2019/09/08 のログ
東雲 七生 > 「離れるのは、それは、それで……」

見えちゃうから、と首を振る。
しかし現状、見るよりも鮮明に深雪の身体を感じているのだが。

「……深雪ってさ、もっとひんやりしてた気がしたんだけど。」

結局離れることは無く、現状維持をしたまま話を続ける。
何か話していないとどうなるか分からないから。
見た目では判らないけれど七生ももう19歳になろうかと言う年頃である。
以前は自覚の無かった性的な欲求にも、それなりに自覚を持っていた。

深雪 > 「……そう、仕方ないわね。」

見えちゃう。という理由には思わず笑ってしまいそうになったが、
深雪自身も離れたいとは思っていなかったから追求はしなかった。
ただ、七生に体温のことを指摘されれば……

「……………そう?」

……明らかに、答えを躊躇っていた。
七生が体温に意識を向けているのなら、また少し、熱くなるのを感じるかもしれない。
体温をそれと気付かれずに自由に操るほど、器用な芸当は出来ないらしい。

「…………………。」

東雲 七生 > 「うん、普段はもっとひんやりしてるというか……」

あ、またちょっと暖かくなった。とクスッと笑う。
海の中とはいえ、日差しに当たってるからだろうか、なんて考えながら七生は深雪の肩にそっと顎を乗せる。

「もうちょっと深いとこ行く?」

このまま動いたらもっとお互いの肌を感じることになるかもしれないけれど。
それでも熱射病になるよりはマシかな、と七生は提案してみるのだった。

深雪 > 「………そう、…そうかも知れないわね。」

七生に笑われて、肩に七生の体温を感じて…深雪は本当に、七生の為すがまま、全てを受け入れていた。
けれど当の本人はまるで見当違いのことを言っている。
どうして深い場所に行こうとするのか、深雪には分からなかった。

「深いとこ……って、七生…何言ってるの?」

深雪はそう問い返すが、きっと、連れて行くのなら抵抗はしないだろう。

東雲 七生 > 「肩くらいまで水に浸かったら少しは冷えるかなって。」

それに、万が一離れなきゃいけなくなった時に見えてしまう様な事も防げるだろう、と自信満々で答える。
更についでに流されてしまった水着も見つかるかもしれない。
そんな風に言う七生の背後、波打ち際に深雪の水着は漂着しているのだが。

「……ええと、それともここに居る方が良い?
 日焼けしちゃわない?折角深雪の肌白くて綺麗なのに。」

深雪 > 「……ここでいいわ。日焼けなんてしないから。」

深雪はそう言い切った。太陽光くらいでどうこうなるような身体ではないらしい。
けれどそれが理由ではなかった。

「……ねぇ、七生…見たいなら、見てもいいのよ。
七生に綺麗って言ってもらうの、いい気分だもの。」

肌が白くて綺麗。その言葉だけでも、嬉しいと感じている自分が居た。

東雲 七生 > 「……ま、またっ、そういう事言う……っ!」

見ても良い、と言われたところで、それならお言葉に甘えて、となる訳がない。
例によって真っ赤になりながら、七生は何か言おうと口を開いて、
何度かパクパクと口を動かした後、結局何も言わずに再び深雪の肩に顎を乗せる。

「……その、えっと、勃っちゃうから、……だめ。」

か細い、潮騒にかき消されそうな声で深雪の耳元で囁く。
姉の様に、あるいは母の様に慕ってる深雪に対しても、七生の男の子としての機能は確りと働いてしまうのだ。
こうしている今だって、気取られない様にどうにか下半身に集まる血を逸らしているのだから。

深雪 > 深雪は七生とは異なり、そういった経験が皆無という訳ではない。
遥か昔の、忘れ去ってしまいたいような出会いと別れに始まって……その怒りと飢えを不幸な“玩具”にぶつけてを使い潰したこともある。
自分に自信がありそうな男を選んで、好き放題に遊び、嬲り殺しにしてやっても、虚しいだけだった。

「……どうして駄目なの?」

その時は、こんな気持ちにならなかった。
耳元で囁く声が愛おしいと、自分に抱いてくれる感情が嬉しいと…。

東雲 七生 > 「どうしてって……!」

それは───どうしてだろう。
理由を告げようと口を開いた七生は、再び何も言わずに口を閉ざした。
有体に言ってしまえば、恥ずかしいから、なのだが、ならばどうして恥ずかしいのか、となると理由が見つからない。
そもそも生理現象なのだから、衆目に晒すわけでもないなら恥ずかしがる道理は無いのだ。
一人の時はそんな気恥かしさなんて感じない。

