2021/10/16 のログ
ご案内:「◆二つの地下室(過激描写注意)」に羅刹さんが現れました。
羅刹 > 【待ち合わせ待機中】
ご案内:「◆二つの地下室(過激描写注意)」に伊都波 凛霞さんが現れました。
ご案内:「◆二つの地下室(過激描写注意)」にシャンティさんが現れました。
羅刹 > 数時間前から、羅刹は『準備』に指示を出していた
盃が使えない以上、連絡がどうしても遅くなる
ただ、それも見越して通信機をいくつか用意していたため思ったほどの混乱にはならず

組織外の『出演者』大道具 スシーラには『盃』を繋ぐしかなかったが
その1回で辿られてはもう仕方がない。
どちらにせよ、風紀と戦う時には使わなければならないのだから



同時に捕虜についての状況もう動かす
数日前…現状、自由に動かせる最大戦力である焔と礫の協力の元、簡素な白シャツとジャージ風のズボンを与えて再び椅子に縛り付けることを命令した。
その腕には再び風紀の腕章を巻かせている

立ち上がらせるのは用便の時のみ。それも簡易の使い捨てトイレを使用し
シャワーなどは無理だがそこまでさせる理由も無い
換気の際はより一層警戒をし…以前までと同じく、警戒しながらも殺すつもりはないという意思を示している


構成員が多数被害を受けた災害だが、まだ蜥蜴の補給線は生きている
下部組織にそれを委託していたのが逆に功を奏していた
同じ組織内で全て行っていれば、災害によって非常に大きな被害が出たかもしれない


補給線が生きている故に、捕虜の周囲はあまり変化が無いだろう
ここ数日、少し交代が不規則になった程度か
それでも、未知の手段を警戒し、戦闘系の異能を持つどちらかが必ず目を光らせてはいるし、片方…『礫』は捕虜にとっては新顔だ
少しは警戒も促すことができるだろうし、脱走を抑止する狙いもある


そんな捕虜の元には、大体2日に1度ほど羅刹が顔を出す
とは言っても、特に何かを指示することは無く様子を見に来る程度だ
詰問も、投薬も、凌辱も無い


…女子としては排泄まで見張りに見られるし、身体も清められないストレスもあるだろうが
食事は以前と変わらず2食…武装した見張り手ずから食べさせ続け、生かす
舌を噛み切られでもしたら生かすのは絶望的だが、それはしないだろうと予想し口枷は着けていない
ただ、話しかけても無視であることはほぼ変わらない


唯一、『礫』と呼ばれている若いチャラそうな男に話しかけた時のみ、憎悪が籠った視線は返ってくるが
それ以上はやはり、リアクションは無い
もちろん脱走しようとすれば…トラウマを想起させる炎か、硬く早い弾丸のような何かが捕虜の身体を打ち据えるだろう

そんなある日
捕虜の居る地下に…一台の、PCモニター程度の画面サイズの…脚のある液晶機器が運び込まれてくる
音声認識、映像の送受信が可能な通信機だ

カスタマイズされたそれは地下でも多少のノイズ程度で通信を実現する
普段は、羅刹が居ない際の会議などに使われているものだ

それらを、新たにやってきた人員が手際よく設置し
外付けの大容量バッテリーを電源とするよう配線していき
高さを、丁度『向こう側』から見れば捕虜の女がバストアップになるように調整する

そして相変わらず、赤髪の少女とちゃらい男が入り口に立って見張りを続ける
少し待っていれば…その画面に映像が表示され始める――

羅刹 > 対して、スシーラ側
服装は任せ、精々演じてくれとだけ伝えて
『臨場感』を演出するため、指定した場所に呼び出せば

そこで待っていた男たちによって取り囲み、睡眠に誘う薬品を充分に時間をかけて嗅がせ、一時の眠りに落とそうとする
それほど長く効くものではなく、『準備』が出来るまで…状況を『予想』させないためのものだ。

眠っているスシーラを空気を確保しつつ、人が入るだけのバッグに入れ
それこそ、誘拐の如く地下を這い、とある地下の部屋へと運び込む
その部屋にも捕虜の部屋と同じ映像機器が準備されており
双方向に、『話』ができるようにしてある

