2024/07/01 のログ
ご案内:「第一教室棟 屋上」に先生 手紙さんが現れました。
■先生 手紙 >
期末試験1日目終了ッッおめでとう諸君ッッ
明日からも頑張ろうなッッ
■先生 手紙 >
――と。声に出して言いそうなほど、ガクセーさんは束の間の解放感に浸っていた。
ほら見てごらん。お天道様も過酷を逸した学生を祝福s
■ゲリラ梅雨 > ざぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
■先生 手紙 >
「あああああああああ」
一瞬でズブ濡れであった。
なに?そういう魔術が天文部あたりで発動したの?
思わず両手を広げる。
「あっだめだこれ脱獄モノの名作ジャケになっちゃう」
【本日の空模様は曇り時々晴れ。ところにより一時強い雨が降るでしょう。】
そっスねオモイカネ8。そのアナウンスあと一分早く欲しかった。
ご案内:「第一教室棟 屋上」にDr.イーリスさんが現れました。
■先生 手紙 >
すごすごと階段に続く扉の下に避難する。
くそう。まあ最近暑かったしいーけどさー別に!誰とも会う予定今日はないし!
まァいいや上抜いじゃお。どうせ誰も来ないでしょ。
言うが早いか(言ってない)上着を脱いで、肌に張り付くシャツも脱ぎ、もっと張り付くTシャツも脱いだ。結構な重みがあった。
屋上とワイシャツとおれ。ぜんぶ濡れたわ。
■先生 手紙 >
誰か来たわ。
こんな早ェフラグ回収初めてだわ。
■Dr.イーリス > 突然降り注ぐ雨。
誰か来た、ところがどっこい。
屋上には、雨に濡れても動かない、気配が消えているような沈んだ一団の姿もあった。
「終わった……。終わりました……。はは……」
ベンチに腰を下ろして、口から魂が抜けているイーリス。
不良A「ノオオオオオオ! 答案用紙に、何書いたらいいか分からなかったぜ……!」
不良B「くそっ……。アホですいやせん……」
不良C「もう無理……死ぬ……」
不良達は頭を抱えていたり、地面に蹲ったりして、とにかくショックを受けていた。
大雨がより悲壮感漂う。
ショックで大雨の中でも動かない。
そんな時に、大雨が降って階段の方に戻っていく知り合いの姿が見えた。
「手紙さんではございませんか。ごきげんよう」
抜け出してる魂を一旦お口に戻して、色々脱いでいる手紙さんにお声がけした。
■先生 手紙 >
えっあっコレ駄目だった――マジの意味で落第生の一団だったンか。
あまりにも動きが無さすぎて生活委員会あたりが屋上に設置したオブジェか何かだと思ってたわ。
「あらやだイーリスちゃん。こんな格好でゴメンねェ」
恥じらうべきだろうか。いやどっちかっていうと濡れネズミを続行している彼女の方を心配するべきだろう。
「おーい。そこ濡れちゃうだろー。すげえ遅いけどこっちの方がマシだぜェー。っていうか大丈夫?いちおう魔術科入ってるから口から何か半透明のイーリスちゃん出かかってたけど」
■Dr.イーリス > 試験初日、だめすぎてしばらく屋上に設置されたオブジェクトのようになっていた、本来の意味に近い落第生なアホの不良達。
ついでに、イーリスの傍にはメカニカル・サイキッカーもいるけど、ずっとじっとしている無機質なアンドロイドに大雨が降り注ぎ、その濡れたボディに余計悲壮感が漂う。
「お気になさらずです。突然雨が降ってきましたからね。大丈夫かと言われれば……そうですね」
ベンチの上で、大雨が降るお空を仰ぐ。
「何もかも間違えて、大丈夫には程遠いです……。はい……。雨が心地いいですね。へくしゅ……」
小さく、くしゃみしてしまった。
ずぶ濡れなまま立ち上がり、手紙さんの方に歩いていく。