「……え、えっと。深雪は、その……嫌じゃ、ない?
 その、俺が……そういう風に、なるのが、さ。」

理由が見つけられず、代わりに深雪へと問い返す。
自分が深雪に劣情を抱く事を、汚らわしく思わないのか、と。

深雪 > 深雪は七生の言葉をしっかりと聞いて、それから…くすっと笑った。

受け入れてもらえないとでも思ったのだろうか。
私のことを純潔な乙女だとでも思っているのだろうか。

「馬鹿ね……嫌だったら今頃氷漬けにしてるわよ。」

楽しげにそう答えた深雪だが、同時に、深雪は少しだけ不安になった。
自分の過去を全て知ったら、七生はどう思うのだろう、と。

「………………。」

そんな思いが、深雪の表情を翳らせる。

東雲 七生 > 「……そう。そっか。」

七生がそういう感情を抱いても構わないと思っている上で、
日頃から自分の肢体を七生の目に晒す行為に出られる深雪をそれはそれで凄いな、と場違いな感心をする七生である。
それだけ深雪は深雪自身に対して自信があったという事なのだろうけれど。

「………深雪のえっち。」

ぽつりと少しだけ非難するような声音で呟くと。
深雪の身体を抱く力を強める。感じる事の出来る深雪の感触は全て自分のモノだと言わんばかりに、強く。
出会ったばかりの非力な少年の面影はほぼ面立ちだけとなっているのが伝わるだろうか。

深雪 > もし、出会ってすぐの七生が劣情に駆られて深雪を襲うようなことがあれば、深雪は牙を剥いたかも知れない。やがて使い捨てる“玩具”として扱ったかもしれない。
そういう意味では、七生がずっとそれを抑え込んでいたのは、幸運だったと言えるだろう。

「………私、ずっと生きてきたのよ?
七生と違って、色んな経験をしてるわ……。」

強く抱きしめれば深雪の心音や体温がより強く感じられるだろう。
けれど声のトーンは、深雪らしくない、不安げなものだった。
七生が変わったことを知ったからこそ、その原因が自分だと自負しているからこそ。

七生に幻滅されることが、不安で仕方なかった。

東雲 七生 > 「うん……そうなんだろうね。
 伊達に一緒に暮らしてないよ、何となく分かる。」

不安そうな声に、少しだけ抱く力を緩める。
何を不安に思っているのかはおおよそ見当はつく。

「ごめんね、深雪。
 ……俺も化物だったら、深雪にそんな心配掛けなかったのにさ。」

互いの息が掛かるくらいの顔の距離で、少しだけ困った様に七生は笑った。
どれだけ強くなろうと鍛錬を重ねたところで、深雪が本来持つ悪性は七生には相容れないもので、身に着ける事はほぼ不可能だろう。

それでも、深雪の事を全て受け入れられるために強くなると決めて今日まで鍛えてきたのだ。
たとえ深雪がどんな悪逆非道を働いて来たとしても、それが“フェンリル”というものであり、同時に“深雪”という存在なのだろう。

「俺は今の深雪しか知らないし、フェンリルについても神話でしか知らないけど……。
 それでも、ええと……今の深雪が、俺は、好きだよ。」

少しだけはにかみながら、七生は深雪の目を見て、真っ直ぐに伝える。

深雪 > 「…………七生?」

その腕に力がこもれば、深雪はその名を小さく口にする。
そして、続けられた貴女の言葉に…深雪は目を見開いた。

俺も化物だったら。

そんなことを言われたことなんて、一度も無かった。
怪物の姿を見せようと見せまいと、それに気づいた相手は皆一様に恐れ、憎んだ。
人間の男たちは、人間としての深雪しか見てはくれなかった。

「………七生も怪物なら、2人で世界を壊しに行けるわね。」

冗談交じりにそんな風に呟いた深雪はもう、不安そうな顔をしていなかった。
自分を真っ直ぐに見つめて、思いを伝えてくれる七生を、同じように見つめ返し…

「………私も、そんな七生が…好きよ。」

…深雪は半ば強引に、七生の唇を奪おうと顔を近付ける。
触れるような口づけではなく、もっと深く、相手を求めるように。

東雲 七生 > 「あ、あはは……やっぱ恥ずかしいな。」

胸の鼓動が最高潮に達している事を悟られまいと七生は笑う。
一方で深雪はまだ冗談まで言える余裕があった。やっぱりまだ及ばないか、と少しだけ悔しく思う七生だったが、

「わっ、深雪……ちょ、んむ……」

深雪が唇を奪いに来れば、驚きこそすれど抵抗することは無く。
口内に入り込んでくる柔らかな舌に自らの舌を絡ませる。
深雪の後頭部へと手を回して、優しく撫でながら彼女の気が済むまで唇を重ね続ける。

