2020/11/02 のログ
ご案内:「歓楽街 高級風俗店」に神宮司蒼太朗(NPC)さんが現れました。
神宮司蒼太朗(NPC) >  
「……いやぁ、今日も良かったよお。相変わらず、ミサキちゃんは可愛いねえ」

フンフン、と鼻歌を歌いながらベッドの上で寝転がる女に声をかけた。
甘い声で此方に応える女にだらしのない笑みとだらしのない腹を揺らしながら、よいしょとタオルを下半身に巻き付ける。

「鉄道委員会の斎藤君、だっけぇ?まあ、人の性癖に首を突っ込むつもりはないけど、中々愉快なプレイを楽しんでるみたいじゃん。
ミサキちゃんも大変だねえ。まあ、仕事だから仕方ないとは思うけどぉ」

ぼすんとベッドに腰掛けて、サイドテーブルのグラスに注がれたお冷をごくごくと。
女から聞いた話を改めて反芻しながら、上機嫌にげっぷ。

「さて、と。そろそろお会計かなあ。外に部下も待たせてるから、手早く頼むよお」

ご案内:「歓楽街 高級風俗店」に黒いフードの人物さんが現れました。
黒いフードの人物 >  
「そうですね、では手早く済ませましょう?」


男の真後ろから聞こえる、男とも女とも取れない奇妙な声。
おそらくは魔術で変性されたその声の持ち主は、男の首根っこを片手で掴んでは、壁へ激しい物音を立て、恐るべき膂力によって叩きつけた。
手に持っていたグラスは床に落ちて砕け散り、水はボタボタを床に滴り落ちる。
部屋の壁にめり込むほどに強く叩き疲れた男は、どんなに贅肉が付くとも体内の損傷は免れないダメージを受けたことだろう。

気が付くと、その部屋のまでは開いており、カーテンが風に揺れていた。


「初めまして、そしてさようなら。」

神宮司蒼太朗(NPC) >  
「ふ……ぶふぉっ――!?」

宙に浮いて、投げ飛ばされた。
体内の空気が全部抜けた気がする。ついでに贅肉も抜ければ良かったのに。
痛みは、最初は感じなかった。というか、驚きの方が強過ぎて脳の処理が追い付いていなかったというべきだろうか。

しかし、一瞬の後に痛覚が勇ましく仕事を始めれば。
悲鳴を上げる事も出来ず、蹲って呻くばかり。
さっきまでベッドに寝転がっていた女が、慌てて部屋を飛び出していくのが見えた。

「……が、ゴッホ…!がは…!なに、なに、が――!」

辛うじて嘔吐するのは避けて、空気と嗚咽を吐き出しながら、侵入者を睨み付ける。
襲われる覚えは――まあ、それなりにあるが。
流石に殺される様な事はしたことが無い筈だ。
そういう役割は、あの金髪の少年に押し付けていた筈なんだけど。

黒いフードの人物 >  
「なに、とは? あぁ、この状況が理解できていないと。
 なるほど? 愉快な方ですね、この期に及んで恐怖よりも疑問が生じるの?」


ギリギリと音をたてて、神宮司の首に指がめり込んでゆく。
血管も気官も押しつぶし、骨さえも砕きそうな膂力をもってして握りつぶすように。
それでも生かさず殺さずの領域を、まるで拷問を楽しむかのように彷徨わせている。


「そうですね、貴方はこれからこの世とさようならするんですよ?
 首と胴が別れるのが良い? それとも全身を粉々に砕かれるのがお好き?
 いずれにしても、貴方が邪魔な人が居るという事
 それぐらいは分かっているでしょう?
 どんなにヘイトを操ろうとも、貴方は所詮小悪党。
 それを見透かしている人間は、そう少なくはないのだから。」


口元だけがかすかに見えるフードの奥で、何者かはにやりと笑う。
その口元すらも、認識阻害の魔術によって異様に歪む。
ただ相手にわかるのは、その力は少なくとも常人のものではないという事だけだ。

ご案内:「歓楽街 高級風俗店」から神宮司蒼太朗(NPC)さんが去りました。
ご案内:「歓楽街 高級風俗店」に神代理央さんが現れました。
後藤()衛の風紀委員A) >  
刹那、壁を突き破る様にして現れる巨漢の風紀委員。
鋼の様な筋肉を、パワードスーツめいた装甲で覆った風紀委員は、神宮寺の首元を掴む黒いフードの人物に、勢い良く殴りかかった。

戦い慣れた者であれば。或いは、相手の能力を図る程の力を持つ者であれば、彼の拳が明確な死の気配を纏っている事に容易に気が付くだろう。
鍛え上げられた筋肉と、パワードスーツによる科学の補助。そして"何か"の能力を纏い、鈍く輝く拳が――振り下ろされた。