更にスシーラが運び込まれた部屋には…
娼館を経営する『蜂』がはねっ返りの多い新人の『躾』のために使う様々な道具や凶器にしか見えないものが運び込まれている
部屋の大きさとしては、捕虜の居る部屋と同程度
入り口は一つであり、入り口から入って左右にその道具たちが長テーブルに並べられ
部屋全体は打ちっぱなしのコンクリート造り
防音も施されており、いくら叫んでも外に漏れることはない

スシーラは、その奥…冷たい壁に磔にされるだろう
映像機器から良く全身が見えるような位置に、両手両足を拘束させていく
形としては、下側が小さい大の字、といったところか
服を剥いではいないが、明らかに無抵抗にさせるための拘束

高さは、羅刹と目が合う程度に調整される
より壊しやすい様に、鳴かせやすいように

そして…薬も勿論用意している
蜘蛛の変態共が、捕虜に対して効果を発揮しなかったことに躍起になり
地下の地下に籠ってひたすら研究を続けている
まだ新薬の開発に至ってはいないが、その過程で捕虜の女に投与した薬と似通ったものが多量に生み出された

失敗作とはいえ、麻薬は麻薬だ
効果もほぼ同じであるが、『捕虜に対する脅し』、そして反応を良くするための潤滑油としては十分だろう
スシーラ自身が思い切りやれと言った以上、手加減するつもりもなく、羅刹は思考を既に切り替えている

捕えているのは『協力者』ではなく『道具』なのだと。

羅刹 > ―――映像機器の準備が終われば通信を開始する
双方向に通信が開かれ、捕虜の側からもスシーラの側からも音声を届け合うことができる

「見えてるか?おい、起きろ」

羅刹はスシーラの側に居り、そちらから捕虜に向かって話しかける
捕虜の女も、捕えた時と同じ手で精神を乱されるかどうかはわからないが

一先ずはスシーラの美麗な白い髪を掴み、がん、と。
容赦なくコンクリートの壁と頭をぶつけ合わせ、起こそうと。

目覚めれば、少しの間羅刹は話さない
まずは、お互いに『顔合わせ』させる

しっかりと、友人同士であることを認識させるために時間を使うためだ
もちろん、羅刹自身は『偶然』捕えたのが友人であったと装うが…。

励ましや、怒り、それらがある方がこの後の展開もやりやすい
演者にも観客にも自由にさせつつ、己の望む展開に持っていく
そんな劇が、始まった

シャンティ > がんっ

「っ」

鈍い音が響くとともに、頭に熱が走る。衝撃のお陰で、はっきりと目が覚めた。こんな痛みを覚えるのはいつ以来だろうか。覚醒したばかりの頭で、ふんわりと思考する。縛られる際に、一応頼んでおいた本は一応、背中側に存在した。お陰で、状況は見える。


「……い、た……」


変わらず、気怠い声が漏れるが流石に"本当の痛み"を覚えているので、声も真実のそれである。それにしても、状況が"読めない"。なぜ、自分はこんなところにいるのだろうか。


「……」


思考する。ああ、おそらく……自分は多分、なにかの企みで"こんなこと"になっているのだろう。おそらく、自ら望んで。この記憶の曖昧さは……おそらくは、保険。おおかた禁呪でも使って記憶の一部を消したというあたりだろうか。それよりも、周りの状況を確認する。


「な、に……ここ……あ、ら……りん、か…ちゃ、ん……?」


ずきずきと痛む頭を押さえることもできず、痛みの下から鈍った声が漏れる。
拷問室か何か。そういったたぐいの部屋に、モニターと――其処に映る少女の情報を読み取る。なんとなく、見えてはきた。そうなれば……あとは、転がるままに任せるしかないだろう。

伊都波 凛霞 >  
──あれからしばらくの刻

拷問は別として、案外にも丁寧な捕虜としての扱い
投薬も止まり、おかげで時間の経過に関しては正しく把握できていた

投薬も、拷問もなし
しかし逃がす様子もまたなく…

…つまり、"正常"な状態で抑えられていることが次の策なのか、という予測は立っていた

…のに

「───!?」

その映像が視界に飛び込めば、椅子がぎしりと揺れる
どれだけ凌辱を受けようと表情一つ変えなかった少女が、明らかに焦りと困惑をまぜこぜにしたような顔を見せた

どうして彼女が
なぜ監禁されているのか
浮かんだ疑問は、自身の名を呼ぶシャンティの姿で打ち消された

手酷く扱われる"友人"の姿

ああ、これを見せるためだったんだ、と…したくもない納得をさせられる

羅刹 > 反応を得られれば、少し待って…賢い捕虜が状況を飲み込めるであろう時間が経ってから…羅刹が話し始める

「ん?…知り合いだったか。そりゃ都合がいい
なに、単純な話だ。最近、風紀の締め付けが強くなってな
武力だけではなく財政…、カネとモノの方面も、だ。
そうなると、どうなるかわかるか?」

