2020/09/11 のログ
ご案内:「フレイヤの部屋」に日下 葵さんが現れました。
ご案内:「フレイヤの部屋」にフレイヤさんが現れました。
日下 葵 > 「さて、今日はどんな風にしましょうか……」

数日前に来た時と同じ、
自分が住んでいる寮とは全く雰囲気の違うマンション。
その最上階。

前に来た時は様子を見に来ただけだったが、
今日はその手に大きめのカバンがあった。

さすがに何度も足を運べば慣れるモノだが、
この、扉のベルを鳴らす瞬間だけは一度気持ちを落ち着かせるために、
深く呼吸をしたくなる。

意を決して、ベルを人差し指で押し込んだ>

フレイヤ >  
ベルが鳴る。
椅子から立ち上がり、ぱたぱたと小走りで玄関へ。
扉の前で胸に手を当て一度深呼吸し、ガチャリと扉を開ける。

「――マモル、いらっしゃい」

目の前にはご主人さまの姿。
その手に持つカバンへ一度視線を向ければ、無意識に喉が鳴った。
一歩引いて彼女を部屋へ招き入れようか。

日下 葵 > 「すみません、
 何を持っていこうか迷っていたら少し遅刻してしまいました」

ドアの向こうから聞こえるせわしない足音を聞くと、
それが雇っているメイドではなく、家主であると察する。
そして開いたドアの向こうにいる小さな家主を視界に捉えると、
こちらも自然と笑みが浮かんだ。

まるでデートに着ていく服に迷っていたかのような口ぶりだが、
迷っていたのは服装ではない。
迷っていたのは今日使うつもりの”玩具”だった。

「では、お言葉に甘えて。お邪魔します」

どうぞ、と言わんばかりに一歩引く彼女を見れば、カバンとともに部屋へ。
スニーカーを脱いで簡単に並べれば、
フレイヤに案内されるがまま奥へ進んでいこう>

フレイヤ >  
本来は数部屋ある高級マンションの最上階。
そのうちの三部屋ほどを丸々改築して一部屋にして自宅にしている。
その無駄に広い――自身は狭いと思っているが――部屋をてくてく歩き、寝室へ。
彼女が入れば重い防音扉を閉め、しっかりと鍵を掛ける。
これでこちらから呼ばなければ誰も入ってこれない。

「マモル! 今日はどんなことをするの?」

好奇心を抑えきれない、と言った様子で彼女に抱き着き、満面の笑みで見上げる。

日下 葵 > 「相変わらず、わけのわからない部屋に住んでますねえ……」

高級マンションの最上階、というだけでも相当だが、
そこを改築して、ご丁寧にライブハウスやスタジオで見るような防音扉ときた。
わけのわからない、とは言ったものの、都合がいいのもまた事実で、
この部屋のおかげで私も遠慮なくフレイヤを”可愛がる”ことができる。

「そうですね、いろいろ考えはしたんですが本当に迷いまして」

そう言って、抱き着いてくるフレイヤのさらさらの髪をなでると、
手に持っていたカバン――というかボストンバッグを床に置いた。
お泊りや合宿の着替えでも入ってそうなサイズだが、床に置くと

ゴトン

と重い音がする。およそ服が入っているような音ではない。
ファスナーを引いて開けると、そこには木材を削るのに使う鑿やアイスピック、
鋸や万力、とおよそ持ち歩いているだけで捕まりそうなものばかりが入っていた。
一部の道具はフレイヤにとっても既に”なじみ”のあるものもあるだろう

「今日は私も一緒に楽しもうかなぁなんて思ってですね」

道具を一通り出せば、ベッドに腰かける。
ポンポンと膝を叩けば、おいで、と視線を送って、フレイヤを呼ぼうか>

フレイヤ >  
「だって一部屋じゃ狭いんだもの。これでもまだ狭いわ」

何しろ物が多い。
いちいち欧米サイズなのでとにかく場所を取るのだ。
メイドが寝泊まりする部屋も必要だし、キッチンなんて一部屋分のリビングが全てキッチンになっている。
彼女が重い音を立てて下ろしたカバン。
その中から出てくる人を拷問するとしか思えない道具。
――思えない、ではない。
まさに、拷問用の道具だ。

「ふふ。今日もたくさん可愛がってね、ご主人さま」

にこにこ笑顔で彼女が座ったベッドにこちらも座る。
彼女の隣、身体を密着させて、猫のように顔を摺り寄せる。

日下 葵 > 猫の様にすり寄ってくるフレイヤを見て、すこし安堵した。
前回来た時はスラムでの体験に恐怖していたから。
いつもの調子に戻ってくれてよかったと内心胸をなでおろす。

