2021/10/23 のログ
ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』/マッサージルーム」に『調香師』さんが現れました。
ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』/マッサージルーム」にイェリスさんが現れました。
ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』/マッサージルーム」からイェリスさんが去りました。
ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』/マッサージルーム」にイェリンさんが現れました。
『調香師』 > 彼女はバスローブに着替えた貴女の手を引いて、この部屋にやってくる

この部屋に現在存在する明かりは廊下から差す電灯だけ
踏み込んだ後も少女は明かりをつける様子もなく、しかし迷う様子もなく
慣れている、との判断でも良いのだろう。彼女が『見えている』と理解するかどうか

貴女をベッドの縁に座らせるまでが初めの案内

イェリン > くらがりの中、アイオライトのような瞳の蒼が僅かな光を映す。
照明らしきものも無いのか、手を引かれるままに転ばないよう、歩幅を合わせて歩く。

「随分、暗い所なのね」

迷いのない足取りを見る限り、不安のような物は湧いてこないが、
不自然なほど軽い足取りについ声を漏らす。
まるで見えないという物では無いとはいえ、不思議には思うだろう。

しかし、目的地のベッドにまで誘導されたのであれば、多くは問わずその淵に腰かけるだろう。
行きなれたエステとは違った様相に、思わず辺りを見渡すが何か見当たるだろうか。

『調香師』 > 「ここの主役は『香り』だからね
 ...それに集中してもらえるように、暗くしてあるの」

その声はすぐ隣から。闇目も利いてきているのなら、彼女も座っている姿が見えるのでしょう

他にも、ロウソクの燭台、少し遠くには戸棚、非常口
非常にシンプルな作り。嗅覚に意識を向けるなら、入り口で混沌を極めていた香りという物もここでは随分と薄いという所が特筆すべき部分


「やっぱり初めてだと、みんな落ち着かないのかな
 大丈夫だよ。すぐに気が抜けるようにお手伝いするから

 今日はね。アロマキャンドルはローズ、オイルはハチミツ
 あなたが以前使ってた物に近い物を選ぼうかな
 新しい事だらけの場所だから。リラックスを呼び起こすのにいいかなって」

イェリン > 成程、確かに五感の中でも視覚が働いてしまうと、
どうしてもそちらに引っ張られてしまう事もあるだろう。
暫く慣らして、ようやくちょこんと座った少女のシルエットを捉える。

「落ち着かない、というならそうね。
ここはあまり香りが無いのが逆に気になっちゃう」

鼻が馬鹿になったのかしら、と薄くイェリンは笑う。

「アロママッサージってオイルじゃなくてキャンドルも使うのね…
その香りなら、確かにリラックスできそう」

ローズとハチミツ、その言葉に懐かしい香りを想起する。

『調香師』 > 「体もだけど心も、ね。香りに包まれて癒されて欲しいから
 ここから帰る時の貴女は、今までで一番綺麗でいて欲しいなって私は思うよ」

簡単な問答も終わり、頷いた彼女
落ち着かないと告げるなら、まずはこの部屋を香りで満たすとしよう

キャンドルを1つ、火を灯せば揺らめく視界。闇に慣れた目にほんのりと優しく
しばらくすれば、予告通りのローズの香りがこの部屋に広がってゆく。微かな表の芳香も、容易く塗りつぶす


『これかなー、それ?』と戸棚からオイルを探す
瓶を持って戻ってくるのに、そう時間はかかるまい

「それじゃ。ローブをはだけて寝転がってね
 まずはうつぶせに。背中からゆっくり。香りを広げていこうかな」

イェリン > 「ふふっ、それは楽しみね」

一番綺麗な自分、そうであればどんなに嬉しいだろうか。
逡巡の間に、灯されるキャンドルの揺らめき。
ふわりと香るローズの香りが鼻腔をくすぐる。

「ん、こうかしら」

少女の指示に従い、ローブを小さくはだけて両の肩と背を露わにして、
しっとりとした反発力を感じるベッドに決して小さくは無い双丘を潰しながら、うつぶせに寝転ぶ。
見た目には同性の前である、恥じらい等は傍目には見えない。

