2024/05/30 のログ
ご案内:「第一教室棟 屋上」にジャスパーさんが現れました。
ジャスパー > >
「はぁーー……」

放課後、学園の屋上…
柵に身を預けてため息を吐く少年の姿があった
先日の…<古書店街にてグラビア本を持って女子生徒を追いかけた事件>で先生にそれなりに叱られたのだ

結構な人数に見られており、平謝りを繰り返すことになった上お宝は一時没収された
理不尽でもなんでもなく完全に自分が悪いため…怒りも何もなく、ただ落ち込んでいた
もちろん、先生に怒られたこともそうだが…

(悪いことしちまったぜ…)

きっとあの女子生徒…紬と名乗ったあのかわいい子は別の本のことを言っていたのだ
なのにエロを押し付けるなんて、俺は何て大罪を犯してしまったのか
趣味の押し付けほど萎えるものはないし、ましてや女子ならとても恥ずかしい思いをさせてしまったことだろう

(…そういえば風紀って言ってたな…。俺の学生生活、終わりかもしれない…
今のうちにお宝を仲間に譲っておこうかな…)

グッバイ常世学園。ありがとう
そんな思いを抱きながらぼーっと空を眺めている
気分はしなしなのジャスパー。略してしなパーだ

(……あ、あの雲、女豹のポーズみたいだ……)

それでもこんな妄想が浮かぶのだから、筋金入りの馬鹿である
傍から見れば黄昏ている美男子であるのが更に質が悪い…

ご案内:「第一教室棟 屋上」に桜 緋彩さんが現れました。
桜 緋彩 >  
がちゃり、と音を立てて開かれる屋上のドア。
女子生徒が姿を現し、辺りをキョロキョロと見回して。

「――すみません、あなた様がジャスパーどのでございますか!?」

柵にもたれ掛かる金髪の少年に大声で呼びかける。
手には紙袋、と言うかそれなりに大きな封筒。
ちょうど雑誌が一冊入っているような大きさと厚さである。

ジャスパー > 「んえ?」

かなりぼーっとしていたため、声をかけられると間抜けな声が漏れてしまった
無警戒に声の方向に顔だけ向けて

(――かわいい……
ミニ系グラドルってよく見るけど、あれ結構不自然に加工されてたりするんだよな
けれど今目の前にあるのはリアル。ポニテ最高!)

先ほどまでの不安はどこへやら
一瞬で煩悩に支配されたが、とりあえず返答しなければいけないと咳払い

「んん。あ、はい。俺がジャスパーですけど……えーっと?ど、どういったご用件でしょーカ……」

先生がそういった封筒を持ってきたなら何かしら想像がついただろうが
可愛い女の子が持った時点で…

(ま、まさか…退学の薦めみたいな……死刑宣告書…!?
同意を取るためにあんな分厚いのか…。そうか…)

内心はかなりおっかなびっくりである
とりあえず向き直って、緊張のあまりカタコトで返答する

桜 緋彩 >  
彼がジャスパーだとわかると、少し安堵した顔。

「教室におられなかったもので、だいぶ走り回りました」

小走りで彼に近寄る。
言葉通り教室棟の中をあちこち走り回っていたので、うっすら汗がにじんでいる。

「こちら、先生から預かってまいりました。なんでも返すものだとかなんとか……」

手に持った封筒を彼に差し出して。
受け取れば、厚さ、サイズ、その他もろもろ。
彼が覚えていれば、先日買ったそれだとわかるだろう。
手に持ったまま女子生徒を追いかけ回した例のアレ。

ジャスパー > >
「え、あ。それは申し訳ない…!
というか放課後なのに探し回ってたって…あの、別に明日でもよかったよーな…!
あああごめん、そんな汗かいて、俺が教室で寝てなかったのが悪いんだ!」

(こんな美少女を走りまわせるなんて俺はまた大罪を犯してしまった
今すぐ俺の異能、相手を全回復させる異能とかにならないかな…)

焦りながら慌てて手をぶんぶんするも、そんな異能が目覚めるわけもなく
だが、差し出された封筒をよくよく見てみれば虹色の脳細胞に語り掛けるものがあり…

「――――――――!!」

(あの先生!何考えてるんだ!中身わかってんだろ!?なんで女子に渡す!?)

