2022/04/03 のログ
ご案内:「『蟠桃会』拠点 地上部」に八坂 良彦さんが現れました。
ご案内:「『蟠桃会』拠点 地上部」にフィーナさんが現れました。
■八坂 良彦 > 『封鎖区画』の一件、その原因になった相手に対する対応作戦。
事前に合った情報により、風紀委員などが爆発のあった拠点と思わしき場所への突入や、地上部掃討を開始し、一当てした後で。
外部にこれ以上の『実験体』が広がるのを防ぐためと、撤退などの支援を行う為の第二陣の準備の中。
少年も爆心地近くに近づく人間に混ざり、向かおうとして、ふと視線が白髪の自分よりも小柄な少女へと止まる。
たた、と軽く走って近づくと、少女に向かって。
「…フィーナじゃないか、まだ契約つづいてるのか?」
すこし、言いよどんだ後で、声を掛けて手を上げる。
その姿は何ヵ所が破れた制服に、風紀の腕章、腰に刀を一本、背中にリュックサック、腰には水筒を付けた格好。
頬などには、数か所絆創膏が張られている。
■フィーナ > 「あぁ、八坂さんですか。契約は終わってますよ。今は…『試用期間』ってとこですかね」
特徴的である白い長髪が煤だらけになっている。
規模の大きい炎系魔術を扱える彼女は主に実験体の討伐、焼却を行っている。
「この仕事がうまく行ったら、晴れて風紀委員として所属する事になってます。あとは…個人的な理由もありますが」
意気込んではいるが、フィーナは『実験体』以外への攻撃を極力避けるように言われている。
彼女の魔術は、調節が可能と言えど、命を奪うことがあまりにも容易いからだ。勿論、非殺傷の魔術もあるが。
今までの功績に於いて、『救出可能だったかもしれない実験体』に対しても容赦はしておらず、彼女が関わった救護活動での救護対象生還率は著しく低く、その非情さを懸念してのことだ。事実として、『蟠桃会』の生け捕りは情報の入手の為必要である。
「全く、やりにくいですよ。アレを起こした人間を殺しちゃ駄目っていうんですから」
■八坂 良彦 > 「そうなのか、ならよかった…のかな、フィーナ的には。
て、髪…一回拭いた方がよくないか、これ中身水だから使ってくれ」
煤だらけになっている髪を見て、腰につけた水筒と、持っていたハンカチを取り出して差し出す。
そうしながら隣を歩いて、とことことついていき。
「そうなったら同僚って事になるか、よろしく」
ちらっと聞いていた話では、高火力も魔術による討伐数の高さはかなりの物であるという話。
ただ高火力ゆえか、中々に風紀委員の方でも扱いが難しいと言われているとか。
少年自身もそれは聞いたが、其処迄大聞く気にしてる様子は無く。
「そうなんだよな、ただ地上部分にはほぼほぼ『実験体』しかいないから、捕縛対象は今回気にしないで良いんじゃないかな。
居たらいたで、生け捕りなら俺の方で対処できるし」
刀を持ってきてはいるが、基本は素手相手を無力化する術も多く持つ合気系の武術使い。
余りに特殊な相手でなければ、それなりには対応可能だろう。
■フィーナ > 「あぁ、お構いなく。どうせ汚れるんで。」
差し出された水筒とハンカチを突き返しつつ、懐からりんごを取り出し齧っている。
「そうなりますね。何処の所属になるかはまだわからないですが…よろしくです」
正直なところ平和に過ごしたいので巡回する程度の部署に就きたいが…今行っている試験内容から恐らくは鉄火場を巡る部署に行き当たりそうだ。
「無力化する手段はあるにはあるんですけどね。こう、乱戦だとどうしても、ね。『実験体』相手に手加減したら被害が出る可能性がありますし」
スリープクラウド、という魔術がある。広い範囲で睡眠へと誘う魔術なのだが…まずまともな精神を持たない実験体には効かず、下手な使い方をすれば味方に被害が及ぶ。
乱戦になりやすいこの状況では使えたものではない。
「なのでその場合はお任せします。頼りにしてますよ?」
■八坂 良彦 > 「ん、そうか…まぁ、そういやそうだな」
水筒を腰のホルダーに戻し、ハンカチをポケットに突っ込んで。
「まぁ、そうなったら、教えれる所は教えるけど…なんかフィーナの方が直ぐ覚えそうだよな、今でも俺が知って無い事しってそう」
少年自身は、前線組なので、ある意味でフィーナがそっちに来てくれれば、ありがたいなどとも思って居たりする。
「下手すると、こっちも仲間入りとかになるような系統だしな。あ、フィーナなら平気だと思うけど。
