2021/10/10 のログ
ご案内:「◆地下室(過激描写注意)1」に羅刹さんが現れました。
ご案内:「◆地下室(過激描写注意)1」に伊都波 凛霞さんが現れました。
羅刹 > 落第街、とある5階建てビルの地下室
警邏の風紀委員が捕らえられて、一日が経った夜

上階は全て廃ビルに偽装されているが、1階のとある部屋の壁に特定の人物が手を触れると
地下へ下る階段が現れるようになっている
内側からも同様で、普段は少量の爆薬程度なら耐えられる耐久力を持って、中のモノを隠している

非常に金のかかる造りではあるが、それをする価値がある獲物がここに捕らえられている

その獲物に対しての待遇は、逃がさないまでも生存させることを念頭に置いた捕縛だ
両腕は、二の腕から手首にかけて
両足は、腿から足首にかけて
それぞれ3つの輪状の拘束具で椅子に縛り付けられ、動きを封じる

構成員と同じように視線で何かする可能性もあるため、平時は目隠しも付けたまま
囚人、それも電気椅子で処刑される直前の姿というのが一番近いか
座らせる際に、また抵抗があるなら疲弊させるために傷口を抉ったことは間違いないが。
鉄製の椅子の足は、打ち付けの床に溶接され、揺らすなどしてもほぼ揺れないようになっている

捕虜の服は脱がせてはいないものの、拘束する際に持ち物は全て没収している
ただ、何を持っていたかは…例え何でもないようなものに見えても、通信機などであるという可能性があるため『梟』の精査結果待ちだ。

捕虜の捕縛の際に負わせた両足の怪我は、消毒され簡易な治療を施している
感染症などで死なれては意味が無い

食事は今のところ二食
固く保存が効くパンとインスタントらしきスープ、その内一食には、バー状の栄養補助食品だ

食事は部屋に居る銃器を持った男の見張りが…手を触れないよう与える
食うことを拒否しても無理に押し込めと命令しているため場合によっては衣服が汚れているかもしれないが。

気を張れているなら、見張りは4時間ごとの交代制であることがわかるだろう
私語は禁じられ、例え捕虜から話しかけられても無視するよう言い含められている。
そのため話しかけても咳払い程度で、それ以上の反応は無い

――その部屋に、二人の護衛を連れて『頭』がやってくる
捕虜を尋問するための道具を様々持ち込む音が響き

「目隠し外せ。心配すんな。俺はもう1度見られてる。こうして何事も無いのが…こいつに眼に関する能力が無い証拠だ」

男がそう言えば、見張りが椅子の後ろから目隠しを外し、捕虜の視界を自由にしよう
目に入るのは…食料などが端に積み重なっている以外は、コンクリート打ちっぱなしの四角い部屋である
広さは平均的な寮の一人部屋より少し広い程度か
地下とはいえ、電気は通っており、明るい。

「よぉ。気分はどうだ。お嬢ちゃん」

会った時と変わらぬ口調で、金髪でサングラスの男は…正面、少し離れたところから声をかける

伊都波 凛霞 >  
「(…想定よりも厳重に監禁された。…けど)」

想定以上ではあっても、想定外ではなかった
武装として携帯していたスタンショック機能つきの鉄棍(トンファー)と、鎖鎌
隠し持っていた銃器(ベレッタ、グロック)、爆薬に数々の暗器…と
どこにこれだけ隠し持てるのかと思うほどの武器の数々が見つかり、没収された

それだけの武装を帯びながら、戦闘の際にトンファーと体術のみでの応戦だったことは
怪我人を可能な限り出さずに鎮圧しようとした…という意図が見えてくる

「(…何話しかけても反応してくれないし、目隠しも拘束もされたまま。
 異能(サイコメトリー)で部屋の間取りと仕掛け程度は読めたけど外部への連絡方法は、今はナシ…)」

暗闇の中、あくまでも冷静に自身のおかれた状況と、打開策を思考していた
スマホや通信機が奪われ、エンパス等の能力は持ち合わせていない以上、救援を待つのは愚策
幸い…彼らには見つけることのできなかったモノも、この身には残されている

