2022/02/07 のログ
ご案内:「◆特殊Free(過激描写注意)落第街 閉鎖区画」にフィーナさんが現れました。
フィーナ > 「……嫌になるね、本当に」

どごぉん、ばがぁん、と。爆発音を響かせながら、空を駆ける小さな影。
空を飛ぶというそれだけで危険な行為をしながら、目を閉じたまま、杖を構え…音に惹かれた『犠牲者』達に爆発する火球を放っていく。

今、学園は試験期間の真っ只中。加えて査察もあり、風紀の人手が薄くなってしまっている。

そこでフィーナに依頼されたのが、陽動だ。
いつもは名目上の救護活動で、情報収集及び簡単な陽動のみの、出来る限り危険は避けれる内容だった。

しかし、今回は封鎖区画を維持するための人員が少なく、万が一集団で来られた場合に突破される事が懸念された。
故に個人で戦闘能力、回避手段が多く、且つ万が一の時の脱出方法も持つフィーナがその任に当たることとなった。

ありったけの魔力が充填された宝石等が支給されたが…フィーナから見れば雀の涙だ。これだけで敵をおびき寄せて命の危険を犯せ、というのは正直割にあわない。
まぁ、頂いた以上は使わせてもらうが。

フィーナ > 「…………」

大小様々ある宝石を大雑把に掴み取り、杖の宝玉に照らす。
宝玉から術式を複製し、それを宝石に写し込む。
宝石だけで活動できるように、行動パターンを刻んでいく。

魔法生物の生成。行動する為の術式を刻み、行動パターンを組み、そして行動する為の魔力を封入する。
今回は魔力が既にある為、その部分は省略される。

びき、ばきり、と。魔法生物を組み上げる間に術式封入に耐えられなかった宝石が砕ける。残った数個の宝石が掌から離れ…光学術式を応用した、フィーナ自身の姿を模した虚像が離れた宝石と同じ数だけ現れる。

そして、個々が簡単な術式――――魔術で形成した炎の矢で討伐活動を始めた。

勿論、宝石が持っている魔力量には底がある。故に連戦は不可能。
殲滅するには不向きだ。
しかし目的はそこではなく。あくまで陽動だ。
閉鎖区画外縁部から少しでも『犠牲者』を離さねばならない。
そして、一定の役割を終えたら……

どごぉん

集めた『犠牲者』諸共自爆してもらう。再利用が出来る宝石をこのように使うのは本来もったいないのだが…命に比べれば安いものだ。

ご案内:「◆特殊Free(過激描写注意)落第街 閉鎖区画」に八坂 良彦さんが現れました。
フィーナ > 「……疲れる」

できるだけ多くを引き寄せられるよう、大きな音や閃光を出しながら討伐しているだけあって、『犠牲者』がひっきりなしにやってくる。

空を飛んでいるだけで地上の敵は無視できる…………というわけではない。

彼らは身体能力が強化されており、通常よりも高く『跳ぶ』事が出来てしまう。対してこちらは区画閉鎖の為に高度制限がかなりきつい。

つまり、彼らの跳躍が届く位置で戦わなければならない。

それに、気をつけるべきはそれだけではない。


「っ」


後ろから飛んできた、植物が生えた鳩を避け、返す刀で炎の矢をぶつける。

そう、『犠牲者』となったのは人間だけではなく、犬や鳥…さらに言えば虫も『犠牲者』となっているのだ。

勿論空を飛ぶ以上視界だけでは警戒しきれない。
では、どうするか。

答えは、現代の戦闘機や駆逐艦、潜水艦にも使われるレーダー技術を応用したもの。
言葉にするならば、『アクティブ魔力探知』。薄く広く魔力を放射し、その反射で敵位置を捕捉するという方法だ。

感知距離は魔力を感知する能力…これについては才能に依る所が大きく…フィーナは生来から魔力に触れて育っている為、そこそこ広い範囲で探知が出来る。故に…

ボッ

後ろを向いたままでも、火球で迎撃することが可能となる。さらに言えば、この技術を応用すれば誘導術式を組み上げることも可能だ。

八坂 良彦 > そうして、近づく『犠牲者』に対応していると、ソナーに地上を走り近づく反応が。
通り道にある反応が、次々と弾き飛ばされ、数体は動きが止まる。

「でかい音してたけど、こっちだよな」

少女のほぼ真下で停止するのは、制服を着た少年、腰には大小の刀。
近づく『犠牲者』を、拳で殴り飛ばしながら、少女に気づいたのか、上を向いて。

「助太刀に来た、風紀2年の八坂だ…上に行った方がいいか?」

大きく声を掛けると、殴りかかって来た人型の腕を取って、頭から地面に叩きつける。

フィーナ > 「っと、助太刀、感謝します。今そちらに」

ゆっくりと少年の側へと降りてくる。

普通、空を飛ぶ…となると、風を利用して揚力を得るか、もしくは地面に何かしらを叩きつけて重力に逆らうのが一般的だ。

しかしフィーナの周囲に空気の乱れはない。

「格闘ですか。近くに来たのは任せても?」

杖を振り、魔法陣を宙空へ展開する。

魔力ソナーで感知した敵影に向けて粒子ビームを放ち、爆破していく。

「全部相手するのは、骨が折れるので」

八坂 良彦 > 「あぁ、近くに来るのは任されたっと」

近くへ来る様々な犠牲者を頭を狙い、殴りつける。
小柄な体から繰り出される拳は思った以上に早く、威力があるようで。
固い筈の頭をゴシャという音と共に、叩き潰す。

「…浮遊?、なんか違う気がするけどっ!」

着地する瞬間も一切風の乱れがない事に一瞬不思議そうな顔をしつつ、近くに来る『犠牲者』を討ち倒す。

フィーナ > 「陽動ですので、限界が近ければ離脱しますよ。方法はお持ちで?」

杖で魔法陣を生成する傍ら、空いた手で魔力で作られた鏃を作りだし、それに炎を纏わせ敵へと放つ。

今は応援が来たおかげで余裕が出てきているが、少なくともフィーナは消耗している。
先程使った魔法生物も次使えば品切れ、先程から大盤振る舞いしている魔力も無尽蔵ではない。