頭潰しても動くのも結構いるから、きっちり焼き払うとか、細切れにしないとダメだと思う」
そういう点では、風と身体強化という異能的には、なかなか相手し辛い物で。
「その時は任せてくれ、あとまだ全力でしか使えないんだけど、風で炎を煽る事もできるから、いざとなったら、言ってくれ。
調整できないから、それこそ捕獲対象いたらつかえないけど」
■フィーナ > 「そんなことはないですよ。今まで魔術だけに傾倒してましたので」
こちらの世界に来るまでは森で魔術の研究だけをしていたし、こちらの世界ではまともな生活は送れていなかった。
要するにこっちの世界の勉強は余り出来ていないのだ。
「やりづらい相手ですよね。中には無辜だった者もいるでしょうし…何より動かなくなるまで徹底的にやらないとですから」
実際元の形を失うぐらいまで徹底的に焼き尽くすか破壊する以外に無力化する方法がない。グロテスクなモノに耐性の無いものは参加出来ない。
なので此処にいるのはそういうモノに慣れている者…実戦経験者以外いないのだ。ある意味信用出来る仲間であるのは、救護活動の時と違って気楽ではある。
「あ、援護は無用です。他の魔術に干渉されると調整が難しいですし…それなら自分でやったほうが楽ですので」
風魔法で食べきった芯だけのりんごを浮かせながら。
二人で別魔術を干渉させ合い、効果を増幅させる…というのは非常に高難度である。もともとそう組んでいるものならいざ知らず、そうでないものを合わせようとすれば非常に高度な集中を必要とする。
乱戦になりやすく自衛の必要もある今回の戦場ではやったところで大した効果は得られない…どころか、下手に増幅させようものなら火災旋風が発生して味方まで黒焦げになりかねない。
「味方殺しだけは御免ですよ。本当に」
『助けられなくなった者』を幾多も葬ってきた者の言葉は、重い。
■八坂 良彦 > 「いや、今はそうだろうけどな…まぁ、風紀委員以外の、引っ越しとかそういう力仕事いりそうなら言ってくれ」
少女の方は今は慣れていないし、知識もないが、生活を始めれれば、知識関係は逆転されそうな気もしている。
一応は最近は、勉強も少しずつ時間を増やしたり、トレーニングしながらできる事はしているが。
「とはいえ…助ける方法が見つかって無い上に、放置すれば広がるから…こればっかりは、申し訳ないけど、処理するしかないんだよな」
処理といいながら、少し苦い顔をする、人であった相手を処理という言葉で片づける事に、ある意味で怒りを覚える。
とはいえ、それも自分が選んだ道で、此処まで来ている以上は、今更止めましたもできるわけがなく。
「あいあい、んじゃそっちに風いかない様に気を付ける。
一応、灯油とかは持ってきたけど、使う場所あるかねぇ」
ガソリンにしなかったのは、気化速度が速すぎて自分たちも危険度が高いから。
「そりゃそうだ、俺も味方殺しとかしたくない。
うし、ちと気を取り直して、行こうか…突入組撤退の為にも、被害広げないためにも、地上部は出来る限り掃討しないと、だし」
はぁ、と息を吐いた後で、パンッと頬を両手で叩いて、少し赤くしながら、視線の先に見えてくる『実験体』を見つめ。
■フィーナ > 「引っ越しといっても…今手荷物ぐらいしか無いですけどね。あぁ、魔術系統の品は沢山ありますが。
まぁ、何にせよ…これ以上の被害を無くすために。やることはやらないと、ですね。灯油は持ったままにしておいてください。万が一私が戦線を離れた時に必要になります」
杖を携え、ふわりと上空へと浮き上がる。
実験体の群れの後ろから、銃撃が飛んでくる。流石に空を飛べば目立つ。が…落第街で入手出来る銃の質は控えめに言ってもよろしくはない。常に動くモノを狙撃するだけの精度も無く、運良く直撃出来たとしても、位置エネルギーにより減衰した威力では魔力障壁を突破できない。
「先制します。各員、衝撃に備えてください」
浮き上がったフィーナの周りにいくつもの魔法陣が浮き上がる。赤く光る粒子が魔法陣に集まり……実験体の群れの中へといくつも放たれる。
圧縮された粒子が実験体や地面へ衝突すると、その圧縮から開放された粒子が爆発を引き起こす。
土塊と肉片が、飛び散っていく。
■八坂 良彦 > 「それ以外でも、必要な物が増えるだろうから、荷物持ちとかもするし。
「そうだな…ん、まぁリュックに入ってるから基本無くさないと思うけど。」
