学園地区の校舎群の一つ。様々な教室や研究室などがこの建物の中に設置されている。
外観としては現代的なビルのようなもの。
※それぞれの教室などの詳しい情景などはある程度自由にしてくださって構いません。
参加者(0):ROM(1)
Time:05:45:20 更新
ご案内:「第一教室棟 食堂」から青霧在さんが去りました。
■青霧在 > 更に掲示板をさかのぼると、似たような書き込みを見つけた。
こちらは直接関与したわけじゃないが、同僚が愚痴っていた記憶がある。
「なるほど、こういう形で広がるのか……」
常世神についての情報がどう広がるか、俺はよく知らなかった。
だがどうにも、掲示板などを介しても広がっているらしい。
楽観的な書き込みが多いのも、掲示板特有の匿名性や無責任な言動に紛れて印象操作を行っている可能性があるだろう。
それを確かめる術は無いが、可能性としては十分だろう。
「あとは資料で確認しよう」
何が常世神を神たらしめているのかは全く分からなかったが、信奉者は姑息な連中だということは分かった。
これからこんな奴らを相手に立ちまわるのかと思うと少々憂鬱だ。
そもそも捜査も神霊の類も今となっては畑違いなのだが……
「何がバレンタインチョコの分、だ」
溜息をつきながら立ち上がる。
手作り義理チョコを使って迫られたのは初めての経験だった。
悪態の一つでも吐いてしまいそうだ。
代わりにもう一度溜息をつきながら、トレーを返して食堂を去った。
―――申請しておいた資料を見に行って分かったことがある。
掲示板で見た情報は、アーカイブと資料に全て記されていた。
食堂での出来事は、一時的な知識欲を満たす為の行為以上の意味を持たなかった。
■青霧在 > 俺の知る常世神は願いをかなえるだけの存在では決してない。
掲示板でそれについて深く触れた言及が少ないという点は、注目すべきかもしれない。
「楽観的な書き込みならそれなりにあるな」
常世神関連のログの数はそれほど多くない。
速読が得意なことも相まって、数分で一か月ほど遡った。
そこで、興味深いスレッドを発見した。
「この時期……」
常世神信奉者の集会を行うという内容のスレが目に留まる。
内容は冗談めかされ、どことなく本気ではないジョークのように感じられるのだが……
「身に覚えがあるな」
この時期、常世神に関係する制圧任務があった記憶がある。
複数名の生徒が保護されると同時に、行方不明者も出ていた筈だ。
スレ内に書かれた座標や時間帯と実際の出来事には齟齬があるが、偶然の一致だろうか。
■青霧在 > 常世神とは、怪異である。
聞く限りではあるが、俺はそう考えている。
厄介な存在であることは把握しているが、怪異を逸脱することはないだろう。
しかしながら、神とされる。
何が常世神を神たらしめるのか。
それを今少しでも知る手掛かりが欲しくて掲示板なんてものを見た訳だが……
「アテが外れたか」
一週間程度までさかのぼって目を通したがロクな情報はなかった。
そもそもその殆どは情報というにはあまりにも足りないものでしかない。
ただ分かったことは、常世神は願いをかなえる存在であるということ。
ただ、そんなことは俺も知っていた。
■青霧在 > 昼食時を外していてよかった。
混雑の中で神について考え込むのは些か異常に思える。
30秒程度で巡らない思索を切り上げ、オモイカネを取り出す。
答えが出ないとわかった問いを繰り返し自問自答する程、無駄なことはない。
ブラウザを開いて常世島についての噂話が集う掲示板を開く。
俺は噂話が嫌いだ。
それは変わらないが、噂話からしか得られない実態というのも存在する。
《常世神》
俺はその三文字を打ち込み、検索をかけた。
頼まれごとというのもこれの絡みだ。
厄介なことを頼まれてしまったものだ。
■青霧在 > 間食にうってつけの時間帯。
遅めの昼食を済ませに訪れた食堂で思索に耽る。
「神ってなんだ……?」
俺は神頼みはしない。しても無駄だからだ。
しかし神はいる。俺たちの日常にもまぎれ込んでいる。
俺が頼らないような神々を信奉する人間も数多いる。
神は存在し、実在する。
それはこの世界においては普遍的なことだろう。
「しかし……統一性がない……」
神という属性に対して通せる筋が見つからず、唸る。
神とは何なのか。
考えたことなどなかった。
今だって、あんな頼まれごとをしなければ考えもしなかっただろう。
「宗教家にでも聞けばいいのか……?」
腕を組み、視線をカレーが入っていた器に落とした。
ご案内:「第一教室棟 食堂」に青霧在さんが現れました。
ご案内:「第一教室棟 食堂」から青霧在さんが去りました。
ご案内:「第一教室棟 食堂」に青霧在さんが現れました。
ご案内:「第一教室棟 ロビー」からセロさんが去りました。
■セロ >
その日は悪戦苦闘しながら日が落ちるまで勉強に費やした。
ふ、不安だ。
この世界のルールを知れるだろうか。
■セロ >
しかし、覚えなければならない。
勉強は。しなくては。ならない。
学籍を得たいのに勉強する気がないなんて。
そんなのは文明人ではない。
交差点の手前から30メートル以内の場所は駐車も停車も禁止されている!
これはマル!! だって巻き込んだりしたら危ないし!!
答えはバツ!! 禁止されているのは5メートル以内!!
黄色の灯火の信号に対面する場合、車や路面電車や歩行者は他の交通に注意して進むことができる!
わかんない! マル!!
答えはバツ!! 黄色の灯火が点滅の場合にはマルだけど灯火の場合はバツ!!
路面が水で覆われているとき高速走行をすると、
タイヤが水の膜の上を滑走することがあるが、これをフェード現象という!!
知らないよおおおおおおおおおおおおおぉぉ!!!
もうダメです。おしまいです。
簡単な教本も理解できない死神なんていません。
私は完全に折れてしまいました。
■セロ >
夕暮れ。外はカラスが鳴いている。
私も泣きたい。
何故、この世界は斯様に複雑にできているのだ。
大いなる自然の息吹に抱かれていた佳き時代よ。
私は負けた。
この本に……負けたんだ。
■セロ >
こ、こんなことで……こんなことで負けられない…!
私は死神セロだ、決して初心者向けの本に負けるわけには…!!
いかないんだぁ!!
問四。通行止めの標識があるところでは車や自転車、歩行者のすべてが通行できない。マルかバツか。
フフフ……ふははは!!
いや……強敵だったよ、お前は…ははは。
だが私の背にあるものを見誤ったな!!
翼で飛行すればそんな標識、関係あるものか!!
答えはバツ!!
答えは……マル。
必ず止まりましょう。
宇宙が広がった。
■セロ >
なるほど……そういうことか。
これは私の常識を問うためにわざと引っかけ問題を出しているのだ。
これで悔しい思いをすれば簡単に忘れまいと。
こんなことで挫けたらニュープロヴィデンスのみんなに笑われてしまう。
私は精一杯ここで生きて、いつか元の世界に戻るんだ。
問三。青色信号の場合すべての車は直進し、左折し、右折することができる。マルかバツか。
ふふふ……今度こそマルだ。
三連続でバツにしようとして私を謀ろうとする線は薄い。
このモルテの死神セロ、決して御しやすい阿呆ではない。
青信号である限り、全ての車は進める!!
間違いない!! マル!!
答えは……バツ。
原動機付き自転車は二段階右折をする必要があります。
グニャリ、と背景の空間が歪んだ。気がした。
頭痛がする……この本には悪意が込められている…