簡易ながら治療もされ、食事も与えられている
そもそも戦闘の際、放たれる殺気とは裏腹に彼らは脚しか狙ってこなかった
おかげで読みやすく、回避に専念できたものだが…それはつまり、捕獲・拘束に価値があると判断しているに他ならない
そんな、計画だって風紀委員を捕らえようとする組織
それも現在において落第街を根城に、比較的大胆に動ける者達
なおかつ「鉄火の支配者」との因縁がある組織と考えれば、おのずと───

思考は、投げかけられた声に寸断される
目隠しが外され、普段は何も感じないであろう照明の眩しさに眼を細める
ほどなくすれば眼も慣れ、昨日見た顔が、自分を見下ろしているのがわかった

「…意外と快適かな。ちゃんとご飯ももらえるしね」

そんな、ほんのり皮肉じみた言葉を返していた

羅刹 > 出会った時と変わらない色合いの男が、皮肉に肩を竦める
拘束されているからと言って油断せず、かといって怯えすぎず
自然体で、女に話を続ける

護衛の一人は燃えるような赤毛の女で、退屈そうにあくびをしている

「ああ?…無駄に痛めつけて死なれでもしたら勿体ねえだろ
まあ、死んだら死んだでそういう趣味の変態に売りつけるだけだが……、…ん?」

話の途中で、護衛から話を聞く男
女の所持品について聞く時間がしばし流れ、再び女に向き直る
どれだけ武装してたんだ、というものと、何故使わなかったのか、という二つの呆れの感情を見せて

「…お前、やり合ってるときも思ったが…随分と甘い。
あれだけ武装がありゃ、捕まることも無かっただろう。鉄火の同僚か怪しくなってくるほどの甘ちゃんだな」

こちらの被害は、部隊員の骨折、骨の罅程度だ
あれだけの物品をどうやって隠していたのか気になるところではある
もしかすると、どこかに物品を隠せる異能の可能性もある、と警戒を強めつつ、話を続ける

「ま、お前の信条だろうが、関係ねえか
優秀な風紀委員のことだ。
状況の把握と、これから何をされるかの予想も、終わってるだろう?
回りくどいことはなしにして…お前が知ってる限りの情報…そうだな――」

男は指折りながらいくつか伝える

伊都波 凛霞本人の異能
落第街、歓楽街の警邏のルート及び平時、緊急時それぞれの人数
知る限りの風紀委員の異能

そんな、内部の情報を漏らせと
ルートについては変更が入るだろうが、元のデータを知っていれば対策も立てやすい

「一先ず聞きたいのはこんなとこか。
どうせ鉄火の奴は単独で好き勝手チーム組んだりしてんだろ。それはいい。
ああ、と。…選択肢は、話すか、痛めつけられながら話すかのどちらかだ
虚偽は通用しねえ。こっちにも、嘘を見破る程度の用意はあるんでな」

暗に、虚偽を見破る異能が居ることを告げるが、これはブラフだ
羅刹本人が、個人的な経験として表情などから嘘を僅かに読み取れるに過ぎない
かつかつ、と近づき…未だ体には触れない位置で、金髪の男は質問を投げかける

伊都波 凛霞 >  
ある程度は予想通り
風紀委員会に関する情報を得るための捕虜だ
──だったら、問題ない

「危害をなるべく加えたくなかったのは、君達の正体が不透明だったから。
 前歴のある違反部活や違反学生だって確証があったら、違ってたかもね…」

甘い。この言葉を風紀委員になってから何度言われただろう
しかし自身の振るう権限と力は、自分以外の誰かの命のその後を一生左右できる程のものだ
簡単に振り翳し、振り下ろして良いものじゃない
…むしろ、簡単にそれが出来る者はどこかネジが外れている。誰とは言わないが、"彼"のように

「…情報が欲しいんだよね。何のためか、は…教えてくれないの?」

椅子に拘束され、窮屈そうにしながらも表情は変えず、問い返す
単なる時間稼ぎにしては稚拙。まるで、ただただ彼らが組織だって風紀と敵対して動いている理由を知りたいだけのようにも見えるだろう