深雪 > 深雪は決して七生を“玩具”にはしなかった。
強引ではあるが乱暴ではなく、七生が舌を絡ませてくれば少しでもそれを感じようと舌を動かした。
やがて、深雪は静かに唇を離す。僅かに糸を引いたのを見て、クスリと笑いつつ…

「……………ふふふ、優しいのね。」

…撫でてくれる七生の手に気付き、深雪は心地よさそうに微笑んだ。
ほんの僅かではあるが、頬を紅色にそめた深雪が、七生を真っ直ぐに見つめる。

東雲 七生 > 「はっ、はぁ……はぁ……深雪、長いよ……」

深雪の唇が離れれば、紅潮しきった顔で少しだけ口を尖らせる。
ある程度覚悟はしていたものの、やはり深雪の方が欲が強いのは、と疑ってしまう七生だった。

「だって、深雪……好きでしょ。俺に頭撫でられるの。」

こちらへと微笑みかけてくる深雪へと、同じ様に笑いかけながら七生は答える。
何年一緒に居ると思ってるの、と少しだけ得意げに。

深雪 > 「あら、七生が舌を絡めて来たんじゃない。」

くすくすと楽しそうに笑って、深雪は七生を見つめている。
黄金色の瞳は出会った頃と何も変わらないのに、その視線は柔らかく、穏やかだった。

続けられた言葉には、どこか恥ずかしそうに…

「……好きよ、気持ちいいもの。」

…小さく、そうとだけ答えた。

東雲 七生 > 「それはっ……お互い様でしょ!」

事実だから否定はしない。でも自分だけの責任ではない。
そう主張して頬を膨らませる七生だったが、すぐに破顔する。

「そうでしょそうでしょ。
 他には?触られると気持ち良いとこ、ある?」

どこか恥ずかしそうな深雪の態度に気をよくしたのか、ニコニコと笑いながら訊ねる七生。
キスの分をどうにか取り返して優位に立ちたいらしい。

深雪 > 「ふふふ…そうかも知れないわね。」

いつもの深雪なら七生のせいにしてからかっただろう。
けれど今日は、自分の責任も否定しなかった。

「教えないわよ。……自分で試してみたら?」

けれども深雪はそう簡単に優位を譲る気はないようで、勝気な瞳で七生を見る。

東雲 七生 > 「むっ、むむむ……そういう事言うと……」

七生が試して良い、という事は何処に触れても良いという事。
均整のとれたプロポーションの深雪の身体のどこに触れても構わないと言う意味か、と七生は捉えるだろうか。
一糸まとわぬ女体に触れられる状況下で、七生がどう動くか。

「……こうだ、えいっ」

少し考える様に手を彷徨わせ、七生はまず深雪の脇腹を擽った。残念ながら七生は七生である。
わしゃわしゃ、と七生の指先が滑らかな深雪の肌の上を滑る。

深雪 > 「…やっ………!」

脇腹は流石に予想していなかった。
予想外の一撃を喰らった深雪は思わず小さな声を上げてしまって…

「…………もう!!」

深雪は七生のそんな部分を可愛らしいとは思ったが、声を上げてしまった恥ずかしさの方が先に来た。
腕を伸ばし、七生の身体を押し退けようとする。

東雲 七生 > 「おっ、意外な反応……!」

確かな手応えに小さくガッツポーズをする七生。
その間に押しのけられるも、深雪が照れ隠しの行動にまで及んだことに満足げに笑みを浮かべ、

「ふっふっふ、油断大敵だよ深雪……」

押し退けられて二、三歩下がるも、得意げに深雪を見れば。
今の今まで密着していた身体が、太陽に照らされて普段よりもいっそう白く見える肌が晒されていた。
水着を流されてからというもの何だかんだで深雪が隠していた胸へも自然と七生の視線は釘付けとなる。

