2024/10/18 のログ
ご案内:「【常世島の現在】」にイベント予告:「トコヨ・ハロウィン・ナイト」さんが現れました。
イベント予告:「トコヨ・ハロウィン・ナイト」 >  
 
【イベント予告】「トコヨ・ハロウィン・ナイト」

 ハロウィン――
 10月の最後の日に行われる「地球」の祭である。
 古の「ケルト」の祭であるサムハイン祭を原型の一つとすると考えられており、彼らの暦では10月31日が1年の最後の日であったという。
 死者の魂が家に帰るとも、秋の収穫を祝う祭りであるとも、悪霊などを追い出す祭りであるなどとも言われ、仮装をして行列を作るなどの行為も行われたという。
 キリスト教に取り込まれてからは、ハロウィンは万聖節(諸聖人の日)の前夜として位置づけられ、世界に広がってからは子供のための祭りなどに変遷していったとされる。
 現在のような大規模なイベントとして確立したのはアメリカ合衆国においてであったとされる。
 アイルランド移民たちにより19世紀にアメリカに渡ったハロウィンは、100年以上の時を経て大いに変容し、1990年代にヨーロッパに「再輸入」された。故に、その形態も機能も、かつてのヨーロッパのハロウィンとは異なっていた。
 そして、新世紀の幕開けの《大変容》を経て、「ケルト」の復古あるいは新生により、ハロウィンは古にして新しき祭として「復活」を遂げたのである。

 旧世紀の日本においてそうであったように、現代の常世島においても、西洋の習俗や各々の信仰の別に関わらず、広く開かれたイベントとして知られている。
 もちろん、《魔術》や「神々」が復活を遂げた《大変容》以後の世界では、本来的なハロウィンやサムハイン祭を再現しようとする者たちも多くおり、西欧諸国ではヴァルプルギスの夜などと共にキリスト教改宗以前の祭り(キリスト教の側から言えば「異教的な」)が復古を果たしている(いわゆる復興異教主義(ネオペイガニズム)である)。
 常世島でも、《祭祀局》のドルイドたちによる復古的なサムハイン祭が行われているものの、一般的な学生の認識からすれば、仮装などを楽しむイベントとして捉えられる。
 学生たちの「トリック・オア・トリート」の声が響く頃、学生街・歓楽街・常世渋谷などはカボチャのランタンやカボチャの意匠の様々な飾りで彩られる。
 文化的な違いによる悲劇が起こらないよう、こういった「地球」の年中行事についても《異邦人》たちには広く伝えられており、常世島で暮らす一般の異邦人であれば、ハロウィンについての知識を持っていることは珍しくない。

 イベントとしてのハロウィンでは、旧世紀において魔女や怪物・モンスターなどに扮することが多く行われたが、《大変容》以後の世界ではある程度の――つまり、神経質になりすぎる必要はないということである――配慮が求められるであろう。なぜならば、「魔女」や「吸血鬼」、「ゾンビ」なども現実の存在であり、国や地域によって程度の差はあれ、一人の「人権」をもった「人」として認識される傾向にある(あるいはそうでなくてはならないと主張されている)からである。
 それらを「怪物」「化物」などとして表現し仮装することは差別を助長する――そういう意見も確かにある。
 だが、それはそれとして、かつての「地球」の祭り、習俗であるということも尊重されなければならない。常世島に多くいる様々な種族や霊的存在の学生・教員、異邦人もそれは心得ているのが普通であり、現在では人種・種族・信仰・世界などを問わずに共に楽しむイベントとしてハロウィンは確立されている。異邦人の多くは、それが差別的な表現を意図したものでないことを理解していることだろう。
 「怪物」「化物」に扮するというよりは、様々な仮装を行う祭りとしての認識が浸透していると言える。

 ハロウィンの前後は、学生街では有志による仮装イベントやコンテストなども行われており、常世渋谷は人で溢れかえるのが風物詩となっている。
 また、毎夜ハロウィン・パレードが式典委員会や有志などによって決行されており、様々な仮装に身を包んだ学生や教職員などの姿を見ることが出来るだろう。
 常世渋谷では、ハロウィンの歴史的なイメージが具現化したような敵性的な《怪異》が出没する、一時的に異空間に迷い込むなどの現象も報告されており、風紀委員や祭祀局などの常世島の治安維持を担う組織が巡回を行っているが、物々しくなりすぎないようにという配慮もあり、仮装に紛れての警備なども珍しくない。
 人での多いイベントであるため、警備は厚い。人通りの多い場所などで悲劇的な事件が起こることはまずないが、人通りの少ない路地での戦闘や、大規模な人的被害などが出ない範囲での大捕物などはまま見られることでもある。

 今年は、常世神社への「田道間守命」の合祀を記念した「菓祖祭」が行われていることもあり、例年よりもハロウィン関連のイベントは更に大規模になっている。菓祖祭は、菓子の祖である田道間守を顕彰するための祭りであり、今まさに常世島は「菓子」で溢れているからである。
 信仰・宗教・伝統・人種・世界を越えたイベントとして常世島のハロウィンは成立している。混沌とも言えるが、《大変容》後の世界の調和のための鍵、「楽しむ」ということが全面に出されたイベントであると言えるだろう。


【PL向け情報】
 ハロウィンイベントとなります。
 色々と書いておりますが、深く考えすぎずに楽しいイベントとして遊んでいただくことももちろん可能です。
 なお、現実の10月31日に限定してロールプレイをして頂く必要はなく、「ハロウィン前後のイベント期間」あるいは「ハロウィン当日」として、任意の日時でハロウィンを演出していただいて構いません。
 
 上の設定を用いたり、サイトルールや他者へのマナーを逸脱しない範囲でハロウィンをご自由に演出していただければと思います。様々な部活・場所などでハロウィンにまつわるイベントなどが行われていることでしょう。
 また、コメディよりな大きめの騒動などの演出も無論していただいても構いません。島内の治安云々の話はあると思いますが、あまりその辺りを神経質に考えすぎる必要はないでしょう。
 何かしらの騒動があったとして、それは各種委員会に不手際があったなどという解釈はなされないものとします。その騒動について言及/認知をするかどうかは無論利用者それぞれの自由であり、判断に任されるものであるためです。常識やリアリティ・ラインは人それぞれです。まずは他者と楽しむことを前提としていただければ幸いです。
 ガイドラインもご参照ください。

 期間は長めに取っておりますので、ゆっくりとお楽しみください。

 《開催期間》
 10月20日(日)~11月3日(日)


※参考とした論考
ゴットフリート・コルフ編、河野眞訳「ヨーロッパ諸国のハロウィン」(『言語と文化 愛知大学語学教育研究室紀要』43、平成19年)
イベント文面作成の上で運営が参考にしたという表示ですので、利用者の方が読むことを求めているわけではありません。

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