「待ちきれないようですし、さっそく始めましょうかね。
 今日はこれを使ってみたいんですよ」

手に取ったのは皮でできた黒い目隠しだった。
寝るときに使うような柔らかい素材ではない。
電気椅子で囚人の頭を固定するときに使うような、厚くて硬い目隠しだ。

「今まではただ痛みを与えるだけでしたからねえ。
 今回は少し趣向を変えてみましょう」

そう言って、少女に取り付けるにはやや大きい目隠しをフレイヤに巻いていく。
頭を振った程度では外れないように、後頭部の辺りで紐の長さを調節すると、
彼女の視界を完全に奪ってしまうだろう。

「じゃあフレイヤ、音に集中してくださいね?」

一度フレイヤを抱きしめて、わざと息がかかるように耳元でささやく。
そしてさっきフレイヤにも見せながら並べた道具の一つを、
わざと音が鳴るようカラカラと鳴らして、手に取った。

手に取ったのはなんてことはないハサミ。
しゃく、しゃくと音を立てながら、彼女の耳元でハサミの開閉を繰り返す>

フレイヤ >  
「……?」

彼女が取り出したのは黒い布――いや、皮か。
何だろうかと首を傾げるも、目を覆われて理解した。
目隠しだ。
何も見えない。
真っ暗闇の向こうからご主人さまの声が聞こえる。

「マ、マモル、こ、これ、こわいわ」

その声は震えている。
恐怖からではない。
それも無くはないが、どちらかと言えば期待の割合が多い。
『いつものように』腕を背中に回し、そこでぎゅっと右手と左手を繋ぐ。
拘束こそされていないが、抵抗しないと言う意思表示。

「な、なに、何使うの――?」

震える声。
音の方へ顔を向けようとするが、それがどちらかわからない。
歯をカチカチと鳴らしながらも逃げる様子は見せない。
逃げるわけがない。

日下 葵 > 「…………」

音に集中してくださいね?
そう囁いてからは、一言もしゃべらない。
しゃべらないどころか、不自然なまでに音を立てなかった。
足音はもちろん、呼吸する音や服がこすれる音に至るまで完全に。

ただ、ハサミの持つ二枚の金属の刃が擦れる音だけが部屋に響く。
徐々にフレイヤに近づいていけば、ハサミの刃を開いて、音が止まる。


「………」


しばらくの無音。
健気に腕を背後に回しておびえるフレイヤを見ると、
表現し難いほどの背徳感を覚えた。
今まで仕事や個人的な趣味で手をかけてきた人間とは違う。
望んでここにいる彼女。
その小さな体躯を震わせておびえる彼女の左耳、
耳輪と呼ばれる耳の輪郭部分を、力任せにハサミの刃で挟み込んだ>

フレイヤ >  
「マ、マモル……?」

返事がない。
それどころかシャキンシャキンとハサミを動かす音しかしない。
ハサミの音を頼りに、彼女がいるであろう方へ顔を向けるも当然目隠しのせいで何も見えない。

「マモ、マモル、どこ、いるの?」

やがてハサミの音も消える。
一切の無音。
カチカチと言う自分の歯の音しか聞こえない。
余りに無音なのでもう一度彼女の名前を呼ぼうと口を開いた瞬間、

フレイヤ >  
「――ッ、ィ、あぁぁああああああぁああああ!!」

フレイヤ >  
シャキン、と言う耳のすぐそばでの音の直後、耳に激痛。
思わず叫んで逃げるようにベッドに転がる。
痛い。
痛い。
今までとは違い、視界がゼロでは覚悟することも出来ない。
異能のおかげで怪我こそしないが、何もわからない状態でそれ以上の痛みに襲われては逃げるしかなかった。

「ぁ、あぁああああ!! いたい!! いたいぃ!! マモ、マモル!! どこ、やだ、やだぁ!!」

片手で耳を抑えてベッドの上を転げまわる。
空いた方の腕をあちらこちらに振り回し、彼女を探して叫び続ける。

日下 葵 > 「人間の耳――もとい軟骨って思いのほか硬いんですよね。
 いまだにハサミで落とすのは無理ですねえ」

不意打ちの痛みは実際の痛みを数割増し、
下手をすれば数倍にも膨らませてくれる。
情報が入ってこない状態というのはそれほどまでに恐怖できる。

自身の左耳を押さえて、
どこにいるかもわからない主人を探す様はなんとも弱々しくて、
どうしようもないくらい感情を昂らせてくれる。
  ――本当にいいペットだ。

ハサミを置いて、次の道具を選ぼう。
手に取ったのはアイスピックだった。
アイスピックを右手に、まだご主人様を探して右往左往しているフレイヤの元へ。

「ちゃんといますよ。ほら、ここにいますから」

振り回される腕を優しくつかめば、彼女の手を優しく握る。
自分の手を下にすれば、手のひらの上に一回り小さい彼女の手のひらを重ねる。
真っ白で、柔らかいフレイヤの手。
安心させるようにしっかりと握ると