スシーラ…、捕虜が知っている名前はシャンティだが。
その髪を掴んで無理矢理上を向かせて

放った言葉は、嘘。
確かに武力的な攻撃らしきものは受けたが、未だ流通は機能している

「ストレスだ。
組織だって一枚岩じゃねえ。俺と同じ思考で全員が動くならこんなことは起こらなかったが…
多少なりとも、内内で、悪い反応が出た。
そこで大抵の奴が求めるのが女、それも美しいならなお良し、だ。

…当初はお前を使う予定だった。風紀への餌にもなる。
だが…、あまりにも無反応じゃ詰まらねえと、贅沢な事にぐだぐだ言いやがってな
そんな時に、こいつだ」

シャンティの髪から乱暴に手を離し
つかつかと、テーブルに近寄る気配


「…歓楽街と落第街の間をふらふら歩いてやがって、攫うのは簡単だった。
体はお前には劣るだろうが見目が良い、反応もある
で、どうせなら…お前に【引継ぎ】の様子を見せてやろうと思ってな。最近暇なお前にとっちゃ、いい趣向だろう?

つまりお前は…ただの観客ってことだ。…ああ、ただ…【感想】を言うのは構わねえ
はは。今日は…お前をどうこうするつもりはねえから安心しろ、【風紀委員】?」

これも、嘘が混じっている
今回のこれは言ってしまえば茶番であり
全ての目的は、この風紀委員の精神を乱しに乱すことなのだから

…男は笑ってはいるが至って冷静な口調だ
人を傷つけるのを何とも思っていない、冷たい目と声
理由さえあれば、あっさりと捕虜の友人の命を奪うであろう冷たさ

そんな男が取り出したのは、刃の部分に切れ込みが入り、何かを裂くために作られたナイフ
捕まえたシャンティを裸に剥かなかったのは、こういう楽しみ方、見せつけ方があるからだ

磔にされた、無防備な体
暴れる様ならもう一度、今度はその額を圧して後頭部を壁に打ち付け…胸元を守れないようにしながら
衣服の襟に、刃の切れ込みを合わせ

よく、聞こえるように
切れ味の良いナイフが布を裂き、【無関係な】人物がカメラの前に素肌を晒していく様を見せつけていこうと

シャンティ > 「……」

さすが、と内心思う。迂闊に声をあげてしまえば、より付け込まれる。その点、彼女はなかなかの自制力の持ち主だ。拷問に耐えるだけのことは有る。その高潔さは、とてもとても好ましい。こんな場でなければ、つい褒めてしまいそうだ。


「あ、の……これ、なぁ、に……?」


そもそも、非力なる我が身のこと。抵抗といえるほどの抵抗などできもしない。精々が、身じろぎのようなことをする程度。それでも、"口実"には十分だろう。

ごっ

鈍い音とともに、後頭部が打ち付けられる。一瞬、くらりとするが意識は飛ばない。なかなか絶妙な力加減だ。


「っっ」

口から声にならない小さな悲鳴が漏れる。あえて抑える必要もないので、声が出るまま素の声だ。そのまま硬いものが押し付けられる感触がする。ああ、これは刃物か。妙に納得をしているうちに、刃物が布を引き裂いていった。

伊都波 凛霞 >  
ギシッ──

椅子が軋む
思わず前に出ようと、見を動かしたようだった

…眼の前の映像がリアルタイムのものなのか
そこに映っている彼女の真贋であるとか
冷静な時であれば、あらゆる異能ひしめくこの島で、
この状況を映し出すそれに、すぐに激昂することもなかったのだろう