羅刹 > 予想通りなのだろう。
捕虜の態度からは、余裕が感じられる
むしろ、あれだけの動きをしてこの場で怯えられる方が拍子抜けではあるが

返答を聞いた男は、煙草を取り出し
護衛が火をつけたそれを咥え…一度吐き出してから

「―――あのなァ」

触れても問題ないことも既に実証されている
触れただけで何かしらが出来る異能なのであれば、拘束などされないだろう
だからこそ、殴り慣れた…ギリギリ骨が折れず内臓が傷つかない威力の男の拳が捕虜の腹に振るわれる

喧嘩を繰り返してきたからこそ、どうすれば人間が壊れるか、また壊れないかは理解しており
苦痛を与えつつ、残るのは痣程度の加減ではある

「言っただろうが。答えるか、痛めつけられながら答えるかのどっちかだってな。
その情報、お前が知る必要あるか?、異能で他の奴に通信してることを考えない間抜けだと思ったか?
ああ――……、服に見えねえくらいの、小型の通信機が仕掛けられてる可能性もあるか」

拳を振るった後、何事も無かったかのようにまた煙草を咥え

「で?答えるか?
お前が生粋のマゾヒストだっつーならもうちょいやり方変えるがな」

再び、訊く

伊都波 凛霞 >  
──鍛えているとはいえ女の体
柔らかい腹部に深く男の拳が軽々と突き刺さる

「か、はッ──!」

無理やりに肺から押し出された空気が喉を鳴らし、苦悶の声が漏れた
…なるほど、苦痛に訴えるわけだ、と
肉体の痛みと、思考回路をさっと切り離すことが出来るようになったのも、過去の経験あってのもの

「…お、教えてくれたら、答える…かどうかを検討しようかな…?」

──人を殴り慣れているのなら、
殴った時に伝わる衝撃とその反動が"合わない"ことにも気づくかもしれない
原理はともかく、拘束された状態にあっても打点からの衝撃を柔らかく吸収するなんらかの技術を使っている
そう判断できるだろう

「(……さすがに、触れられた一瞬だけじゃ読めないか…)」

同時に、拳の触れたその一瞬で異能(サイコメトリー)を試してもいたが流石に難しい
そして…そんな小型の通信機あったらいいなと思いつつも、実際にそんなものはない
他の誰かに迷惑をかけないためには、自分自身でなんとかする必要があるのだが……

「(せめてもうちょっと近寄ってくれたらなー、なんて…)」

こほ、こほ、と咳き込みつつも脳内は冷静に
しかし相手もさるもので、この状況下ですら油断をしてくれない

羅刹 > 「――――……………」

拳を当てた感触を確かめる
なるほど、攻める方面だけではなく防ぐものも一流というわけか
一発程度では折れないことも予想できてはいたものの、これほどか
単純な暴力では例え骨を折ろうとこの意志の柱は折れないだろうと予想もできる
あの暴行事件からも立ち直ったなら、性的な尋問も時間がかかるだろう
――ならば、こいつが知らないであろう暴力を振るうしかない

そして、油断などするはずがない
奥の手がある可能性が高いのは鉄火で確認済み
この捕虜も何がしかの打開策を抱えている可能性を考える
逆転されることも考え、見張りも護衛も気を抜いていない

「…予定通り、赤い方だ」

ただ、それだけを男は言う
護衛の1人が錠剤が入ったケースを取り出す
中に入っているのは赤い錠剤
表には出回っていない…効能としては強化薬の類である

飲んだ者の感覚を鋭敏化し、あらゆる痛みや感覚を数倍にするもの
これを使うと声量を調節しなければ会話ができにくいのが難点だが
痛みに強いならばそれなりのやり方はある

見張りの内2人が捕虜に近寄り、まずはその鼻を摘まんで口を開けさせようとし
開けば、1人が頬を強くつかんで口を開けさせ錠剤を放り込み…口の中に消えていけば水を流し込む
呼吸を奪い、飲み込ませる狙いだが。
逆に言えば吐き出すこともできるだろう
ただし、錠剤は一つではなく、無数にあり…何度も何度もその行動は呑み込ませるまで繰り返される
効果的な抵抗を返せなければ呑み込むことになるだろうか

