2022/03/30 のログ
ご案内:「◆『蟠桃会』拠点 地上部」にセレネさんが現れました。
セレネ > ドォン、と音が響いた。
空気が震える感覚、上がる黒煙を蒼に映し、逃げ惑う人々を尻目に現場へと向かう。

そこは、どれだけの爆薬を使って作ったのだろう。
或いは、異能の力なのだろうか。
地面が大きく抉れ、陥没し、巨大なクレーターとなっていた。
建物のものだろう瓦礫や、上がる炎は黒々とした炎を吐き出し、
散乱している人々の身体の一部や死体がそこかしこに落ちていた。

火薬の臭いや血の匂いが混じり思わず眉を顰める。
尤も、己自身からはローズの香りが漂っているみたいだが。
自身にはその香りは分かる事は無い。

『…爆破テロ?』

紡ぐ言葉は異国の言葉。使い慣れた言語。
周りに蒼を走らせれば、見覚えのある”それら”が視界に入る。

『――何故、此処に…?』

一画の殲滅はもう終わった筈だ。この目で確認した。
全て灰となり、蠢く存在は居ない事を知っている。

『もしかして、あの場所が原因ではない…?』

あれだけ情報、そして「種」の持ち出しを禁止していたのだ。
どこかから洩れたとは思い難い。
ならば、と。強くこの場所に興味が湧いた。
転げ落ちないよう気をつけながら、ゆっくりゆっくりとクレーターの中へと下りていく。

セレネ > 無事に底へと下り立てば、小さく息を吐く。
今宵は新月。残念ながら月光からの魔力の回復は望めそうにない。
だからと少しだけ、親友から譲り受けた真珠の飴玉を持ち込んできた。
瓶詰めされているものを一つずつラップに包んでいくつか持ち出している。
一つ、ポケットから取り出して包装を解き口の中に放り込んだ。

飴玉の中には製作主である小さな親友の魔力が込められた真珠の粉が練り込まれている。
魔力が不足している際、緩やかに魔力の回復をする為のアイテムだ。
口内で飴玉を転がしつつ、クレーター内を走る。
視える空気中の魔力はあまり多くはなさそう。
魔力は有限、魔術も適切に使わねばなるまい。

セレネ > 前方に見えたのは跋扈する実験体、地面は瓦礫の残骸誰とも分からぬ身体、或いは臓物の一部。
脚を取られないよう気をつけながら、炎属性の魔術矢を複数作成。

『”我が矢は必中、我が矢は狩る物――!”』

呟く言葉に宿る神気、放たれた矢は吸い込まれるように対象へと向かい、その者を焼き尽くす。
燃え尽きた灰を踏み、見えている地下であろう入口へと身体を潜り込ませた。

――内部で何があるかは、また別の機会のお話。

ご案内:「◆『蟠桃会』拠点 地上部」からセレネさんが去りました。