「待って、…待って!!」

疲弊もあってか、掠れた声ではあったものの
恐らく此処に捕虜として捉えられてから、最大の感情の発露ともとれる、声を張り上げた

「彼女は関係ない!風紀委員とも、貴方の組織ともっ」

「…っ、女性が必要なら、私を使えばいいから…っ」

つまらない、のであれば
我慢などせず声も上げよう

感情を必死に押し殺すような声で、そう伝える
──映像の中の彼女から、その視線を外すことができない

羅刹 > 椅子は以前から、変わっていない。
人外の怪力などで無ければ立ち上がることは許されない

「…………」

その嘆願を、男は確かに聞いた
元々、音声を拾う機能は高性能の機材を選んでいる
普通に話せば普通に聞こえるし、それはこれまでの会話でも実証されている
反応はしていることから、リアルタイムであることがわかるくらいか

「…ああ、こんな押し殺した悲鳴も、一定の需要があるもんだ。
……何なら助けでも求めてみたらどうだ?
この街の秩序を守る、偉い風紀委員がそこに居るんだ。それはそれは強い異能で助けてくれるかもしれねえぞ」

願いを聞いて、悲鳴を聞いて。
前者を無視し、男はシャンティに顔を近づけ、話しかける
その声もまた、叫んだ後の捕虜にも聞こえるだろう

もちろん、余程でなければ救出は叶わない
捕虜の近くには、戦闘系の異能持ちが二人、居るのだから

「んな必死になるってことはやっぱりか。いや、お前なら誰でもそうしそうだがな
…俺らが、根負けすると思ったか?こんなことは何度でもあった。この可能性を考えて、最初から従順な『フリ』でもしとくんだったな」

今気づいた、という風を装って
羅刹はちらりと、画面に視線をやる
もう遅いと言わんばかりに…ナイフは止まらず、身体の中心線からシャンティの衣服を裂き、裂き

元の形がわからないところまで、無残に引き裂いていく
無事に残るのは、精々が下着程度と言ったところか
ぴったりと張り付いているため本が落ちることは無いだろうが

「おっと、そうだ。ちなみに…前と同じく、映像は記録されてる
お前の映像とどっちが人気か…広めてみてもいいかもしれねえな?
死んでも生きてても、この顔だ。痴態、あるいは殺される様を買う奴はでるだろうさ」

ナイフを、今度はシャンティの喉元に。
刃を当てただけで、まだ引いてはいないがきっかけさえあればあっさり引かれるであろう軽い刃
シャンティにもわかるように説明してやる
このままでは、殺されるかもしれない、と。
何せ、羅刹にとっては『どうでもいい』攫ってきた人物なのだから


「…足りねえんだよ、その言葉だけじゃ。
今更あんあん啼いても、俺もこの女を組織のモンにすると宣言しちまったからなァ
立場上、引けねえってやつだ。

…再三、言ってやろうか?
何、されたって一つも喋らない。
泣いて服従なんかも、ありえない。覚えてるだろ?

こいつに明らかに勝っている価値を、お前が十全に示せるなら…俺もメンツが立って、こんなことはしなくて済むんだがな」

思い出せ、と言わんばかりに笑う
ナイフをぺち、ぺち、とシャンティに当ててから
次に取り出すのは…少し濁った赤い薬
それを、カメラの前に見せつける

シャンティ > 「たす、け……?」

もともと気怠いため、朦朧としているのか、平常のままなのか判断がつきにくい声音。その声が、男の言葉を復唱する。


「……」


言葉の意味を咀嚼するように、そしてまた状況を理解しようとするように、しばし無言になる。その間にも、男の言葉は続いていく。男のやろうとしていることはだいたい見えてくる。自分は、哀れな人質であるわけだ。

それを踏まえて、自分はどうするべきか、と考えている間に――まとった服は無残に引き裂かれていく。破れやすいものではなかったはずだが、やすやすと裂かれていく様子に刃物の鋭利さがよくわかる。

そして、ひたり、と冷たいものが喉に当たる。


「……た、す……」

そこまで言葉を紡いでから、口を閉じる。それはまるで、言葉を飲み込むように。

伊都波 凛霞 >  
「───」

思考がぐるぐると回る
僅かな冷静さが戻ってくるたび、状況の酷さも身に染みる

彼女の登場は完全に想定の外
男の、メンツだなんだのと言うのはポーズかもしれないが
今の状況ではその言葉すら飲んで従う他、ない

…この場で脱出が叶ったとしても、
彼女の捉えられている部屋がわからなければ状況はほぼ変わらない

映っている映像から僅かに目を背け、視線を落とす
…どれだけ思考を巡らせても、この場での有効打が見つからない
自分のもつ情報が彼らの求めるゴールではない以上、俯瞰して見れば"詰み"ではないのだろうが
この場の状況は違う。目の前の少女と自分の、無事助かる未来が見えない