深雪 > 「…くすぐったいと気持ちいいは別だと思わない?
あんまりふざけてると、海ごと凍らせるわよ。」

そんな風にややトーンを下げて宣言するも、七生の視線が胸へ向けられている事に気付けば…

「………そんなにジロジロ見られると、流石に恥ずかしいわ。」

…右腕でそれを隠した。

東雲 七生 > 凄みを利かせてくる深雪に我に返り、ごめんごめん、と謝りつつ。
しかし直後に恥ずかしそうに胸を隠す仕草を見れば、小さく息を飲んで。

「………め。」

小さく呟くと、ずい、と一歩近づいて。

「隠しちゃダメ。もっと見せて。
 ……深雪が恥ずかしがるとこ。すごく……興奮する。」

そう言って右腕を掴んで下ろさせようとするのだった。
少しばかり熱に浮かされたような瞳が深雪の胸へと注がれる。

深雪 > 「七生……?」

聞き取れなかった言葉に、深雪は首をかしげる。
けれど次の瞬間に腕を掴まれれば、驚いた表情で……その腕に抵抗しようとする。

「や…っ……!ちょっと、待って……!!」

もし足場がしっかりしていて、かつ身構えていれば抵抗できたかもしれない。
しかし、そのどちらも得られなかった深雪は…

「…………っ……。」

…腕を下ろされ、胸を七生の目の前に露出することになった。
紅色に染まっていた頬がより赤く染まる。

東雲 七生 > 「ふふ……待ーたない。」

右腕の自由を奪うと、すぐさま左腕も掴んで封じようとする。
ちらりと深雪の顔を窺う様に見上げる瞳は、熱っぽく艶めいた光を灯している。

「いつも深雪が恥ずかしくないタイミングで見せつけて来るんだから、たまには深雪が恥ずかしい時でも良いでしょ?
 それに、俺だってずっと見たかったもの。」

深雪の両手を塞いでしまえば、じっくりと、穴が開きそうな程つぶさに深雪の胸を見つめる。
次第に息が上がって来て、ふるる、と身震いするような動きもし始めた。

深雪 > 「………っ……。」

両腕を掴まれて、深雪の動きは完全に封じられた。
もちろん強引に抜けようとすれば不可能ではないだろうが…

「だからって強引すぎるわよ……!」

そう言いつつも、強引に振り払おうとはしなかった。
ずっと見たかった。という言葉には…小さく頷いて……

「…………………。」

……深雪は視線を逸らし、恥ずかしさを堪えた。
鼓動が自分でも驚くほど速く打って、体中が熱くなる。

東雲 七生 > 「ふふっ、何だろう、恥ずかしがってる深雪が可愛くてさ。
 なんかもっともっと恥ずかしがらせたくなる……どうすればいいかな。」

ときおり上目で深雪の様子を見ながら、ぽつぽつと呟いて考える。
僅かな間考えて、見られるだけで恥ずかしいのだから、触れたらもっと恥ずかしいのでは、という結論に至る。