声に応えて、空へ上がる少女を一瞬気にして。
直ぐに視線を前に向ける、脚に力を込めて準備し。
「『風壁・拡』」
衝撃にとの言葉に、刀を鞘毎ぬいて、地面に先端を押し付けて。
風の壁を広く地面に展開する。
爆発の衝撃、土塊や、肉片を風の壁が弾く。
「そんじゃ、こっちも…っと、ここから『風残』!」
そういって、前に立ち『実験体』の最前列に向かい走り寄る。
風を纏わし衝撃を増した拳で、近くにいた『実験体』の頭を砕き。
そのまま、刀を突き刺すと、刀から溢れた小範囲のカマイタチの刃群がその『実験体』を切り裂いていく。
■フィーナ > 「さて…誤射には気をつけないと、ですね」
手を前にかざし、炎を纏った魔力の矢を指の数だけ番える。
指の指す方向に、矢を放ち、的確に実験体を燃やしていく。
その間にも銃撃を魔力障壁にて防いでいる。
複数の魔術を同時に行使するフィーナは、魔術に知見のある者であればかなり突出していると見て取れるだろう。
「しかし…銃を扱うモノもあるんですね」
空から見ているとよく分かる。恍惚の笑みを浮かべながら、こちらを撃ってくる顔が。
閉鎖区画では見られなかった『知性』がある。
「気をつけてください。閉鎖区画と違い本丸です。別種と思われるモノを確認しました」
銃撃を魔力障壁で受け止め、反撃しながら、報告する。中には肉体が肥大化したものも―――――
「っ」
下への回避運動。直後、フィーナが居た場所に『実験体』が飛んできた。炎の矢で飛んできた『実験体』を処理するも…その顔には冷や汗が垂れている。
「…全く。下手に知能を持つと面倒極まりない」
奴らは『実験体』を投擲してきた。それだけの知能と力がある個体がいる、ということだ。内部から撹乱されるとこちらは後手に回る。
『実験体』の勢いを止められなくなる可能性が出てきた。
■八坂 良彦 > 「あんまり前ですぎるなよ」
少女の下に近い当たりで、『実験体』を打倒し、切り裂いて、声を掛ける。
思ったよりも種類の増えた攻撃に、最初の一当てとは違った様相を感じ取る、
時間がたって、内部から出てきたモノも増えている様子。
矢などは、普段から纏う風の結界で弾けるが、銃弾はある程度反らすので精いっぱい。
稀の飛んでくるのは、狙いがでたらめながら結界を通り抜けるので、少し焦り。
「やっぱり別種か…て、フィーナ?」
突然高度を落とした少女に声を掛け、近づいて。
たん、たん、と風の足場を作って、一旦近づいて。
「いまの、どれの……あれか」
声をかけながら、少女の視線の先、肥大化した個体を発見し、呟く。
「あのでかいのがいると、やばそうだけど、近づけると思うか?」
風の足場で、飛んでくる飛び道具を交わしながら、手には刀をもち、その刀に風を纏わ、声を張って、問いかける。
■フィーナ > 「正直、近づくのは危険ですね。情報があまり――――」
今度は、その肥大化した本体が飛んできた。
話しかけられ、注意が逸れ…その隙に展開していた魔力障壁へと取り付かれる。
「っ」
八坂を突き飛ばし、お互い肥大化した個体から離れようとする。
しかし、肥大化した個体が狙うのは…初手で大きな損害を与え、空から睨みを効かせていたフィーナだ。
肥大化した個体が障壁から跳び、フィーナを狙い拳を振りかぶる。
■八坂 良彦 > 「っ、の…離れろっ!」
少女の突き飛ばされて、一瞬体が流れ、その次の瞬間に見えたのは少女の使う障壁にとりつく巨体。
踏み込みのダンっという音と、纏う結界が強まり、突進しやすいように先端をとがらせる。
それ自体は風なので見えないが、かなりの高速で動くと。
「間に合えっ」
肥大化した個体と少女の間に拳を伸ばす。
少しでも触れば、纏った風の結界で、拳をそらす事程度は出来るだけの力を込めた拳。
正面からであれば、受け流しもできたであろうそれを、ただ突き出した拳で、弾くように打受け止め。
結果、肥大化した拳は反れた…けれど、間に入れた拳は、ベキリとイヤな音を立て、手の端々から出血が見られる。
「んぁ、っ…らぁっ!」
そのまま、刀を振るってそれた拳の先を浅く切り裂く。
■フィーナ > 「っ、ごめんっ」
八坂に窮地を救われ、体勢を立て直し、炎の球を形成する。それは威力などを度外視した、ただ燃やすだけの球だ。
フィーナは、最悪の予想をしていた。魔力障壁に『刺さった』物が、もし『種』だとしたら…!