例えば、嘘の情報を口にしたところで、彼らの仲間にそれを看破する異能の持ち主がいれば、終わり
更に言えば、彼の…羅刹の性格からすれば情報の正しさが証明されるまで彼女を解放はしないだろう
否、あるいは情報が正しくとも…約束が守られない可能性だってある


そんな中で、僅かに聞こえた彼女の、助けを求めたであろう、声
再び椅子が軋み、視線を映像へと向ける
歯がゆい。自身にこんな状況を打破できるくらいの異能の力があれば、と…心底悔やむ

「……、お願いします。……彼女を、無事に……帰してください」

「───なんでも、言うことを聞くから」

男の言うこと全てを呑む、という哀願以外に
彼女を救う方法は見当たらなかった

羅刹 > 恐らくは我慢したのであろう、助けを求める声
それが演技とは思えないものではあるが…舞台には上がらない、などと以前には言っていた覚えがあるのに
中々どうして、演技派だ

「ほぉ…、いい友情、か?よくわからねぇが…
無暗にキンキン叫ばねえのも、ウケはいいだろうな」

ふ、と笑ってから視線を戻す
丁度画面では、完全な服従の言葉を捕虜が口から出したところだった
ただスシーラからのオーダーもあることだし、それに…ここで止める理由も無い

哀願して、懇願して、まだ叶えられないという絶望
どうしたらいいのかわからない混乱
自分の全てを差し出す言葉を出したのに受け入れられないもどかしさ、怒り

それらで、捕虜の精神を満たさなければならない

「…、お前のことだ。
俺が嘘を吐く可能性、その他諸々…、今考えたことだろうな
お前は、それができる。だから俺も…信用しねえ。

あれだけ薬ぶちこまれても平然としてたお前だ。
最悪なら涙や仕草くらい、簡単に作れるだろう?そう、何の縛りもねえんだ。お互い、嘘を吐くことができる」

信用しているからこそ信じないとはっきり告げる
普通なら、ここで十分だろう
捕虜の様子は非情に狼狽しており、言葉も真実であろうし
ただの嗜虐目的ならこれで満足するところだ

「なあ、名前も知らねえが、あいつはお前のために全部差し出してくれるらしいぞ
それが本当なら、俺もお前を無事に返してやるんだが…俺はどうにも信じられねえ。どうするべきなんだろうな?
俺も機械じゃねえ、こんな上玉を前にしたら止まらねえかもしれねぇな…」

薬を持ったまま、ただしそれは使わず
羅刹の手が剥かれたシャンティの体…鎖骨から脇、腹を撫で、下腹部へ向かう
言葉をかけながら、『頼まれた』本の位置を密やかに気にしつつ

その下腹を覆っているであろう下着に、ナイフをひっかけて
力を入れれば簡単に切れるであろう様子を見せつけ…
情欲に塗れているように見せかける、言葉を吐き出す



そして、試す
捕虜の精神が、今どこまで乱れているのか

「≪…なら、俺の下に付け。俺に恭順し、全てを裏切れ。
――風紀は、俺らにとっての敵だ。≫」


何でもすると言っても、動揺を誘うであろう言葉
だが、『動揺』という防御機構が働かず…頷くなら…それは、羅刹の能力が効いている証拠でもある

そしてその声は…捕虜の精神の乱れ具合によって
心地よい声音に聞こえ…素直に従わなければならない思いに駆られるだろう
声によって、羅刹の思想に傾倒させる能力

心が弱い、あるいは弱っている相手にしかほぼ機能しない能力だが
それを使い…餌としてではなく、風紀委員本人を手に入れる、あるいは密偵とする
それが、男の狙いであった

シャンティ > 「ぇ……」

心底、漏れた声。折れるかどうか見ものではあったが、想像よりは少し早い折れ方。それが彼女の善性、ということなのだろう。興味深くもあり、少し拍子抜けというところもなくはない。しかし、これはこれで――