しかし、逆に言えば見張りの思考を読むことはできるだろう
ただし大抵は…その体に欲情を向ける思考であったり、飲まないことに対するいら立ちを見せる思考が表層にある
どこまで読めるかはわからないが、表層の奥にはやはり欲望が満ちていて
…最近は動けないからストレスが溜まっている、などといったことは読めるだろう

更には、男の名前程度はわかる。
羅刹、という名前が。

伊都波 凛霞 >  
返答と追撃は、来ない
打撃の衝撃を逃していることを悟られただけなら兎も角
そこで暴力を一旦止めるあたり、理解と判断が早い
……この街、落第街で生き残る術の一つ、ということだろうか

「………」

男が何かを取り出す
まぁ、見ただけでクスリの類であることは、わかった
尋問の常套手段。使用が合法化されているものなら、公安や風紀でも使うだろう

飲ませる手順は、手慣れたもの
無論抵抗もできたが、したところで現状打開できなければ繰り返され、無駄に体力を消耗するだけになる
それに……

「……ん、ぅ……う───」

薬を飲まされる
どんな類の薬物か…
彼は過去の暴行事件のことを知っていたが
その発端が薬物によるものであることまで知っているのか、どうか
あれは風紀委員になる前のことだったが、あまりの自分の油断を恥じ、
同じ轍を踏まないようにと実家でとある訓練を続けた

…結果として相当量の薬物・毒物耐性を得ている

ただし無論多量に投薬されればそれも意味がなくなってしまう
故に、どんな類の薬物かを早めに判断して効いている"フリ"をする…

単なる時間稼ぎにしかならないが、隙を探す時間は長くあったほうが良い

「(そ、っか…。彼が、羅刹……。 彼と、因縁があるわけ、だね)」

部下を通して"読んだ"情報は口には出さず、頭の中で反芻し、整理する

「……飲ませたのは、何のクスリ…?」

僅かに不安げな表情を作り、男を見上げた

羅刹 > 薬の効果を見分できるほどの耐性を得ているなら、『Cool fire』と呼ばれる薬の効能はすぐにわかるだろう
元々良好であろう感覚器官…視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚…それら五感が強化される薬品だという事

ただしその効能は強く、本来なら視覚は強化されすぎる故に視点がブレ、聴覚は僅かな音すら拾う
嗅覚は男の付けている薄くなった香水の匂いすら嗅ぎ取れ、味覚は先程食したパンくずやスープの僅かな残滓の味すら鋭敏に感じられるようになるだろう
触覚は、触れている椅子の冷たさを強く感じさせることだろう
どれだけその強化に『抵抗』できるかは耐性次第ではあるが

この薬は…縛り付けているからこそ、痛みなどの拷問において感覚を本人の認識以上に歪めることは効果的に働きやすい
常用させ、馴染ませてしまえば格闘、近接戦において慣れるまで相当の時間を有するものだ
あの近接戦を見ていなければ、別の薬を使ったかもしれないが

「…判ってるとは思うが、毒なんてチンケなモノじゃねえよ
素直にするのを手伝う類のもんだ」

効能は詳しくは伝えずに
再び、見張りに指示を出す
以前敵対組織に試した際は鋭敏になりすぎた感覚に非常に戸惑う様子を見せたが
この女はやはりどちらかといえば、落ち着いている

「…。」

効いているのか、いないのか
風紀が薬物耐性を付けているかもしれないというのは大きな情報だ
問題は、どれだけの訓練を積んでいるのかということ

見張りは縛られた女の手に手を伸ばし
その柔肌をつねり上げていく
普段でも痛みを感じる行動だろうが、数倍に増強された感覚ならばどう反応するか

男は、女の反応を見る
いち早く効能を察知すれば、それ相応の態度を取るだけの時間は十分あるだろう

伊都波 凛霞 >  
「…まあ、殺すつもりはなさそうだしね……何の薬なのやら」

毒でないことはわかっているが…
今の会話で、僅かな差異を聴覚に感じることが出来た
となれば…とアタリをつける
感覚を鋭敏化させる薬物は、拷問に在る種うってつけだろう
度合いによっては狂う者すらいるかもしれないが、この冷静な男、羅刹がそれを見誤るとも思えない