「……んっ。」

両手は塞がってるから、口で。
深雪の腕を掴んだまま、七生は深雪の胸にそっと口付けた。

深雪 > 真っ白な肌は滑らかで、胸の膨らみは七生の唇を包み込むように柔らかい。
触れた瞬間に、深雪はピクリと身体を震わせて…

「……ぁ……………っ…」

…こそばゆいような、心地よいような、その感覚に声を漏らす。
深雪の腕から力が抜けて…紅色に染まった頬はそのままに、黄金色の瞳が七生を見る。

「………七生、後で、覚えておきなさいよ。」

…まるでそれは、七生を挑発するように。

東雲 七生 > 「……深雪こそ、忘れないでね。」

今後、家に帰ってから
もしからかい半分で地肌を晒す様な事をしてくるのであれば。
今と同じ様な反撃をするから、という宣言。

そんな事を言いながら、七生の唇は深雪の胸を啄んでいく。
点々とキスを落としながら、次第に頂へと、膨らみを登る様に動いていく。

「どう、深雪。気持ち良い?恥ずかしい?」

目元を細めながら、上目で深雪を見上げる。
ときおり荒くなった鼻息が深雪の柔肌を撫でていくだろう。

深雪 > これまでも七生が反撃に転ずることはあった。
けれどここまで追い詰めたのは初めてかもしれない。

「…………ぁ…っ…………っ……!!」

深雪は声を上げないようにしていたが、時折、七生の舌や唇が胸を撫でる瞬間には声を漏らしてしまっていた。
七生の意地悪な問いかけに、深雪は…

「………両方…。」

小さくそうとだけ答えてから、まっすぐに視線を向けて…

「……ねぇ、七生…そろそろ、砂浜に戻らない?」

東雲 七生 > 深雪の反応と返答に満足げに頷くといよいよ詰めだと言わんばかりに啄みを増やしていく。
しかし、その最中。

「え……浜に?
 うぅ……別に、良いけど。」

深雪の申し出に愛撫を一度止めて。
このままでも良いのに、と小さく呟いてからそっと深雪の腕を開放したのだった。

「じゃあ、もどろっか。」

まだ少しぽーっとした様子で深雪を見上げると、砂浜に向けて歩き出す。
その後、砂浜で深雪の反撃を食らう事になるとは夢にも思っていない──

深雪 > 「………ちょっと待って…。」

七生が歩きだしてすぐに、深雪は七生を呼び止めた。

「七生、ちから入らないから……ちょっと、手伝って。」

七生の肩を借りるようにして、深雪は砂浜まで歩いていくだろう。
けれどパラソルにたどり着くよりも早く、深雪は行動に出た。

「…………ちょっと、座ってくれるかしら?」

波打ち際で、深雪は七生にそんなお願いをする。

東雲 七生 > 「ああ、うん。そう、だね。」

力が入らなくなる様な事をしたのは紛れもない七生なので二つ返事で受け入れる。
深雪の進むペースに合わせながら、波打ち際まで辿りつくと、深雪の言葉に僅かに首を傾げて。

「うん?俺が座るの?ここで?
 ……えーっと、こう?」

言われた通りに砂浜へと腰を下ろした。

深雪 > 深雪は七生の隣に腰を下ろし、貴方の右手に左手を重ねた。
それだけでも、深雪の体温を感じることができるだろう。

「………………。」

何かを言おうとして、一度その言葉を飲み込む。
それから、深雪は少しだけ考えて…

「……七生は…恥ずかしがってる私じゃないと、興奮しない?」

東雲 七生 > 「ううん、そんなことないよ。」

現に今だって深雪の手が触れるだけで鼓動が早くなる。
何しろまだ深雪は一糸まとわぬ姿だから、目のやり場にも困る。
そんな風に思いつつも、ゆっくりと七生は首を横に振った。

「どんな深雪でも、興奮する……と思うよ、怒ってる時以外は。」

流石に怒ってる時は身の危険を感じる方が先だ、と。

深雪 > 「そう、良かったわ……。」

深雪は少しだけ安心したように微笑んでから、四つん這いになって七生の正面から…覆いかぶさるように身体を寄せる。

「……今度は私の番。」

七生の首筋に口づけを落として、深雪はそのまま身体を押し付け、押し倒そうとする。
柔らかな深雪の胸が七生の胸に当たり…深雪はそのまま、体重をかけた。

東雲 七生 > 「え、良かったって何が──」

どういうことか問い質そうとするよりも早く、深雪に押し倒されていた。
並で湿り冷たい砂が背中に、そして正面には柔らかな深雪の身体が再び寄せられる。

「深雪の番って……な、何するつもりなのさ!」

ていうか終わらせたつもりないんだけど、と抗議の声を上げるも、深雪が聞き入れそうにも無いのも解っていて。

深雪 > 押し倒した七生に、深雪はそのまま圧し掛かった。
普段の深雪ならそのまま七生を弄び、からかって遊ぶのだろう。
と言っても体重が重いわけではないので、七生がその気になれば上下を入れ替えることもできるのだが。

しかし今日は、どうも様子が違う。

「…………七生はもう、満足したの?」

終わらせたいつもり、という声に、深雪は少しだけ寂しげにそう呟く。
軽い口づけを落としてから、深雪は七生の身体に寄り添うように身を寄せる。

東雲 七生 > 「んっ……くすぐったいな、これ。」

口付けに小さく身を震わせる。
そしてぴったりと添えられた深雪の身体の、その柔らかさを否が応でも意識し始めて。

「そんな、満足したわけじゃないけど──」

むしろまだまだ序の口だったわけで。
長年抑えていた物が、七生の中で渦巻いているのだから。
じっ、と深雪を見つめると、七生は熱っぽい息を吐いた──

深雪 > 七生の言葉に、深雪は笑みを浮かべて…耳元に顔を寄せる。

「……私もよ。」

そして囁くように、そうとだけ告げた……。

ご案内:「異邦人街:海水浴場」から深雪さんが去りました。
ご案内:「異邦人街:海水浴場」から東雲 七生さんが去りました。