2024/06/21 のログ
ご案内:「第一教室棟 ロビー」に蘇芳 那由他さんが現れました。
■蘇芳 那由他 > 紅い鮫…もとい【紅き屍骸】という怪異との戦闘から凡そ一週間が経過した。
思ったより回復は順調であり、条件付きの仮退院、ではあるが許可が下りた。
ただ、怪我は完全には治りきっておらず、あちこちに包帯が巻かれている。
「……疲れたぁ。風紀の人から事情を聞かれるとは思ってたけど…。」
そう、先ほどはちょっと風紀委員会に事情を聞かれていたのだ。
何せ、凡人程度の戦闘力しかない少年が特級の怪異を退けた、ともなれば。
流石に【死神の神器】については語っていないが、終始変な目で見られていた気がする。
(…ほぼ【破邪の戦槍】のお陰で、僕自身は大して何も出来てないんだけど。)
聴取が終わった現在、ロビーにあるソファーで少々ぐったり気味だ。地味に緊張したし。
■蘇芳 那由他 > 「……まぁ、僕みたいな凡人には荷が重すぎるよね。」
槍はあれど、あくまでアレは武器であり独自の意志がある。
少年は所有者ではあるが、使い手というレベルには至っていない。
少年には異能も、魔術も、武芸も、知識も何にもない。
だからこそ、聴取していた風紀委員の人達も訝し気な目で見ていたのだろうが。
「…とはいえ、凡人にもやっぱり意地はあるよなぁ。」
もう二度と会いたくないが、仮にまたあの【紅い鮫】と遭遇してしまったら。
――その時は、今度こそ自分が…。
「…うん、駄目駄目。男の子の意地だけで勝てる相手じゃないんだし。」
自分を戒めるように額を軽くピシャッと叩いて嘆息。
あの時気付いたけど、僕は意外と負けず嫌いな所もあったようだ。
■蘇芳 那由他 > (っていうか、そろそろ本気で何とかしないと方向音痴で死にかねないな僕…。)
あの時、落第街にそもそも迷い込まなければ死ぬような目にも遭わなかっただろう。
少年は別に行きたくてあそこに出向いたのではない。ただの迷子の結果だ。
「…ナビがあっても、何故か偶に全然違う場所に行ってるんだよね…。」
怪奇現象かな?単に僕が致命的な機械音痴…いや、家電とか普通に使えるから違うか。
ロビーの自販機で先ほど購入したお茶をちびちびと飲みながら悩みは尽きぬ。
■蘇芳 那由他 > 「…普通に暮らすのって意外と難しい事なのかな。」
ぽつり、と呟く言葉に満足な答えなんて帰ってこない事は分かりきっているけど。
刺激を求めるのも良い、危険に飛び込むのも良い、非日常に憧れるのも良い。けれど…
(そりゃ、人によって基準点は違うだろうけど。普通って大事だと思うんだよなぁ。)
それが当たり前で退屈しかないとしても。少なくともそんな普通は僕は歓迎だ。
友達が欲しい、馬鹿な話をして笑い合いたい、勉学に四苦八苦して、そして…
”夢”を持ちたい。今はまだ空っぽのスカスカの僕であるけれど。
■蘇芳 那由他 > 「まぁ、夢を語る前にまずは足元をしっかりしないとね。」
僕はまだ何もしていないようなものだから。
だからこそ歯痒い。何かをしたい、なら何をしたい?
自問自答のそれに対する明確な答えを少年はまだ持たない。
あと、一番酷い腕の怪我のせいでお茶を持っているだけで腕がプルプルする。非力…!!
■蘇芳 那由他 > 「…やっぱりもうちょっと、こう…鍛えないと駄目かもしれない気がしてきた。」
非力というより腕の怪我のせいなのだが、それはそれとして。
ムキムキは無理ゲーが過ぎるので、せめて細マッチョ…それも高望みか。
うん、程々でいいから筋肉を付けていきたい…。
■蘇芳 那由他 > 「…よし、休憩終わり…と。遅れた分の勉強もあるし。」
週末なのにちょっと憂鬱だけどしょうがない。
お茶の残りを飲み干せば、きちんとペットボトルのごみ箱に捨てて。
ソファーから立ち上がりつつ、少し重い体を引き摺るような歩き方で少年はロビーを後にする。
ご案内:「第一教室棟 ロビー」から蘇芳 那由他さんが去りました。