その真っ白な手の甲にアイスピックを力いっぱい突き立てた。
一緒に添えていた自分の手と一緒に、細い金属の棒が貫く>

フレイヤ >  
振り回す手を誰かが掴んだ。
そして聞こえる優しい声。

「あ、あぁ、ああぁあ……」

ご主人さまの手。
その手へ縋り付くように両手で握りしめ、自身の身体を引き寄せようとした瞬間、

フレイヤ >  
「い、ぎいいいいいいいいい!! ぁ、いいいああぁああぁぁあぁぁぁ!!!」

フレイヤ >  
その両手と彼女の手ごと何かが突き刺さった。
自身の両手と彼女の手、その三つ分の怪我を異能で痛みに変え、更に肩代わりしてしまった。
しかもずっと両手を縫い留めるように突き刺さっているのだ。
二倍の痛みが三か所分、都合六倍の激痛がずっと両手へ襲い掛かる。

「あ、ぎ、いいいいいいいいいいいいいい!!!! ああああ! あぁああぁあああ!!!!!」

バタバタと全身で暴れても逃れることはできない。
むしろ暴れれば暴れるだけ両手を貫通したそれはぐりぐりと両手を抉る。

「ひ、ひいい!! ぎいいああいいいいいい!!! あ! ああぁあ!! ああああああああああああああ!!!」

目隠しの下でボロボロと涙を流しながら、絶叫し続ける。
一緒に縫い留められた彼女の手を、力いっぱい握りしめながら。

日下 葵 > 「……なんで私の分まで肩代わりするんでしょう。
 ただしんどいだけでしょうに」

フレイヤの両手と、私の左手。
人間の手を三枚、貫いたアイスピックがお互いの両手を物理的につなぎとめる。

ただ貫通しただけで傷が開いていなければ出血はほとんどない。
しかしそれとは別に、彼女が能力を使って傷を痛みとして引き受けたおかげで、
血は一滴も流れてこない。
無論、このまま引き抜けばそれは新しい傷になるのだろうが、
そうなったらまたフレイヤは異能で肩代わりしそうだ。
だから引き抜くことはせず、貫通したまま一度放置する。

アイスピックの柄と、私の手に板挟みにされたせいで行き場を失ったフレイヤ。
手を動かせばアイスピックに肉を割かれる。
痛みに耐えるために、がたがたと震えながら私の手を目いっぱい握ってくる。

その顔は目元が見えないとは言え、痛みに耐えて歪んているのがわかった。
目隠しの隙間から涙が見えると、目隠しを一度外してやる。

「いつもよりもいい声で鳴いてくれましたね。
 大丈夫ですか?
 ほら、ちゃんとここにいるんですからそんなに泣かないで」

人の両手を貫いておきながら、
笑顔で語り掛けると空いた右手で彼女の涙をぬぐう。
無論、アイスピックはまだ刺したままで抜く気配はない>

フレイヤ >  
「ひ、ぃ――っ!」

痛みに泣き喚いていれば、外される目隠し。
痛みと恐怖に塗りつぶされた顔。
彼女から与えられる痛みだとわかるから良かったのだ。
視界が塞がれて、何をされているのかわからない痛みなんて怖いだけ。

「ぁ、ひぁ、やだ、マモル、っぎ、これ、やだよぉ、んぎ、ぃぃい……!」

ボロボロと涙を零しながら懇願する。
目隠しはいやだ。
スラムでの恐怖が蘇り、涙を拭おうとする彼女の腕から一瞬逃れそうになる。
しかしその拍子にアイスピックが肉を抉り、痛みに身体が固まった。

「っひ、ひぃっ、ひっぎ、えぐっ――」

呼吸が浅く早くなる。
恐怖と痛みと嗚咽でうまく呼吸が出来ない。

日下 葵 > 「――ッ」

何て表情をさせているんだろう。
一瞬、本当に一瞬、後悔とでもいうのだろうか、
そういう感情が湧いてしまった。

「フレイヤ、出会ったばかりのころのやり取りを覚えていますかね。

 私を……」

私を主人にしたことを後悔するくらい痛めつけてやる。
痛みやら、恐怖やらで浅く小刻みに息を吸う彼女に迫ると、
低く、冷たく言い放った。

「そう、思っていたんですが……」

それ以上の言葉が見つからなくて、黙ってしまった。
未だにむせび泣くフレイヤを見て、乱暴にアイスピックを引き抜く。
また痛みで肩代わりされてしまうかもしれないが、それならそれでいい。