緊急で形成した火球を、八坂の拳諸共肥大化した個体にぶつける。
■八坂 良彦 > 「つぅっ…いや、それで問題ない」
拳から出ていた血が、炎球で燃やされて止まる。
今は確認していないが、かなりのダメージにはなるだろう、それでも『種』に寄生されるよりはマシという物。
肥大化した個体が炎球にまかれ、落ちるのを見て、ジャンプだけで此処まで届くのか、と少し驚き。
もしくは、最初に高度を下げさせた事自体が、相手の作戦だったのか、とも。
「あがれるなら、少し高度を…」
あれで焼けて居れば、良し…まだ動くようなら、今ここで倒しておかないと、色々と面倒だなと、片手で刀を構え。
風の結界を強め、下を見下ろす。
■フィーナ > 「いえ、落ちた以上…アレはもう終わりです」
空を『飛べない』モノが空に投げ出された時の結果は、そのまま自由落下しかない。例え落下に耐えられたとしても、その落下の間まで何も出来ない。
追加で放たれた火球に溶かされ、肥大化した個体は地面に叩きつけられる前に燃え尽きた。
「とっておきを出します。各員撤退を開始してください」
杖を掲げ、その先に煌々とした光が現れる。その光に当てられるだけで、火傷しそうな熱量の塊。
それを重力によって圧縮しているのか、その光の端々にプラズマが発生している。
それを、ゆっくりと。『実験体』の群れの中心へと放り投げた。
■八坂 良彦 > 「なら…よかった」
地面に落ちる目に、燃え尽きるのを目の端でとらえつつ。
「フィーナのとっておき、ね…流石にそのまま、落ちるとかまで魔力つかわないよな」
その言葉を聞いて、聞くのではなく呟いて、念の為にフィーナの後ろへと少し移動する。
何かあった時救助できる位置へ、刀を鞘へ納め、手を開けて。
落ちる光を見つめ、やばいと感じた瞬間、風の壁をもう一度、今度は全周で発生させ、衝撃に備える。
■フィーナ > 光が、地面へと落ちていく。
光の発する重力に逆らえなかった実験体が浮き、光へと飲み込まれ、溶かされていく。
そうして、地面へと光が落ちる。直後、起こったのは…『熱風』だ。
近かった実験体は文字通り溶け、ある程度遠かった実験体も炎に巻かれる等、その威力は絶大だった。
運悪く撤退しそこねた者は火傷を負ったかもしれない。
しかし、そこにいる『実験体』は、ほぼ壊滅に等しい状況となった。
「ふぅ」
一息つき、備えていた八坂の元へ降りてくる。
「治療します。一旦退避したいので、担いでもらえますか」
相当な出力と集中を要する魔術を行使したことで流石に疲労を覚えたフィーナは、撤退を進言する。
現状では足手まといになると感じたからだ。
■八坂 良彦 > 光が地面と接すると同時、はじける光に一瞬手を翳して。
感じた『熱風』を、『風壁』ごしでも此処までと思い、『真空断層』の方がよかったかと少し考えて。
そうして、光と熱が収まった後を見て、はぁ、と大きく息を吐き出す。
少女からの要請にこたえ、撤退ならと、足場を津kるのではなく風の力による飛行へと切り替えて。
風を纏いながら少女へと近づくと、少女の腰を掴んで、片腕で固定する。
「治療もたすかる、少し離れながらでいいか?」
そういって風の結界に少女を包んで、少し現場を離れる。
高度が取れるなら一旦上に上がるのだが、其処迄上がれないので、ある程度の高さ、早すぎない速度で飛びながら、
■フィーナ > 「えぇ、構いません。痛みますよ」
飛行する為の魔術も解き、八坂に身を預けながら八坂の焼け付いた拳に手を添える。
まず行ったのは熱変性した部位の除去。文字通り切除となるので痛みと出血を伴う。
その後魔力を用いて傷口を覆い、止血。傷口から情報を読み取り、それと同じものを魔力で形成、傷口に癒着させる。これも痛みを伴う。