「手紙さんの方は、試験初日の手応えどうでしたか?」
小首を傾げた。
■先生 手紙 >
――彼らを見捨てないことは仕事だが。勉学方面で救うべきは自分ではない。そんな線引き。
そしてお隣のアンドロイドが、前回不在だったこの子の『相方』だろうか。精巧な人形を思わせるのは、傍に寄って来た少女も同じだが。
そして自慢ではないが対応力には自信がある。もとい、備えが良いとも。屋上に出たのは自分だけで、通学バッグは此処におきっぱだった。
――本当なら解放の喜びで屋上を一周して戻って来る予定だったけど一歩で頓挫する羽目になったからさ。怪我の功名ともいう。
「んー。三回もやってるからねェ。ボチボチですよ。そっちは……って聞かない方がいいヤツだなこれ」
言いながらバッグからタオルを取り出し、イーリスちゃんの頭に乗っけた。
「拭いとけ機械少女。それとも拭いてあげようか?」
先生手紙は線が細く見えるが頑強な方なので。自分よりも紳士ぶる方を今回は優先した。
■Dr.イーリス > 授業まともに出ず、しかも試験勉強とかやってないという文字通りの不良達。
もはや自業自得以外の何と言おうか。
「その余裕、試験のベテランは違いますね。はい……後生なので聞かないでください……」
タオルを頭に乗せてくれると、ほんのりと微笑む。
「ありがとうございます。自分で拭けます」
タオルで頭を拭いていく。
「それにしましても、本当に雨が突然降ってきましたね。答案用紙を白紙にさせまいと、試験時間いっぱい使ってお絵描きした罰があたったのかと思いましたよ。何も分からなかったお陰で、絵だけは力作になりました」
ちょっとドヤっとした顔で胸を張っていた。
不良達もせっせと屋根のある階段の方に走ってくる。
■先生 手紙 >
「早々に投げ出してンじゃねェよ」絵て。美術のお時間でしたか?
バッグから煙草を取り出す――これについては運が良かった、と言わざるを得ない。普段はポケットの中だ。たまさか新品をバッグに入れておいたゆえに、濡れることは無かったのだった。
「おーおー悪ガキ共も集まったか。センパイとしちゃインテリ不良を目指して欲しいもんだけどなァ。お説教は――センジョーじゃなくセンセーがするべきか」
言ったら聞く彼らだろうか。そういう不良たちのパーソナルを、先生手紙は知らない。ので一旦置いて、煙草を吸うことにします。
「…………無事でよかったよ。きちんと直ったみたいだし」
十全に守れなくてごめんね、と。遅れた謝罪を煙に混ぜて吐き出した。
■Dr.イーリス > 「う……。し、しかし、白紙よりは……芸術点が高い……と思います。芸術点加算して、100点満点になったりしないでしょうか」
あれは、良い絵が描けた。なにせ試験時間いっぱい絵に費やせた。
不良A「インテリ不良なら、姐さんが目指してくれるっすよ!」
不良B「姐さんは、俺等の頭脳っす! 俺等、力担当って事で……!」
「え……!? そこで私に振りますか……!?」
この試験ぼろぼろな流れで、インテリ不良とか突然振られてびくっとしている。
続く手紙さんの言葉に、イーリスはタオルで頬辺りを拭きながら目を細めた。
「はい……ありがとうございます。ご心配、おかけしました。手紙さんが隙をつくってくださったから紅い鮫を討滅する事ができました。今、私がこうして生きているのは手紙さんのお陰ですから、感謝しております」
■先生 手紙 >
「芸術点が加味されンのは芸術科目だけですゥー」
神ではないが儚い願望を打ち砕く現実を言葉にできる。というかしておくべきだろう。
このストリートチルドレンたち、生き抜くことにハングリーだが色々と考えが甘いな?