『調香師』 > 「うん、それじゃ...」

ぬとり、と。冷たく広がる粘度のある液体。それを広げる様に、温度を持った柔らかい物が背中を巡ってゆく

まずは確かめるように。貴女の身体の調子を探る様に、くまなくを心掛ける

「表じゃあんまり聞いていなかったけど
 ここに来たのって、いつ頃なのかな?どんな事に興味があって?」

イェリン > それじゃ、と少女の声が聞こえた瞬間に薄く瞳を閉じ――

「ひゃんっ」

鳴いた。
粘度のあるオイルが触れた瞬間にビクリと震える。
初めての事ではないのだから、今回こそは大丈夫だろうとタカを括っていたが、
思わず漏れた声にのぼせたように顔が熱くなる。

「き、来たのはっ、先週の初めで……
理由はっ、魔術のおべんきょっ、うぅぅ」

苦し気にひぅんと声を漏らしながら、小さく身もだえする。
痛みや居づらさではなく、鍛えた無防備な肌にくすぐったさが先に走る。

『調香師』 > 「あら」

先程までのイメージが『良い女の人』であった所、突然可愛らしい声を上げた事にぴくんと一度、手を引いて

「...ふふ、いひ。なんだか、ちょっとかわいくなったね」

肌に走らせた手が、貴女の身体は自信の通りの研鑽を積んでいると教えてくれる
女性としての柔らかさ、しなやかさを確かな物としながらも。その奥に潜む『芯』と言うべき力強さ

オイルは次第に、ハチミツの甘さを伝えてくれる事だろう。緊張が緩めば、きっと敏感に思える刺激も心地よさへ変わっていく


「魔術。そういえば、さっきも言っていたね
 私には興味があるけどあまり縁がない場所だったね

 私には使えないけど。『素材』に興味があるって言うのかな
 ...香りって、異世界にも当然あるから」

イェリン > 幾度となく指を走らされていく内にようやく慣れて来たのか、
あるいは張り詰めていた神経が解されたのか、普段の振る舞いはどこへやら、だらしないうめき声を時折吐きながらその手の感触を堪能する。

「ん……異世界、ね。
元々こっちの人じゃないモノを迎えたり見送ったりするのが生業だったの。
《大変容》のお陰でそれもご破算だけど、ね……」

語るのは遠い故郷、辿るのは古い邂逅の記憶。
ハチミツの甘い香りは淡く、優しく疲れと意識を蕩けさせる。
グッ、と強くは無い適度な強さで押し解される感覚に、声では無く柔く息が漏れる。

「異世界の香りね……
ヤな香りもあったし、良い香りもあったけど、それはそれで怖くもあったわ。
引き込まれるような、得体の知れない引力のある香り。
それに行き会って、初めて逃げるように香水に触れたのが五年前かしら」

『調香師』 > 「...あら。だとしたら、元々地球の人?」

意外そうな声色と共により一層、興味を増したように
魔術なんて言う人は。みんな異世界の人だと思っていたから

マッサージも、体重を使いつつ。全体的な動きから、局部に程好い刺激を与えていくものに変わっていく
身体に対して、最も丁度いい刺激を与えられるように彼女は出来ている


「それは...私の知らない香りなのかな
 説明がつくようでつかないようで、そんな風に感じるね

 うらやましいかも。自分が揺るがされる様な香りと出会えるって
 本を読んで情報を入れて素材を手に入れて。そんな私だと、何年かかるかな


 ...こほん。私のお話ばっかりはダメね
 迎えたり見送ったりって、なんだかお店の人みたいだけど
 多分私の勘違いかな。あなたの言葉はもっと、『責任』って物を感じるから」