「応急処置としては、こんなものですかね。後でちゃんとした治療はしてもらってくださいね。」
■八坂 良彦 > 「ん……んくぅ…」
手に触られれば、それだけでも痛む。
其処へ、更なる一度目の痛み、火傷した肌が、切り落とされて。
一旦、痛みが引いた当たりで次の痛みが襲い掛かる。
とはいえ、治療というだけあって、確かに手の傷はある程度の状態回復は見せており。
「あぁ、そりゃそうして貰わないと、動かすのもきついかもだ。
とにかく、急いで戻るから、少し速度上げるな」
ぐっと、しっかりと引き寄せ、結界を紡錘型に整えて、風を操り速度を上げていく。
そこそこ速度は出るので、本部まではそれなりの速さでつくことになるだろう。
■フィーナ > 「…結界を鳥型に出来ますか?多分、そのほうが速度と安定を取れると思うのですが」
八坂の魔力の流れを見て、一つアドバイス。
紡錘形では高度の維持にも風の力を使わなければならず、効率があまり良くない。
鳥のように揚力を使えば、前に進む力だけで飛べるようになる。勿論空気抵抗もあるが、高度維持に比べれば楽なものだろう。
そして着地の際にも翼を適切に動かせば風の力を使わずとも楽に降りれるだろう。
■八坂 良彦 > 「ん……ぁ、こんなかんじか?」
言われて、少し空中で立ち止まると、結界の形を調整する。
慣れていないらか、実際見えていたら鳥?というかんじではあるが、翼と尾羽、頭を持つ形に一応整えて。
「鳥とか、あんまじっとみてないから今だと大体しかできないな」
そういって、大体の動きで鳥型の結界で飛行を始めてみる。
慣れてないとの言葉通りなのか、速度はあまりでず、それでも使っている風の力はかなり減っている様子。
飛行している本人は驚いているので、その発想がなかったのだろう。
■フィーナ > 「紡錘形は最初に爆発的な推力を使って慣性で飛ぶなら良いんですが、継続的な推力で飛ぶならこっちのほうが楽ですからね」
紡錘形の適切なイメージは矢がちょうどいいだろうか。最初にスピードを得て、そのまま慣性で目標地点まで飛ぶ、というもの。
対して鳥型は適切に推力を使い速度を稼いで揚力で空を飛ぶ。着地までに位置エネルギーと速度エネルギーを使い飛ぶので少ないエネルギーで飛ぶことが可能なのだ。
また、着地の際にあまり推力を扱わずに済むというのも長所の一つだ。
「着地する場合は翼を斜めにして浮き上がりつつ速度を殺すと言いですよ」
■八坂 良彦 > 「いやぁ、そうなのか…漫画か何かで、見たイメージ使ってたからなぁ。こういう点でも教えて貰えると勉強になるよ」
普段飛行はある程度高い場所に飛び上がる等が多く、継続はそれほどしていないかったし。
降りる時も似た感じか、ある程度なら風の足場を利用するような、タイプなので。
鳥型の持つ利手が全く浮かんでいなかった様子。
「ふむ…こっちの世界の事はおいといて、やっぱ知識とかならかなわない気がするんだけど、俺」
こうかなと、近づいてくる本部に向かって、ゆっくりと降りていく。
普段なら、力任せに飛んできて、数段飛ばしの階段降りの様におりていたのだが。
■フィーナ > 「鳥は空を飛ぶ先輩ですからね。彼らから学ぶ事もたくさんあります」
現代においても飛行機という形で彼らは真似られている。生き物を参考にして作られたものは非常に多いのだ。
「興味は知識を育てる最高のスパイスですよ。貴方も色々興味を持つと良いです。そうそう、そうやって前からくる風を下に押し付けて」
降りるときも、アドバイス。最悪補助はするが、それは最悪の場合だけ。この分なら大丈夫そう。
■八坂 良彦 > 「たしかにそりゃそうだわな…この世界では、武術にも動物の動き取り入れたのあるしなぁ」
鳥自体も風の力を借りているのだと、言われれば気づく。
興味がある事には頭が働くタイプといえば聞こえはいいが、やはり脳筋的なのは否めず。
