば捨てるポーズを取れる。
人間としての尊厳を失ってみせれば、この掃き溜めの
街で『自分たちより格下だ』と示してみせれば……
酒よりも深く相手を『酔わせる』ことができる。
「……ごめん、なさい、だから、ころさないで……」
血の混じった吐瀉物の上で、地に額を擦り付ける。
男はその後頭部を踏み躙り、快哉の嘲笑を上げた。
そして、それを皮切りに『視線』が変わった。
自分の1番嫌いな、怖気が走るような視線。
しかしそれは『もう殺す気がない』証左でもある。
(……ざまーみろ、あーしの勝ちだ)
そう、生き延びさえすれば。
■黛 薫 >
朦朧とした意識の中、男たちに運ばれていく。
これから自分に何が待ち受けているかは分かるし、
避けられるなら避けたくもある。
それでも命と秤にかけるほどではないから耐える。
乱暴にされて、途中で意識がなくなってくれたら
楽で良いな、と思うくらいだ。
建物の中で集団が立ち止まる。
鼻を突く刺激臭、目を開けずとも自分がどこに
いるかは大体想像がついた。吐きそうになるのを
堪えながらゆっくりと呼吸を整える。
運び込まれたのは酷く寂れた公衆トイレ。
一糸纏わない自分の肌を下卑た視線が這い回る。
気持ち悪さにパニックを起こしそうになるが、
もう抵抗の気力がないのは本当だ。
「……っ?! ぃ゛……!」
ただ覚悟をしていたものと異なる予想外の刺激には
思わず声を上げた。首筋に走る、刺すような痛み。
自分にとっては今や馴染み深い、薬物投与の痛み。
(……ぁ、マズったかも、これ、ヤバぃやつ……)
■黛 薫 >
バチバチと視界が明滅し、身体が痙攣する。
理性の糸が脳内で音を立てて千切れていく感覚。
血液が沸騰するかのように身体が熱くなっていく。
かなり強い薬を使われた、と気付いた頃には既に
意識も、思考もまともに働いていなかった。
嘲笑の声が上がる。彼らがなぜ喜んでいるのか、
何をするつもりで此処に連れ込まれたのかさえも
もう分からない。
薬で昂らされた身体に、口腔に欲望が突き立てられる。
悲鳴混じりの嬌声を聞き、男たちは心底楽しそうに
笑っていた。漸く溜飲が下がったとでも言いたげに。
この場にいるのは、女が1人と男が6人。
使っているのは3人で、使われているのは1人。
順番待ちの3人のうち1人は、楽しそうに電話を
かけていた。お楽しみの誘いと、追加で薬物を
持ってくるように、とのオーダー。
どの程度の時間、彼女は弄ばれたか。
何人の欲をその身体に受け入れる羽目になったか。
少なくとも翌朝、日が昇る頃には男たちの姿は
なかった。代わりに寂れた公衆トイレ、男性用の
小便器には陵辱の限りを尽くされ、汚濁に塗れた
少女が1人、見せしめのように縛り付けられていた。
ご案内:「落第街 路地裏」から黛 薫さんが去りました。