「……ふーっ。自身の無知を理解するのと、言い訳にするのはマジで天地ほどの違いがあるかンね。ちょっと担任ー。おれの仕事増やさないでェー」
姐さん、と呼ばれるイーリス。さておき彼らから見て自分はどういうポジションなのだろう。
「……ま、」紫煙。
「公共の安全、ってのがおれの指針でね。そこには学園の他に落第街も含めてンのよ。予後不良も無し?それなら大した技術と意地だね。あの手の怪異は関わらンのがベストなンだけど――そうも言ってらんないしねえ」
ああ、嫌だ嫌だ。と心底嫌そうに紫煙を吐きだすのでありました。
■Dr.イーリス > 「そんな……。追試、嫌です……。芸術点がなければ、どこで点数を稼げというのですか」
紅い鮫の感染を精神力のみで耐えたイーリスだったが、無慈悲な現実を目の前に双眸がちょっと潤む。
「それは……そうですね。言い訳せずに、試験結果はちゃんと受け止める覚悟をしなければいけませんね」
こくん、と手紙さんの言葉に頷いてみせる。
なお、『姐さんの命の恩人、だから自分達にとっても恩人』と、モブ不良達は思っているようだ。
「手紙さんの志、とても立派でございますね。そういった考えが、島の平和に繋がるのでしょう。予後不良となり得る要素はありましたが、負けないよう……飲み込まれないように、と気を張っておりました。あの時につけられた傷で得られたものもあります。なにせ、感染源の採取に成功しましたからね」
要は、感染に負けないよう頑張ったという事だ。そして、イーリスに感染しかかったという事は、修理の際に感染源を採取する機会もあったという事。
「まさに、私達にとっては住処があの怪異に襲われておりますからね。スラムや落第街の人にとっては、関わりたくなくても被害に遭う人が多いです。ただでさえ、スラムは貧困に苦しんでいますから……これ以上、被害を拡大させるわけにもいきません」
スラムの方に視線を移して。
■先生 手紙 >
…………。諭す言葉を出すのは簡単だ。だがそれが響かなければ、意味を為さない。
たっぷり一息。煙草が燃えて灰になる。紫煙を吐きだした。
「採取に成功した。つまりはアレの抗体ないし血清みたいものを作れるンだ?ただのメカ少女じゃないとはおもっていたけど、やるじゃん」
自身の脳ではそれができない。
「でも追試は受けときな。取りこぼしを拾えるチャンスが用意されてンのは贅沢だって、解ってンだろう?それに……検体から薬を作れたように、君にとっての難題を解くことは、楽しいンじゃあないのかねェ」
そんな言葉。
「あーね。君らは一目散に逃げるンだぞ」これは不良たちに。
「……で。おれとしては無い場所ではないあの裏街を騒がせてるアレは、やっぱり駆除したいンだよね。おれの身分で言うのもアレだが、『治安が悪い』はああであって欲しくないワケ。で、アレと何度かやり合って潰した結果、おれは相当、あの紅いのに恨まれてる。つまりは個体の認識をできるゾンビだっていうコト。感染した怪異が単騎で潰せたからって、他がどうかはわかんない。――で、たぶん。これは経験則ね」
イーリスの隣で座りこんで顔を見る。
「アレは、君のことも恨んでる。十分では足りない。十二分に気を付けた方がいい。殺傷行為による伝染性の怪異だけど、方向性が、あるンだよ」
殺意に。個体に。或いはその根源に、と。
■Dr.イーリス > 「感染源の解析から、不完全感染者ならば治療可能な薬液を作る事には成功しております。既に、多くの人を治療できておりますね。この治療により、感染拡大の抑止にも繋がります。お褒めいただきありがとうございます」
ぺこり、一礼した。
「……追試は、受けたいと思います。手紙さんの言うようにチャンスではありますからね……。しかし……です。試験勉強が楽しいなんて事はありません。私が好きなのは、やらされる試験勉強ではなく、自分で興味を抱いた事の実験や発明です」
イーリス的には、普段している実験や発明とやらされる試験とは違うらしい。
不良A「姐さんが紅い怪異をどうにかしようとしてるんで、俺達も手伝いたいんっすけどね」
不良B「住処を襲われてるっつーのは俺達も同じなわけっすよ。もちろん、逃げる時は逃げるっすけどね」
無茶なら逃げはする。だけど、不良達は不良達なりになんとかしたいと思っている様子。
「その通りです。ゾンビによるパンデミックが落第街やスラムの治安の悪さを狂った方向に捻じ曲げています」
手紙さんの推測をこくこく頷きながら、真剣な表情で聞く。
「個体の認識……それは察しがつきますね。紅いゾンビ、その全てがある程度意思疎通しているような……そう分析できますからね。この前一緒に戦っていて、紅い屍骸が手紙さんを恨んでいる事は想像できました……」
手紙さんが座り込んだ後に告げる言葉に、イーリスは数秒俯いた後、顔を上げて凛と頷いた。
「……そう、なりますよね。薄々、勘づいていました。次に、本格的に紅い怪異と接触した時に……あのゾンビは私にどうしてくるのか……と。一度は、この体を酷く痛めつけられました。怖くないわけではありません……。しかし、だからと言って、これ以上、紅い屍骸の被害を見過ごすわけにもいきません」
修理したばかりの右腕を左手でぎゅっと握りしめる。