2021/10/24 のログ
イェリン > 「えぇ、地球のここよりずっと北の国から。
森と湖を側に置いた、自然に包まれた簡素な村よ。
《大変容》が起こるよりずっと昔から、神話や伝承に押し込めて来た
神秘と向き合ってた所も、少なからず残ってるものなの」

実際、元をたどれば異世界の技術なのかも知れない。
文字と形に意味を持たせて、人の内にある奔流を持って具現化させる。
神秘に相対するために作られた技術とも、異界の存在より伝えられたとも聞く。

「そうね、甘いような喉の奥が熱くなるような。今思えばアルコールや媚薬みたいなものだったのかしら。
きっとこっちにも流れ着いてるか、元より似せられた物はどこかにあるんじゃないかしら。
香りは楽しむくらいが丁度いいわ…呑み込まれると後が怖いもの。

責任というのは、確かにそうね。
悪意のある相手は勿論、迎え方と扱いを誤れば神格や妖精の類も牙を剥くんだもの」

『調香師』 > 「ふぅん...」

興味はある。だが、どうやってそのフックを生かしたものかと
太古に地球で造られ、つい数年前まで眠っていた彼女

知識は仕入れようとするものも、それは香りのトレンドを知る為に費やされることが多い
『神話』という物を、詰め込める時期も多くはなかった

彼女の親しみは寧ろ、その立地について
自ずとそれらは香りの構成要素として思い起こされる。北というイメージに任せ、森と水の澄んだ匂い


「...そうね。香りは楽しんで、思い出の頼りにするくらいが丁度良いのかも
 人を『その気』にさせる香りというのも。私にはどうなのかしら

 私は人の為に、持ってるものは使いたいわ」

ぐっと。凝っていた場所へと指を押し込んで解す
背中はある程度終わったかなと、全体を検めて

「次は下半身ね。問題ない?」

イェリン > 少女の生い立ちを、イェリンは知らない。
生半可ではない香りについての知識群と、見た目にそぐわぬ手つきに
ただの少女ではないとアタリこそつけれど、確証めいた何かがあるわけでも無い。

「不思議な事を言うのね。まるで……いえ滅多なことは言うべきじゃないわね。ごめんなさい。

人の為、ね。そうね、私もそうありたいわ。
そうでないと、どれだけ力を付けたって技を磨いたって私は孤独だもの」

踏み込み過ぎたかと、一瞬冷静になって言葉を取り繕う。
咄嗟に少女の言葉を拾って出たのは、自身の思いに素直な感情の吐露だ。
物憂げに、言う。
指圧の熱に、オイルの香りにほだされて、言葉はうわごとのよう。

んんっ、と一声さいごに押し込まれた強めの指圧に反り返るように反応を示すと、少女の問い掛けにどこかふわふわとした声で大丈夫、お願いとイェリンは述べた。

『調香師』 > 「ふひ、そうだね。人の中に居れないと、簡単に孤独になっちゃうね」

彼女の言葉には、何ら感情もなくすんなりと
それはただ、事実の話であるのだし

ここに来た人はいつもこのくらいの時間になるとふんわりとした返事になる
そうなる様に自分がしているのもあるけれど...緊張が解ける時間は案外似通っている物なのだろうね、なんて考えながら


作業の為にローブを整えると、彼女の指は肢体へと移った


「...長いし、きれいだね?」

そして香りの事が第一な彼女もそう漏らすくらいに
女性としての身体としては、存在しない筈の『憧れ』なんかも錯覚させてしまいそうな

イェリン > 事実確認のように、感慨無く孤独を語る少女の作られた笑い声に、
なにがしかの思考が脳裏をよぎるが、深く思案に入る間もなくそれはふにゃりと溶けていく。

「そう? 褒められると素直に嬉しいわ。ありがあっ、んっ、んうぅ……くすぐったい……」

普段通りに返事をしたのも束の間、少女の指がふくらはぎに触れた辺りで布団の端をギュッ、と握り込んで足先をピンと伸ばすように身もだえする。
シチュエーションのせいか、オイルか、少女の手腕の賜物か。
その手指が四肢の先に近づくにつれてくすぐったそうにイェリンはうめく。

『調香師』 > 快に堪える彼女の震えを感じながら、彼女は進めていく


ここで、見た目通りの悪戯好きそうな子供か、貴女の気を惹きたいような人間ならば
この無防備に晒された足裏だとかを程よ~~~く刺激するのに丁度いい位置にあるのかもしれないが

