2021/11/21 のログ
■藤白 真夜 >
「ふふふ♡
異能も私のになっちゃったね。
真夜って結構エグいのやるよねぇ?私にはダメダメダメってすぐ怒るクセにさ」
血塗れになった真夜を“見下ろす”
真夜は頑丈だ。
心も、体も。
ズタズタにしたところでどうせ元通りになる、不死身の女だ。
なんなら、私より頑丈だ。
私はネガティブな感情は好きじゃないけど、真夜は好きでそれを以って立ち直ってくるんだから手に負えない。
「……だいじょうぶだって。
約束通り、殺しはしない。
殺すのは、アナタだけ」
言葉とともに、真夜の体を何本も刀が突き破る。
ぱたぱたと返り血が跳ねて、私の心も跳ねた。
ぽたぽたと私の雫が真夜に堕ちる。
なにかがおちる音が聞こえた気がする。
それは、とても喜ばしいなにかだ。
■藤白 真夜 >
「言っとくけど―……真夜のせいだからね?
あなた、厭でヤらなかったでしょ?
その代わりを私がやってあげるんだから、感謝してほしいな~?」
馬乗りになった真夜の頬を手に取る。
言葉も出せないのか、私を見る瞳だけが、怒りに燃えていた。
「……あなたのせい。わかる?
あなたが、自分を嫌がって、あんな助けを求めたから。自らが苦しめばいいだけのことを放棄して、逃げ出して。
あなたは、わたしは、私たちで完結してる。そうでしょう?」
少し言葉を選んで詰ると、真夜の瞳はすぐ昏く落ち窪んだ。
……ああ、やっぱりこっちのほうが可愛い。
真夜の弄り方は、肉体的にも精神的にも、私が一番知っているのだから。
沈み行く真夜の顔を、見つめた。
「私がやってくるから、あなたは眠っていて」
顔中血に塗れ、絶望に沈み。
言葉を失った血まみれのくちびるに、小さく口付けする。
儀式のように、同じ姿の女が、重なり合った。
■藤白 真夜 >
くちびるが重なる。
ぬくもりは何処にもなかった。
私の心に、さざ波一つ起こさない、つながり。
女の体温は、感じられない。
でも、ずっと……温かった。
安らいで、ほっとしていた。
辺りは暗く、何も見えない。
ただ、優しく覆い隠すような闇と。
煌めくように美しい星々だけが、私を見つめていた。
交代の時だ。
沈んでいく。
沈んでいく。
深く、深く。
水は温かく、吐息は甘く。
紅茶に注がれた砂糖のように、私は溶けていった。
――おやすみなさい。
最後に、そう言い残して。
■藤白 真夜 >
ぱちり。
自室で、目を覚ます。
「あ~……よく寝た~……」
何も無い部屋。
部屋の外を覗きみれば、夜だ。
いつぶりだろう、自然に起き上がることが出来たのは。
私は、真夜がどうしようも無い時にだけ出てくるだけだった。
今もある意味そうかもしれなかったけれど。
胸に手を当てる。
唇がまだ、あの柔らかさを覚えている。
我慢できず口元に手を当てれば、朱を引くように血がついた。
「……おはよう、“真夜”」
夜の只中で。
朝を告げる。
真っ暗な部屋の中で、赤く光る瞳が瞬いた。
ご案内:「◆あかいうみのゆめ(過激描写注意)」から藤白 真夜さんが去りました。