故に、脱出の方法も考えておかねばならない。二人だけで殲滅することは不可能であり…そもそもこれは陽動だ。無理して死ぬことはない。

「もしなければ、転移魔術を用意してますので。一応、5人までなら運べるようにはしています」

八坂 良彦 > 「離脱は問題ない、さっきは位置が正確に判らなかったんで地上きたけどっ」

炎で燃え上がる敵を見ると、其処へ風を送り込み、炎を大きくしていく。
ダンと足音を大きく立てて、近くの犬型を炎に向かって殴り飛ばし。

「空をっ、飛ぶなり、駈けるなりっ…出来るぞっと」

先ほどから動き回っている少年は、気疲れらしきものは見えるが、体力的には余裕らしく。
殴りながら、答えてくる。

フィーナ > 「…なら、もう少し粘りましょうか」

八坂さんが行った風の異能と思しきモノを見て、思考しつつ、魔術で敵を焼いていく。

「気をつけてくださいね、燃えてるからと言ってすぐに絶命するわけではないので」

生物には水分が多く含まれている。植物も例外ではなく、萌えていたとしてもそれが致命的となるまでには少し時間が掛かる。フィーナのように爆砕するのなら問題は少ないが…炎に突っ込ませるだけだと、燃えたまま襲ってくる場合もある。

「一応、命令系統は保持してるみたいなので頭を潰せば動かなくなります。燃やさなければ感染は止まりませんが」

的確に炎の矢や粒子ビーム、果ては収束した光で敵の頭を的確に破壊し焼いていく。今フィーナが扱っている魔術は基礎的な物が多い。異常なのはそれを複数同時に、恐ろしい速さで展開し、正確に敵を撃ち抜き、それを何度も続けている点だ。

術式の精密性、術式を扱うことの慣れ、そして魔力量が尋常ではない。
人一人が抱えられる魔力量は、才能に依るが限られている。
それを超えてフィーナは魔術を扱っている。

勿論、代償が無いわけではない。

「…ふぅ……っ、はぁ…」

大して動いている訳ではないというのに、呼吸が乱れている。

八坂 良彦 > 「了解っ…こっちは問題ない。
あぁ、動きが鈍れば…こうっ!」

炎に焼かれ、少し動きが鈍った所へ、脇差で頭を一突き。

「うん、俺も何回か来て頭潰せばいいのは理解した…燃やすのは任せる、火を大きく吐出来るけど、つける事は出来ない」

直ぐに脇差を締まって、近づく相手を地面に叩きつけ、拳で打ち砕く。

「体力やばかったら言ってくれ、お前さんくらいなら、運んで逃げれるから」

小柄な体で前後左右に動き回る、偶に空中に風の足場を作り、方向を変えるなどの小技も使いながら、体力的な、継戦応力は高そうだ。

フィーナ > 「…そう、ですね。では、お言葉に甘えて。これだけ集めればもう良いでしょう。転移術式を起動するので、暫く前衛をお願いしても?」

本来、この脱出用の術式は敵のいない場所で使うものだ。もし転送する範囲に『犠牲者』が入ってはいけないし、安定しなければ座標のズレが出てしまい、そしてそれは転送される人にとっては致命的になりかねない。

「こちらでも、時間は稼ぎますので。」

ぶんっ、と残った宝石を投げ飛ばす。
広く散布されたそれは、まるで爆竹のようにパチバチと弾け始め、それは犠牲者の注意を引く。

しかし今回はデコイのように生物を模していない。陽動出来て数秒だろう。

フィーナはその間にスクロールを取り出し、術式を展開する。

あと数秒稼いでくれれば、空間転移術式を完成させられる。

八坂 良彦 > 「了解…近づけなければいいんだな」

空で何かを振るように指を振ると…風が集まり何かを形作る。

「せーのっ…暴螺(ボーラ)」

その何かを投げつけると、風が渦を巻き犠牲者の動きを止める。
近くにいる相手無差別に。

「味方いると使えないけどこの状況なら、まだいけるな」

少し疲れもするので連発もし辛いし、戦いの流れが切れるので使う事は少ないのだが。

フィーナ > 「……では。動かないでくださいね」

スクロールから術式を展開し終え、少し大きめの魔法陣が二人を包む。

そこそこの規模の術式だ。本来は要救助対象も転送する為に対象地点が大きめになっている。

ちゃんと動かなければ、少しだけ引っ張られるような感覚がした後、閉鎖区画と落第街の境界線、つまりは前線基地へと転送される。

もし動いたら変なところに飛んでいるかも知れない。

八坂 良彦 > 「あいあいまむ……」

その声に動きと、呼吸も止める。

少しして周りの景色が変わった事に気づくと。

「もういいか?」

そう言って、大きく息を吐き出している。
不思議そうな顔をして手の感覚を確かめたりしながら、少女に向き直り。

「一気に、戻れるのか、すごいな」