黒いフードの人物 >  
「思ったよりも早かったですね……。」


チッと舌打ちをして首元から緩やかに手を放す。
軽やかに身を翻しては拳を余裕をもって交わして退ける。
襲撃者の動きは、一見してもわかるほどに人間の可動限界を超えた動きをしている。
それこそ、機械や魔術で増幅しているか、さもなければ本当に人間でないのか。


「無粋なうえに、奇妙な力ももちあわせているんですね?
 でも、そう。 そうですね。
 所詮は中身は人間、おもちゃのようなもの。」


翻した身をそのまま護衛の男に寄り添わせると、容赦なく振り降ろされていたはずの男の腕をねじりあげようとする。
パワードスーツごと、ねじ切る様に。


「私を殺そうなんて、馬鹿な人。」

後藤 >  
「喧しい。黙って殴られて――」

振り上げた剛腕を、掴まれる。
其の侭此方の腕をねじ切らんとするばかりに、尋常ではない力が襲い掛かる。
しかし――その程度。人ならざると言わんばかりの怪力を持つ相手とは、数え切れぬ程、戦って来た。

「ふんぬっ!」

ねじ切ろうとした力に、逆らわない。
寧ろ、かけられた力に沿う様に腕を捻れば――後藤の腕は、綺麗に360度回転した。
パワードスーツは飴細工の様にねじ切られて、大地に落ちる。
しかし、そんなもの関係無い。
このパワードスーツは、私への補助機材であると同時に――拘束具でもあったのだから。

「せい、ヤァ!」

腕の回転は止まらない。寧ろ其の侭勢いを上げて、後藤の右腕はドリルの様に回転し始めて、彼女に襲い掛かる。

園田(護衛の風紀委員B) >  
その後藤の行動とほぼ同時に、後藤がぶち破った壁の穴から現れるもう一人の風紀委員。
やたらと背の高いその風紀委員は、のそのそと部屋に立ち入ると意識が混濁している神宮司を、ひょいと担ぎ上げた。

「…………応援…呼んだ……神宮司さんを…病院へ…」

ぼそぼそと、小さな声で後藤に声を投げかけて。
襲撃者には目もくれず、其の侭壁の穴から室外へと立ち去っていくだろうか。

黒いフードの人物 >  
「あはは、あはははっ! 面白いですね! 合気道?
 それとも古武術? いえ、どちらにしても力を凌駕しようとする技術、あぁ、なるほど所詮などと言ったのは謝罪いたしましょう!
 でも、そうですね。
 やはりその程度。」


身体から奇妙な熱が沸き上がる。
脳を煮えたぎらせるそれは、スイッチの入った証。
身体の限界を超える、本来生存の為に備わっている機能を一つ一つ排除していく。

刹那、バチンッっという音と共に護衛の目の前から襲撃者は消える。
否、消えたのではなく、彼の真後ろへ。
奇妙な音は、ローブが身に纏う速度に耐えきれずに鞭のようにしなった音か。

そのまま、背中に鋭い蹴りを見舞う。


「……まだもう一人……。」


目線だけは、もう一人が抱える神宮司に寄せられた。
 

後藤 >  
「おう?あいきどー?こぶじゅつ?何だそれは、難しい言葉を使うな。わからん。
俺は、俺の異能と肉体で敵を薙ぎ倒すのが仕事だからなァ!」

そう、後藤は特殊な格闘術など有してはいない。
彼の戦闘能力は、純粋な肉体能力と天賦のものとも呼べる異能によるもの。
放たれた鋭い蹴りを、背中で其の侭受け止める。
ダメージが入った様子は無い。
後藤の背中に叩きつけた足からは、その背中がまるで限界まで圧縮され、膨れ上がった肉袋を蹴り飛ばした様な異質な感覚を、感じる事が出来るだろうか。

「俺の異能、強い!とても強い!
だから、大人しく――ぶん殴られてろ!」

背中に回った襲撃者へ、其の侭勢い良く大地を蹴って。
文字通り、自らの背中を叩きつけるかの様に、後ろに、跳んだ。

園田 >  
「………後藤、五月蠅い。そんなんだから、彼女…出来ない……哀れ…」

無感情に、ぼそぼそと言葉を紡いでいれば、此方へ向けられた視線へと気が付いて。
目元に濃い隈を浮かべた、不健康そうな顔色の男は――ニヤリと微笑んだ。

「………御気になさらず…。このデブは…私の方で引き取りますので……。代わりの遊び相手…呼んでおきましたから…楽しんでください……」

そうして、陰気な笑みを浮かべた儘。
枯れ枝の様に細く、ひょろ長い身体で神宮司を重たそうに抱えた園田は、文字通りその場から"消え失せた"

