2022/03/31 のログ
ご案内:「◆:『蟠桃会』拠点 居住区画」にセレネさんが現れました。
ご案内:「◆:『蟠桃会』拠点 居住区画」からセレネさんが去りました。
ご案内:「◆『蟠桃会』拠点 居住区画」にセレネさんが現れました。
■セレネ > 地下区画へと侵入した後は、呼吸を落ち着かせてから歩き出した。
周囲は誰ともつかぬ血痕や争った形跡があり、どことなく生活感もある気がする。
…此処で人々は生活をしていたのだろうか。
『此処も地上と変わらないくらい酷いわね。』
相も変わらず酷い臭い。
転がっている死体を見ると地上よりマシな死に方をしているようだと感じた。
引き千切られたか、食い千切られたか、身体の一部が何処かに飛んで行っている死体。
銃弾を頭や心臓部で撃ち抜かれて死んでいるのもある。
…流れ弾にしては急所への銃創が的確だ。
『武装して入った部隊でも居たのかしら。』
しげしげと眺めつつ、緩く首を傾げる。
周囲を警戒しながら歩くと、程なくして蒼に入ったのは見慣れた花を咲かせた人影。
どうやらこの場所にも実験体がうろついている様子。
『…戦闘はなるべく避けたいのよね…。』
やむを得ない戦闘以外は、避けて通りたい道。
生存者か、人間の気配もするが助けている余裕はない。
どうせ此処から脱出出来ても地上にも実験体はうようよいるのだ。
自分の身を守るだけで精一杯。自身がこんな所でくたばっては意味がない。
■セレネ > カラコロ、飴玉は少しずつ小さくなっている。
それと同時に、じわじわと魔力も回復しているようだ。
それでもまだまだ少量だが。
片手に嵌めているペリドットの指輪に触れる。
…これは、本当に最終手段として取っておきたい。
贈ってくれた黄緑髪の彼曰く、この指輪はつけている間
ほんの僅かに魔力を吸って指輪内に溜め込み、
砕けばその時点で溜め込んでいた魔力を一気に装着主に返す代物なのだそうだ。
あくまでこれは保険の為に持って来た。使わないならそれが良い。
…それに、この指輪も気に入っているし砕くような事はしたくない。
『……?』
実験体が倒れている。正確に急所を絶たれており、切り口は非常に鋭利だ。
普通の刃物ならこうはなるまい。異能か、魔術か、それとも妖刀の類だろうか。
しかも倒れている実験体は一つではない。バタバタと、物陰から物陰へ移る際障害となる実験体が殺されている。
何者かが倒してくれているようだ。己としては有難い。
ご案内:「◆『蟠桃会』拠点 居住区画」にクロロさんが現れました。
■クロロ >
死臭とも言い換えればいいんだろうか。
とてもではないが、学園の表側では出ないような億劫にもなるような生臭さ。
まぁ、生憎当の人物は嗅覚があるわけではないからその独特の生臭さは理解できない。
だが、裏の世界の住人と言えど眉を顰めるような事態ではあった。
日常茶飯事とまでは言わずとも
"よくあること"と言えばそれまでだ。
シマの規律や秩序が乱れない限り、自分たちの出る幕ではない。
そう、しいて言えば個人的興味だ。
それに足音はないが、根の深く暗がりに降り立った月の女神。
血潮に塗れた泥土めいた重苦しい空気を突如照らすは明るい炎。
不釣り合いな温かみをもたらす光は、女神の横を通り過ぎる紅蓮の炎だ。
それは空気を漂うクラゲのようで、やがて目の前で集約すれば
まさに今考えていた黄緑髪の彼になるわけだ。
「……お前は相変わらずこンな場所に顔出してンのか?」
口元への字、早々に呆れ顔だ。
■セレネ > 『――っ!』
ふわり、横を通り過ぎた光。
熱と共、見知った魔力の色に蒼を見開く。
――今回もどうやらバレてしまったようだ。
「……ぅ、その…だって、大きな爆発音が聞こえたなら気になるじゃないですか。」
炎が己の目の前で止まり人の形になる。
そうして問われた声色も、呆れるような顔も、黄緑色の髪も金の目も。
全部よく知った彼のもの。