部下の一人に手の甲を抓りあげられる

「…あぎ、ッ…!?──ッ、い……!!」

痛み、と同時にビリッと痺れる程の痛覚を一瞬感じる
多少効きは悪くなっているのだろうが、そういった類の薬であることは理解できた
……前に入院したときも麻酔が殆ど効かず痛みにひたすら耐えていたら魔術医に頼ったのを思い出した

額に汗を浮かべながら、悲鳴を抑え込む様子は激痛を耐える様子に見える
元々が我慢強そうな少女のこと、薬が効いていることこそ間違いはないが、その効きの具合を見通すには足りないだろう

「…い、痛すぎて、喋る情報のナカミ、忘れちゃうかも…?」

呼吸を僅かに乱しながら、そう口にする
弱音にも、恍けた言葉にも聞こえる言葉

羅刹 > 効いている…とは判断できるが…隠すのが上手いものだ
このレベルの訓練が、『主力』に施されているなら更なる薬の開発のため、蜘蛛に予算を裂く必要がある
などと考えながら

護衛の一人は麻薬を製造する蜘蛛の一員であり
年齢や体格などから投与量を決めてはいるため、早々致死量に達することは無い

「ああ。故意に殺しはしねえよ。解放するつもりも無いがな
お前ほどの上モノなら、薬漬けにしても娼館に高値で売れるだろう」

苦痛に耐える女に話しかけつつ、まだ返答できることを確認
痛みに悶えはしたが、この女の我慢強さは視線や態度から既に想像できる
死にさえしなければ、あるいは死んでも価値はある
無駄にするところなど全く無い理想的な捕虜と言える

「んなタマか。お前。なら、忘れる前に喋れ
…もう1つ、追加で言っておく。情報が取れねえとなったら別にそれでも構わねえんだ
情報が得られれば最高、得られなくとも利はある。もう知ってるだろう『そういうことは』
どっちにしろ、ああー居るかは知らねえが、家族、恋人、そいつらにはもう会えねえって、本当にわかってるか?
―――どうだ?」

わざと言葉で、隣の『蜘蛛』に尋ねる
自身の能力を明かさないための所作だ
白衣を着た青年は頷き、女に近寄っていく。
瞳孔を見て、心音を手首から数え…動揺、心身の乱れがどの程度かを確認していく
それらを欺けるかは、女次第だが

「まだ口が重いな。続けろ
喋る気がねえなら、そう言えば良い。仕事が早まる
それとも…俺が話せばお前が素直にぺらぺら話す保証もあるまい?」

触診を終えた後、再び見張りが女の肌を強く掻き、捻り上げていく
薬剤とは、出る時は一気に副反応が出るものだ
大事なモノを壊さないよう慎重に、反応を見ていく

悲鳴が漏れても、眉一つ動かすことなく
男は尋問というより、拷問と化した行為を続けていく

伊都波 凛霞 >  
「…これは、脅しでもなんでもないんだけど…」

頬を汗が伝う
痛くないわけはない
薬の効きが鈍っているといても、痛いものは痛い
眉を顰め、僅かに言葉も震えるが、口を開く

「この、組織の目的が何かは知らない…教えて、くれないし…。
 でも…この落第街に、常世の、島の裏側に生きる人間に関わることが、目的なら───」

「…私を、殺すならすぐに殺したほうがいいし、解放するなら、それも同じ」

言い終わると、深く深く息を吐く

会えなくなる
死ぬとはそういうこと
悔やみも悲しみもそこには在る
けれど"それだけ"でリスクを侵さなければそもそも風紀委員としてこの場所に赴いたりはしない
…自分がそう割り切れても、報復などを考える者はいるかもしれないが

それよりも、今もっとも危険なこと…
彼が、"蜥蜴"の"羅刹"であると理解ったからこそ、危険だと危惧することがある

「…鉄火の支配者を止められなくなる …っ、ぃ…ッ」

言い終わると、再び苦痛に顔を歪め、小さく悲鳴を漏らる

「私が喋ろうが、喋るまいが…同じ……解放するか、連絡が出来る状態に、してもらうか…だよ……」