2021/11/05 のログ
ご案内:「落第街のとある一室」にフィーナさんが現れました。
ご案内:「落第街のとある一室」にスライムさんが現れました。
■フィーナ > 「連絡はまだない、か…」
情報端末を確認した後、懐へ仕舞う。
踏み込んだ部屋の中は、スライムたちでひしめいており…囚えられた数人の人間が、苗床として嬌声を響かせていた。
その中に、フィーナと同じ姿をした苗床もいる。
「ここも、引き払わないとな」
風紀委員の落第街殲滅作戦。今はまだ此処に被害は及んでいないが…それも、時間の問題だろう。
■スライム > 単体から始め安定した苗床を得るに至った今。
最初のスライムであるソレは落第街の奥まった一角の部屋で最初の魔力の高い一人から始め数人の苗度を得て。
その部屋では苗床が嬌声を響かせ、その声に比例するように新たな個体が産まれる。
その部屋に元は同じ存在から株分けをし、最初の苗床と同じ姿になった同族が戻ってくる。
戻ってきたまでは良かったが……。
(ヒキハラウ?ドウイウ、コト)
最近はあまり戻って来なかった事は別にいい。
だが引き払うと聞けばどういう事だと声を響かせその巨体を蠢かせて。
■フィーナ > 「外の喧騒、聞こえるでしょう?私達には関係は無いけど…風紀の奴らが殲滅行為してるのよ。違反学生もそうでない人も関係なく…とはいってもここは大体が違反学生だけど。」
大型のバックパックを自分と似た姿の人の前に下ろし、話す。
砲撃こそ一時的に止んだものの、風紀委員の制圧行動は止まっていない。
次の準備砲撃で此処が破壊されるという事も考えられる。防護をしていない苗床達は無事ではすまないだろう。
「そういうわけで、移動しないと危ないわけよ。場所は…転移荒野が良いかしら。あそこなら適度に建物があるし。残念ながら人が居る所からは離れることになるけど。まぁ、落ち着いたらまた戻ってくればいい」
ありもしない計画を話す。まだ、仲間だと思われている。
だからこそ、協力的であるように見せる必要がある。
自分と同じ姿の苗床の膣に、ゲル化した手を突っ込む。
そのまま、中で育つ小さなスライムたちを残らず引きずり出す。
嬌声が、響く。
■スライム > (ソト、サワガシイ、センメツ…?)
騒がしいとは感じていたが時々にある事なので気にもしていなかった。
しかし同族の言葉にそうではないという事を理解できるだけの知性は幾人も食った餌のお陰で得ている。
その言葉通りならばこの建物が破壊されるような事になれば貴重な苗床は失われる。
それだけは避けなければいけない最優先の事態だと。
(リカイ、シタ、アソコナラ、ナエドコ、アンゼン
ココ、シズカニ、ナレバモドレバ、イイ)
既に避難先まで考えている同胞の考えを否定する要素はなく。
最初の苗床の胎から新たな仔を引きずり出すことに何も告げず。
他の苗床を輸送する前にそちらへと這いずって。
■フィーナ > 「あー…ただ、私らは地下移動できるけど、こいつらは無理だからなぁ…これは私がかばんに入れて運ぶけど、後は喰っちゃっていいと思うよ」
自分の目的は、母親一人だ。他は…残念ではあるけど目的の為に犠牲となってもらう。
自分に似た苗床を、丁寧にかばんに入れ、背負う。
「ほら、これなら怪しまれないでしょ?」
■スライム > (イマノ、ナエドコ、キチョウ
ヒトツハ、モッテ、イク)
同族のいう事はまさにその通りではある。
しかし最初の苗床以外は知恵を持つ変異種を産む事も出来ないモノ達。
それでも全てを処分し、最初の苗床だけになってしまえば数を増やすのに支障が出る。
それを防ぐために苗床の中で比較的力を持つものだけを運ぶ事に決め取り込み、後の苗床は他のスライム達が胎の仔を引き摺りだせば早速食らい始め。
(メダタ、ナイ、タイロ、アンナイ)
カバンに苗床を仕舞った同胞、己も体内に苗床を一人確保すれば移動先に案内しろというように告げて。
■フィーナ > 「えぇ、わかったわ。こっちよ…」
扉を開け、路地に出る。
スライムの集まった住処と、外の境界線。
金具が落ちる音。
転がる、金属缶。
「…………っ!」
走る。巻き添えをくらわぬように。
数秒とせず、缶が破裂し、燃焼したテルミットをぶちまける。
出入り口は、10秒経たずに火の海となった。
■スライム > 同族の後を己を含め多くのスライムが這いずり入り口へと向かう。
小型や中型のスライムが室内から路地へと染み出るように這い出していく。
それなりな数が這い出し己の番となり突然に出入り口付近に広がる炎。
それは容易く同族を巻き込み蒸発させてしまい、その炎は己にすら迫る。
(ホノオ、キケン、ケセ、ふぃーな、ホノオ、ケセ)
走るその背に向けて言葉を飛ばすも止まる様子はない。
かと言ってこの場に留まれば己も産まれた仔達のように死んでしまう。
ならば多少己が小さくなるのも仕方ないと炎に向けて這い進み、その質量を炎で小さくしながらも出入り口を抜け出して。
■フィーナ > 「…………」
言葉を無視し、走りながらもう一つの金属缶を落とす。
ばしゅぅ、と。缶から煙が吹き出し、数秒で煙で視界が悪くなる。
相手は魔力を食らうスライムだ。魔術では分が悪い。
だからこそ、物理的な手法を使う。
「…………ごめんなさいね」
同族の命を奪うことは、心が痛む。
それでも、目的のために。
彼女は、路地を抜けていった。
■スライム > 走るスピードに追い付けはしないがそれでもその後ろを質量を小さくしながら追いかける。
しかし今度は聞こえた金属音、そして軽い音と共に噴き出す煙が路地を覆ってしまう。
これが魔力によるものならば全てを食らってしまえばいい。
しかし物理的なものとなればどうする事も出来ず。
(ふぃーな、ドコ、ダ)
煙に視界を奪われ仕舞えば追う事は出来ず。
去ってしまった同族を探すようにただ路地を本能に近い行動で這いまわって。
■フィーナ > フィーナと名乗るスライムは、もう路地にはいない。大通りに抜け、逃げ惑う人々に紛れる。
路地を探しても、もういないだろう。
ここで、フィーナとスライムは決別した。
■スライム > 路地を這いまわるも同族の姿を見つける事は出来ず。
しかし人の多い通りに向かうのは苗床を一人体内に納めているので見つかればただでは済まない。
しかしこの辺りが危険という情報は本当だという事だけは分かり。
ならばこの場を離れるしかないと近くのマンホールを抉じ開け下水に苗床と無事な仔達と共に潜り込み。
危険が去るその時まで潜伏する事となって
ご案内:「落第街のとある一室」からフィーナさんが去りました。
ご案内:「落第街のとある一室」からスライムさんが去りました。