そんな事を考えていると肌に、手が触れる。唯一、まともに残っている触覚が敏感にそれを感じ取る。

「っ」

それしかないが故に、やや感覚が鋭い。触れられたことで、これは完全に無意識に身体がびくり、と反応する。


「ね、ぇ……まって……なに、を……いって……」


気怠げな声に、ふるふると、小さな震えが交じる。それは、愉悦か、恐怖か、落胆か、絶望か……


「ま、って……ぁあ……」


吐息のような声が、小さく部屋に響いた

伊都波 凛霞 >  
彼の言葉を全て受け入れ、従う
今、この状況で彼女を救う手段は、自身の全てを捧げること以外に考えつかなかった
正義を貫く以上に大事なものが存在する少女故に出た、言葉だった

しかし疑り深く、思慮深い男…羅刹は、信じないという
それはつまり…こちらの言葉の真贋を見抜くことの出来る異能者が
少なくとも彼の腹心、今この場にはいない──そういうことのはずだ

必死な姿勢の中で回る思考
決して冷静でないにしても、完全に取り乱しはしない強かさ
だからこそ、男も自分を信用しないと言い切ったのだろう

「──ねぇ、待って…!」

シャンティの震える声が、聞こえる
思考は再び、感情に遮られ
男の行動を静止するように、言葉をかける

「…貴方に、従えばいいの?」

自分が風紀委員になったのは…
全ての人を助けたいなんて烏滸がましい理由じゃなく

「……そうすれば、この場で彼女を解放する?」

自分の手の届く範囲の人だけでも、理不尽な悪意から守りたい
それだけだった

目を背けたくなるような映像を、じわりと涙の溜まる眼で見据えて、言葉を絞り出した

羅刹 > 声をかけられれば、手は止まる
が、しかし。
返答を聞けば、また動き出す

失策…というより、まだ折れないことが逆に心地いい
ならば、とことんまでやってやろう

「ああ、そうだ。
その言葉が、本当なら喜んで解放するさ。

お前が心の底から恭順するのが、俺の望みだ。
だが、俺がお前の嘘を見抜く手段が無い。…つまりは、最初に言った通りだ」

容赦なくと言われたからにはその通りに
滑り込んだナイフが、シャンティの下着に刃をかけ
びん、と弾き、それをただの布にして床に落としてしまおうと。

何に対しての『待って』かは知らないが、止まる理由は無い
ただし、この映像を、ばらまくつもりは最初から無い
彼女はあくまで協力者であるから。ただし、これは捕虜にとってはそれこそナイフになるだろう
自分は、例の暴行事件が広まっても耐えられた。だが、他人は?

「お前は観客で、感想を言うくらいしか出来ることがねぇってな
だが…その感想で、俺を振り向かせられれば、チャンスはあるかもな?」

何も、守るものがなくなったシャンティの下腹部
そこを覆うように、男の手が伸びる
乱雑ではなく、壊れ物に触れる様なその手。
けれどそれは間違いなく、『無実』の者に伸びる魔手に他ならない

乙女のそこを撫で、凌辱者を演じた吐息を吐きかける


…無理難題だ。
今まで得た情報で、捕虜が自身の情報を真であると証明できる手段は確認されていない
だからこその、理不尽の演出

余程の提案で無ければ振り向かず、涙をためても同情すらされない
ただ事態は進行し、見るだけの状態
羅刹は知る由も無いが、少女の風紀委員である理由を徹底的に嬲る所業


…羅刹の他にも手伝うものが居るのか
画面の外から、羅刹に…娼館で使われている淫具を渡す手が見える

それは、男根を模した張型だ。
例えばシャンティが乙女であるならその純潔すら散らせる太さと長さのもの
明らかに、ただの少女に向けるべきではない、モノ

「ああ、可哀そうにな。何かが違ってりゃ、こいつもまともな人生歩めただろうに
この先は、俺らの玩具になった後…良くて下衆の慰み者、薬漬け、最後はゴミ捨て場…そんなところか
悪けりゃ異常者にばらばらにされて量り売り、か」

そのまま、捕虜にも聞こえるようにシャンティに語り掛ける
演技派の彼女に、よりリアルな未来を想像させるように
俯かせることは許さず、万が一顔が下がったのを見れば、また、がん、と。
鈍い音が、通信に響き、首に太い手が添えられて縫い付けよう

特に状況は変わっていない。シャンティは張形を挿入されるわけでもなく、殺されるわけでもない。今は、まだ。