黒いフードの人物 >  
「なるほど……そういう感じですか。」


反動で弾けるように後退、押しつぶされるようにそのまま向かってくる巨体に、そのまま身を任せる。
なるほど、魔術でもなく技術でもなく異能だったのならば、物理的な攻撃は意味をなさないのだろう。


「じゃぁ、こういうのはどうですか?」


背中から壁に叩きつけられ、文字通りに潰され、口から血液を吹き出すのを耐える。
そして、触れた背中から、相手の魔力を操作した。
内在する魔力を暴走させ、肉体を過剰に回復させる。
否、回復というよりは細胞の成長速度を過剰に底上げする。
そのままそれを許すのであれば、確実に肉体は膨張し、肉体は肉塊と化して破裂するだろうか。
例え離れたとしても、体内の魔力を偏らせたことによる嫌悪感と、肉体の不具合は免れ得ない。


「……ち、にがしましたか。」


目的であった風紀委員の姿が消えるのを見ると、不機嫌さを隠すことなく舌打ちした。

後藤 >  
「あん……?何だ、気持ち悪い事しやがるな。
身体がムズムズしやがる……なァッ!」

襲撃者の能力を、あっさりと受け入れる。
細胞の過剰暴走と、魔力の変調と偏り。
それは、常人では受け入れ難い嫌悪感と痛みを齎す――筈、だった。

「まあ良いけどよお!なんか知らんが、俺の異能と相性が良さそうだなお前!付き合ってやろうかァ!?」

しかし、後藤の異能とは――致命的に相性が悪かった。
後藤の異能は『肉体の質量を自由に操作する』というもの。
それは即ち、異能によって細胞の分裂速度を操作する能力。

強力ではあるが、言うなればそれだけのもの。
そんな異能が、後藤が、此の異能を周囲に天賦の才だと褒めそやされるのは、至って単純。
後藤は此の異能を、制限も限界も、デメリットすら無く行使出来るから。
そして、多少の怪我や精神攻撃をモノともしない程の、馬鹿――もとい、強靭な精神力を有しているから、であった。

「デカいのが好きか!なら、望み通りにしてやるよぉ!」

襲撃者の力によって膨張する肉体を、異能によって更に強靭に、巨大にしていく。
拘束具代わりのパワードスーツははじけ飛び、衣服はびりびりと破れ、天上を突き破り。
5mはあろうかという巨人めいた姿と化した後藤の姿が、其処にはあった。

「さて、とぉ……。それじゃ、さよならだな。ちんちくりん!」

そうして、襲撃者を踏み潰そうとその脚を上げようとして――

神代理央 >  
 
 
「……其処までです、後藤先輩。先輩の力は、余り目立って欲しくはありませんので」
 
 
 

神代理央 >  
巨人と化した後藤によって、突き崩された店の外壁。
其処から、良く通るアルトの声色。変声期を迎えたばかりと言った様な少年の声が、二人の耳を打つだろうか。

「後藤先輩は、神宮司先輩の護衛に戻って下さい。
以後の処理は――私が、引き受けます」

無数の異形を引き連れた金属の軍勢の主。
全ての砲身を、半分瓦礫の山と化した店に向けて、少年は朗々と告げる。

「さて、何処の誰かは知らぬが…風紀委員会に弓を引いたのだ。
そのツケは、しかと払って貰おうか、溝鼠?」

黒いフードの人物 >  
おそらくは踏みつけようとしたのであろう、巨大になったその護衛はとある人物の一言によって静止された。
たとえあの重量がのしかかってきたとしても何ら問題ではなかったが、確かに自体が大ごとになるのはお互いに避けたいところだ。
それとしても、既に瓦礫になってしまった店の言い訳はどうやってするのかは見ものではある。


「ふふ、ふふふ……あぁ、そう。 貴方が出てくるのね?
 神代理央。 まぁ、私としては何方でもいいけど。
 貴方でも、神宮司でも。
 まぁ、神宮司の方が簡単だった、と言うだけの話なのだけれど。」


そのほうが、目的の達成には近づける。
しかし其れは叶わず、逃げられた。
まぁしばらくは病院のベットの上から出られる体ではないだろう。


「……ツケ、ね。
 つけを払うのはどちらかな、神代理央。
 あなた、いろいろやりすぎ。」

クスクスと笑いながら、ゆっくりと少年の、『鉄火の支配者』の軍団を目の前に、臆せず歩いてゆく。
撃てるのならどうぞご自由に、そういう風に両手を広げながら襲撃者はにやにやと笑っている。