2021/11/17 のログ
ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』/マッサージルーム」に『調香師』さんが現れました。
ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』/マッサージルーム」にメアさんが現れました。
■『調香師』 > 人を誘う面持ちが、これほど緊張したのはいつぶりか
この暗闇に踏み込んだ時に、『これからするべき事』を思い出されれば、ほんの僅かに繋いだ手が力む
そうであっても、引き返すつもりは無かったようだ
彼女の手引きはベッドまで続く
■メア > 「へぇ、結構雰囲気あるのねぇ」
雰囲気と、部屋に残った残り香を感じながら、彼女の手をつないだままついていく。
ただ、少し気になるのは。
彼女の手が、強張っているように感じる点か。
■『調香師』 > 「香りをきちんと感じ取って欲しいからね
でも、雰囲気と言う意味ではこれからかな?」
表の香りも届かないこの場所で。アロマキャンドルは灯される
貴女の趣向を理解しているかのような、漂うローズ香
「マッサージ。最近気になる場所とかある?」
オイルを選ぶ彼女の手も、暗中であっても迷いはない
■メア > 「んー…そうねぇ。最近力仕事とかしてたから、腕とか脚とかが気になるかなー?」
ここは、前回と違う所。
つい昨日まで落第街で炊き出しを行っていた彼女。
現在も炊き出しは行われているが、今は抜け出してここに来ている。
「いい香りね」
ローズの香りを楽しみながら、はにかむ。
■『調香師』 > 「落第街で、ねぇ」
普段通りの筈のその笑みも、やっぱり神妙な面持ちになってしまう
実際にその目で惨状を確認したわけではないけれども、
起こってしまった事の重大さからは、目を逸らせない
「あなた、力仕事は向いていない筈だけどね
頑張っているって言うなら、そうなのかな」
憶測ではなく、把握しているスペックから語る
その最中も、背に垂らされるオイルの香りは、妙に貴女の趣味と合致する
■メア > 「あんな事があったからね―。絶望には希望を差し伸べてあげなきゃ、皆下を向いたままになっちゃうでしょう?
それに、向き不向きじゃなくて、やれることをやらないといけないからね」
事実、彼女の身体は傍から見ても肉体労働向けではない。
すらりとした手足は強固な筋肉があるようには見えず…実際は代替品であるが、力は普通の人よりも弱い。
「貴方、本当に目が良いのね。そこまで見抜くなんて」
■『調香師』 > 「それは、どうかな
あの町での『希望』が良い意味である事も少ない気がするけどね?
それに。私は、あそこがそんなに弱いなんて思わないけれど」
半ば、希望に近い言葉。もしも、外部からの攻撃で崩壊することがあるのなら。私への援助が途切れる事があるのなら
その不安はやっぱり、彼女の意識の奥へと残り続ける
「ふふ、そうかな?むしろそう見るのが普通だと思うけど
だからきちんと確かめるね。あなたにとって、必要なように」
そこからマッサージは始まった
全身を探る様に手を這わせコンディションを把握
後に重点的な調整が加えられていく。腕と足を、中心に
■メア > 「皆が皆、強いわけじゃないわ」
落第街にいるのは違反部活の所属員だけではない。
望まず道から外れてしまって、落第街で燻っている者も居る。
戦う力もなく嬲られたままの人間だって居る。
足繁く通っていたメアは、知っていた。
「んん、これ、思ったより心地良いわね」
身体を解されていき、感想を述べる。それは、最初に通った時と、同じ反応だ。
■『調香師』 > 「本当に弱いだけだとしたら、あの街では搾取されるだけ
弱いと思う人は、弱いと思わせてる人
...あなたみたいに。どこか強かでないと生きられない世界の話」
腕も、脚も。普段通りに出来ている筈だ
感情ではなく習慣化された動きに身を任せる
初めてじゃなくてよかった。その手つきは『知り過ぎていた』のかもしれないが
反応は初めてのまま。思ったよりも、私って未熟だったのかな?
と。そんな風に思考を他所にやって稼ぐ時間ももうおしまい
私はこれから、彼女に『酷い事』をする。その為に貴女から大事な思い出を消した
マッサージを止めた彼女の手には、小ぶりなナイフ
■メア > 「…だれも弱いだなんて言ってないわよ。でも、あんな事に…戦争に耐えられない人だって居るのも事実よ」
言って、見て、知ったからこその断言。
多くの人は食料に困っていた。生活の下地が破壊されて身寄りを無くしていた。
奪うものがいれば、窮する者が居るのは当然の話。
「それにしても、良い腕ねぇ…解されてるのがすごくわかる…あら?もう終わりかしら?」
手を止められた事に疑問を抱きつつも、警戒心は全く無い。
無防備な背中が、そこにある。
■『調香師』 > 返事はない。ただゆっくり
近付けた刃は背中...ではなく
そうだ。貴女が気になっていたその『腕』に
その皮膚に切れ込みを入れる為、ナイフは当てられた
繊維を断つ滑らかな音がする。内部を傷付けない繊細な動作を
彼女は今ここで成していた。貴女がどう思うかを、その一切考慮せずに