ただ、両手を自由にしてやりたかった。
乱暴に引き抜いたアイスピックを放り投げて、
お互いの傷が治る前に、少し強めにフレイヤを抱きしめる。

「すみません、怖かったですね。
 怖かったですね……もう、やりませんから」

ようやく絞り出した言葉は、謝罪だった>

フレイヤ >  
「っ――!」

低く冷たい声。
いつかのスラムでの体験がフラッシュバックする。
ガチガチと震えが大きくなって。

「――っ、ぎ、ぃあっ」

手に刺さっていたもの――アイスピックが抜かれる。
当然のように二人分の怪我と痛みを全て肩代わりし、ビクンと身体が跳ねた。

「あ……」

そうして抱き締められる。
温かい。
震えが少しずつ収まっていく。

「……ごめ、ごめん、なさ、ごめんなさい……!」

失望させてしまった。
怖いと口にして幻滅させてしまった。
痛みには強いはずだったのに。
単純に本当の恐怖を知らなかっただけなのだが、彼女と出会った頃の自身はそんなもの知らなかった。
知ってしまったから、彼女にも感じてしまった。
ごめんなさいと何度も謝りながら、彼女に縋り付くように抱きしめる。

日下 葵 > 「謝らなくていいですから。
 ええ、謝らなくていいですから。

    ――――むしろ、謝らないで」

何度も謝るフレイヤの身体を目いっぱい抱きしめて、
その細い肩を優しく叩く。
おかしいな。昔ならお構いなしに続けていただろうに。
この間様子を見に来た時といい、
フレイヤ恐怖で涙している姿を見ると心が苦しくて判断が鈍る。

「続き……続きはやめましょうか。
 何ていうか、またフレイヤを怖がらせてしまいそうなので……」

そこまで言って、初めて怖がっているのは自分であると自覚した。
フレイヤを怖がらせてしまうのが――怖い。
痛みで生まれる怖さとは違う、
そんな感情にどうしたらいいのかわからなくたっていた>

フレイヤ >  
「――ちがう、ちがうの」

彼女から痛めつけられることが怖いわけではない。
むしろ、それは好きだ。
愛されている、と言う実感が得られるから。

「見えないのが、いやなの。見えないと、マモルにされてるって、わからないから」

目隠しは嫌だ。
何も見えない恐怖はいやだ。
ちゃんと彼女自身に愛されていると言う実感が欲しい。

「――だから、して? 続き……マモルが愛してくれてるところ、見せて」

きゅ、っと彼女を抱き締める腕に力を入れる。
あぁ、この人も怖がっているんだ。
だったら、

「それなら、私、全然、怖くないわ」

自分が彼女の恐怖を取り除いてあげたい。
彼女に抱き締められた自分が怖くなくなったように。

日下 葵 > 「いやぁ……ホント、情けないですね……
 もっとご主人さまっぽくふるまえるようにしないと」

続きをせがまれると、困ったように笑った。
本当に困ったものだ。今更こんな人間味のある感情なんか抱いてしまって。

「さっきも言いましたが、今日は私も楽しませてもらおうと思っていたんですよ。
 ここからは痛みの肩代わりは禁止ですよ?」

痛みの肩代わりは禁止。
私の痛みは私が受け取るということであり、
つまり私自身も痛みを感じるようなことをするということである。

また、並べられた道具の中から一つを選ぶ。
形はさっきのアイスピックと似ているが、大きさが決定的に違う。
ピック部分の長さが30cm弱もある。

「フレイヤ、膝の上に座ってもらえませんか?」

そう言って、自らの膝をポンポンと叩いて、
フレイヤが膝に座るのを少しの間待とうか>

フレイヤ >  
「ううん、それを言ったら私もペット失格だもの」

お互い様ね、とふふ、と笑った。

「ごめんなさい、癖になってて……」

視界を塞がれた恐怖でつい使ってしまった。
意識して効果範囲を自分だけに設定し直す。
――外から見て何が変わったという訳でもないが。

「、わかっ――わかり、ました」

彼女が取り出した新たな道具。
長い。
自分の二の腕ぐらいの長さは優にある凶器。
期待とちょっとの恐怖に震える腕をぎゅっともう一方の腕で抑えつつ、言われた通りに膝に座る。

日下 葵 > 「痛くないのは面白くないですからね」

私は痛めつけるのも好きだが痛めつけられるのも好きだ。
何なら痛みを共有したいとすらおもっている。
だから、私から痛みを奪わないで、と。

「ふふ、じゃあ、今日は”一緒に”楽しみましょうか」

膝の上に座ったフレイヤ。
いろいろな感情で震える腕を見て、背後から抱きしめるように一度落ち着かせる。
そしてその長いアイスピックのような凶器をフレイヤの太ももに当てると――
さっきフレイヤの手にしたように、一気に突き立てた。
長さのある凶器はフレイヤの太ももを貫通して、自分の太ももにも刺さる。

「えへへ、どうでしょうか。今は怖くないですか?」

ぐりぐりと押し込んで根元まで刺せば、
小柄なフレイヤの顔を後ろから覗く>