普段人を恨まない男だが、一瞬だけ先生を恨んだ
慌てて受け取って、ばっと胸に抱いて隠す

「あ、あー……中身とか、聞いた…?」

一応聞いておこう。一応

桜 緋彩 >  
「お気になさらず!! むしろいい準備運動になりましたのでちょうどよかったです!」

どうせこの後鍛錬をするのだ。
なんなら訓練施設までいつも走って行っているし。
ぐっとガッツポーズをして爽やかな笑顔。

「? はい、まぁ」

彼から一時没収していた雑誌、と言うことは聞いている。
なので「中身について聞いているか」と言う問いに対しては「YES」と言う返事になる。

ジャスパー > 「かわいい」
(かわいい)

心の声が一致してしまった
爽やか笑顔が、疲れた心にあまりにもまぶしい、が…

「――――――――――――――――――――――」

終わった。今度こそ
学園内で生徒に知られるのは二人目
しかもどちらも女子
例え退学にならなくても風評は最悪になることだろう。
普段の素行から、もう最悪だろうが

後、勘違いはすまい
女子はこういうものに耐性は無く、ただこの子も耐えているだけなのだ

「―――あのセンコー、許さねえ………」

そうなると湧き上がるのは怒り
こんなかわいい子にセクハラしやがって。知ってるか、同性だとしてもセクハラは成立する

「ごめんね、えーっと…名前聞いていい?
…君を辱めた先生は成敗してから、俺はこの学園を去るから…」

滅茶苦茶に覚悟が決まった顔で、名前を聞こうとする

桜 緋彩 >  
「――あ、りがとう、ございます」

急にかわいいと言われた。
咄嗟にどう反応していいかわからず、とりあえずお礼を言っておこう。

「あ、これは申し遅れました、三年生の桜緋彩と申します。風紀委員をさせていただいております故、何かお困りごと等ございましたら気軽にお声掛け頂ければ」

背筋を正してびしっと礼。
したところでふと気づいた。
学園を? 去る??

「はずかしめ……? ジャスパーどのとは初対面ですので、特に何かされたと言うわけでもございませんが???」

頭の上にはてなが三つぐらい浮かんでいる。

ジャスパー > かわいいと言ったり急に絶望したり
テンションの乱高下が激しい男子である
お礼を言われたらどうしたらいいかわからないため、こちらもとりあえず自己紹介を受けよう

「サクラ ヒイロちゃんね。俺は…あー、知ってるかもだけど一応!ジャスパー・エヴァンズ!よろしくぅ!

…………というか、君も風紀委員なのか………」

これ、どちらにしても詰んでないか?
風紀の中でただのセクハラ男子として知られていきそうだ

という思いはさておき

(これは…また何か、勘違いしているのか…?)

学習はする男。
相手の態度から、何か違和感を感じ取っていく

「え、えーっと…この中身が…どういう本か教えてもらった…んだよ、ね?
それで先生にわざわざ頼まれたんじゃない…んですか?」

三年生であることが今更脳内に到達して、急に敬語になりつつ事実確認をする

桜 緋彩 >  
「君も、と言いますと、他にも風紀委員の知り合いが?」

どうやら結構風紀委員に縁のある男子らしい。
とは言え特に要注意人物として名前が挙がっているわけではないので、そこまでやんちゃと言うわけでもなさそうだ。

「はぁ、雑誌、とは聞いておりますが。先生から「急用が入って今日中に返却出来ないので渡しておいてほしい」と、ジャスパーどのの名前とクラスを伝えられまして――ははぁ、なるほど」

彼のコロコロ変わる顔色に、はてなマークを十個ほど浮かべていたが、ひらめく。

「安心してください、封筒の中身は見ておりません故!! 他人の持ち物を勝手に覗き見るような真似は誓って致しませんとも!!」

どん、と拳で胸を叩く。
しかし直後に一歩踏み込み、人差し指を立てた右手を彼の眼の前に持っていく。

「しかし学校にそう言ったものを持ちこむと言うのは頂けませんね! そこでどうでしょう! 身体を動かして行き場のないそう言った感情を発散すると言うのは!」

そして抜け目なく勧誘。
にんまり。

ジャスパー > 「あ、あーうん。まあ同じ風紀なら言っていいか…
この前、紬ちゃんって子に迷惑かけちゃってさ…また謝らなきゃなーって」

細かいところまでは言わずに軽く事情を説明する
もしかしたら知られているかもしれないが
そして男にとって、すごくありがたい情報が開示された

「よ、よかった~~~~~………!
そ、そう。見られたら困るモノだったからさ、ありがとう…って、え?」

とりあえず、最大の危機は逃れられた
身体を折りたたんで安堵するが、その直後

(やっぱりバレてる!?―――こ、これは…脅し…!?
…風紀に広められたくなかったら、肉体労働をしろ、と…!?)