まさか考えている最中本当に現れると思っていなかった。
「…貴方が此処に来ると思っていなかった。」
危険なのは百も承知。だけれど、好奇心は殺せなかった。
揺れる蒼を俯かせれば、キャスケットに隠れて見えなくなるだろう。
漂うローズの香りは血の匂いと混じり異質だ。
答える声は困惑と、怒られるかもしれない不安で弱々しい。
■クロロ >
打って変わってずいぶんと弱々しい雰囲気。
への字に眉間の皴だってそりゃ深くなる。
「"気になるじゃないですか"、じゃねェよ。
あのなァ、好奇心にも限度があンだろうが」
確かにこの有様だ。
何が起きたかなんて気になる気持ちはわかる。
わかるのだが、ここは落第街。普通の人間なら知りえない情報だ。
そういえば前もわざわざ変装してまで落第街にいたっけか。
ここまでくると"好奇心"というよりもなんというか
命知らずとでも言いたくなる。
「オレ様がァ?……フン、あン時よりも随分としおらしいじゃねェか。
今日はお姫様の気分ッてか?悪いな、今日は抱いてやれねェよ」
とはいえ、魔術師とは好奇心の生き物。
それを深く咎めようとはしない。
それよりもとりあえずからかってやって両手を軽く上げる。
お手上げのポーズ。軽く炎も噴き出るトーチマン様式。
……さて、とりあえず周囲をちらりと見渡す黄金の双眸。
煌々と輝く金色に映るのは何とも得も知れぬ雰囲気だ。
どうやらここにいた連中は、想像以上に"ヤバい事"をしていたようだ。
何が起きたかは想像するに容易いが、それよりも……。
ビリビリとした"気配"がある。
「……反省会は後だ。少しは気ィ引き締めろ」
■セレネ > 「……。」
彼にも話してないが、”暴動”の件で数度足を運んだ己には
見知った実験体が跋扈している時点で興味の対象だった。
だがそれを口に出すわけにもいかないので口を噤んで黙り込む。
彼の考える命知らず。片脚くらいは突っ込んでるかもしれない。
「あの時は…まぁ、顔隠してたので。即バレすると思ってなかったですけど。
……”人の身体”なら抱いてくれますか?」
半分冗談、半分本気。何せ魔力が足りないから。
しかし怒られる様子が見えないのなら内心安堵しつつ
両手を上げた彼の手から炎も噴き出た。
クス、と小さく笑みを浮かべる。
「蠢いている実験体…身体に花が咲いているのは、炎が有効みたいです。
貴方の得意分野でしょう?対処はお願いできますか。」
気を引き締めろとの言葉に、知っているかは分からないが一応の弱点を告げておく。
■クロロ >
「……あのなァ……」
一瞬何のことだ、と思ったが理解した瞬間また顔を顰めた。
もしかしたらこういう感じが彼女本来の性格なのかもしれない。
とりあえず敢えて答えはしない。羞恥心云々かはさておき。
蠢く無数の気配。
実験体、というのはよく知らない。
彼等の末路を考えると同じ"モルモット"として同情はする。
だが、それはそれ。炎に集れば灯蛾は燃え尽きてしかるべき。
ヘッ、と鼻で笑い飛ばせばニヤリと口角を吊り上げる。
「誰に向かッて言ッてンだ?オレ様にとッちゃこのぐれェ────」
勢いついた矢先、轟音がそれをかき消した。
周辺の気配と暗闇を薙ぎ払い、更に根の底から飛び出した"巨影"。
樹木のようにしなる蛇のような巨躯。
絡みつく木々の隙間からは爛れて腐った肉片の数々。
鼻が歪むような悪臭を漂わせるそれは
一重に言えば、爛れた霊樹と呼ぶに相応しい化け物だった。
「……花所か蕾も見えンが???」
これは予想外。
藪を突いたら玉手箱以上のビッグスケール。
流石のクロロも圧巻と目を丸くするも、その暇はなさそうだ。
頭部と思わしき部分が、生々しい音を立てて咢を開く。
「────気合入れなおせよ、セレネ!」
右腕振るえば正面を遮る炎の壁。
瞬間、霊樹から放たれたのは朱い朱い花粉の吐息。
二人にたどり着くことはないが、その花粉は触れた周囲に悪臭を以て"腐敗"させている。
「何したらこンなン出てくンだよ……!」