2024/06/08 のログ
ご案内:「【常世島の現在】」に六月の常世島さんが現れました。
六月の常世島 >  
 六月は学園としての恒例公式行事が行われない月である。
 その分、勉学や委員会・部活の活動に注力できる――そのように語る者もいる。しかしながら、それはあくまで理想にすぎない。むしろ、公的なイベントがない時期であるからこそ、羽目を外す者も少なくない。学生であれ、教員ほか職員であれ、それは変わらない。
 授業終了後、歓楽街・常世渋谷に足を運ぶ学生の数は普段よりも増えている。常世学園に決まった入学時期が存在しているわけではないが、日本国出身の学生などは母国の習慣に基いて、四月に入学するものも多い。
 故に、六月となれば、新入生も、《大変容》後の特異点とも言えるこの学園に多少なりとも慣れ始めてくる頃である。警戒心が弛緩する者もおり、つい落第街へと足を運んでトラブルに巻き込まれる者も少なくない。暗部と呼ばれる場所を覗きたいという気持ちを持つものは、いつの時代にも存在するのである。
 当然ながら、風紀委員会などの各種委員会が解決に動くため、彼ら――無論、全ての委員というわけではない。多忙ではない者もいるだろう――の仕事が増える時期でもある。
 なお、選択する授業やカリキュラムによっては、六月に中間考査のようなものも行われる。ただし、学園全体としての試験は期末試験となるため、全ての授業において中間考査があるわけではない。

 常世島は亜熱帯に属するものの、基本的には日本本土と近い気候が保たれている。これは《大変容》の影響により海流等に変化があったためであると言われている(諸説あり)。常世島の夏は特に暑いものの、四季は明確に存在している。そして、常世島にも梅雨が存在する。
 常世島は日本本土の南方に位置するため、梅雨の時期は本土より早く始まり、早く終わる。
 屋内の活動を強いられる――場合もあるが、《大変容》以後に出現した様々な技術・《異能》・《魔術》などにより、雨を避ける方法は多様化している。そのため、屋外での活動が阻害されるとは限らない。梅雨とは言え、常世島に鎮座する神々、数多存在する精霊や養成の類の気まぐれにより、島の一部区画で梅雨とは思えないほどの快晴に恵まれることもある。
 とはいえ、全ての人間がその恩恵に預かることができるわけではなく、雨を憂鬱と思う者も少なくない。そのため、それらの憂鬱な人々の気持ちに感応して、低級の魑魅魍魎が活発化する時期でもある。《祭祀局》のほか、《風紀委員会》などの委員会の部署の内、霊的な問題を管轄する部署は多少忙しさが増す可能性がある。
 《異能》や異邦人故の体質により、梅雨の気候が心身に悪影響を与える可能性がある学生・教職員は、保健室に相談を行えば梅雨の影響を軽減することのできる魔導具等の類を無償で借りることが可能である。

◆コラム:落第街◆
 落第街などという街は存在していないというのが学園の見解である。《常世財団》は落第街への干渉をこれまで行ってくることはなかった。
 《常世財団》の力があれば落第街の問題は解決できるのではないかという疑念は当然生まれ得るものだが、《常世財団》は学園創立当初を除けば既に学園の直接の運営からは離れており、運営は学生たちに一任している。
 《常世財団》が落第街という存在に積極的な解決を行わないのは、「学園都市の問題はその主体である学生が解決しなければ意味がない」と捉えているためという説も存在する。後述する「大変容スラム」問題に対するモデルケースとして、《常世学園》そのものが解決を行い、その事例を世界に提示しなければならないのである。無論、それが《常世財団》の真意かどうかは不明ではあるものの、ある程度の説得力を与えている。
 存在しないと言われる落第街や二級学生であるが、現実としては存在しているため各種委員会などが対応を行っている。

 《大変容》以後、身寄りを失った者や難民、行き場のない異邦人、自らの能力故に現社会にいられなくなった者達などが集まって形成された「大変容スラム」と呼ばれるスラム街が、世界中の都市部周縁に出現し、《大変容》から数十年が経った今日おいてもなお、それらの問題は解決していない。落第街はそういった「大変容スラム」と完全に同種な存在ではないものの、「大変容スラム」としての一面も備えているといえるだろう。
 そういった「大変容スラム」出身でありながら、幸運にも《常世学園》に入学できた者たちもいる。真っ当な学園生活を送ることが出来るようになった者もいるが、表の世界に馴染めずに落第街に入ってしまう者、正規学生ではなく二級学生として騙されて入学させられた者などもおり、いまなお落第街の問題は解決していない。

 いつの時代・社会にも周縁部に位置する者たちが集まる街の類は存在した。それらを完全に消滅させることはおそらく不可能である。常世学園が一種の社会である以上、落第街という暗部が消え去ることもない――そのように冷淡に考えることも出来るが、少しでも状況をよくしようと活動する学生・教職員もおり、それによって救われた落第街の住人の例は学園創立当初以来絶えない。


【PL向け情報】
 梅雨の時期の告知になりますが、必ずしも雨の日としてロールプレイをして頂く必要はありません。六月下旬頃には常世島の梅雨が開けるということにはいたしますが、あくまでサイト内の時間によるものですので、現実世界のそれと明確にリンクさせる必要はありません。現実の六月中は梅雨期間として遊んでいただくことが可能です。
 中間考査についてはサイトの世界観としては特に想定しておりませんでしたが、授業やカリキュラムによってはそういったものが存在するということで、自由に描写していただいて構いません。

【今後の更新について】
 何かしらのイベントは考えたいと思っています。『日本書紀』皇極天皇紀に登場する「常世神」を元にした事件などを今のところ考えていますが、運営がストーリーを進行させていくようなものにはならないかもしれません。
 裏常世渋谷地下領域「黄泉比良坂」についても今後実装予定です。ただ、具体的な時期などについてはまだ申し上げられません。今しばらくお待ち下さい。
 サイト世界観リニューアルはしばらく先になると思います。リニューアルの目処が立った場合でも、すぐに実装するわけではありませんので、引き続き今のロールプレイをお楽しみいただければと思います。

ご案内:「【常世島の現在】」から六月の常世島さんが去りました。
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