「あぁ、それは似た事を先生に言われた事あるな。ん、こんなかんじ、かな」
そうしてアドバイスに従ってゆっくりと着地し、結界を最低限の物へと変化させ直す。
「はぁ、おつかれさまフィーナ…魔力とか大丈夫か?」
たしか、魔法で体を動かしていると聞いた覚えがあったので、一応支えたまま問いかけて。
■フィーナ > 「魔力は大丈夫ですが…如何せん熱量を使いすぎましたね。ご飯食べたいです」
魔力に関しては『予備』があるから大丈夫だが、それはそれとして出した魔力を取り戻すにはカロリーが要る。
出した分は取り入れなければならない。
「新鮮な野菜とか果物があれば最良なんですが」
■八坂 良彦 > 「さすがに、野菜と果物は、もってないな…んと」
リュックサックの中から、匂い移りしない様にか、何重かラップに巻かれた、マフィンを数個取り出し。
「これくらいなら、何かあった時ように持ってるけど、とりあえず食べる?」
あと、食事は今頼むからと、マフィンを差し出して、携帯端末を何やら操作してみせる。
「俺も手当てもだけど、腹も減ったし…そこら辺含めて頼んだよ」
■フィーナ > 「あぁ、ではありがたく。」
差し出されたマフィンを受け取り、もそもそと食べ始める。
「便利ですねぇ、それ。私それ使えないんですよ。どうしても魔力が干渉しちゃって」
羨ましそうに携帯端末を眺めている。
フィーナの魔力は相当量であり、魔術に関しても突出している。
しかし他のエネルギーを使用しているものに触れるとその流れに干渉してしまい、精密機器を壊した数は両手では足りなくなってしまっている。
■八坂 良彦 > マフィンを食べる様子を見て、微笑みながら、
「それはそれで不便だな、魔力がある人が使えるそうういうのないのかね」
携帯端末は風紀委員の方で支給された物を使っているのだが。
魔力干渉で使えないという話は聞いたことがなく。
「機会じゃなくて、そう言う魔法とか、道具とかもないのかな」
連絡ように最低限そういう物はいるんじゃないかな、と首をひねる。
■フィーナ > 「知り合いで携帯端末の機能を盛り込んだ魔術の研究をしてる方がいるんですが、なかなか難航してるようでして。」
もそもそとマフィンを食べながら、話す。
こうしている間にも身体操作や生命維持に魔力を使っており…それが精密機器等に干渉してしまうのだ。
結果、ショートを起こしたりなんやかんやで壊れてしまうのだ。
「連絡する魔術はあるにはあるんですけど、相手にも習得してもらわないといけないので、なかなか汎用性が、ねぇ。そもそも通信範囲も狭いですし」
魔力で通信する以上、魔力の届く範囲でしか通信できない。
携帯機器のように中継地点があるわけではないのだ。
「さて、ご飯が来るまで、私は一休みすることにします。では」
マフィンを食べ終わり、仮眠室へと向かう。戦闘の疲れで脳が睡眠を求めており、今すぐにでも横になりたかった。
■八坂 良彦 > 「そうなのか、なんだかんだで、大変なんだな」
腰から水筒をとって、中の水をそのまま飲み込みながら。
「俺みたいに覚えれない相手もいるしな…まあ、何かしら連絡手段は…風紀の方でどうにかするのかな。
フィーナも普段の生活あるだろうし」
魔術もだめとなれば、何かしらの手段を用意するのは、今の段階で個人では無理そうだと。
「あいあい、まむ…と、俺も医務室いかないと」
応急処置自体はいたんだが、今はそれほど痛まないのだが、そこそこ重症だったのだから。
少女を見送って、こちらは医務室へと歩き始める……足取りは、微妙に重いのは、疲れからだろう。
ご案内:「『蟠桃会』拠点 地上部」からフィーナさんが去りました。
ご案内:「『蟠桃会』拠点 地上部」から八坂 良彦さんが去りました。