見られてはいないが察せられてしまったか
ならば、この言葉は明らかな恐喝…!く、かわいい顔で…!
だが……

「―――望むところだぜヒイロちゃん。どんな運動も受け入れてやろう
こう見えて、そ・こ・そ・こ、やるからな!」

これは…チャンスだ
身体を動かして、しかも俺を探していたのが準備運動とくれば
この子もほぼ一緒に運動するだろう
つまりは……そのグンバツのスタイルを間近で観察できる…ということ!
他の勇者たちへの土産話ができる!

興奮から、また敬語を忘れて親指を立ててアピールしつつ

「さ、案内してくれヒイロちゃんっ」

桜 緋彩 >  
「紬どの……なるほど、お会いしたらお伝えしておきますね」

名前を聞いて多分この人かな、と言うのは出てくる。
が、彼の言っている「紬」と自分が知っている「紬」が同じ人物とも限らない。
とりあえず今度会ったら彼の名前を出して、そうだったら伝えておこう、と。

「おっ、やる気でございますねジャスパーどの! 頼もしい限りでございます!」

バシン、と掌を合わせる。
運動は苦手とか疲れるとか、そう言う人は多い。
人それぞれなのでそれは仕方ないのだが、こうして身体を動かすことに抵抗がない人と会うと結構嬉しかったりする。

「では訓練施設までまいりましょう。十キロほど走りますが、ほんの三十分と少しです、身体を温めがてらまいりましょう!」

その場にしゃがみ込み、その状態で片足を横へ伸ばす。
両脚キッチリストレッチしながら、片道十キロを三十分強で走るぞ、と。
自転車並の速度である。

ジャスパー > 「あ、いや。謝るのは自分でするよ。ダサいだろ?、ありがと
あーその、俺が探してたって言ってくれるくらいでいいかなっ」

自分が迷惑かけたのだ。自分が謝罪をきちんとしないといけないだろう
けれどその手伝いくらいは頼んでもいいかな、と。

「へへ、何なら君の隣につい……ん?」

(おや、俺の耳もついに腐ったか。10キロを30分って言った?
…気のせいだよな、きっと!)

「ヨシ!いいぜ!俺の俊足にびっくりするなよ、ヒイロちゃん!」

ぐー、と身体を伸ばし
そして両足を伸ばして曲げて準備運動
当然ついていけるはずもないのだが…根性で、5キロ地点までは彼女についていった。

その後、彼の姿は見えなくなっていたことだろう――彼女が立ち止まらなければ、だが

桜 緋彩 >  
「かしこまりました、では探していた、とだけお伝えしておきます」

相手の方も名前だけ伝えられても困るだろう。
であればそう言う風にだけ伝えておいた方がいい。

「これはまた頼もしいですね! それではまいりましょう!!」

そう言って屋上から走り出す。
途中でへばった彼に気付かない、なんてことは勿論しない。
立ち止まりそうな彼の横でひたすら暑苦しく声をかけ続けた。
その間自分が立ち止まることはなく、彼の周りをぐるぐる回ったりもも上げを続けていたり。
訓練施設に着いたら着いたで休憩もそこそこ、今度は木刀を持たせ、ひたすら自身へ木刀を撃ちこませ続ける、と言う徹底っぷり。
勿論本当に限界になったら休ませ多だろうけれど、どちらにせよ自身は彼より遥かに長い時間動き続けていたとかなんとか。

ジャスパー > 「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ…!!」

息も絶え絶え
目の前はくらくらするし、もう倒れてしまいたい
だが視線をあげれば、優しい女子が自分を励ましてくれる

――しなやかな…カモシカのような脚!!
――揺れる――胸!!

それ以上の応援が、男にあるか。いやない
体力はとっくに限界を迎えても、精神力が彼を奮い立たせる

「オ、オオオオオオオ……!!!」

そうしてそのまま訓練施設へ着けば、次は何故か木刀を振り回して女子に打ち込むという訓練
バトル漫画さながらの声をあげながら打ち込み続ける男
それもそのはず…打ち込めばまた、その衝撃によって………揺れる!!!

一心不乱に、例え弱くても打ち込み続ける
目は血走り、鬼気迫る視線が向けられたことだろう





次の日、彼は学校を休んだ
全身の筋肉痛で、動けなかったのだ――

ご案内:「第一教室棟 屋上」から桜 緋彩さんが去りました。
ご案内:「第一教室棟 屋上」からジャスパーさんが去りました。