ぐっと押し込む、その触れ方は相変わらずマッサージの一環です
お店の信用だとか、そういう受け取り方も出来るのかもしれませんが。彼女の場合、『そんなことが発想にない』と言うのが正しいのだろう

人の為に。そうして脚の方も仕上げていきました
会話もそろそろ程々に。最後まで疲れを取り切ってくださいな、そんなお気持ちも込めて

イェリン > グイッ、と痛いと気持ちいのその境。
無機質に正しく指圧される感覚に、薄いまどろみに落ちながら、時を過ごす。
徐々に会話は少なくとぎれとぎれになり、指の感覚に意識を向けて深呼吸をすると、
身体の中にローズとハチミツの甘く柔らかな匂いが立ち込めていく。
まどろみの中でぼんやりと、施術の終わりを感じ取る。
(あぁ、そろそろ終わりなのかしら)
指圧のお陰か、室温に変わりはないように感じるのに肌がポカポカとして温かく、どこか夢の中にいるような心地でいる。

『調香師』 > 「おしまい」

最後にもう一度、上半身と同じように検める手つきが全身を這う
それが夢心地の感覚を慣らすように。目覚めの時を自ずと教えてくれる

正面に回り込んだ彼女は、貴女の顔を見つめます
明かりに照らされ、不気味さも見ようによっては増されたその笑みで首を傾ける

「満足してくれた?」

場合によっては、ここで口付けも追加されうる
それは『体の中まで香りで満たされて欲しい』との、心遣いのつもりらしいが
...実行されるかは、貴女の隙次第

イェリン > 陽の光に起こされる朝のよう。
心地よい温もりの中で、覚醒を促す少女の声が聞こえる。

うすぼんやりと開いた目を少し眠たげにパチパチと見開きながら、
こちらを見つめる少女の顔を視界にとらえる。
笑顔だ。
――良くできた、笑顔だ。

「えぇ、とっても。
何度繰り返しても触れてもらうのはまだ慣れないのだけど、
この心地よさも新鮮であり続けてくれるのは得かしら」

トクン、トクンと、身体のどこかで巡りを抑えられていた血流が勢いよく身体を駆け巡っているのが分かる。
ポスっと、情けない音を立てて一度は起こした身体をベッドに預けて天井や、未だ揺れるキャンドルに目を泳がせる。
普段のその立ち居振る舞いのかけらも無く、のぼせたような頭で明らかに調子のよくなった身体の感覚に意識を通していく。
少女を害をなす者としてとらえていないからこそではあるが、瞳を閉じて四肢の感覚を確かめる姿は無防備そのものだろう。

『調香師』 > 「それじゃあ、本当の最後の仕上げにね」

貴女には、想定のしなかっただろう五体目の感覚を
目を瞑っている間に、軽く触れるだけの口づけ

香り残し。貴女に今日の事を、忘れて欲しくはないからね


「...今日はお疲れ様
 ここから出た時に、一番元気で一番綺麗な、そんなあなたで居て欲しいから

 ふふ。表に戻りたくなったらいつでも言ってね
 また手を引いてあげる。そうじゃないと、危ないからね」

イェリン > 「ん…」

何かが唇に触れた感覚。
柔らかく、触れた粘膜にリップのように淡く香りが残る。

意識は徐々に覚醒していく。
肌を包むアロマの香り、身体の節々からじんわりと吹き出す汗をバスローブを着なおして吸わせる。
ベッドの上から脚を降ろして淵に腰かける。

「ふふっ、ありがと。
きっと今の私、久方ぶりのベストコンディションだわ」

神様とだって踊れそう。
冗談めかしてそう言い、思いついたようにこちらを見据える少女に向き合い、
腰をかがめてその額に不意打ち気味に口づけをする。

「――ちょっとした意趣返しよ。
親愛の、ね」

素敵な時間をありがとう。
イェリンはそういうと大きくひとつ伸びをして、表への導きを求めるだろう。

『調香師』 > 身体はその僅か仰け反る
避けたとかそういう動作ではないけれども。貴女が何をしたいのか、一瞬察し損ねたという行動

感触を残された額を、両指で触れる


「...いひ。なんだか珍しいね
 こっちも良い仕事をありがとう

 といっても、まだあるけどね。香水、お部屋に戻ってくる前に用意するよ」


変わらない笑みを差し向けて。貴女の手を引いてこの部屋から出ていく事でしょう
貴女とは、またロッカールームの前でお別れ。『調香師』には、もう1つ大きな仕事がありますから、と

ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』/マッサージルーム」から『調香師』さんが去りました。
ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』/マッサージルーム」からイェリンさんが去りました。